夜の繁華街
ヴィスタ「ん…」
(何か錠剤を口に含んだ後、夜の歓楽街を見回しながら歩いて行く)
ローゼ「…お嬢サン、何フらツいてンの?ココは子どモが来てイイようナ場所じゃナいンだケド」
ヴィスタ「?…あんた、だぁれ」
(先程から聞こえてくる、甘く媚びた声とのギャップにこれでもびっくりしてる)
ローゼ「アタシはコノ店の…ァー…」
「春を売ル仕事っテったラわかリまス~?」
ヴィスタ「はるをー…うる…?」
「どうやってーぇ?」
ローゼ「わカんナいナラ知ル必要も無イ。アンタ、お家ノ人は?」
ヴィスタ「おーちのひとは…」
「…うーぅん、おいて、きちゃった?」
(言い方に困ったような)
ローゼ「はァ?家出?ココら辺じゃ珍シい話でモないケド…」
ヴィスタ「…ねーぇあんた、くすり…もってるの?」
ローゼ「…持ってナい」
(やべぇのに絡んじまったという顔)
ヴィスタ「じゃぁ、なんでーそんなかおするのー?」
「わたしのことしってるならー、うそつかなくてもいいよねーぇ」
ローゼ「他人二素性を明カすなンて馬鹿なコト、アタシはしナいの~」
ヴィスタ「ふぅん…」
「んね、あんたーここにすんでるのー?」
ローゼ「いヤ?」
ヴィスタ「えっ、すんでないの?」
ローゼ「アタシにハお家ガあるカラねェ。はいハい、アタシもウ戻るカラ。アンタのお相手シててモ金は取れナいシ(後ろ向いて手ひらひら)」
ヴィスタ「あ、まって!」
「おーちがあるなら、わたしもつれてってよーぉ!」
(ひらひらしてる手をぱっと優しく掴んで)
ローゼ「…はァ?」
「いや無理」
ヴィスタ「えーーっやだよわたし、あそこもうかえりたくない!」
ローゼ「だカラってアタシの家に来ル必要ハなイ。店の子にナるナラ話は別だケド」
「…勿論冗談だカラ、本気にしナいデよネ」
ヴィスタ「ちがうよ…?」(ぼそ)
「わたし、あんたじゃなきゃ、やだ…」
「おねがい」
(手を掴んだまま)
ローゼ「……そンなに帰リたクないワケぇ?そンな顔サれタラ、断る方ガ悪いミたイじゃン…」
ヴィスタ「……」(離れ難い顔をして、柔く掴んだ手を見続けている)
ローゼ「……」
「ワかっタよ、そンな惨めナ表情見せナいデ」
「アタシまだ仕事アるンだよネ、スタッフルームで待っテてくレる?」
ヴィスタ「!」(ぱっと明るくなり)
「わかったー!」
「……ん?すたっふるーむってどこだろー??」
??「こっちだよ」
ローゼ「……聞いテたノ?」
ヴィスタ「(呼ばれた方にてくてく歩いて)」
「こっち?」
ミエル「こんにちはー。お名前なんて言うのかな?」
ヴィスタ「ゔぃすただよー!」
「あ、そういえばまだおなまえきーてなかったねーぇ」
ローゼ「……ローゼ」
ヴィスタ「ろーぜね!えーっと、あんたはーぁ?」
(ミエルの方を見る)
ミエル「ボクはミエル。ここの店長だよー」
ヴィスタ「てんちょー!」
(子供らしく“店長”という称号にすげー!!ってなってる理論)
ミエル「うん、そうだよー」
ローゼ「じゃァ、アタシは戻るカラ」
ミエル「うん、よろしくね」
(戻るローゼを見遣った後)
ヴィスタ「…」
「ねーぇ、“はるをうるしごと”って、ろーぜはなにしてるのー?」
ミエル「んー…」
「キミにはまだちょっと早いかなー、知らないコトっていうのは、一生知らなくていいものの方が多いんだ」
「でも、大変な仕事とだけは言っておくよ」
ヴィスタ「?…」
ミエル「あはは、わかんないよね」
「…うん、あの子にも…ホントは知って欲しくなかったんだけど(小声で呟く)」