シナリオ/色なき世界の見る夢のイベント
- 射命丸文
- 「無数の仮面を引き連れて練り歩く一人仮面舞踏会……マスカレードとしか言いようがないですね」
- 秦こころ
- 「私は感情を司る者、面霊気、秦こころ!
さあ……最強の称号を賭けて私と闘え!」
あふれる、希望~トラジディ・マスカレード解放戦
感情を奪うトラジディ、マスカレードの攻略解説。
攻略手順
- エスカ-ゴールドソーサー内を探索していると、無軌道に移動するマスカレードに遭遇する時がある。
- マスカレードは接近次第戦闘に入るが、最初にスフィア「無感情の波動」を使用する。
「無感情の波動」の効果範囲内にいる限り、「感情が動かない!」と表示され全ての行動が自動的に失敗してしまう。
つまり、マスカレード相手に一切抵抗できず攻撃を受ける形になってしまう。
PTにこころがいれば次のターンに、いなければ2ターン後にこころが現れて感情を励起し、PTを逃してくれる。
なお、動けない間でも、マスカレードの攻撃力は大して高くないので、全滅する可能性はまず無い。
この戦闘はマスカレードと遭遇する度に発生する。
- マスカレードは接近次第戦闘に入るが、最初にスフィア「無感情の波動」を使用する。
- 戦闘後はエスカ-博麗神社に戻る。
こころと神子の会話により、マスカレードの正体が秦こころである事はほぼ確定する。
また、さとりか神子がPT内にいた場合でも、マスカレードの精神は動きがなく、心(欲)を読む事ができないと告げられる。
しかし、こいしを連れてマスカレードと戦闘を行うと、逃げた後にこいしがマスカレードが無意識で動いていることを教えてくれる。
無軌道に見えても、エスカ-ゴールドソーサーの中で"なにか"を探しているみたいだ、と。
こいしに続いてこころも、微弱すぎて気の所為かと考えていたが、実はエスカ-ゴールドソーサー内にほんの僅かだが「希望の感情」を感じていたと告げる。
こころとこいし、そして神子の会話により、マスカレードは無意識に希望を探して動き続けていると推察。
再びエスカ-ゴールドソーサーに突入し、希望を探すことに。
これが「マスカレード調査任務」のクエストである。 - エスカ-ゴールドソーサー内にはシャドウ族のエスカンモンスター「マスカー」が出現する。
精神系の状態異常を全て無効化するが、一方で心属性の攻撃が弱点で、しかも心属性の攻撃を受けると1回目は100%、2回目以降も50%の確率でひるむ。
心属性の攻撃が使えるメンバーがいれば楽だが、例えいなくても大した相手ではない。 - エスカ-ゴールドソーサー内の各エリアに、砕けた「希望の面の欠片」が6つ散らばっている。
希望の面の欠片はわずかだが希望を有しているため、こころがPTにいれば場所を察知できる。
探索中でもマスカレードは現れるが、こいしをPTに連れていると、レーダー内でマスカレードを探知できるため、回避しやすくなる。 - 実用面に加えて、こころがPTにいる状態で欠片を入手すると、その欠片が何らかの感情に対応していることを教えてもらえる。
対応した感情は「焦り」「恐怖」「悲観」「責任感」「諦め」そして「謝意」である。
欠片を全て集めた後は、一旦エスカ-博麗神社に戻って、神子に希望の面を修復してもらおう。- 希望の面に込められた感情を読み取ったこころは、神子に促され、マスカレードに起こった出来事を語る。
自分の存在を安定させるために、感情と表情について学ぶ冒険。
"彼"と私との、楽しい思い出。そこまでは一緒だ。
だが、期日が近づいてもなかなか安定しないこころは「焦り」を覚える。
自己が消滅してただのお面に戻ってしまうのではないと「恐怖」したこころは、己の運命を「悲観」する。
そしてこころは、どうせ消滅するのならばと「諦め」、感情を司る自分の使命を遂行するという「責任感」を持って行動を起こした。
その行動の裏には、自分を悪役として討って貰えば、"彼"を悲しませずに済むだろうという考えがあった。
しかしそれも、結局は悲しませてしまったのだという「謝意」を抱いて、こころは消えたのである。
- 希望の面に込められた感情を読み取ったこころは、神子に促され、マスカレードに起こった出来事を語る。
