空力とは
空力とは大気中に働く物理現象であり、KSP2では大気のある惑星において必ず発生する。
空力には、揚力と抗力という2つの力が、機体に働く。
- 揚力
- 揚力とは、機体に働く力のうち機体を機体上面方向、または、機体下面方向に、押し上げる力である。抗力とともに発生する。
この力がないと機体を浮き上がらせるには、重力の力の向きに対して逆方向に力を働かせる必要がある。
機体の重量を持ち上げるほどの揚力がある場合、機体は大気中を浮き上がることができる。
揚力を使えば、効率良く大気圏を移動することができ、揚力を使わないよりも、少ないΔVで宇宙空間へ行くこともできる。
揚力の発生には、推力が必要である。
速度の増加とともに、揚力は増加する。
揚力は、機体全体に発生するが、翼を使うことで大きく発生させることができる。
- 抗力
抗力とは、機体を、進行方向とは逆方向へ引っ張る力である。揚力とともに発生する。
抗力は、文字通り抵抗であり、飛行中に、効率よく飛行できなくなる原因の一つである。
効力は、速度が増加するとともに、増加する。
効力より、推力が大きいとき、機体は加速することができる。しかし、推力より抗力が大きい場合、機体は減速を始める。推力と抗力が同じ場合、速度は変化しない。
抗力を減らすには、機体の前方からの投影面積を小さくすること、機体の断面積の変化を小さくすることが必要である。
失速と迎え角
失速とは、揚力を大きく失ったときに起きる。機体は、姿勢を維持できなくなり、高度や速度が減少し、失速から回復できなければ、墜落する。
速度を失うために起こるわけではなく、揚力を失うために起きる。もちろん、速度が小さく、機体を支える揚力が足りない場合、失速する。
- 迎え角
迎え角とは、機体の進行方向に対して、機体の向いている、ピッチ方向の角度の差である。
迎え角は、揚力と抗力の発生に関わる。迎え角を大きくすれば、揚力が増加し、抗力もやや増加する。
一定の角度を堺に、揚力は大きく失われることになり、抗力が大きく増加する。これを、失速と呼ぶ。
翼の形状によっては、高い迎え角でも、失速しにくい場合がある。
高度な空力
音速、高度、翼型や機体形状による空力の解説
- 揚抗比
揚力と抗力の比 揚力:抗力=x:y
これを高めることで、より低い速度でも飛行することができたり、長い距離を滑空したり、小さい推力でも長時間飛行できる。
- 揚抗比の高め方
翼の長さを長くし、先細りの形状にすることで揚抗比は高められる。所謂、テーパー翼である。
翼の厚みも必要であり、薄くすれば高速時にも揚抗比を高められる。厚ければ高速時には、揚抗比は高くないが、低速時に高くなる。
- 音速
文字通り音の速度、飛行機の一種のマイルストーンであり、この速度を境に空力は変化する。
音速に到達するまでに、遷音速が存在する。遷音速では、翼型によって著しく抗力が増える。
直線翼は、特に遷音速時に抗力が増えやすく、亜音速飛行は効率が高いが、遷音速は望ましくない。
後退角や前進角の付いた翼は、遷音速時の抗力の増加を減らすことができる。ただし低速で揚力を直線翼ほど生みにくい。
音速を突破するには、機体形状を工夫する必要がある。
機体の先端を先細りにし、翼には大きな後退角を持つもの、垂直尾翼を高くより後退したものに、推力重量比も大きい必要がある。
- 飛行高度
飛行機を語るには、外してはならないことであり、機体の性能によっても大きく関わる。
現在飛行している高さによって、大気圧は変わってくる。そのため、低ければ空気の密度もやや大きくなり、低速でも揚力が得られるが、高速になるに従って、大きく抗力が増加する。高度が高ければ、空気の密度も小さく、揚力を得られにくくなるが、高速になっても抗力は増加しにくくなる。
飛行可能高度は、翼の形と推力の大きさで決まる。揚力が得られやすい翼なら高く飛べるし、推力が大きければ、高く速く飛べる。
超高高度を飛行したいと言うのなら、機体を工夫する必要がある。亜音速で飛行するなら大きな直線翼で、遷音速であれば大きな後退翼とやや大きい推力で、超音速以上であれば、超音速が出せる形状であれば推力をとても大きくすればいい。