ラング転生・残念話

Last-modified: 2018-09-05 (水) 19:51:11

最近になって今作を知ったという方に対しての『残念な』情報集。
知っていれば、ラング転生が更に100倍はガッカリゲーとして魅力的(?)に映る……
そんな情報ばかりを厳選して集めてみました。キミは、涙と笑い無しに読むことができるか。

なおこのページは、特定の個人を非難することを目的としてはおりません。

こ う き

製品発売の三ヶ月以上前、2015年4月4日20時に「新ラングリッサー始動」として、
公式宣伝番組がニコニコ動画で生放送された。その番組中にて、度々登場したフレーズ。

番組は、アンセル役・間島淳司氏が司会を務め、アレス役・森嶋秀太氏と、
シュゼット役・西田望見さん、そして開発PであるS氏が一緒に出演。
http://www.famitsu.com/news/201503/31075495.html

過去のラングシリーズを振り返りつつ、ラング転生の情報も公開していくというスタイルだったのだが、そこでS氏は二作目を「ラングリッサー~光輝(こうき)の末裔~」と紹介。……古参ファンの表情が一斉に引きつった瞬間であった。
それ以降も光輝(こうき)軍、光輝(こうき)ルートなど、徹底したこうき読みが続けられ、ちょっと言い間違えた…とかそんな感じは全く無く、フォローも一切無いまま番組が進行した。結局、番組終了まで10回以上もこうき読みが繰り返されるという事態に。

シリーズファンならば周知の通り、本来の読みはこうきではなく、光輝(ひかり)が正しい。
当時から関連書籍等ではルビが振られ、ゲーム内では台詞がボイス付きで流れることも多かったので、ある程度シリーズに触れていればこの件は間違えようがない。
それともあえて知っていた上で、今作は「こうき」に読みを改めたかったのだろうか?
なお、今作製品版で光輝がボイスで読まれる機会が無いため、今も正式にはどう読むか不明なままである。
何にせよ、シリーズファンが本件を好意的に捉えるのは難しいだろう。

他にも、微妙にそれ違うやろ…な発言も多かったのだが詳しい話は割愛。
あえてサンライズで例えるなら、新訳Ζガンダム発表~宣伝の場で、
「やっぱり『ゼットガンダム』は最高っすよね! 僕も昔からアニメ見てて大好きでした! でかくて!」
「でも、『ガンダムえむけー に』もイカしてますよね! さすがライバル機って感じで!」
みたいな発言が出てたような感じな。 …伝わりますでしょうか。

ちなみに、当時から本当にラングリッサーをプレイしていたという森嶋氏だけは、
番組最初のほうで「ひかり」と正しく読んでおり、さすが主人公の中の人と思わせてくれる。
後半では周りに合わせる形でこうき呼びしていたが、まぁそれは仕方ないか。
番組自体はそれなりに盛り上がり、YouTubeに転載もされているので興味のある方は探してみては。
声優三名の地声が、本編のキャラを演じているときの声とは似ても似つかない点も面白い。

今作では海地形が多い

上記番組でS氏が語っていた、ゲーム(ステージ)についての紹介である。
世界観として、世界が水没の危機にあるため、それを反映してステージも水に侵食されている場面が多い。よって、水兵も活かしやすい。
……という話だったのだが、製品版ではほんのちょっと水たまりがマップ端のほうにあったりするだけで、この話はまるで生かされていなかった。マップ担当との打ち合わせ不足だったのだろうか。やっぱり水兵は報われない…。

ひ ょ ん な こ と か ら

2015年4月9日、ニコニコ動画上での宣伝番組『くろにゅ~生放送』第25回で登場した一文。
スライドにて「あらすじ」が紹介され、全文を記すと以下のようになっていた。

  • 港湾都市ボルスレーヌに突如として攻めこんできた帝国軍。
  •      からくも生き残った青年アレスは、
  • ひょんなことから伝説の聖剣ラングリッサーを手に入れる。
  • 追撃する帝国軍から逃れながら、個性的な仲間達と出会い、
  •     やがて光と帝国、そして闇の勢力との
  •   覇権争いの渦中に身を投じることになるのである

