シスル

Last-modified: 2023-10-09 (月) 16:46:58

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永残す唯薊棘(とこしえのこすゆいけいきょく)]シスル

 

プロフィール

 踊る歌う歩く笑う語る。シスルの一挙一動は自身を証明するための棘である。苛烈で挑発的なそれらは理解されがたいが、だからこそ見る者に強く、根深く刺さる。
 その結果向けられる目線が傾慕であろうと、敵意であろうとシスルはそれを受け入れる。微笑みを浮かべながら。

 

「もっと見て。奥の奥まで」

 
  • フルネーム:-
  • 綴り(一例):Thistle
  • 出身:植物の国
    • 現在地:
  • 性別:不明
  • 年齢:?歳
  • 職業:道化師
  • 武器:双剣
  • 趣味:芸能、鍛錬
  • 性格:だいたん
  • 一人称:ワタシ/ボク
  • 実装日:2020年9月30日
     

ユニット情報

  • レア:☆5
  • 属性:闇
  • 武器種:斬撃
  • リーチ:前衛

ステータス(外部リンク)

容姿

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  • 立ち絵

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  • SD

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    攻撃モーション
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    被ダメモーション
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    撤退時
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    GIF
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  • 表情差分

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  • プロフィール等
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  • 外見特徴
    • 容姿:
    • 服装:
    • 武器:
    • 鈴:
       

イラスト・Twitterへのリンク
ユニットイラスト

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詳細

  • 名前の由来
    アザミの英語、"thistle"の読みから。
    花言葉は「独立」「報復」「厳格」「触れないで」「厳格」「人格の高潔さ」「人間嫌い」他。
    参考:花言葉
  • 2つ名
    薊:アザミ
  • ユニットストーリー(ネタバレ防止につき折り畳み)

<王国・噴水広場>
「~♪、~♪」
通りすがりのお兄さん「おぉ……。」
「~♪、~♪」
紹介所のお姉さん「わぁ……。」
「~♪、~♪」
見物客の女の子「……綺麗。」
シスル「~♪」
シスル「……。」
通りすがりお兄さん、通りすがりのお姉さん「わぁ……。」
シスル「……ふふふふ。」
シスル「ご清聴ありがとうございます。道化の名はシスル。これよりしばらくの間……、」
シスル「皆様の視線をいただければと。」
通りすがりのお兄さん「お、おお……!」
通りすがりのお姉さん「ちょっと、なに照れてるのよ!」
通りすがりのお兄さん「あっ!いや違うんだ、そんなつもりじゃ!」
「もぉおおお知らない!せっかくのデートなのに信じらんないっ!」
「あぁっ!待ってくれよー!」
シスル「……。」
「……。」
「……。」
シスル「……ふふふ。」
シスル「では、続いてこの四肢を活かして、舞いを披露させていただきましょう。どうぞ最後までお愉しみくださいね。」
「わぁー!わぁー!」
シスル「……♪ ……♪」

 

