GalnetNews3307年4月

Last-modified: 2021-05-08 (土) 15:32:46

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3307年4月30日- Kumo Crewスターポート、操業開始

 *パイロット連合より速報*

 先日Archon Delaineの計画によって建設された5つの新スターポートですが、この度全面操業が開始されました。

 これらのOrbis型ステーションはKumo Councilによって運営されます。詳細は以下の通りです。

Kumo City - Pegasi sector PN-T C3-14星系 - Harma星系近隣

California Freeport - HIP 18390星系 - California Nebula

Crimson Exchange - HIP 10792星系 - Sothis星系近隣

Fort Xeno - HIP 62154星系 - Coalsack Nebula

Delaine Terminus - Eol Prou PC-K c9-91星系 - Colonia星系近隣

 これらのスターポートでは数多くのサービスが提供される見込みですが、低人口のために従業員の不足が懸念されています。また周辺星系の治安機関からは、該当スターポートを犯罪組織Kumo Crewが運営する事による、ブラックマーケットの横行や違法行為の助長を危惧する声があがっているようです。

 これについてPegasi Sentinel紙に対しKumo Councilの上級メンバー、Arch-Corsairの役職にあるKay Volantyne氏は次のように述べています。

 「このスターポートの存在意義って言ったらもっぱら交易の促進さ。交易は銀河の血液っていうじゃないか。ま、たまーに血液があちこち漏れ出ることもあるだろうけど。新しいお隣さんは勿論喜んでアタシらを保護してくれるんだろう、ねえ?」

 該当する5星系にはSirius Corporationの子会社を含む他勢力も出現しています。そのためこの犯罪組織とメガコーポレーション間の不明瞭な繋がりを推測するニュースフィードもあるようです。Siriusの資金援助が行われていたとすれば、Kumo Crewが自らの領分を越えてこれほどの拡大を遂げられた理由も説明できるかもしれない、といった考えが示されています。

3307年4月29日- 連邦首脳陣、データ要請で競合

 *パイロット連合より速報*

 連邦における民間監視の強化・縮小を巡る競合計画が始動、データ配送要請を確認。

 Zachary Hudson大統領は事前対策捜査局(Proactive Detection Bureau)をより効果的なものとするため、市民への協力を求めています。

 「PDBはテロリストや犯罪者が潜伏するような、一般にあまり知られていない通信チャンネルへのアクセスを求めております。複数ソースからのデータをご提供いただくことで、より多くの潜在的脅威を駆逐することができるのです。」

 このキャンペーンに対抗し、Felicia Winters野党大統領は個人通信傍受からの保護運動を開始しました。

 「市民の皆さんが憲法で保障されたプライバシーの権利を守る手助けをすること、それは私の義務です。基準値テストに十分なデータを集めることができれば、私達から政府の侵入を防げる合法的技術や手法を配布いたします。」

 両キャンペーンでは以下のデータを求めています。Anomalous bulk scan data、Exceptional scrambled emission data、Specialised legacy firmware、Unusual encrypted files。

 Hudson大統領を支援する際はNanomam星系Gresley Dockにデータを配送してください。

 Winters野党大統領の支援にはRhea星系Ito Orbitalへの配送が必要です。

 政治アナリストによるとこれらはHudson・Winters両者が個人的に計画したプロジェクトであり、各々が影響力を持つ星系の治安や安定度に影響が及ぶ可能性があるとみられています。

3307年4月29日- Aegisプロジェクトに呼応、Guardian遺物集まる

 *パイロット連合より速報*

 Guardian種が創り上げた遺物の大量搬入を受け、Aegisの対エイリアン研究プログラムが始動。

 100万年以上も前に滅び去った謎の文明遺跡から、Casket、Orb、Relic、Tablet、Totem、Urnといった多くの古代遺物が発見されました。これらは分析のため、パイロットらによってDelphi星系へ輸送されています。

 Alba Tesreau教授からこのような発表が行われました。

 「銀河コミュニティの皆さんの目を見張るほどの尽力に、Aegisの皆が感謝しております。これらのサンプルからGuardianテクノロジーに関する新たな知見を得ることができれば、研究資金や資源が今後も得られるやもしれません。」

