シナリオ/黄昏よりも聖き者

Last-modified: 2020-10-07 (水) 22:28:09

イベント名

たそがれよりもしろきもの

概要

シナリオ傾向:シリアス[有] コミカル[有] ほのぼの[有] 恋愛[有] 欝、人死に[有] 百合、大統領ネタ[有]

登場人物関係:登場人物の制限[] キーキャラクター[アフマウ、早苗] 敵対キャラクター[]

攻略関係:イベント発生時期[秋] 総所要日数[1週間] 他シナリオとの平行[可能] 戦闘難易度[中~有頂天] 攻略中ヒロインの関与[薄]


100年前に起こった第三次世界大戦。
『白き神』と『黒き神』の激突により焦土と化した大地も、今となっては過去の戦争の痕跡などまるで残っては居ない。
そんな昔話に興味を持った早苗は『白き神』の降臨に挑戦するが…。

発生条件

『超弩級ギニョルの謎を追え』(早苗、チルノ、美鈴の3り分と則紗の4回分)をクリアしていること。
上記4名含め、アフマウの好感度が高い。

攻略

非想天則起動計画

ある日、早苗はPCにこんな話を持ちかけてきた。
「非想天則を私たちで完成させませんか?」
非想天則とは、夏に喫茶ベヒんもスのデモンストレーションのために諏訪子とにとりが共同で作った巨大アドバルーンのことだ。
人型ロボットに見えるが、ただのアドバルーンである。早苗はそれを本物のロボットにしてしまおうと言うのだ。
しかし、どうやって?
「このお方の力を借りるんですよ!」
そう言って早苗が机にバンッと本を置いた。
…100年前に起きたという、100年聖戦を描いた歴史小説だった。
早苗が指差した一文には、こう記してあった。

 

白き神が眼を光らせると、その視界に映った障害は全て焼き払われた。

 

「目からビームを出すなんて、古代文明のスーパーロボットのことに決まってますよ!」
…そもももビームなのか、これは?
「白き神を降臨させるには『よりしろ』が必要…まずは白き神が降りるに相応しいロボットを作らなくては!」
早苗はPCの返事も聞かず、腕を引っ張って出て行ってしまった。

 

早苗の声はよく通るので、近くの生徒たちにも会話は聞こえていた。
もちろん皆いつもの早苗の暴走だろうと大して気にも留めなかった。
ただ一人…アフマウを除いては。

計画ノ進行ハ順調ナリ

「へえ!ロボットですか」
「ロボット?だいだらぼっちじゃなくて?」
「だいだらぼっちなら、ほれ。目の前に居るじゃろうが」
美鈴、チルノ、則紗が口々に反応を示した。
「ロボットを作るには人手が足りないのです!皆さんが手伝ってくれると、とても助かるのですが…(チラッ)」
…美鈴と則紗はともかく、幼稚園児に何を期待しているんだ。
「ロボットを作るには常識に囚われない発想が大事だと思うんです。その点、チルノちゃんならきっと私の想像を超えたアイデアを思いついてくれますよ、きっと」
「へへへ、それほどでもない!」
「多分あれは褒めたとは言えんと思うぞ…」

 

「人手の次は材料ですかね」
人手すら十分に揃ってない気もするんだが…。
「うーん。何か心当たりとかあったりしませんかね?」
「あたい知ってるよ!」
マジで!

 

チルノに案内されたのは、どことも知れぬ洞窟の中だった。
「…本当にこんな所に、からくりに使えるような部品があるのか?」
「もうちょっと…あ、あれだよ!」
先頭を行くチルノが目的を見つけたようなのでその方向を見ると…。
「おお!」
「これ、からくり?随分と古いようだけど…」
「よもや本当に…」
そこにあったのは、所々錆びれた古い鉄塊だった。部品を多く失っており原型を留めていないが、どうやら元々は人型だったように思える。
「どうよ?」
「hai!これならバッチリです!早速持って帰りましょう」
見るからに重そうなんだが…。
「わらわに任せるがよい」
言うが早いか、則紗が生み出した影はいとも容易く巨大な鉄塊を持ち上げた。