シスル「……ふぅ。」
見物客の女の子「わぁ……。」
シスル「ご鑑賞いただきありがとうございました。」
「わぁぁぁあああ!」
パン屋のおやじ「いやあ、見惚れちまうな。これ、見物料ってわけじゃないけど貰ってくれ!」
シスル「わぁ、おいしそうなパンだね。……ありがとう、おじ様。」
パン屋のおやじ「オジサマ!」
パン屋のおやじ「よしこれもだ!これも持っていってくれ、シスルちゃん!」
シスル「うふぅ、ふふふふふ。こんなにたくさん食べきれるかなあ。」
町のおばさん「じゃあ、私はこれをあげるよ!」
シスル「ふふふ、嬉しいよ。ありがとう、お姉さま。」
町のおばさん「お、お姉さまだなんて!やめとくれよぉ!」
パン屋のおやじ「おい、ずるいぞ!横から入ってくるなよ!」
町のおばさん「い、いいじゃない!いいじゃない!私だってシスルくんのダンスを見てたんだよ!」
シスル「ふふふ、喧嘩しちゃダメだよ。二人ともいい子だから。ね?」
町のおばさん、パン屋のおやじ「はぁい!」
シスル「うふぅ……。それでは次に披露しますのは……、」
「おじさーん!パンくださーい!」
パン屋のおやじ「あ、おう!今行くぜ。」
シスル「え……。」
パン屋のおやじ「ごめんなー、シスルちゃん!店を開けて来ちまってるから。」
町のおばさん「あら、もうこんな時間かい!いけないいけない、そろそろ行かないと!」
シスル「……。」
町のおばさん「シスルくん!おばさんね、向こうで料亭やってるから!終わったら食べにおいで!」
シスル「……ああ、そう。」
シスル「そうだね。憶えていたらお邪魔するよ。」
町のおばさん「あぁ嬉しいわ!掃除しないとねえ。」
「じゃあ良いものを見せてくれてありがとな。シスルちゃ~ん!」
シスル「……。」
シスル「……ふぅ。」
「あ。あの……。」
シスル「ん?」
見物客の女の子「もうおしまいですか?」
シスル「……。」
シスル「……いいや、まだまだ見せてあげられるよ。」
見物客の女の子「よかった……!次は何を見られるのかしら!」
シスル「それじゃあ次はアクロバットでも。さあ、危ないですから距離を取って。」
見物客の女の子「はい!」
シスル「それ、それ……っ。それ!」
「わぁああああああ!」
シスル「……うふぅ。」

 

<夕方>
シスル「……さぁて、魔法無し。正真正銘、種も仕掛けもない手品でございました。」
見物客の女の子「すごい!すごーい!」
シスル「……。」
シスル「さあ、まだまだショーは終わりません。次は……!」
「みんなー、そろそろ帰ってきなさい!」
元気な男の子「あ、ママだ!」
シスル「……帰っちゃうの?」
元気な男の子「うん、怒られちゃうし……。あっ!このおもちゃ、ありがとね!」
元気な女の子「お姉ちゃん、今度笛の吹き方教えてね!」
シスル「今度があればね。」
「わぁーい、約束だからね!じゃあ、ばいばーい!」
シスル「……結局、みんないなくなっちゃうわけだ。」
シスル「で、キミは帰らなくていいの?お嬢ちゃん。」
見物客の女の子「あ、う……。」
シスル「いいよ、気を遣わないで。暗くなる前に帰りなよ。」

見物客の女の子「……帰らなきゃダメ?」
シスル「え?」
見物客の女の子「……。」
シスル「……。」
シスル「帰りたくないの?」
見物客の女の子「パパと、ケンカしたから……。」
見物客の女の子「パパ……わたしのこと、すごく怒ったの。でも、でも!絶対にわたし、わるくないから……。」
見物客の女の子「だから、かなしくて……。」
シスル「へぇ。」
見物客の女の子「でも!その気持ちもね。お兄さんを見て……あれ?お姉さんかな……。」
シスル「どちらでもいいよ。キミの好きな方で。」
見物客の女の子「じゃあ、お兄さん!」
シスル「うん。ボクを見て何?」
見物客の女の子「お兄さんを見てたらなくなったの!色んなものを見せてくれたでしょ?だからわたし、楽しい気持ちになれてね!」
見物客の女の子「ずっと見てたいなぁって思ったの。」
シスル「……ねぇ、お嬢ちゃん。」
見物客の女の子「うう……。」
シスル「パン、食べなよ。」
見物客の女の子「えっ?」
シスル「お腹すいてるでしょ。ボクがパフォーマンスを始めてから、ずーっとここにいたんだもん。」
シスル「さぁ、好きなのを食べて。さっき齧ってみたけど、なかなかだったよ。」
見物客の女の子「いいの……?」
シスル「ボクが貰ったものだもん。それに一人じゃ食べきれないしね。」
見物客の女の子「そ、それもだけど!」
見物客の女の子「……ここにいていいの?」
シスル「……もう観客はキミだけだ。」
シスル「リクエストはある?好きなのを見せてあげるよ。」
見物客の女の子「……!」
見物客の女の子「そ、それじゃあ、また歌を聞かせて!」
シスル「いいとも。それじゃあ、ボクの作った歌を……。」
シスル「~♪」
見物客の女の子「わぁ……!」

