【発掘現場の学者】

Last-modified: 2021-10-05 (火) 21:30:20

DQ7

DQ7のキャラクター。
最後まで個人名を呼ばれることはなかったため、正確な名称は不明。
ただし3DS版の英語版ではDr Doug Digbyという名が付いている。
年齢は不詳だが主人公らに対して「年寄りをからかうんじゃない」と言ったり、どこか口調も年寄りっぽい。実際【ガボ】には「じっちゃん」と呼ばれている。
ただ化石を見に来たギャラリーから主人公達を孫だと勘違いされた際に「こんな大きな孫がいるほど年を取ってないわ!」とも言っている。
見た目は頭が若干禿げかかった中年男性の風貌で、右目に片眼鏡を付けている。
 
初めて主人公達と出会うのは現代の【ユバール族の休息地地方】にある【化石の発掘現場】にあるテント。
そこで出土した【古代の化石】の調査をしているのだが、化石を調べようとすると「触るな」と怒鳴って来る。
出土した化石以外ではカタナやツボの類も見つけたようだが、それらすべての「本当の姿は分からない」「仮説が間違っているかどうかもわからない」と、もしも過去に行けたら真実が分かるのに…と思い悩む日々を送っている。
これだけならその辺に居る名前の無いただ偏屈な学者に過ぎないのだが、後々彼はストーリー上で重要な役割を担うことになる。

主人公達と過去へ 

【砂漠地方】の過去で彼が発掘した古代の化石こそ【ティラノス】の骨ではないか、と目星をつけた主人公一行は、現代に戻りなんとかこの骨を過去に持っていこうとする。
しかし当然ながら貴重な研究資料である化石を学者は渡そうとはしない。
だが、主人公らが過去の【砂漠の村】で貰った【さばくのお守り】を見ると態度が一変。
このお守りが数百年前に作られたものであることを見抜き、主人公たちが現代と過去を行き来していることを信じてくれる。
 
そして「自分も過去に連れて行ってほしい」と言い、そのまま主人公達に付いて来てしまう。
まさしく考古学者の夢であろう過去への時間移動を叶えたという超がつくほどの果報者である。
パーティメンバー以外で石版による時間移動を行ったキャラは他には【木こり】くらいである。
ちなみに【謎の遺跡】でも興奮して宥めるのが大変だったらしい。
しかし木こりと違い、パーティにいる期間は非常に短く発掘現場を出るとオートで過去に行ってしまうのですぐに離脱してしまう。
彼の事を殊更鬱陶しがっていた【マリベル】にとってはありがたい事だろうが。
 
過去についた学者は【砂漠の城】の大威容に大興奮。
脇目もふらずに調査を開始するので、ナイラへと急ぐ主人公一同は彼を置いて行くことになる。
その後は結局というか、予想通りというか、彼は事件解決後も【キーファ】のように過去に残ることを選び、主人公たちは彼を置いて現代へ戻ることになる。
ただキーファと違い、彼の場合は家族も心配する人もいないようで、仕事仲間である部下にも【お金と手紙】を主人公を介して送っており、現代世界にきちんとけじめをつけている。
やはり人間的には中々できた人物だった模様。
実際部下のあらくれからは「せんせぇ」と呼ばれ慕われており、手紙を読んでもう戻らないことを知っても責めたりはせず彼が夢を叶えたことを祝福していた。
 
しばらくしてから過去へ行くと【魔王像】跡で【フェデル】の首飾りを見つけて、まさしくそれを探しにここまで来ていた【ハディート】と所有権についてすったもんだしている。
この時は主人公から説得されて渋々ながら首飾りを手離している。
同行期間こそ短かったものの主人公への恩義や信頼はしっかりと感じてくれていたのだろう。
多少揉め事も起こしつつも、なんだかんだで馴染んでいったようだ。

その後

砂漠の城編が他と大きく異なる点として、現代に復活した場所を訪れた時、「言い伝えに残ってる人と似てる」程度ではなく「救い主さま本人が再び訪れて下さった」として盛大な歓迎をしてくれるという点がある。
他と同じく、数百年という年月が経過しているはずなのに、である。
 
当たり前だが普通の人間が姿も変わらないまま数百年生きている事はあり得ないので、仮に「数百年後に救い主がまた来る」と言い伝えを残したとして、誰も信じないだろう。
従って「救い主は神の使いで人間ではない」だとか「未来から来た人間なので数百年後に存在する」だとか伝わっていたという事になる。
 
しかし、過去編での作中では、主人公たちはそのような話は一切していない。
未来から持ってきたティラノスの骨を見せた時でさえ「この時代のものではない」とは言わずにいた。
救い主の話が言い伝えられるうちに独り歩きして尾ひれがつき神格化され、神の使いみたいになっていった可能性は否定できないが、それだけで「数百年後にまた来る」という具体的な時間付きの内容が出来上がるとは考えにくい。
 
となると、主人公が未来から来たことを知っている人物であるこの学者が真実を明かして言い伝えを残す事に一枚噛んでいた可能性が高い。
もしそうであるなら、具体的な年代までピンポイントで指定してあっても不思議ではない。
(過去の砂漠地方が現代から見て何年前なのかは不明だが、他の地方と照らし合わせて「〇〇国の××王が即位してから△年後」等と言う指定の仕方をすれば、学者が元いた時代の知識だけで可能)
 
それを裏付ける根拠として、砂漠の城の石柱の救い主の事を伝える碑文の文字がある。
大半は当時の文字で刻まれているのだが、そのうちの一つに明らかに「刻んだ年代は周囲の文字と同じなのに、文字は現代のもの」が見つかっているのだ。主人公達はこれに干渉していないので、まず間違いなく現代人であった学者が刻んだものであろう。
 
彼はその後は城大臣として招き入れられたらしく、現代の砂漠の城の図書室の古びた本は彼が書いた物と思われる。
船でもラクダでも行く事が出来ない遠い国から私は来た、と自分の孫に語っていたようだ。
つまりは現代では心配する家族もいないと言っていた彼だが、最終的には現地で妻子に孫と家族にも恵まれたことが伺え、孫と会話していることから相当長生きしたようだ。
なお、この本を見つけた時にマリベルは「まさかこのお爺さんって…」と感づいている。
また、現代でも【大地の精霊像】には彼の子孫と思われる、彼そっくりな人物がいる。
 
重いストーリーの多いDQ7では不幸な最後を迎えた人物やひねくれた人物が多数登場するが、この学者は夢中になって突っ走るきらいがあるものの筋は通す好人物であり、自らの夢に従って満足な人生を送ったであろう、数少ない幸福かつラッキーな人物と言える。
 
さて、学者を失った現代の発掘現場であるが、その後も彼を抜きにして発掘は続行された。
だが、後にこの地下から【発掘現場の洞窟】が出現、内部から現れた魔物によって多くの作業員が犠牲となってしまう。
学者は過去へ移住したことで結果的に難を逃れており、この辺りも彼の幸運と言うほかない。

注意点 

彼は増殖して主人公たちを詰ませることがあるので注意。
詳細は【学者増殖バグ】を参照。