シナリオ/色なき世界の見る夢のイベント
閉ざされた正門
正門は歴戦の英雄たちさえも阻む
――エスカ-陰陽鉄学園に向かっていた面々が戻ってきた。
そして、霊夢を先頭に、紫、幽香、萃香……いずれも実力者の中の実力者である。彼女たち全員が一様に微妙な表情を浮かべている。
- 博麗霊夢
- 「結論から言って全くダメだったわ。結界の一種には違いないんだけど、解き方が全く分からない」
- 八雲紫
- 「スキマを使っても内部への侵入は不可能でした。どうやら校舎全体が完全に隔絶されているようですわね……」
- 霍青娥
- 「まさか壁抜けできない壁があるなんてねぇ。お手上げです、お手上げ」
- 伊吹萃香
- 「じゃあ壊せばどうだ、って全力で殴ってみたけどダメだね。……逆にこっちがビリビリしちゃったくらいだ」
- 風見幽香
- 「同じく、思いっきりやってみたけど全然。ふ、ふふ……本気ではないとはいえ、すこーし気分が悪いわ?」
- フランドール・スカーレット
- 「壊そうにも"目"が全然見えないの。あれじゃ手も足も出ないわ……」
- 霧雨魔理沙
- 「弾幕はパワー! だが負けた!」
- 風見幽香
- 「私でダメなら、魔理沙じゃ無理に決まってるでしょ?」
- 霧雨魔理沙
- 「やってみなきゃわからんだろう? まあ実際そうだったけどな……」
やり方はともあれ、いずれも物理的障害を通ることに関してはプロフェッショナルである。その彼女たちが白旗を振った。
――エスカの陰陽鉄学園。その正門の突破に失敗したのだ。
校門は開かず、敷地に入ることもできない。あのリージョンにおいて唯一侵入できない領域。
その内部に何かあるのでは、とあたりをつけてみたはいいものの……
- ブロントさん
- 「破壊力ばつ牛ンの鬼の破壊活動でも無理とかマジで震えてきやがった・・」
- 汚い忍者
- 「結界の専門家の博麗が白旗をあげ、移動チートの学園長もお手上げ。壁抜けのプロの邪仙もダメだった。仕舞にはぶっ壊すことにかけて一流のコイツらでも無理。となると物理的な侵入は不可能だな……」
- リューサン
- 「何はともあれお疲れ様であるな^^;」
――だが、彼女たちに同行していた霖之助は首を振る。
- 森近霖之助
- 「だけど、手がかりが得られなかったわけじゃない」
- 汚い忍者
- 「ていうと何か手がかりでもあったのかね、森近センセ」
- 森近霖之助
- 「霊夢が調べてみた時にまるで鍵のない門みたいだ、って言っててね。物は試しに触ってみたんだ。門なら道具だろうからね」
- 射命丸文
- 「あっ、そういうことですか。使い方がわかったんですね」
- 森近霖之助
- 「断片的だったが……どうやら、あの正門は封印の一種みたいだ」
霖之助いわく、あの正門はエスカに漂う悪い気質を内部に入れさせないための門であること。
封印の動力源はエスカの各地から流れている非常に強力な力。力の源を断てば門は開くのではないかということ。
- 森近霖之助
- 「仕組みはカバラ的神秘主義のセフィロトの樹に近いかな。強力な存在と経路を繋げて、それを結界の動力にしているんだろうね」
- 内藤
- 「wwwwwwwwwww説明よろwwwwwwwwwwww」
- 綿月豊姫
- 「エスカに漂う悪しき気配を薄め、正門と繋がっているHNMをどうにかすれば門が開く……かしら?」
- 内藤
- 「うはwwwwwwwwwwwwおkwwwwwwwwwww」
- 綿月豊姫
- 「エスカを漂う穢れは、マリシアスの影響を受けているように感じるわ。彼らを討伐すれば変化があるかも」
- 射命丸文
- 「肝心のHNM……エスカンモンスターやマリシアスの力を借りているとは思えませんから、リージョンを陣取っているようなトラジディとか、ですかねえ」
射命丸文がスマートフォンのメモアプリに情報を書き込み、下唇を舐める。
各々が難しい顔をしていると、ミスティアがふと感慨深げに呟いた。
- ミスティア・ローレライ
- 「……こうやって、ああでもないこうでもないって頭を捻ってると思いだすよね。……学生の頃のダンジョン攻略」
- リューサン
- 「ああ、そういえば不思議のダンジョンとか大変だったな……」
- 汚い忍者
- 「あったあった。ブロントとか内藤が罠踏みまくってな……トレインに巻き込まれて散々だったぜ」
- ブロントさん
- 「おいィ? 存在しない記憶の捏造は犯罪だぞ汚い工作はやめろ忍者」
- 博麗霊夢
- 「懐かしいわねえ……お金稼ぎに冒険者稼業に挑戦してたっけ?」
- ルーミア
- 「私も色んなダンジョンに挑戦したよ。暗い場所の方がやりやすかったな」
- 博麗霊夢
- 「ルーミアならまあそうよね。ちなみに外界のどこへ行ったの?」
- ルーミア
- 「ん、えっと……最初は外界じゃなくてAC学園のタワーにチャレンジしてみたの、近場だったから。そしたら――」
- リューサン
- 「ヒロシ、そんなところまで冒険に行ったのか!? 外界にはそんな秘境もあったんだなあ……」
――気付けば、みんなして各々(それぞれ微妙に記憶と噛み合わない)思い出話に花を咲かせていた。
ひとまず、わかっている範囲から少しずつ調査をしてみるという方向で決定したのだった。
これもまた冒険の一種だ。
正門を封じるものたち
- 陰陽鉄学園の正門は、エスカの各リージョンを支配できるほどの力を持つトラジディ(射命丸が管理するトラジディの一覧のうち、名称の後ろに★がついている個体)とマリシアスの撃破が条件となっている。
前者は「トラジディ幻葬戦」を参照のこと。後者はクリーパー以外のネームド個体を一定数撃破することが条件。
条件を満たす度、紫がスキマを通して封印に変化が起きたことを知らせてくれる。