- なお、欠片を集める前に、マスカレードと活動エリアを同じくする他のトラジディ……特にハンツマンとラブコールは先に「解放」しておくことを強く推奨する。
流石に彼女らに追われながら探索するのは危険だし非効率だ。- この逆、つまりハンツマンやラブコールの「解放」の際にマスカレードが邪魔になるパターンも当然あるが、マスカレードはPCを狙って襲ってくる訳ではないため緊急性は低く、後回しで構わない。
- 希望の面の修復が完了すると、エスカ-ゴールドソーサー内のイベントホールにマスカレードが出現する。
観客など一人もいないイベントホールの舞台上で、静かにマスカレードがたたずんでいる。
わずかに感じていた希望が、何者かに奪い取られてしまい、何もすることがなくなったためだ。
感情を持たないマスカレードは、希望がなければ何も行動を起こせないのである。
そこへ、秦こころたちが現れる。
- 秦こころ
- 「表情を持たぬ道化よ。
お前が探していたものはこれか?」
こころは挑発的な口調で、修復した希望の面を見せつけた。
マスカレードは、無表情な面に隠れて表情は見えないが、全く身動ぎしない。
- マスカレード
- 「偏った感情は争いを生む。
我は全ての感情が平等に訪れるように調整してきた」 - マスカレード
- 「だが、感情について学ぶ内、これを完全に制御することなど不可能ではないかと考えるようになった。
感情が偏ると争いが生まれる。
だが感情をコントロールすることはできない」
- 豊聡耳神子
- 「だから感情そのものを消し去ることにしたという訳か?
何とも、こころらしい暴走振りだと言えなくもないが……」
- 秦こころ
- 「嘘ではないが、真実でもない。
お前は……」 - 秦こころ
- 「……全てを背負い込もうとした」
こころの声色が変わった。
先程までの毅然とした勇ましい声ではなく、問いかけ、言い聞かせるような、柔らかい声に。
- 秦こころ
- 「自分がなんとかしなきゃ。
私が事態を解決しなきゃ。
そう思って、そう動いたんだよね」
- 秦こころ
- 「わかるよ。貴方は私だもん」
マスカレードは応えない。彼女の感情は見えないが、沈黙は肯定を意味した。
- 秦こころ
- 「何よりも……"あの人"への謝意の念が一番強かった。
自分が消えた時、"あの人"が悲しまないようにって、そう考えたんだ」
- マスカレード
- 「……どれが正しい道だったのか我には判らなかった。
時間もなかった……何もせずとも、ただの面に戻っていたはずだ。
我は、どうすれば良かったんだ」
- 秦こころ
- 「その答えも、貴方は既に知っている……知っていたはずだよ。
忘れちゃったの?」 - 秦こころ
- 「私の周りには、仲間達がいたでしょ?
相談に乗ったり、愚痴を聞いてくれたり、助言をくれたりした。
間違いを正したり、教えてくれたり、力を貸してくれた」 - 秦こころ
- 「だから私は、感情を学ぶことができた。
みんながいたから、私はこうして居られるんだよ」 - 秦こころ
- 「希望はね。どこかから見つけてくるものじゃない。
自分の中から湧き出てくるものなんだよ」
こころはすうっと息を吸い込む。
そして、キッと鋭い目つきになった。
- 秦こころ
- 「私は感情を司る者、面霊気、秦こころ!」
突然、大声を上げてそう宣言する。
仲間たちは呆気にとられるが、マスカレードだけは、即座にこころの真意を理解した。
あの時……感情と表情を学ぶ冒険を始めた時。
仲間たちがこころにしたのと同じことを、今はこころがマスカレードに。
- 秦こころ
- 「私こそが、お前が探し求めていた希望の面の持ち主だ。
さあ……最強の称号を賭けて私と闘え!」
VS.マスカレード
- BGM:crescent moon
攻略√におけるBADEND時のこころを核としたトラジディ。
常時2回行動。HPは12万程度。
攻撃力も防御力もさほど高くないが、CHRが異常に高い。
感情を封じた結果、皮肉にも宿敵と呼んだ相手と類似した無意識の能力を獲得しており、物理回避率がかなり高い。
魔法ならばと思っても、常時「イノセン」状態であり魔法ダメージは極端に低くなるため、魔法による攻撃は非推奨。