3行目、改行後の文頭にもってきているので余計に目立つぞおい。
仮にも公式が使う宣伝文句としていかがなものか。もちろん各所ですごくネタにされた。

しかも製品版でもとある場所で、懲りずにこのひょんな一節が登場する。
あまりにネタにされたので開き直ったのか、もともとネタとして使いたかったのかは分からないが、
「こうき」と並びよく蔑称として使われてしまうことになってしまった。

鬼才カイエダヒロシ氏による 血の通った魅力あるキャラクターたち

かつて公式PDF資料や、公式サイトにでかでかと載っていた衝撃的な一文。

カイエダ氏のキャラデザ自体は、今作そのものにはマッチしているし
メイン立絵だけでも30種(表情差分込み)+告白CG28種と、旧作を凌ぐほどの物量を担当しており
間違いなく功労者なのだが、キャッチコピーとのミスマッチ感がいかんともし難い。
血の通ったってどういう感じなの…

ラングシリーズというとやはり1~5でメインのキャラデザを担当していた、うるし原智志氏のイメージが圧倒的に強く、キャラデザ担当者変更に批判的な想いを抱いていたファンも多かった中、上記の一文が飛び出してきたので余計にネタにされてしまった。

ちなみに『ラングリッサーミレニアム』など、キャラデザ担当者が変わった事例自体は過去に何度もある中、今作が槍玉に挙がったのは何故だろうか。
それはラング転生の立ち位置が、外伝色を薄め「正規シリーズ」(ナンバリング作)としての趣きが強い点にあり、
シリーズを復活させるならうるし原氏で!という声が多いのも仕方ないところなのである。

か わ い い

発売前日となる2015年7月22日、くろにゅ~を除くと
通算3回目となる公式宣伝番組がニコニコ動画で生放送された。
http://www.famitsu.com/cominy/?m=pc&a=page_h_event_detail&target_event_id=6873

これまでかたくなにスクショでしか紹介されてこなかった、あの戦闘アニメが
とうとう番組中に動画で初公開されたのだが、出演の某氏もこの生放送で初見だったのか
一目見て「えっ」ってなった後にすかさず言い直した感想がこの「かわいい」である。
ナイスフォロー。番組はリハーサルとか無しだったのだろうか…

クロスノーツ と エクストリーム

ラングシリーズは、もともと「日本コンピュータシステム」(NCS)という会社がゲームソフト事業の一環として、「メサイヤ」というブランド名で展開していたものである。
かつてゲームファンがよく耳にしていた「メサイヤ」は、実はゲーム会社名ではないのだ。

NCS自体は2016年現在も健在だが、ゲーム事業のほうはというと、2000年に終了してしまっている。
2000年以降にリリースされたメサイヤ関連作は、別会社が許諾を受けてリリースしたものに過ぎない。

その中でも有名なのが「クロスノーツ」という会社なのだが、
「クロスノーツ」の創設者である佐藤昌平氏は、もともとメサイヤ(NCS)スタッフの一員なのである。
佐藤昌平氏は「クロスノーツ」のあと、さらに「エクストリーム」を立ち上げており、現在の「エクストリーム」は上場を行うほどの規模と勢いをもっている。

「エクストリーム」社の公式サイトからダウンロード出来るIR資料等を参照すると、
以下のような略歴であることが分かる。

1996年
平成8年
佐藤昌平氏がNCSに入社、メサイヤ事業部長を担当(ラング3辺りの頃である)
2000年NCSがゲーム事業を終了
※2000年5月佐藤昌平氏がクロスノーツを設立(同社の代表取締役も務める)
2004年クロスノーツからPS2ヴァルケンのリメイクをリリース(担当のH氏がこれで悪い意味で有名に)
2005年5月佐藤昌平氏がエクストリームを設立(同氏、クロスノーツからは退く?)
2005年10月クロスノーツ開発で、PS2にラングリッサー3を移植(販売元はタイトー)
2007年エクストリームが、メサイヤブランド著作物の利用について
契約及び商品化権等における代理店契約を締結
2014年11月エクストリームが、メサイヤブランド関連の全ゲームの著作権を
譲受する契約を締結し、メサイヤゲームスを発足
http://www.masayagames.com/about
要は
、新メサイヤといったところ。
(佐藤昌平氏はエクストリームの
 代表取締役社長CEOに就任)
2015年7月エクストリームが、今作(ラング転生)をリリース
  • ※「彩京」社を吸収合併後に公式サイトでの設立が1992年に変更されたので、登記上では彩京に承継された形なのだろう