 

<夜>
シスル「……~♪ はい、おしまい。」
見物客の女の子「もう一回!もう一回聞かせて!」
シスル「ふふふ、またかい?他にもたくさん歌えるよ。」
見物客の女の子「ううん、いいの!その歌が好き!」
シスル「そっか。じゃあ少しだけ休憩させてもらっていいかな。そしたらまた歌えるから。」
見物客の女の子「もちろん!あっ、ねぇ!ここ座って、ここ!」
シスル「ふふ、かわいいなぁキミは。もうちょっと大人なら、ボクも夢中になってたかも。」
シスル「……星が出てきたねえ。」
見物客の女の子「あ……。」
シスル「帰れとは言わないよ。」
見物客の女の子「本当に……?」
シスル「だってキミは帰りたくないんだろ?なら、別にボクはどうだっていいさ。」
見物客の女の子「……。」
見物客の女の子「……お兄さんは帰らなくていの?」
シスル「ボク?うん、いいよ。」
見物客の女の子「家族の人は、心配してない?」
シスル「ふふふ、もしかして帰ってほしのかな?」
見物客の女の子「そ、そんなことない!」
見物客の女の子「ただ、引き留めちゃってたら悪いなって……。」
シスル「気にしなくていいよ。ボクには安心させたいと思う家族なんていないから。」
見物客の女の子「……お兄さんもケンカしたの?」
シスル「まさか。ボクは家族の誰とも喧嘩なんかしたことがないよ。」
見物客の女の子「そうなんだ……。いいなあ。」
シスル「ふふふ、どうだろうね。」
シスル「……あ、だけど。あの人達には黙って出てきちゃったなあ。」
見物客の女の子「だれ?」
シスル「んー……便宜上は仲間かな。ちょっと気まぐれで紹介所を利用してみたんだけど。」
シスル「なんかしっくりこなくて、置いて来ちゃった。」
見物客の女の子「嫌な人達なの?」
シスル「いや、二人ともいい人達だったよ。片方は人間なのか知らないけど。少なくとも、ボクのことを見てくれていたよ。」
シスル「だけどあの二人はダメだ。結局最後は、お互いのことを見てるだろうから。」
見物客の女の子「……?」
シスル「ボクの欲しいものは、あの二人からは貰えないってことだよ。」
見物客の女の子「そうなんだ……。よくわからないけど、残念だね。」
見物客の女の子「じゃあ、わたしからはあげられないかな?いっぱい歌とか聞かせてもらったお礼に!」
シスル「……そう?それじゃあ貰おうかな。」
見物客の女の子「え?」
シスル「ねえ、お嬢ちゃん。お名前は?」
見物客の女の子「ミザ……。」
シスル「じゃあさ、ミザ。帰りたくないのなら、ボクといっしょに……。」
「おーい、ミザ!ミザー!」
見物客の女の子「……!パパ?」
見物客の女の子「パパだ……。」
シスル「……。」
見物客の女の子「どうして……、怒りにきたのかな?」
シスル「……どうだろうね。怒った声色には聞こえなかったけど。」
シスル「キミが心配で、探しに来たのかも。」
見物客の女の子「わたしが心配で……?」
見物客の女の子「あんなにひどいこと言ったのに……。」
シスル「……キミでもなかったか。」
シスル「行きなよ。キミの大事な人のところにさ。」
見物客の女の子「待って、でもまだお兄さんと話が……!」
見物客の女の子「……お兄さん?」

 

