音楽理論講座

Last-modified: 2023-01-15 (日) 10:28:30

概要

このページでは、譜面だけでなく、音楽まで自分で作りたいという人のために、音楽理論の基礎知識を提供する。
あくまでも、ざっくりした解説のため、本気で学びたい人は東京藝術大学の教科書(『新しい和声──理論と聴感覚の統合』)などを購入してほしい。

記号と音の対応

英語名日本語名イタリア語名
C
D
E
Fファ
G
A
B

用語

  • 半音
    鍵盤1個分の差のこと。
  • 全音
    半音2個分の差のこと。
  • フラット♭
    半音下げること。
  • シャープ#
    半音上げること。

スケールとは?

スケールとは適当に言うと音列である。ドから始め、白鍵だけ弾いていくとCメジャースケールになる。
ラから始めた場合は、Aマイナースケールになる。
それぞれのスケールを聞いて、何を感じるかは自由だが、大体の人はメジャースケールは明るく、マイナースケールは暗いという感想を持つ。
マイナースケールの7番目の音を半音上げると、ハーモニックマイナースケールになる。
さらに、ハーモニックマイナースケールの6番目の音を半音上げると、メロディックマイナースケールになる。
メジャースケールから、ファの音を抜くと、四抜き音階になる。四抜き音階は東方Projectの楽曲に多用されている。
さらに、四抜き音階から、シの音を抜くと、おなじみのヨナ抜き音階になる。和風な感じがするスケールであり、多くのJ-POPに使われている。
一方、四抜き音階から、ラの音を抜くと、四六抜き音階になる。四六抜き音階の使用例は少ないが、最近のヒット曲では見られるようになっているらしい(詳しくは、SoundQuestというサイトを見てほしい。使用例は、カンザキイオリの『命に嫌われている。』(まふまふが紅白で歌った曲)。)
メジャースケールから、レの音とラの音を抜くと、ニ六抜き(琉球)音階になる。沖縄っぽい雰囲気がする。BEGINの楽曲などに多く使用例が見られる。

コードとは?

三和音編

コードは音を同時に鳴らしたものである。例えば、ドミソを同時に鳴らせば、Cメジャーコードになる。
また、ドソだけを鳴らせば、パワーコードとなり、ロックっぽくなる。
メジャーコードの真ん中の音を半音下げると、暗い印象になる。これをマイナーコードといい、例えばCマイナーコードは、ド ミ♭ ソである。
メジャーコードの真ん中の音を逆に半音上げると、サスフォー(sus4)コードになる。例えば、Csus4は、ドファソである。なんとなく神秘的な感じになる。
マイナーコードの真ん中の音を半音下げると、サスツー(sus2)コードになる。例えば、Csus2は、ドレソである。sus4になんとなく雰囲気が似ている。
メジャーコードの一番上の音を半音上げると、オーギュメントコード(aug)になる。例えば、Caugは、ド ミ ソ#である。なんとなく気持ち悪さがある。
マイナーコードの一番上の音を半音下げると、ディミニッシュコード(dim)になる。例えば、Cdimは、ド ミ♭ソ♭である。もっと気持ち悪い感じがする。
メジャーコードと比較してまとめてみる。
なお、数字の単位は半音分である。

コード真ん中の音一番上の音
M00
m-10
Powerなし0
sus4+10
sus2-20
aug0+1
dim-1-1

四和音編

ドミソシと鳴らすと、メジャーセブンス(maj7)となる。なんかおしゃれな感じがする。
メジャーセブンスのシの音を半音下げると、セブンス(7)になる。ちょっと緊張感があるが、おしゃれ。
セブンスのミの音を半音下げると、マイナーセブンス(m7)になる。暗めでおしゃれ。セブンス系の中では一番使いやすい(個人の感想)。
メジャーセブンスのミの音を半音下げると、豆セブンス(mM7)になる。(正式名称もちゃんとあるが、紛らわしいので、ここでは豆セブンスにさせてもらう。)サウンドとしては、なんか複雑な感じがする。
メジャーセブンスのミの音を半音上げると、メジャーセブンスサスフォー(M7sus4)、セブンスのミの音を半音上げると、セブンスサスフォー(7sus4)になる。弾いてみるとわかるが、セブンスサスフォーは東方の「いつもの」フレーズに用いられている。
マイナーセブンスの、ソの音を半音下げると、ハーフディミニッシュ(∅)となる。これも色々紛らわしい名称があるが、ここではハーフディミニッシュで統一する。
ハーフディミニッシュのシ♭を半音下げるとディミニッシュセブンス(dim7)になる。気持ち悪い。
セブンスコードのソの音を半音上げると、オーギュメント・セブンス(aug7)になる。
また、メジャーセブンスのソの音を半音上げるとオーギュメント・メジャーセブンス(augM7)になる。

メジャーセブンスを基準にしてまとめてみる。

コードミの音ソの音シの音
maj7000
700-1
m7-10-1
mM7-100
M7sus4+100
7sus4+10-1
-1-1-1
dim7-1-1-2
aug70+1-1
augM70+10

メジャースケール上のコード

Cメジャースケール上で3和音のコードを作る。
面倒なのでここでの解説は、全てCメジャーで行うが、調を変えても全部適用できる。

コード名構成音ディグリー表示
Cド ミ ソ
Dmレ ファ ラⅡm
Emミ ソ シⅢm
Fファ ラ ド
Gソ シ レ
Amラ ド ミⅥm
Bdimシ レ ファⅦdim

Ⅶdimは使いにくいので、基本的に無視する。

機能論

機能名メンバー特徴
トニック(T)Ⅰ、Ⅵm中心感、ここに来ると戻ってきた感がある。Iは明るめでⅥは暗め。
ドミナント(D)Ⅲm、Ⅴ緊張感がある。Tに戻りたがる。
(Ⅲmは、場合によってはトニックにもなりうる。
(直後のコードがトニックでない場合など))
サブドミナント(S)Ⅱm、Ⅳふわふわしてる。TとDの仲介役って感じ?

ちなみに拡張するとこうなる。
518FFFEE-16DC-4851-AC31-E23A08844D3B.jpeg
拡張したコードを使いすぎると、スケール感がブレるので、注意は必要。

コード進行の作り方

基本的には、T→S→D→Tというサイクルで作る。ただし、最近の楽曲はS始まりのほうが多い。

とはいえ、上記のサイクルが必須というきまりはなく、TとDだけでコード進行を作ったり、TとSだけでコード進行を作ったりする場合もあるし、時にはT→D→S(→T)などというサイクルで作る場合もある。
特にT→D→Sは作曲初心者向けではないかもしれないが、これらのコード進行の使い方が特有の響きを生み出したりする場合もある。

音楽理論的な内容からは離れてしまうかもしれないが、コード進行を一から作ることが難しいと感じたりする場合は、既存のコード進行を引用するのも大いにありである。
(コード進行単独では基本著作権は発生しない)
ポップスで高頻度で使われている有名なコード進行も多数存在するため、それらを調べて自身の曲に使ってみるのも良いかもしれない。

アボイドノート

話を完結にするために、Cメジャースケールで統一する。他のスケールにしたい場合は、移調すれば良い。
アボイドノートは避けるべきという訳では無いが、少なくともアボイドノートを伸ばすと結構気になるので、早めにアボイドノートではない安定した音に帰着させるのが望ましいと思われる。
逆に、アボイドノートを乱用して敢えて不快な曲を作ることも可能である。

Cコード

アボイドノードはF(ファ)である。
理由は、Cコードの構成音であるミと半音差になり、音が濁るためである。

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