因縁の鉄

鉄塊を持ち帰った一向は、修復を頼む為にとりの元を尋ねた。
「うわぁ…こんなもの、どこで拾ってきたのさ!?」
にとりは大いに驚いたが、驚きよりも知的好奇心と科学者魂の方が燃えてきたらしく、早速作業に取り掛かった。

 

早苗らが行った後、にとりを尋ねるもう一人の人影がいた。
「ふふふ…こいつは直し甲斐があるね…!っと、アフマウ、いつからそこに?」
「…まさか、本当に見つけてくるとは。子供のやることは恐いわね」
「?」
「マウも手伝うわ、その人形の修復」

新生、聖戦の鉄巨人

にとり・アフマウ共同による鉄塊の修復に合わせて、早苗たちは他にも使える部品がないかと奔走していた。
そんな早苗たちの様子を見て、他の生徒たちも段々協力してくれるようになった。
修復された鉄塊と集めた部品を掛け合わせて……。

 

「…で、出来た」

 

「新生・非想天則!完成ですっ!!」

 

遂に、鉄の巨人を作り出すことに成功した。
巨人の上半身…とでも言うべきか、足は無く、逞しい腕と肩の鉄の人形。
歓声を挙げて喜ぶ協力者一同。
「良かったわね、早苗」
「アフマウさん!貴方が協力してくれたお陰ですよ…!」
アフマウの手を強く握ってぶんぶん上下に振り回す早苗。
「い、痛い痛いってば!そ、それより早苗!この子に名前をつけてあげてよ」
「名前…?それは非想天則で…」
「非想天則は蔑称でしょう?『天の則を想うに非ず』…だから、貴方がちゃんとした名前を付けてあげるの」
「…そうですね…」

 

「…『ゴルディオス』!どうでしょう、空に浮かぶ一等眩しい星の名前なんですが!?」
「うん…いいと思うわ」
「決まりですね!この巨人の名前は…ゴルディオス!よろしくね!」
早苗の呼びかけに、当然ながら非想天則改めゴルディオスは応えなかった。
応えなかったが…光を宿さぬ眼に、何かが灯った。そんな気がした…。

神降ろしの儀

ゴルディオス。
守矢神社の一角に立てられたそれは、足が無いのでその場を動かず、時折、蒸気を吹き上げて腕を動かす程度しか出来なかったが、それで十分だった。
「うむ…見れば見るほど立派なからくりじゃ。手を貸して良かったのう」
「よし!あたいはこいつの背中の上に乗る!」
「待っテ!そんな危ない真似は止しなさい!怒られるのは私なんだから!」
よく目立つゴルディオスはすぐに評判になり、ネ実市でも知らない人はいなくなった。日夜ゴルディオスの元を訪れては感嘆し、恐る恐る触れてみたりする。
瞬く間にネ実市の人気者である。…以前のアドバルーンだった頃から大して変わってない気もするが。
しかし、そんな細かいことは無邪気に喜ぶ早苗やチルノらを見れば、すぐに吹き飛ぶのだった。

 

ところで早苗さん。
「何か用ですか?」
ロボット造った目的忘れてますか?
「忘れてない」
そうですかありがとうゴルディオスすごいですね。
「それほどでもないです」
やはり忘れていた!しかも皆で造ったものなのに謙虚にもそれほどでもないと言った!

 

…様式美はともかく、当初の目的は『白き神』を呼ぶことだったんじゃないかの?
…あれ?最初から動くロボットが目的だったんだっけ?
「あー…それは、そうなんですけど…。私自身、これほど皆さんが積極的に手伝ってくれるとは思ってなくて…。まさか本当に動くロボットが完成するなんて想定してなかたんですよね…」
単なる遊びのはずが、想定以上のものに仕上がったものだから、嬉しいのやら困ったのやら…。早苗はそう語った。
「でも、そうですね。ここまで来たら、やってみましょう!」

 