<夜・紹介所>
シスル「……結局戻ってきちゃった。」
シスル「はぁ、疲れた……。リクエストに答えて損したなぁ。」
シスル「……損、だったよね。」
「シスル?」
シスル「……!」
ユウ「やっぱりシスルか!」
メルク「みゅ~、どこに行っていたのです!?」
シスル「キミたち……。」
シスル「なんでここに?今日が出発日だったんじゃないの?」
ユウ「なっ!憶えてたのか!?」
シスル「うん。」
ユウ「うんって……。今までどこに行ってたんだよ!」
シスル「隣町だけど。」
ユウ「なんだって!?」
メルク「どうりで町中探しても、見つからないわけなのです……。」
シスル「……なんで置いていかなかったの?」
メルク「みゅ。な、なんでと言われても……。」
ユウ「仲間になってくれた……よな?」
シスル「……。」
ユウ「とにかく、明日こそ出発するから、いなくならないでくれよ?」
ユウ「う~ん、今から宿取れるかな……。」
シスル「……安宿なら埋まってるだろうけど、高級なところは空いてるんじゃない?高いんだし。」
ユウ「いやいや、そんなお金ないって……。」
シスル「いいよ。奢ってあげる。」
ユウ「えっ?」
シスル「まぁ、待たせちゃった分は、お詫びしなきゃだし。」
シスル「……それなりに喜んじゃった自分もいるしね。」
ユウ「それってどういう……?」
「うふぅ、さぁ?どういうことだろうね~。ほらほら、もう行こう。眠くなってきたし。」
メルク「みゅみゅ!もう行ってしまったのです!」
「ま、待ってくれ。シスルー!」
シスル「待ってくれ……だって。一番大事な人は傍にいるはずなのに……。」
シスル「変なの。」

  • 人間関係
  • 登場ストーリー
  • 他細かいプロフィール(好き嫌い等あれば)
    関連事項等
     

紹介

 

☆4 ver

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永残す愛棘(えいのこすあいきょく)]シスル

 

プロフィール

 最近バター・ワールドに現れ、王家に仕え始めた道化師。王子をいたく気に入っており、よく彼をからかって遊んでいる。
 シスルは己の過去を語らない。しかしその技芸からは、自分を見てもらえない悲憤と、それを技として昇華させる糧となった、シスルの内にある愛が伝わってくる。

 

「奥の奥まで、注いでもらったから」

 
  • 出身:植物の国
    • 現在地:
  • 性別:不明
  • 年齢:?歳
  • 職業:宮廷道化師
  • 武器:ナイフ
  • 趣味:芸能、鍛錬
  • 性格:だいたん
  • 実装日:2023年9月30日
     

ユニット情報

  • レア:☆4
  • 属性:闇
  • 武器種:斬撃
  • リーチ:前衛

ステータス(外部リンク)

容姿

  • 背景なし

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  • 立ち絵

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  • SD

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  • プロフィール等
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  • 外見特徴
    • 容姿:
    • 服装:
    • 武器:
    • 鈴:
       

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ユニットイラスト

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  • ユニットストーリー(ネタバレ防止につき折りたたみ。メイン二部二十章(お菓子の国編)読了後を強く推奨します)

シスル「~♪」
見物客の女の子「わぁ……!きれいな歌声~!」
シスル「ふふふ、ありがとう。」
「おーい、ミザ!ミザー!」
見物客の女の子「あっ、パパ……?」
シスル「……キミを心配して、迎えに来たのかな。」
シスル「行きなよ。キミの大事な人のところにさ。」
見物客の女の子「でも、まだお兄さんのショーが……。」
シスル「歌も踊りも、またここで見せてあげるよ。絶対だ。」
見物客の女の子「……本当?」
シスル「うん。少し先になってしまって、悪いけどね。」
見物客の女の子「……お兄さん、どこかへ行っちゃうの?」
シスル「ちょっと、身内の巡業を手伝う仕事があってね。」
見物客の女の子「……そっか。」
シスル「納得してくれた?」
見物客の女の子「……。お兄さんのショーが見られなくなっちゃうから……、やだ。」
見物客の女の子「だから、我慢して待ってるね。」
シスル「……ごめんね。」
シスル「……ミザ。ボクがいない間、リクエストしたいパフォーマンスを考えておいてよ。」
シスル「今度は、それに全部応えてみせるから。」
見物客の女の子「うん……!」
見物客の女の子「またね、お兄さん!」
シスル「……。」
「次の舞台に立つ準備はできたか?」
シスル「ああ。」
シスル(まさか、こんな仕事が舞い込んでくるとは思ってもみなかったけど……)
シスル「……ボクがやることは、変わらない……、か。」