 Aegisはサーゴイドに対する、より効果的な武装・防衛手段の開発に同意しています。ですがまだ研究は初期段階であり、すぐにも画期的成果が出るような見込みはないとの事です。

 Guardian遺物の配送を行ったパイロットに対し、Delphi星系のメガシップAlexandriaではAegis Researchからの報酬支払いが行われています。

3307年4月28日- Hadrian Duval、NMLA告発に反論

 NMLAの攻撃はImperatorことHadrian Augustus Duvalによって仕組まれたものとの証言が行われた件について、ACTから正式な発表がありました。Hadrian氏は直ちにこれを否定しています。

 Neo-Marlinist Order of MudhridのDelacroix方伯はACTに対し、孤立主義グループNova ImperiumこそNMLAの中枢であると証言。これに対し、Hadrian Duval氏はこのような声明を発表しました。

 「これらの告発は全くの誤りです。我々の政治的方針はMarlinismとは正反対であり、我々は帝国の伝統を取り戻すことをこそ信条としています。Nova Imperiumの軍隊はParesa条約(Treaty of Paresa)に基づき、Mudhridでテロリストとの戦いにも従事しております。」

 「Lady Astridが『NMLAのトップエージェント』との事ですが、妻は初めて船を操縦した時から忠実な帝国系艦長でありました。」

 Aisling Duval姫も公にこの疑惑を否定し、Hadrian Duval氏への支援を申し出ています。ですが元老院ではZemina Torval議員からこのような主張がありました。

 「過激派組織が過激な行動に出た、これは驚くような話でしょうか。自ら"Imperator"と名乗るようなこの傲慢な少年が、再び暴力的な反逆に走ったことに皆様そんなに驚いていらっしゃるのかしら。たとえDuvalの血を引く者であったとしても、帝国の敵であれば罰せられなければなりませんわ。」

 ACTは方伯の証言について全面調査を実施中です。同盟・帝国・連邦は緊急対応を求めているにも関わらず、しばしの忍耐を求めています。

3307年4月27日- 銀河ミステリー:Hesperus

 民間調査機関Wallglass Investigations AgencyのFrancesca Wolfe氏。今回彼女が考察するのはメガシップHesperus号と、Hesperus発見の原因となったDredger Clanについてです。

 「遺棄されたAdamastorが奇妙な信号を受信したとき、地道な努力(smart money)を通して信号は姉妹船のHesperusが発信したものと考えたのです。両船ともAzimuth Biochemicals社の所有で、200年前に消息を絶っていました。」

 「信号の解読と追跡に尽力がなされた結果、独立系パイロットの手によりPerseus Dark Region KC-V C2-2星系第二恒星付近の小惑星帯でHesperusが発見されました。Adamastor同様、乗員はいませんでしたが……それだけではなかったのです。」

 「すぐ傍に浚渫船(a dredger)がいたのです。あの船が接近したことでHesperusのメーデーが発信されたのですね。最近Gunnarsonも話していた遊動民の一つ、Dredger Clanの珍しい目撃例となりました。」

 「彼らScriveners Clanはもともと、とうに忘れ去られた学術共同体の研究船団でした。何世紀もかけて彼らは自給自足社会を成立させ、常に資源や情報を確保し続けるようになりました。攻撃的ではありませんが部外者を避け、彼らの‘Knowledge Core’を油断なく守り続けているようです。『研究軍曹(research-sergeants)』や『講師大将(lector-generals)』の記述には魅了されましたね。これは彼らの文化が学究的なものと軍事的なものの融合体であることを示唆しているんです。」

 「ScrivenersはHesperusを自分たちの回収物と主張しており、駆動部も取り外されてしまったために詳細を知る機会は無くなってしまいました。幸運なことに4つの暗号化データファイルがアップロードに抵抗しており、浚渫船の古めかしいファイアウォールの隙間からデータをハックできています。」

 「解読されたログは後世のため、近隣の観光ビーコンに保存されました。そこには企業対立、殺人、復讐といった不穏な物語が綴られていましたが、同時に多くの疑問も残ることとなりました……。」

