メイン 第三話 現地人

Last-modified: 2024-04-30 (火) 02:00:38

ハル

七番
haru.jpgハル(はる)
資料室説明
北陸道の浄化任務で出会った少年。
喰魂の穢を感じ取る霊力を持つが、地魂男児の姿を看破するほどではない。

地魂男児たちを陰陽寮の人間だと思いこんでいるようだ。

雪の多い北陸ではその知識が頼りになるだろう。
―追記―

府中の里、北陸豪族の長男。

源平の合戦の真っ只中、ハルは愛する里を守るために義仲公の元へと向かう。

家来の門十郎のことを家族同然に思っているようだ。

―追記2―

少年は誰よりも家族への会いに忠実だった。

次期首長として、愛する家族……愛する里を守るために自分ができることは何だろう。

長い旅の途中で様々な経験をした。

――愛する家族を失うことへの恐怖。
失いかけたその手の温もりを二度と離すまいと、少年は心に誓い、旅を続けたのだろう。

――守りぬくための覚悟。
家族のために、もがき、悩み、苦しみながら最後の手段を取った。

すべてはその想いとともに、あわとなり消えた。


……なにかひとつでも、少年の気持ちを窺い知る機会はあっただろうか。

「――でも、今も雪原に響く笛の音が耳に残っている。」

※注意
上記内容は該当声聞士及び地魂男子の強い希望により、記録として残す。
すべて該当声聞士及び地魂男子の口述によるもので、データベース、歴史書などから裏付けをとることはできなかった。
<凍結>による影響と考えられる。

絵:もうふ

絵一覧
haru.jpgharu_2.jpg

門十郎

八番
monjuurou.jpg門十郎(もんじゅうろう)
資料室説明
北陸道の浄化任務で出会ったもっけもの。
熊の姿をしている。
無骨で無愛想な大男。
黙々と仕事をこなす姿は雪国の男らしい。

主人であるハルに従う。
ハルを見守る目はどこか優しい。
―追記―

「まんまるに大きく目を開いた。
 泣くか? そう思ったが、その子は違った。」

「あの言葉と笑顔が私を変えたのだ。
 怪我を診てもらった恩を返すため、あの里でしばらく仕事をしてそのあとはまた他所へ行こうと思っていた。
 だが、傷を癒やす私の部屋を覗き込む気配に気づいた。」

「初めて会ったとき、その小さな小さな少年は
 私を見て笑ったのだ。
 それはまるで雪原に咲いた小さな花のようで」

「私はそのまだ弱く柔らかな花が、
 厳しい冬の寒さに枯れることのないよう
 側で支えることを選んだのだ。」

「そうして、愚かな鬼は死に絶え、私はただの門十郎となったのだ。」

大きな熊のもっけものは、はにかむように微笑んでそう言った。

――ある夜の会話より


※注意
上記内容は該当声聞士及び地魂男子の強い希望により、記録として残す。
すべて該当声聞士及び地魂男子の口述によるもので、データベース、歴史書などから裏付けをとることはできなかった。
<凍結>による影響と考えられる。

絵:やおやそはち