 

シスル「……。」
スティーノス「明日行われる収穫祭。その締めくくりが、我々ホテル・エルシアムのショーだ。」
スティーノス「この祭りは、従来の収穫祭とは違う。いわゆる新旧時代を巻き込んだ、来るもの拒まずの一大イベント……。」
スティーノス「お前がどちら側かは知らんが、価値観などというものに囚われたりはするなよ?」
シスル「お気遣い、どうも。そんな気はないから安心して。」
シスル「……収穫祭、か。こんなことって、あるんだね……。」
ニユロハス「おぉ~い、シスルちゃん!焼きたてパンを、めしあがれ~!」
シスル「むぐぅ!」
スティーノス「ほうほう、リスのような愛らしいツラだなぁ。実にかわいらしいぞ、シスル。」
シスル「むぐむぐむぐ!」
スティーノス「で、ニユロハス。俺の分は?」
ニユロハス「ボスは子供じゃないんだから、自腹切ってねぇい。」
シスル「むぐぐぐぐ。」
スティーノス「お?やるか?」
「ちょ、ちょっとちょっと!何で演者さんが舞台裏でドンパチやろうとしてるんですか!」
ニユロハス「おおっと、お騒がせしてごめんねぇい?君は……、」
「収穫祭の関係者です。あなたたちの評判を聞いて、オファーさせていただきました。」
「あなたたちのショーなら、きっと新旧関係なく、みんなが盛り上がれると思うんです。……明日は、どうぞよろしくお願いします!」
シスル「……。」
シスル「……アナタも物好きなんだね。収穫祭ひとつに、アイツらを呼ぶなんて。」
シスル「それに、新時代の人間も旧時代の人間も一緒に楽しもう、って……。変わってるって言われない?」
「そうだな……。俺たちは、異端って奴なんだと思う。」
「でも、それでいいんだ。……これくらいやらないと、何の罪滅ぼしにもならない。」
シスル「罪滅ぼし?」
「枯木教団、って知ってるか。」
「俺は昔、その一員だったんだ。」
シスル「……。」
「俺たちは、大切な人を森に奪われて……。こんな悲しいことはもうあってはいけないと、この国を変えようとした。」
「その行いはただ、何の罪もなく幸せに生きている人たちを、いたずらに傷つけただけだった。」
「森という仕組みも変えられなかった。救いたいと思っていた人たちは、もう救われていた。」
「……自分じゃ耐えきれない悲しみを、ただ周囲にぶつけてただけだったんだよ。俺たちは。」
シスル「……。」
「そんな俺たちを、見捨てず受け入れてくれた人たちに……、少しでも何かしたくてさ。」
「それで君たちを呼んだんだ。君たちなら、文化や考え方の垣根を超えるショーを披露してくれると思って。」
シスル「……そう。」
シスル「そう……、なんだ。」
「あっ……、急に重たい話をしてすまない。舞台に立つ君を気負わせたかったわけじゃないんだ。」
シスル「大丈夫。……分かってるよ。」
シスル「ねえ。どうして、ワタシにそんな話をしてくれたの?」
「……。」
「ずっと、思い出せないことがあるんだ。」
「枯木教団に、俺たちを誘ったあの子……、」
「後悔することしかできなかった俺たちに、嘘でも立ち上がる力をくれたあの子。」
「芸人さんだったはずなんだ。どこかのお祭りで、盛り上がれない俺に声をかけてくれたから。」

 

「あれは、誰だったんだろう。」

 

