交響曲ダークウィザード

「懐かしのCMソング大全」「懐かしのミュージッククリップ」など文芸部で慧眼を発揮した西秀一郎ディレクション。よってインヴィクタスでもなければユーメックスでもなく東芝レコードレーベルからの発売となっている。メガCD用ソフトゆえCD-DAが使えるのだが、そのCD-DA音源を軸に構成を組み替えるなどして組曲の形で収録したのが本作。実機では内臓音源を使う場面もあるがそちらは収録されていない。ヒーローもののアニメオケのような佇まいで、「陰陽」では琵琶、「アモン」で二胡を使用してミステリアスに、戦闘が激化するとシンセのオケヒットやメタル風ツーバス、エレキギターも用いた少し変わった編成のものもある。作曲は大人数クレジットで詳細な分担は不明だが、セガ外から参加した赤坂東児(あかさかとおる)は編曲専任確定。菱田吉美と小川翔子に関してはシンセ周りのサポートと思われる。菱田は主にCM界で仕事をしていた為、名が伝わるのは深作欣二『いつかギラギラする日』の劇伴ぐらいだが、1997年にY-H名義でテクノアルバム「FNATRANCE」を発表。モロッコの音楽をテクノ/トランス/アンビエントと融合させた作品で福岡ユタカを共同プロデューサーに迎えており、またボンバーマンで知られる竹間ジュンが数曲演奏している。2001年にJOBUTSU PROJECTに参加。他のメンバーは寺田誠司(夏生明)、鈴木日出男、日比野元気、華原大輔。2016年からアーティスト名義をYoshimiと変え、イギリスのヴェイパーウェイヴレーベルDream Catalogueなどからアンビエントソロ作を発表。民族音楽とアンビエントを掛け合わせた音楽を志向してきた。小川翔子の方はプロフィール不明だが、菱田と同じくCM界で仕事をしていた人物と思われる。

表記：Symphony - Dark Wizard
型番：TOCT-6635/Toshiba Records
発売：1992-11-11
作曲：塚原啓介＋小河幸男(効果音兼務)＋沼田出穂＋瀬津丸勝＋瀬上純＋菱田吉美＋小川翔子
編曲：赤坂東児
演奏：東京ソニック管弦楽団(*架空のオーケストラ)
Direction：西秀一郎(東芝EMI→株式会社ディスクベリードットコム)
REC：松原政典
開発：セガ/H.I.C.
機種：メガドライブ/MEGA-CD

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