【ガンディーノ】

Last-modified: 2024-04-25 (木) 07:08:30

DQ6

【現実の世界】の南東部の大陸にある王国。
【ミレーユ】【テリー】の生まれ故郷である、城下町付きの【城】。南西には【ほこら】がある。
SFC版の【公式ガイドブック】での英語表記はGandino。
DS版以降の英語版での地名はFeloniaだが、逆に下記の【ギンドロ組】がGandinoと呼ばれている。現国王の名はBenedict。
 
【マーメイドハープ】を手に入れた直後から行けるようになるが、出現するモンスターのレベルを考えると後半に行くのが適当と思われる。
ただ、この城では【ちいさなメダル】が大量に手に入ったり、強力な武器防具が売っていたり、伝説の武具の情報も聞けるので早めに行ってみるのもいい。
必ずしも行く必要はないが、初回プレイではここの学者に【不思議な洞窟】に関する情報を聞かないと、よほどカンが鋭くない限りは実質クリア不可能だろう。
皇太后の部屋の手前のフロアには樽が一つポツンと置かれている。壁伝いになっていないのはかなり珍しい配置である。
 
ここに来るとミレーユとテリーの暗い過去が断片的に明かされる。
今でこそ正義感溢れる人格者の【ガンディーノ王】が国を治めているが、先代の王はギンドロ組と組んで人身売買の片棒を担ぐようなとんでもない奴だった。
ミレーユもその犠牲者の一人であり、当時の養父母がギンドロ組に脅されて奴隷として拉致されてしまうが、【ガンディーノ皇太后】がその美貌に嫉妬し、地下牢に幽閉してしまった。
後に彼女は地下牢の世話人である爺さんの手引きによって逃亡する(このとき、【黄金の竜】を呼び出すを預けられている)が、逃げた奴隷一人で遠く離れた街まで旅ができるとは思えないため、生存は絶望視された。
脱走したと見られる地下道はギンドロ組の隠れ家の井戸と繋がっているため、一歩間違えるとつかまっていた可能性もある。
 
なお、ミレーユを含めた奴隷が何をされていたのかは明確には語られていない。
ゲーム中では王の部屋から降りた所に“特別の”例の風呂場があったことから、おそらく王に献上された奴隷は夜伽をさせられていたものと思われる。しかも毎日使われてたらしい。DQでは珍しい生々しい描写である。
ミレーユもこれをさせられていたのかは不明だが、王の手にかかる前に王妃によって地下牢に落とされたという説が有力。
 
一方のテリーは、ミレーユが連れ去られるときにミレーユを守ろうとしてギンドロ組のヤクザに抵抗を試み、ヤクザを斬りつけ(殺害には至っていない)、逆に半殺しにされてしまった。
そしてテリーは姉を守れなかったのは自分の力不足のせいと思い、国を去った。
テリーもミレーユ同様の理由で生存は絶望視されており、養父母は現在でも罪悪感で苦悩の日々を送っており、毎日教会に通いつめている。
 
【エンディング】ではここでミレーユ&テリーと別れる。
全く訪れずにクリアすると、ED中で訪れたことになるのか、プレイ中は行っていないのにルーラに登録される。
 
重税や弾圧・生贄など自国民を苦しめる暴政が布かれていた例は、同作では他に【レイドック】、過去のシリーズにも【ジパング】【サマンオサ】【ラインハット】、のケースもある。
しかし、これらはモンスターが裏で糸を引いていたり、国民からの評判こそ悪いが暴政とまでは断言できない例が多かった。
魔物が全く関係しない悪人の私欲のみによって明確な暴政が布かれていたのは、過去のこととはいえガンディーノが初であり、その内容もこれまでの暴政国家とは、また違った畜生の如く酷いものである。
路線こそ違えど魔に心を売った人間も邪悪なモンスターの奸計も、罪のない人々からすれば脅威という点で言えば大差はない。
ちなみに暴政に対して革命や反乱が起きたわけでもなく、ただ単に為政者の世代交代により問題が解決したという描写になっている。
つまり暴政をしいた国王本人は結局何ら直接的な報いは受けておらず、その子供が堂々と後を継いでいる。
これは国王の悪事の片棒を担いでいたギンドロ組の方も同様。
 
ここは町という施設でありながら【トラップモンスター】がなんと2匹も潜んでいる。
ギンドロ組のアジト前の井戸には【いどまねき】が、地下牢には【ツボック】が潜んでいる。
 
DQM1とDQ6の世界線が明確につながっていると仮定した場合、DQM1オープニングとエンディングに出てくるテリーの自宅はおそらくこの街にあると解釈することも可能。
 
余談だが、イタリアにGandinoという同名の街がある。

リメイク版

【仲間会話】が追加されたためキャラの個性が見て取れる。
かつての暴政の話を聞き、曲がったことが嫌いな性格ゆえ自分のことのように怒る【ハッサン】、聖職ゆえに非道を許せない【チャモロ】、いつもの陽気な口調の中にも正義感の強さが見て取れる【アモス】など、正義感の強い面々は怒りを露わにする。
ミレーユだけはここではずっと無言で黙っているだけであるが、会話の無いときの「…。」ではなく「…………。」と別物。
これを見るに思い返して語りたくないほどの辛い目にあったのであろうことは想像に難くない。
とはいえ、完全に沈黙するわけではなく、子供やアル中のオジサンなど国の政治やギンドロ組とは関係のない会話をした後はちょっとしたコメントを言う。

漫画版

漫画版【ドラゴンクエスト 幻の大地】では、主に「テリー外伝」で登場。
この漫画版の先代ガンディーノ王は、「魔物使いの王」という設定になっており、DQ5に登場したモンスター【まものつかい】の容姿をもち、数多くの魔物を率いている。
近隣の村々も治めているが年貢や税金を納められない村は若い娘をよこせと要求し、従わない者には容赦なく魔物を仕向けるという極悪非道な統治者だった。ミレーユがさらわれた際も、多数の魔物を率いて攻め込んで来ている。テリー達が暮らしていた村の者たちはこの悪政に対し「戦うこと」を選択し、村はつぶれてしまったらしい。
 
後にテリーと【アッシュ】が城に乗り込んでまものつかいを倒し、ガンディーノは解放されたが、既にミレーユは城から脱出した後であった。

小説版

【カルベローナ】復活後に来訪。ミレーユが入れられた地下牢は残っていて現在は倉庫として使っているが、シャーロットとカマーという二人の老人が今もそこで暮らしている。
シャーロットは囚人たちの世話係をしていた女性で、カマーはミレーユにあのオカリナを託した老人である。
ミレーユ脱獄後は囚人たちが「あの子は魔女だったんだ」「いつか王妃に仕返しに来る」などと噂を流したためか待遇が改善されており、そのうち前王が亡くなって牢屋自体もその役割を終えたという。
 
このシャーロットという女性に関してイザは、年齢的にこの地下牢に入れられた最初の一人がそのまま世話役になったのではないかとみたのだが、どこか現国王に似た面影を感じ取り「先代国王のお手付きになって王子を産んだために先代王妃から妬まれ投獄されたのではないか」と推測している。ただしあくまでイザの考えとして示されており、これが正しいのかは明らかにされていない。
 
なお、姉弟の養父母はジャームッシュとマルタという名前で登場している。