ルーカスフィルムゲームズ

Last-modified: 2022-06-12 (日) 20:27:01
 

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小野誠彦プロデュースによるアレンジ作品。小野はオノセイゲンとして1984年にJVCからAL「SEIGEN」でデビュー。アンビエントなミニマルシンセや小編成弦楽、印象派ピアノソロといったインテリア音楽はこの段階で既に確立。イメージヴィデオやCM、アート、ファッションと非常に相性の良い作家性を持ち、コムデギャルソン・川久保玲の仕事などでアートディレクター井上嗣也の懇意を得る。1978~80年は音響ハウスに勤務し、レコーディングエンジニア業に従事。1984年に佐久間正英とVFVスタジオを設立。1987年に自己の音楽レーベル「サイデラレーベル」、1996年にマスタリングスタジオ「サイデラマスタリング」を立ち上げるなど、アーティストとエンジニアの活動を並行させてきた。編曲は小野自身と、森俊二、杉本邦人の3人で、森と杉本は数ヶ月後の7月にインストゥルメンタルユニット「ナチュラルカラミティ」としてのデビューを控えており、彼らにとってはプレデビュー盤となる。このパターン、ゲーム音楽リスナーならば1989年のソフトバレエ・アレンジャーデビュー先行劇(ザ・スキーム?の項参照)をすぐさま思い起こすだろう。(ちなみに、その1stアルバム「Dawn In The Valley」はプラスチックス中西俊夫がプロデュースしており、中西がオノと2人との縁を繋いだと想像されるが、かと言って中西と小野の結びつきが深い訳でもなさそうで......本当にただの想像。あとで調べます。なお、1992年に中西+ナチュラルカラミティは、YMO周辺に居た小池玉緒(伊島タマオ)のアルバムをプロデュースすることになる。)

ダウンテンポブレイクビーツや軽めのハウストラック、それに瞑想シンセのみ、というシンプルな作りでメロディーらしきものは殆ど無いが、音の1つ1つにまで気配りがなされた音響設計のお陰で最後まで聞けてしまう美麗な調度品といった趣。こういう時こそ逸品という言葉を使うのだろう。小野がデビュー当時から志向してきた空間音楽は確かに本作でも息づいているのだが、ビート感やグルーヴ、煌びやかなシンセ類は寧ろナチュラルカラミティ2人のものに近い。だが、彼らの1stアルバムと比した時、アルバム全体を貫く上質な肌触りは紛れもなく小野のものであり、彼の陣頭指揮の元でアレンジやプログラミングの実務を森+杉本が行う形式だったと目される。

エグゼクティブPとして、徳間ジャパンからメルダックに移籍してきた小林昭雄とライブプランニング(後のカゼ・ネット)の河副純一郎がクレジット。小林は徳間時代、刀根麻理子などのディレクターをしていた。

 

 

01 Ballblazer
02 Koronis Rift
03 Maniac Mansion's Keyboard Tune
04 Zak McKracken and the Alien Mindbenders
05 Maniac Mansion

 

 

表記:Lucas Film Games
型番:MECG-30002/Meldac
発売:1991-5-21
作曲:表記なし
編曲:森俊二(ナチュラルカラミティ/NATURAL CALAMITY) 杉本邦人(ナチュラルカラミティ/NATURAL CALAMITY) 小野誠彦(Saidera)
演奏:森俊二、杉本邦人、渡辺モリオ、小野誠彦
録音:小野誠彦、松林正志(助手)
プロデュース:小野誠彦(ヲノセイゲン/Seigen Ono)
エグゼクティブプロデュース:小林昭雄(メルダック)、河副純一郎(ライブプランニング/株式会社カゼ・ネット)
開発:ルーカスアーツ
機種:FM-TOWNS

 

 

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