つまり、どういうことかというと…。
れっきとしたメサイヤゆかりの人物が、メサイヤ亡きあとクロスノーツを興し
関連作のリメイク等をNCSの許諾得て行うものの…いろいろあって上手くいかず、それでも
エクストリームを一から興し直して、今やメサイヤ関連作の全権利を手にしたということになる。

元NCS藤田雅也社長とのインタビュー記事はなかなか熱い。
http://www.langrisser.jp/special/special_s01_02.html
(なお佐藤氏が関わった北米版の話に出てくる、前に務めていた会社と北米版ラング1「Warsong」発売会社はサミー工業(現セガサミー)とその子会社Tercoのこと)

元を辿ればクロスノーツの設立から現在まで、ざっと15年以上も経過している。

エクストリームのほうはというと、今作以前はアプリなどブラウザゲームが主だったので
同社はコンシューマーゲームファンからの認知こそ薄いが、会社の規模自体は大きい。
http://www.e-xtreme.co.jp/company/history.html

メサイヤブランド復刻、完全新作の第一弾として今作が世にリリースされたことの意味合いがどれほどのものかお分かり頂けただろうか。
15年という時を経て~という今作のキャッチコピーには、佐藤氏の宿願も込められているのだろう。
ほんと、どうしてこうなった!!

2004年のPS2『重装騎兵ヴァルケン』の事例がある以上、クオリティチェックには念を入れて欲しかったが何ともままならないものである。
メサイヤ関連作としては、ガンホーより2009年に販売された『零・超兄貴』あたりが完成度的にもピーク(同作のスタッフロールではエクストリーム社の名前と参加スタッフが掲載されている)。

あの人はいま……!

クロスノーツ時代のPS2版『ラング3』、そして『リインカーネーション』の完成度を見るに、
どうにも当時のシリーズの中核を担っていた開発者達が参加しているという印象が薄い。

それもそのはず、まだNCSがゲーム事業を行っていた頃から、
主要開発スタッフの一部は「キャリアソフト」という会社を設立し、NCSから独立してしまっている。
ただし、サターン版の『ラング4』『ラング5』では、スタッフロールにその
キャリアソフトの名が開発会社として掲載されており、スタッフも多く被っているので
実質同じメンバーでの開発体制が『5』までずっと続いていたとも言える。

さらに紹介すると、『ラングリッサー 光輝の末裔』以降からは『ラング5』まで、
一貫して高田慎二郎氏がナンバリングタイトルのディレクターを務めていた。
そして氏もまた、キャリアソフト所属の独立組なのである。

ということは、クロスノーツからキャリアソフトに開発依頼でもすれば良かったのでは…
と思ってしまうところだが、当のキャリアソフトはその後、株式会社アトラスと
『グローランサー』シリーズの開発に勤しんでいたのだった。
予想でしかないが、上記の事情があった以上は開発依頼するのも難しかったのだと思われる。

当時の、高田慎二郎氏のインタビュー記事が今でも残っている。
http://www.atlusnet.jp/topic/detail/300
>(当時の我々はキャリアソフトとして独立しており、アトラスからグローの仕事を受けていました)
>グローはラングファンを狙った作品だったので、あまり違う作品に見えるとまずかったわけですね。w

…元本家であるNCSの『ラングリッサーミレニアム』発売から8年以上経ってからのインタビューであるとはいえ、なかなかのぶっちゃけ具合である。まぁ名前からしてラングファンを釣りにいく構成になっていたのは誰の目にも明らかではあったがw

開発チームが独立した後、かつて所属していた会社で作っていたものと似たような作品を手掛けるのはゲーム業界だとわりとよくあることだったりする。もちろん問題にまで発展した事例もあるし、中には全くの第三者が勝手に作ってしまったりするケースもあるが、『グローランサー』は高田氏が主導したのが良かったのか幸いにもシリーズ化され、本家ラングを超えてナンバリングタイトルが6作目までリリースされたことを付け加えておく。

そして現在の高田氏はというと、正式にアトラスに入社され、
インタビューでもキャリアソフトとしての肩書きを見かけることは無くなった。
(キャリアソフトは、2004年にアポロへと会社が新生しつつ、アトラスの子会社化されたようだが現状は不明)