「…で、その『白き神』を呼び出すために私を連れてきたの?あんたも巫女なら自分でやりなさいよ」
「私は巫女じゃないですよ~似たようなものですけど。私は神降ろしなんて出来ないんです」
悪態をつく霊夢を何とかなだめようとする早苗。
「『白き神』ってのはどんな奴なの?」
100年前に戦争のために呼ばれた守護神だという系の話があるらしいぞ?
「ふーん。面白みが無いわねぇ。そいつイケメンだったりしない?」
えっ…いあ、そこまでは…。
「からくりに宿った神だというのじゃから、同じようにからくり仕掛けなのか、それとも実態が無いのかもしれんの」
「ますます詰まらないわ…」
「そこを何とかお願いしますよ~今度スィーツ奢りますから!」
「私はそういうのにはあんまり興味ないんだけど…まぁ、そんな必死にならないでよ。やるだけやってみるから」
さっすが~!博麗の巫女は話が分かる!
「私は優しいからな他の奴らにも伝えるべき」

 

紆余曲折ありつつも、日が沈む頃には準備を終えた。
「よし…始めるわよ」
霊夢が神社の石畳に腰を下ろすと、小さな声で何かを唱え始めた。
始めそれは周囲の雑音にかき消されてしまうような、か細いものだったか…詠唱が進むごとに少しずつ、少しずつ雑音が減っていく。夜の虫も、空を駆ける鳥も、風にさざめく木々も、その声を無くしていく。
霊夢の詠唱だけが一帯を支配する…そんな錯覚を覚える。あるいは、それも神威なのだろうか?

 

そして突然、夜の空が眩しく照らされた。一瞬…一瞬だけ真昼のごとく輝き、その光はゴルディオスに飲まれるように消えていった。

 

…秋の夜の声が、復活した。
「…終わった…?」
「ええ、儀式は終わりよ」
霊夢は立ち上がり、服の汚れをぱっぱと払うとさっさと帰ろうとする。
「せ、成功なんですか?」
「さっきの光を見たでしょ?あれが『白き神』よ」
「あの光が…?」
「………多分」
えっ?
「だ、だって実物見たことないんだから私に分かるわけないでしょ!?」
おいィィィィィ!?

 

神降ろしが成功したかどうかを巡り霊夢と早苗がギャーギャー喚くのを尻目に、アフマウは懐かしいものを見るようにゴルディオスを眺めていた。
「…アフマウさん?どうかしましたか?」
美鈴が話しかけると、アフマウはポツリと答えた。
「…あれは、『白き神』に間違いないわ」

亡国の影

ゴルディオスに白き神が宿った。
とはいえ外見に何ら変化は無く、本来想定された以上の稼動を見せるでもない。今までどおりの見世物だった。
そんなゴルディオスを見上げる一人の男。
「……」
「ごきげんよう、ルザフ」
「ごきげんよう、アフマウ」
アフマウは彼をルザフと呼んだ。彼こそが血盟学園の教頭、ルザフである。
「なにをしてるの?」
「『こいつ』とまた会う日が来るとは思わなかったのでな」
「感傷かしら?」
「教頭たる者、怨みも恩義も忘れずにいなければいならないよ」
ルザフが白き神に恩を感じるはずは無い。だからゴルディオスを見て感じるのは怨み辛み…では、なかった。
「しかし…不思議なものだ。俺が今感じているのは怨みでも…もちろん恩義でもない。言い表そうにも……上手い言葉が思いつかない」
「でも、嫌な感情ではない?」
「そうだな」

 

「しかし…気になることがある」
「それは?」
「100年前の戦争の時、生み出された機械兵器は白き神の依り代となった『ジャスティス』以外にもあった。
『ギア』と呼ばれる、その名の通り忠実に動く歯車のような存在だ。
ギアは兵器であると同時に、神の制御に失敗した場合に、神の躯体を破壊して止める役目が設定されていたらしい。
ところが白き神と黒き神で相打ちになったために、終戦からずっと役目を失って…恐らくは今も眠っている。
だが、あの子たちは『ジャスティス』を…『ゴルディオス』として復活させてしまった。それを探知したギアがまた動き出すことがあるかもしれない…
皇国の制御を受け付けない状態となった白き神を破壊するために。」
ルザフは実際に『ギア』を見たことがある。とはいうものの、それは彼にとっては敵だったものであり、さほど詳細な情報を持っているわけではないのだ。
「…杞憂ならいいんだがな」
「でも、マウは大丈夫だと思うわ」
「どうしてだ?」
「だって、『守護神サマ』は、今はマウたちの味方なんだもの」