 「生存者らが『エイリアンの遺物』捜索を続けるために船を放棄したことはわかっています。では彼らは皆宇宙で亡くなってしまったのでしょうか。あるいは何かを見つけたんでしょうか。3113年にAzimuth社の探査機が見つけたものとは何だったのでしょう。そしてHesperus捜索のためにパイロット達に接触してきた謎の人物、‘Salvation’とは一体何者なのでしょうか。」

3307年4月26日-NMLAリーダーはHadrian Duval、Neo-Marlinistsが暴露

 ACT内部から流出した機密情報によると、NMLAの首謀者はNova Imperiumの"Imperator"ことHadrian Augustus Duvalであるようです。

 独立系ジャーナリストのFlint ‘Firemaker’ LafosseがRewired networkで詳細を公表しています。

 「Hadrian Duval。彼は帝室の恥ずべき庶子か、あるいは謎多きテロリストの根源なのか。以下に語るはNeo-Marlinist Order of Mudhridの生き残りが、保身のために明かした彼らの秘密である。」

 「筆者情報源によるとDelacroix方伯はACTに対し、一味はHadrian Duvalから直接指示を受けてNova Imperiumの暗殺者と酵素爆弾を目標地点まで輸送。その見返りに報酬と政治権力を約束されたと語ったようだ。」

 「Delacroixはこうも明かしている。一年前、Hadrianは彼の配偶者でありNMLAのトップエージェントでもあった、Astrid Minerva妃によってNeo-Marlinismへと宗旨替えをしていた。Astrid妃は他のDuvalが皆いなくなればずっと簡単に皇帝になれると彼を説得したのだ!」

 「昨年10月のNMLAによるHadrian暗殺未遂事件は帝室の信頼を得るためのやらせだった。真実を追求する人々なら皆知っていることだが、よくあるありふれた偽旗作戦である。」

 この情報はまだ立証されておらず、情報源についても匿名のままです。ACT、Nova Imperium両者からのコメントも行われていません。

3307年4月23日- Winters氏、市民監視は違法と主張

 Felicia Winters野党大統領から事前対策捜査局(Proactive Detection Bureau)は連邦協定に抵触しており、違憲であるとの主張が行われました。

 議会演説ではこのような発言がなされています。

 「市民が持つデータの機密保護及びプライバシーの権利、これは連邦憲法で明確に保証されています。PDBはこの保証を踏みにじったのです。あらゆる人々の個人的通信を強制的に捜査し、良識も尊厳も投げ捨ててアルゴリズムが私たちの生活のあらゆる側面を調べられるようにしているのですから。」

 「さらにですがACTの仮説が正しく、NMLAが高度な秘匿通信ネットワークを使用しているのであれば、PDBの存在は正当性がなく不当なものと言えるでしょう。」

 Jerome Archer副大統領からはこのような返答がありました。

 「国内テロ対策法(Domestic Counter-Terrorism Act)はあくまで緊急立法であり、憲法法規の停止はテロの脅威が排除されたと確信されるまでの一時措置である。」

 「PDBによる過激派の摘発成功を受け、過激派に関係している他の犯罪行為も含めて捜査するよう検査条件の拡大を行っている。」

 世論調査によると、治安強化のために自由の一部を犠牲とすることに納得している連邦市民はなんとか過半数に達する程度のようです。

 ですが市民権団体のAdvocacyからは、PDBがデータハブにアクセスできるようになったスピードを踏まえ『監視を行うインフラは既に整っていた、政府が必要だったのはそれを合法化する機会だった』との意見が示されています。

3307年4月22日- Aegis、Guardian遺物の収集を要請

 *パイロット連合より速報*

 新たな対エイリアン研究プログラムのため、AegisがGuardian種の古代遺物を要求。

 The Guardiansは百万年以上も前に滅び去った知的ヒューマノイド種であり、サーゴイド(Thargoid)種と敵対していたことが知られています。

 Aegis Researchの代表、Alba Tesreau教授からこのような声明が出されました。

 「銀河サミットで、AegisはGuardian技術を改めて分析する事に同意いたしました。これはサーゴイドに対する、より効果的な防衛策の開発を期待されてのことです。そこでこの謎に満ちた種族についてエンジニアのRam Tah氏が行った画期的研究との比較を行うため、新たなサンプルを提供していただきたい。」