「枯木教団って、覚えてる?」
スティーノス「枯木教団……。」
スティーノス「ああ、覚えているとも。何を隠そう、俺もあの件には関わっていたからな。」
「さっきの開催係って、枯木教団の人間だったんだって。」
スティーノス「だからやる気をなくした、と言うのなら、俺は二度とお前を呼ばんぞ。」
「言わないよ。そんなこと。」
「……彼はどうして、まだそんなことを覚えてるんだろう、って思って。」
スティーノス「罪悪感、というやつだろう。」
スティーノス「枯木教団には扇動者がいた。そいつが大勢を煽って事件を起こしたのだ。」
スティーノス「そいつは混乱に乗じて逃げ出したらしいが……、はて、今頃何をしているのやら。」
「……。」
「スティーノス。」
スティーノス「……。」
「明日のショー……、トリはニユロハスとララバイだったよね。」
「ワタシに変えてくれない?」

 

ニユロハス、ララバイ「~♪ ~♪」
「わああぁああ!」
ニユロハス「……にゅふふぅ。みんな、どうもありがとぉ~!」
ララバイ「るるらぁ~!」
ニユロハス「さぁ、ホテル・エルシアムの出張ショー!最後を締めくくるのはぁ~……、この子だぁ!」
シスル「~♪」
「わぁ……。」
スティーノス「……。」
スティーノス「よく代わったな。」
ニユロハス「あの子がトリにふさわしくなかったら、私たちがぜ~んぶ、持っていくだけだからねぇい。」
ニユロハス「でも、確かに……、」
「今日は、あの子の日だったなぁ。」
「わああああぁ……!」
「ありがとう。間違いなく、最高のショーだった。」
「俺も、君たちのショーに元気をもらえたよ。これで……、」
「これからも、償うことを頑張れる。」
「……本当にありがとう。」
シスル「……。」
スティーノス「何を落ち込んでいる。」
シスル「……。」
スティーノス「善行も悪行も、記録から消すことは簡単だ。だが、記憶から消すことはまずできん。」
スティーノス「過去を否定するということは、そいつが生きてきたという事実を否定するということなのだからな。」
シスル「……分かってるよ。」
シスル「彼らが負った傷は、一生消えなくて……ん、」
シスル「私が癒した傷は、一時のものだった。」
「今のお前ではな。」
スティーノス「お前が何をしょげているのかは知らん。別段興味もない。が……、」
スティーノス「今のままでいる気か?芸人のくせに。」
シスル「……。」
シスル「そんなわけないだろう。」

 

ユウ「えっ?また植物の国へ行くのか?」
シスル「ごめんね。キミたちを蔑ろにしたいわけじゃないんだけど。」
ユウ「いや、俺たちのことは気にしなくていいんだけど……。」
ユウ「……何かあったのか?」
シスル「……。」
メルク「辛いことがあるなら、私たちも話を聞くのですよ。」
メルク「シスルさんの気持ちが晴れるなら、いくらでも聞かせてほしいのです!」
シスル「……ふふ。優しいんだね、キミたちは。」
シスル「でも。大丈夫。キミたちにワタシを慰めさせるのは……、流石に気が引けるし。」
シスル「支えてくれる人は、もういるから。」

 

シスル「また、植物の国へ行かせてほしいんだ。」
「……。」
シスル「ずっと、芸を見せなきゃいけない人がいるんだよ。」
シスル「何度でも、ワタシを見せ続ける。彼らが昔のことを忘れられるまで。」
「……。」
「分かった。」
「何度遠出したっていい。でも、ちゃんと帰ってこいよ。俺もみんなも、先生たちも、スティーノスたちも心配する。」
シスル「うん。」
「それもできないくらい辛いなら、俺が助けに行くからな。」
シスル「……うん。」
シスル「……キミは、ワタシを応援してくれるんだね?」
「だって、お前がやりたいことなんだろ。」
「俺をからかって、バター・ワールドの子供と遊んで、美味しいお菓子を食って……、」
「それ以外に、お前がやりたいって思うこと。」
シスル「うん。」
シスル「……ねえ、トゥルータ。ワタシはね、今のワタシが大好きなんだ。」
シスル「だから、昔の自分に負けるなんて耐えられないのさ。」

 
 

備考

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