襲来

「ギア…ですか?」
昼の学校で、アフマウは早苗に話した。
「知り合いが言っていたことだけど…白き神の制御が利かなくなった時のために、それを破壊するための兵器があるらしいの」
「…もしかして、それは…」
「今のゴルディオスを察知したら、破壊しに来るかもしれない」
アフマウの言葉に、早苗は少なからずショックを受けているようだった。…無理もない。あれほど愛着込めて造ったゴルディオスに、それを破壊しようとする存在がいるかもしれないというのだ。
「もしかしたら、今も既に動き出して…」
「…分かりました」
早苗さん?
「ゴルディオスは私が護ります!ギアだかなんだか知りませんが、みんなで一緒に造ったものを、壊させはしません!」

 

昼下がりの守矢神社。
ゴルディオスの前に、いつものメンバーが集まっていた。
「分かりました!門番の名に賭けて、ゴルディオスは守ってみせますよ!」
「さいきょうのあたいがいれば安心だね!」
「お主らとおると退屈せずに済むからの。ほんの恩返しじゃ」
「みなさん…ありがとうございます!」
こうして、ゴルディオス護衛作戦が発令されるのだった。
「厄介な「楽しそうな」ことになったねぇ」
「…諏訪子、あんたって奴は…」
「いいじゃない、早苗の夢を守るためと思えば!」

 

そうして…日が沈みかけていた頃。
(不覚にも)眠気が溜まりつつあった美鈴は、しかし視界の彼方に何かを見た。
「あれが…ギア?」
「あたいしってるよ!あれって、ほら!川の近くに置いてあるような石だよ!」
「テトラポットですね…確かに似てますけど…」
テトラポット状の宙に浮いているあれが…『ギア』?
そして、その多数のギアの後ろから巨大な影が。
巨大な得物と、ギアと同様に宙に浮いて連結する両手足。その姿を見て連想される言葉は、まさに…。
「…鉄巨人」
「あれもギアなの?」
「ギアの親玉ってわけですか!?」
鉄巨人はゴルディオスを真っ直ぐに見据えている。そしてゴルディオスもまた、迫るギアたちを視界に捉えている…ように見えた。
「オ・オ・オ…アレ、キ…」
「喋った!?」
鉄巨人が声を出した。大分かすれていて、上手く聞き取れなかったが。

 

「……私は……アレキサンダー
私を……畏れよ……私を……崇めよ……。
私を……空へ……私に……陽を……。」

 

「ゴルディオスがしゃべったー!?」
「なんか自己紹介してるー!」
ゴルディオスはしきりに蒸気を吹き上げ、稼動する。
「…アイアンクラッド・ギア。汝…控えよ。私に主人が…ないように…汝に主人は…あるのだから」
「任務再確認。パターンB・『ジャスティス』制御不能時。之の破壊を試みよ。任務了解」
ゴルディオスが威厳あふるる、脳に直接響くような声で話すが、アイアンクラッド・ギアと呼ばれた鉄巨人は淡々とした機械音で答える。そもそも会話ですら無い。
テトラポット状の小型ギア軍団はゆっくりと周囲に展開し、ゴルディオスを取り囲む。鉄巨人もまた正面に立ち武器を構えた。
「これは…戦闘ですかね!?」
「…そのようですね。チルノちゃん、私の後ろに」
「あたいはさいきょうだから負けないよ!めーりんもあたいの次にさいきょうだから、やっぱり負けたりしないんだから!」
「ふふん。これは負けられんのう?」
夕暮れの守矢神社に、戦火が舞った。