 「これまでCasket、Orb、Relic、Tablet、Totem、Urnとして知られてきたGuardianの遺物、これらが必要なのです。何十もの惑星に古代遺跡がありますが、そうした地から発掘が可能なはずです。」

 「銀河コミュニティの皆さん、本プロジェクトの支援をお願いいたします。Aegisが今後も資金援助を受けるために必要なことです。本プロジェクトを成し遂げ、我々の知の限界をさらに高みへと押し広げなければならないのです。」

 各パイロットに対し、Delphi星系のメガシップ"Alexandria"のAegis Researchまで物資の配送が求められています。

3307年4月22日- Archon Delaineのスターポート計画終了

 *パイロット連合より速報*

 貿易拡大を目指し新スターポートを建設するKumo Crewの計画が成功裏に終了。

 Harma星系のGabriel EnterpriseにCeramic composites、Semiconductors、Polymers、Water purifiersといった物資がパイロットの手によって大量に運び込まれました。また輸送貨物保護のため、懸賞金証票も発行されました。

 Kumo Councilによると交易業者と賞金稼ぎ両者に対する報酬は、忠実な代理人であるThe Razor Whipsを通じGabriel Enterpriseで支払われるとのことです。

 Kavanagh Spaceframes LtdがKumoとの契約を履行するため、新たなOrbis型スターポートを建設する予定です。これらは3307年4月29日、以下の地点に設置されます。

Pegasi sector PN-T C3-14 - Harma星系近隣

HIP 18390星系 - California Nebula

HIP 10792星系 - Sothis星系近隣

HIP 62154星系 - Coalsack Nebula

Eol Prou PC-K c9-91 - Colonia region

 Archon Delaineの声明がThe Pegasi Sentinel紙で公開されています。

 「俺は嬉しいぜ。今、俺達の交易ルートは新たなシマに踏み込めるって訳だ。俺の民草どももべらぼうに恩義を感じているだろうさ。」

 「計画を邪魔してくれようとした犯罪者どもが大勢いるってのはちょいと気に入らねえがな。こんなんじゃあ俺も、エラく独創的な報復を考えざるを得ねえなぁ。近いうちに決行だ、楽しみにしてるぜ。」

3307年4月21日- 連邦内傍受活動、国内テロリストを特定

 連邦内のあらゆる民間通信を監視するという事前対策捜査局(Proactive Detection Bureau)の活動ですが、内部で大きくなりつつあったテログループのいくつかが発見されたようです。

 連邦情報局(Federal Intelligence Agency)のBethany Blake副長官からメディア発表がありました。

 「高度なアルゴリズムと熟練捜査員が組み合わさり、これまで知られていなかった十数の過激派組織が明らかになりました。市民が狙われる前に、彼らに先んじてFIAによる強制捜査を決行しております。」

 「加えてテロ戦術、過激なイデオロギー、その他の疑わしいテーマをについて研究を行っていた数千の個人を逮捕いたしました。」

 「PBDは今後も全ての通信網を監視し、連邦司法省(Federal Justice Department)を通じて各地治安当局と歩調を合わせていく予定です。」

 Jerome Archer副大統領は、今回の結果が国内テロ対策法(the Domestic Counter-Terrorism Act)の妥当性を示したとしており、PDBは連邦市民を標的とした大量殺戮を防ぐ一助になると述べています。

 市民権団体は個人的なメッセージを傍受するようなやり方ではなく、従来の取締り方法でも過激派は発見できたはずであるとの主張を続けています。独立系犯罪学者からも、こうしたアマチュアグループが実際に攻撃に出る可能性は統計的に低いとの意見が述べられました。

3307年4月20日- Neo-Marlinists、条件付恩赦で合意

 Neo-Marlinist Order of MudhridはNMLAリーダーの身元を明らかにする代わりに、Marlinist居留地に安息地を与えられたようです。