幸い、回避率ダウンや必中効果は有効。 - 敵対心に殆ど従わず、盾役を無視して後衛を攻撃する事が多い。
攻撃力が低いとは言っても後衛には痛い。
かばうを活用して強引に盾役に攻撃を向かせるか、いっその事防御を捨てて攻撃を受けた後での回復を重視する方が楽かもしれない。 - 2ターン毎にマスカーを2体呼び出す(最大で画面内に5体。マスカレード本体含めて6体)。一体一体は大した相手ではないとはいえ、流石に手に負えない。
マスカレードが心属性の攻撃を受けると、その回数に応じて次回に呼び出すマスカーの数が減る。2ターン中に2回当てればマスカーは召喚されない。レアな属性ではあるが、幸いこころが習得するので、可能な限りこころに攻撃させよう。
マスカーが2体以上いる時のみ使用する「無感動の白面」は全ての強化効果を解除した上でアムネジアと死の宣告(3ターン)を付加する厄介すぎる技なので、マスカーが召喚された場合は即座に対処するべき。 - HPが50%を切るとスフィア「無感情の波動」を発動する。効果中は全く動けないが、こころとこいしだけは動ける。また、こころの憑依「喜怒哀楽ポゼッション」を使用すれば解除した上でマスカレードが確定スタンする。
なお、「無感情の波動」使用時にこころが戦闘不能状態だった場合、HP1で復活するため、詰みにはならないようになっている。
ちなみに「無感情の波動」中はマスカーは召喚されず、またマスカーがいる場合は「無感情の波動」を使用しない。わざと1体だけ残しておくのも有りだ。
HPが25%を切ると「仮面喪心舞 暗黒能楽」を使用し始める。強力な連続攻撃だが、幸い単体攻撃なのでいきなりピンチにはならないはず。
マスカレードの面が落ちる。
その下にあったのは、確かに秦こころの顔。
……よく見知った、能面のような無表情の顔。
- マスカレード
- 「……こんな時、どういう表情をしたらいいんだ」
- 秦こころ
- 「笑えばいいよ。
ほら、スマイルスマイル!」
こころは両手の指で自分を指しながら、にっこりと笑って見せる。
かつての能面のような無表情が嘘かのような、きれいな笑顔を。
そうだった。
これも、仲間に教えてもらったんだ。
覚えている……みんなの顔。
確かに……笑っていたな。
思い出した。
最期のあの瞬間……地面に倒れる私を、みんな見ていた。
あの表情は……何の感情だったのだろうか。
ああ、そうだ。
ちょうどいま、私を見ているこいつのような――。
- 秦こころ
- 「仲間がいるよ。だから……
絶望を私のゴールにしないで……」
僅かな怒りと、たくさんの哀しみと、目一杯の憐れみ。
こいつと同じ顔で、私を見ていたんだ。
"あの人"にも……みんなにも……。
ごめんなさいと、言いたかったな。
- 豊聡耳神子
- 「感情がないだと?
希望がないだと?」 - 豊聡耳神子
- 「ならば、その表情は何だ、"秦こころ"。
今なら、私にもお前の欲が見えるぞ」
言葉とは裏腹に優しい口調で神子が言う。
秦こころの目からは、涙がこぼれていた。
無意識に封じられていた感情が、溢れたのだ。
表情は動かないが、それでも。
こころはマスカレードと"同じ"表情をして、それから彼女を抱きしめた。
マスカレードはたどたどしくこころを抱きしめ返すと同時に、その体は粒子と化して消えていく。
ことんと音を立てて希望の面が落ちたが、やがて後を追うようにそれも消える。
後には、灰色の楽器だけが残されていた。
- 秦こころ
- 「希望……届けられたかな」
- 古明地こいし
- 「希望があるもん。
あの子は、もう負けないよ」
その日、どこかの世界線で。
無表情な白い面を手にした少女は、考え込むように俯く。そして思い返す。
自分がどれほど周りに助けられてきたか。
笑顔を教えてくれた者がいた。
怒りを教えてくれた者も、哀しみを教えてくれた者もいた。
そして何よりも、一緒にいて楽しいと思わせてくれる"あの人"がいた。
今さら、もう手遅れかもしれない。
ただ哀しみを与えるだけの結果に終わるかもしれない。
それでも……まだもう少し、足掻くことが出来るのなら。
頼ってみよう。
そうして少女は白い面を捨て、前を向いた。
その表情には、決意が感じられた。