  • ギアーズ
    小型のギア多数との戦闘。
    PTメンバーはPC・早苗・美鈴・則紗で確定。神奈子と諏訪子は別の方向から来るギアと戦っているので参戦不可。
    機械兵器だけに物理攻撃・防御ともに高く、美鈴は苦戦するだろう。とはいえ(PCを除けば)盾を勤められるのは彼女だけなのでガンガン頼ろう。

「ゴルディオスッ!!」
ギアを退け、急いでゴルディオスの元へ戻るが…戦況は不利のようだった。
その場を動けないゴルディオスと鉄巨人とでは仕方ないのかもしれないが、互いに巨大なせいで周囲への被害が大きく、下手に近づくことも出来ない。
「コンバットパターン…『バリスティクキック』」
鉄巨人は分離した脚部を弾道のようにゴルディオスへ向けて射出する。当然、動けないゴルディオスは回避することが出来ない。しかし、腰部からビームのような光の帯を放出し、鉄巨人の肩を掠める。
鉄と鉄が激しくぶつかる音。
足が鉄巨人の下へ戻って来ると、同時に武器を振るって攻撃の手を緩めない。
武器が振るわれる、その風圧だけで吹き飛ばされそうになる。
「ゴ…ゴルディオス…ッ!!」
ゴルディオスがにわかに動きを鈍らせると、その隙を見逃すまいと鉄巨人が畳み掛ける。
近づくことさえ出来ないPCたちは、黙ってみているしか出来なかった…。

 

やがて…ゴルディオスはその動きを完全に止めた。

アレキサンダー

動きを止めたゴルディオス。場を沈黙が支配する。
役目を終えたギアたちは途端に動きを止め、踵を返した。
「ま…って」
立ち去ろうとするギアたちに、早苗が声を絞り出す。
「ま…ちなさいよ!よくも…よくもゴルディオスを!!」
「止せ、早苗!」
「うわああああっ!!」
早苗は無我夢中に駆け出して、鉄巨人へ迫る。
鉄巨人は彼女を鬱陶しそうに片手で殴り飛ばす動作を構える。
「早苗!」
「ッ!!」
だが…その拳が早苗に届くことは無かった。

 

空を裂き貫く閃光が、鉄巨人の腕を消し飛ばした。
光る眼、蒸気を上げる腕、唸るブースター。
(BGM『Ragnarok』)
ゴルディオス…、アレキサンダーは生きていた。
「…!!」
「ゴルディオス!!」
「ァアレキサンダァァァア!!」
淡々とした口調だった鉄巨人が、激昂する。再び足を切り離し、その巨体からは信じられないほどの速度で突進する。
アレキサンダーはビームを放つと鉄巨人の足と激突し、弾け飛んだ破片が互いを襲う。

 

ふたつのかたまりが出会うとき。

 

ひとつのかたまりは黒きを感じ。

 

ひとつのかたまりは白きを思い。

 

大きな嵐が生まれる。

 

嵐は天にのぼりはじめ。
ぶつかり砕け散るだろう。

 

かけらは天にまたたき。
かけらは地にかがやく。

 

……われらは願う。
ふたつのかけらをこの手に……と。

 

汝…滅せよ
万物の無限を願い……万物の無窮を思い……
万物の無常を知り……万物の無痕を見よ……

 

「ΩΩΩΩΩΩΩ」

 

そして…全てが真っ白な光に包まれる。
光の中で、鉄巨人の身体は粉々に砕け散って消えた。

 
 

あの日以来、ゴルディオスは動かなくなってしまった。早苗にも霊夢にも、ゴルディオスに神性は感じられないという。
しかし…早苗が落ち込んだ様子は無い。
白き神…アレキサンダーだったか?もう居なくなって…早苗は寂しくないのか?
「寂しくないなんて嘘ですけど…でも、いいんです。アレキサンダー様は、私を護ってくれた。あのお方は優しい神様なんだって…それが分かりましたから」
早苗…。
「それに!動くカッコいいロボット!ちゃんと見れたじゃないですか!私の願いはもう十分叶えられているんですよ!」

報酬

  • アクセサリ「白神の指輪」
  • 称号「白き神を畏れる者」