 同勢力が帝国軍に敗れた後、生き残りがHyades Sector RO-P b6-2星系へと到着。三列強は逃げ込んだ難民の逮捕を要求していましたが、現地勢力であるMarlinism Reformation Partyは政治亡命を認めた形となります。

 事実調査のため現地を訪問していた、Lorcan Scordato帝国元老院議員から発表があります。

 「Neo-MarlinistsとMarlinist議会の会談が行われた結果、確実な合意に達することができました。Mudhrid方伯及びその側近らはACTに全面協力し、NMLA上級幹部らの詳細を提供する事。その見返りとして、現地刑務所で終身刑に服する事となります。」

 「Steel Majestyの乗員は過激派特定のため、Marlinist警察隊(Marlinist Constabulary)による保安検査を受ける事になるでしょう。過激派ではない人々は星系への残留が許され、市民権が適用される見込みです。」

 Blaine宰相はこの提案に賛成し、『これこそ皇帝陛下が望んでおられる創造的解法そのものだ』とコメントしています。同盟・連邦の反応は様々ですが、NMLAが最優先目標であるという点では大筋で一致しているようです。

 Marlinism Reformation Partyの選出リーダー、Aaron Whyte大臣からは平和的解決策を取り付けたScordato議員への感謝が述べられています。

3307年4月19日- Adamastorの謎

 *パイロット連合より速報*

 Chukchan 5 b軌道上にある200年前の遺棄メガシップに関し、匿名人物の指示を受信したとの報告がCMDRからあがっています。

 4月8日、Adamastor号に搭載されていた通信ビーコンが、暗号化信号の受信及び中継送信を開始。当局がこの信号の追跡・解読を行っていたものの失敗に終わっていました。

 ところが匿名発信源から接触があり、Adamastorの信号を解読するアクセスキーが提供されたとの主張が多数のパイロットから寄せられています。

 Vox Galactica紙に対し、Rex Trevelyan艦長はこのように答えてくれました。

 「Chukchan星系に着いてすぐだったな。俺の船に‘Salvation’なんて名乗る奴からメッセージが飛んできた。奴は解読キーをくれて、そうしたらAdamastorからダウンロードした信号が読めるようになったんだ。姉妹船のHesperus号が自動で飛ばしたSOSみたいだった。」

 「聞いたところじゃ、あの信号から航行データを読み取ったCMDRもいるらしいな。何かのためにパイロット連中を募ってるように思えるんだが、俺たちゃ一体誰のために働かされるのかね?」

 事態を受け、パイロット連合(Pilots Federation)が調査を開始しました。‘Salvation’の正体はまだわかっていませんが、Adamastorの信号にはかの姉妹船Hesperusに繋がるデータが含まれているとの報告があります。

3307年4月16日- Neo-Marlinists、Marlinist居留地に亡命要請

 Neo-Marlinist Order of Mudhridの生き残りがMarlinist居留地に到着、帝国からの政治亡命を求めています。

 最近Mudhrid星系の戦いで帝国軍に敗北を喫した同勢力ですが、ACTの捜査によりNMLAのスターポート襲撃を支援していた事がわかっていました。

 Delacroix方伯及びその支持者らはメガシップ"Steel Majesty"に搭乗し、戦いの後Marlinism Reformation Partyが統治するHyades Sector RO-P b6-2星系へ脱出したのです。Marlinism Reformation Partyの選出リーダーである、Aaron Whyte大臣から発表が行われています。

 「Neo-Marlinist Order of Mudhridの全員がNMLA活動家という訳ではない。難民だった我々を連邦が保護してくれたように、我々には無実の人々を迫害から守る安息地を提供する権利がある。」

 Patreus元老院議員が「Mudhrid方伯は謀反人であり、戦争犯罪人である」と主張するなど、帝国からはNeo-Marlinistsの身柄確保が公式に求められています。