高田氏は、『グローランサー』の後は『デビルサバイバー』シリーズも手掛けられ、
近年だと『幻影異聞録♯FE』にも関わっている。
このように多忙では『リインカーネーション』の開発も依頼できそうにない。

メガドライブで『ラングリッサー』を開発していた頃から『ファイアーエムブレム』をライバル視していたそうで、奇しくもFEシリーズにも関わることができ、喜びの発言をされている。
http://www.famitsu.com/news/201507/14082771.html

本項、残念どころかおめでたい系統の話なのだが、
高田氏が抜けられた後のラングシリーズはというと『ミレニアム』以降の作品群なわけで
そちらの現状を見てしまうと…やっぱりカテゴリ的には残念なお話とさせて頂きました。

可能性あるとしたら今後、エクストリームとアトラスとで関係性を深めて頂く他は無いが、
順序的に『グローランサー』シリーズ復活のほうが優先されるかもしれない。嗚呼。

今作の海外評価

(※以下、2016-05-14に作成)

まず、海外Amazonのほうを見てみると……。
★1~2の間を彷徨っており、レビュー内容を見ても国内評価とまるっきり同じような感じである。

うん、まぁそうですよね…。
しかし、上記はあくまでユーザーによるアマ評価。
プロによる評価についてはどうなのだろうか?

こんなときに便利な、海外評価を語る上でよく引き合いに出される一大海外サイトがある。
それが、Metacriticだ。
http://www.metacritic.com/

Metacriticについて簡単に紹介すると、
大手企業サイトのレビュー評価(スコア)をサイト内に転載し、平均点をつけるというもの。
この平均点のことは「メタスコア」と呼ばれている。

これを日本で例えるなら、ファミ通・電撃・4Gamer・GAMEWatch等でのレビュー点が
まるごと上記サイトに載っていて、ついでに平均点も出してくれているといったところ。
もちろん、転載元のレビュー記事への直リンクも用意されている。
ついでに書くと、ゲームのみならず、映画やテレビ番組、音楽CDについても纏められている。

Metacritic上では、あくまで最高点を100としているので、転載元の大手企業サイトが
7段階評価だったりした場合とかの換算がこれほんとにうまくいってんの?とか、
集計対象サイトの中に弱小サイトとかほぼ個人運営のサイトも混じってるじゃない!
といった批判の声もあるのだが、現在でも国内外の多くの関心を集めているのは確か。

さて、そんなMetacriticでラング転生は、どんなメタスコアになっているかというと…
百聞は一見にしかず。興味のある方は覗いてみて下さい。

http://www.metacritic.com/game/3ds/langrisser-reincarnation--tensei-
ここ最近の3DSゲームで、ビリだとは言っておきましょう!
ただし平均点だとビリであるものの、中には比較的高得点を付けているサイトもある。良かったですね。

なお、Metacriticではユーザーによるレビューも別枠で受け付けている。
ユーザーレビューは1人あたり最高点10で投稿できるのだが、
上記ラング転生の記事ではお一人分だけ、10点満点の長文レビューが投稿されている。
この方、他作品のレビューは一切無いというのが少々気になるところだが、
長所短所を挙げつつの真摯なレビューになっているので一見の価値あり。

続編がリリースされてこない

エクストリーム公式には開発PであるS氏のインタビューも掲載されている。
http://www.e-xtreme.co.jp/feature/project/langrisser.html

一応発売後のものであるが、発売前の特集でも掲載された同氏のインタビューと
内容的には殆ど変わらない。注目したいのは下記の部分。

>以前のメサイヤブランドを受け継ぎつつ、どこまで迫れるかは分かりませんが、
>できる限り過去のものにリスペクトしたものを作っていきたいと思っています。
>今回の「ラングリッサー リインカーネーション -転生-」をはじめ、
>第2弾、第3弾と提供していく予定です。

2015年7月の発売から第2弾以降にあたるものは現在までにリリースされていない。
ラングリッサーアプリ化正式許諾の話もあったが続報なし。
(有志が勝手に作ったアレンジ移植作はモバイルアプリ用にあったりするが)

ブラウザMMORPG『剣と魔法のログレス』に『超兄貴』のキャラをゲスト出演させたりと、
ゲーム関係ではコラボ出演までに留まっている。下手な新作をリリースするよりは
これくらいにしておいたほうがいいのかもしれないが…。