 同盟・連邦の両者も彼らの逮捕を主張しました。ですがWinters野党大統領はMarlinist憲章が連邦と同様、法的亡命権を認めている点を議会で指摘しています。

 この件を受け、Marlinist議会は緊急事態宣言を発しました。Fairfax主席大臣は選択の議論を呼びかける一方、Amrita Ross大臣及びTamsin Taylor大臣の両名は帝国との協調を強く呼びかけています。

3307年4月15日- Archon Delaine、新スターポート建設計画始動

 *パイロット連合より速報*

 犯罪組織The Kumo Crewが銀河交易の賦活化を目指し、最大5つのスターポートを建設する計画を始動。

 独立建設会社Kavanagh Spaceframes LtdはThe Kumo Councilと、完全に稼働するOrbis型ステーションを建設するといった非公式契約を締結した模様です。これらのステーションは重要な交易領域や、商業的関心の向けられる宙域に近い無人星系に設置されます。

 ニュースフィードであるThe Pegasi Sentinelには、Archon Delaineのこのような声明が掲載されました。

 「俺の庇護下にある星系の繁栄を図る、それは俺の責務だ。Kumo nationの最高指導者としてのな。そしてこの俺の新たなスターポートはKumoの活動範囲を広げ、ありとあらゆる交易を促進することになる……合法的なものも、そうでないものも。」

 「俺の計画を邪魔しようという小癪な連中の首に懸賞金もかけてある。俺達は慈悲は商わん。」

 Delaineに忠実な勢力の一つ、The Razor Whipsが本計画を取り纏めるようです。Ceramic composites、Semiconductors、Polymers、Water purifiersをHarma星系Gabriel Enterpriseまで輸送したパイロットには報酬が支払われます。

 新設されるスターポートの数は配送量によって決定されます。対象となる地点は次の通りです。

Pegasi sector PN-T C3-14 - Harma星系近隣

HIP 18390星系 - California Nebula

HIP 10792星系 - Sothis星系近隣

HIP 62154星系 - Coalsack Nebula

Eol Prou PC-K c9-91 - Colonia region

3307年4月13日- 通信監視プログラムに対する連邦内の反応

 連邦内におけるプライベートなやり取りを監視しテロ活動の有無を確認する、事前対策捜査局(Proactive Detection Bureau)について様々な反応が起こりました。

 本件を主要ニュースフィードが報じています。

 The Federal Times:「PDBへの抗議のため、市民権団体は団結を始めている。さらにこうした論争は、Jupiter Division支持者による企業主義運動(corporatist movement)の付け入る余地となったようだ。彼らのスポークスマンはこう伝えている。『政府は自らの職権を逸脱しつつあります。だからこそ、直接企業統治への転換がなされなければならないのです。』」

 Sol Today:「地球上のあの夜空で燃え続けたLi Qing Jaoステーションを皆もう忘れてしまったのだろうか。我々の安全を守るために必要であれば、何であろうとなされなければならない。秘匿を求めるのは隠し事を抱える人だけだ。」

 Vox Galactica:「Olympus Village UniversityのIrene Ralston教授によると、政治史を学ぶ彼女の学生たちがMarlinismを研究したとしてFIA捜査員の視察を受けたという。履修過程に含まれる内容であるにも関わらずだ。」

 The Tau Ceti Journal:「スターポート爆破のため、経済的損失を被った企業はPBDを歓迎している。しかしそうでない企業は機密商業情報を守る権利があるとして、法的異議申し立てを提出した。Caine MasseyやVandermeerのようなメガコーポレーションに至っては、政治献金の撤回をちらつかせている。」

3307年4月12日- 銀河ミステリー:Dredger Clans

 Wallglass Investigations AgencyのErik Gunnarson氏に今回語っていただくのは、改造した浚渫型メガシップ(Dredger megaship)で銀河を放浪する遊動民たちの話です。

 「どこかに定住するのではなく移動しながらの生活を好む人々の集団……旅するコミュニティとでも言うべきものが数多く存在することはご存じかと思います。彼らは自身の独立性に誇りを持ち、文明社会の片隅で生き延び、行政当局との関わりを避ける傾向にあるようです。そうした人々の中で特に成功を収めているのが"Dredger Clans"として知られるグループですね。」

 「Dredger-class bulk cruisersは天然・あるいは人工鉱石を原料に変換し、深宇宙航行を維持するつくりになっています。こうした船は改良型ハイパードライブと燃料収集システムの登場で随分前に使われなくなったのですが、いくつかを遊動民たちが引き継いで運用し続けているようですね。」

 「こうしたDredger型は今や一種の世代船と言えるでしょう。それぞれの船に何万もの人々が搭乗しており、各々の文化を何十年・何百年にも渡って進化……あるいは退化させているのです。これぞ一匹狼、というようなコミュニティもありますし、一方で互いに同盟を組んだり時には遺伝子プールを増やすために集まる船もあります。」

 「普通、こうした『クラン』はいわゆるスカベンジャーとして立ち回ります。星系を素早く通過しつつ、ロックされていないものを盗み去る訳です。中には必要な物を得るために無防備な前哨基地を襲撃するといった、より攻撃的な手段に訴えるグループもありますね。」

 「わずかではありますがさらなる悪評で知られるものもあります。子どもの頃、『お行儀が悪い子は寝てる間に"the Phagos"に連れていかれて食べられちゃうんだよ』なんて言われたものです。この話が本当かもしれないと知ったときには、あのときの悪夢が舞い戻ってくる心地がしましたね。」

 「これはつい最近聞いた噂ですが、めったに見られないDredger Clanの一つが姿を現したとか。当然といいましょうか、相方のWolfeが大急ぎで調査に出かけていきました。彼らには謎が多く知られている事もわずかですから、願わくば彼女には知識を持ち帰ってほしいものです。」

3307年4月9日- 帝国元老院議員、Marlinist居留地を訪問

 帝国が進める反テロ作戦の一環としてLorcan Scordato元老院議員がMarlinist居留地を訪問、事実調査任務にあたりました。

 Imperial Herald紙がこの報告書の序文について、要約の掲載許可を得ています。

 「昨今の難民の状況を考慮すると、Marlinistコミュニティは驚くほどよく統率されている。政府は共和制を敷いてはいるものの帝国文化を捨て去った訳ではなく、住民の多くが元いた惑星への郷愁を感じているようだ。」

 「しかしながら彼らの置かれた状況は依然不安定であり、入植した8星系のうち3つが外部勢力の支配下に置かれた。銀河コミュニティの支援がなければ、さらなる失陥を免れないかもしれない。」

 「NMLAについては、全てのMarlinistが怪物のように見られるよう仕向けた張本人であるとして怒りが広がっている。稀に控えめな賛成意見もみられるが、大半はテロリストを公然と非難する立場であるよう感じられる。」

 「Marlinist議会は小規模ではあるが効率的で、様々な視点からの意見がみられる。Fairfax主席大臣は団結と生存を重視し、Amrita Ross氏は帝国との将来的な再統合について論じている。一方Aaron Whyte氏は、暴力を避けさえすればNeo-Marlinismもまた合法な政治活動であるとしているようだ。」

 「数か月前まで彼らは普通の帝国市民であり、共有する歴史が今でも我らを結び付けている。概して言えば対NMLA戦争において、Marlinist居留地は敵というよりは味方に近いと考える。」

3307年4月8日- Neo-Marlinist勢力、戦闘に敗北

 *パイロット連合より速報*

 Mudhrid星系紛争は、Epsilon Fornacis Empire GroupがNeo-Marlinist Order of Mudhridを圧倒し終結。

 ACTの捜査によって、Neo-Marlinist勢力がNMLAの実施した9つのスターポートへの攻撃を輸送面・物資面で支援していたことが発覚、本紛争に繋がりました。

 Epsilon Fornacis Empire Groupはこの勝利に貢献した全てのパイロットに感謝を表明しています。現在Mudhrid星系Payne-Scott Cityで報酬の支払いが実施中です。

 Neo-Marlinist Order of Mudhridの指導者、Arastin Delacroix方伯は今のところ逮捕を免れており、このようなメッセージを伝えています。

 「我らの大義のために戦った勇敢な戦士たちよ、Steel Majestyで謝礼を受け取るがよい。いつの日か我らはDuvalを倒し、帝国を変えてみせようぞ!」

 ACTのMara Klatt警部補はメディアに対しこう述べています。

 「今回の一件はNMLAに対する明確な勝利と言えるだろう。Delacroix方伯のような権利を奪われた、あるいは妄想に駆られた指導者に新共和国での地位向上を約束するというNMLAの手口の一端も知ることができた。同盟及び連邦の爆破についても、このような第三者を利用し支援させたと考えられる。」

 「我々の捜査員も情報収集を進めてはいるが、NMLAのネットワークが当初の予想より遥かに高度かつ広範に広がっていることは明らかだろう。」

3307年4月8日- Adamastorの目醒め

 *パイロット連合より速報*

 Chukchan 5 b軌道上にある200年前の『幽霊船』こと、Adamastor号が不可思議な暗号化信号を受信している模様です。本船は昨年10月に発見されて以来、Alliance Salvage Guildのチームによって調査が行われてきました。そして調査チームからこのようなレポートが発表されたのです。

 「数か月前、我々はAdamastorの損傷した貨物倉の一つを切開したところ、未展開の通信ビーコンを発見した。なんとか電源を入れたがデータは入っておらず、未使用の状態であった。」

 「そして今このビーコンが自動的に立ち上がり、長距離信号の受信及び中継送信を行っている。発信元は特定できなかったが宇宙のどこかから発せられている事は間違いない。コード化された内容についてはまだ未解読である。」

 Adamastorは3111年、歴史上初めてサーゴイド(Thargoid)に遭遇したと考えられる事件ののち消息を絶ちました。そして3306年。自動操縦のまま亜光速でChukchan星系に突入、乗員の痕跡がないまま再びその姿を現したのです。

 最近Adamastor号の姉妹船である、Hesperus号も3113年に姿を消していたことがわかりました。いずれもAzimuth Biochemicalsと呼ばれる企業の所有でしたが、同社はライバル企業Pharmasapienに吸収されたようです。この二社については殆ど知られていませんが、宇宙生物学(Xenological)分野で競合関係にあったと考えられています。

3307年4月6日- 連邦、対テロ監視を開始

 連邦情報局(Federal Intelligence Agency)は民間通信手段をスキャンし、テロ活動の兆候を発見するための部門として事前対策捜査局(Proactive Detection Bureau)を創設しました。

 この新部門は国内テロ対策法(the Domestic Counter-Terrorism Act)の議会承認を受けて設置されたものです。Jerome Archer副大統領が組織したもので、このようなメディア声明が発せられています。

 「PDBは先日我々が経験したような大規模虐殺を防ぐための重要な手段である。無辜の市民の内に潜伏しているNMLAテロリストやその他の危険な活動家を見つけ出し、家族たちの安全を守る一助となるだろう。」

 事前対策捜査局の副長官に任命されたBethany Blake氏から、組織の運用について次の説明がありました。

 「非常に高度なアルゴリズムを用い、公共及び民間ネットワークを介して送信されるあらゆるデータを星系規模水準で走査いたします。疑わしい通信は地方拠点に転送され、熟練捜査官によって再検討されます。」

 「ご理解いただきたいのは本手順は限定的な要因の特定の活動にのみ適用されるものであり、通信データが我々の捜査官によって精査される前に、何十もの自動チェックポイントを通過しなければならないという点です。」

 Winters野党大統領や市民権団体は、この捜査活動が長い間施行されてきたプライバシー法に抵触するとして抗議しています。しかしHudson大統領はPDBが新たなテロ対策法の礎であるとして支持する姿勢をみせました。

3307年4月5日- Hadrian Duvalの婚礼

 孤立主義グループ"Nova Imperium"の指導者として知られる、ImperatorことHadrian Augustus Duval氏。式典は非公開ではありましたが、彼とAstrid Minerva妃との婚礼が執り行われました。

 Minerva艦長は3305年のParesaの戦いでNova Imperiumを支援していた若き帝国系パイロットで、忠実な後援者でした。今回の結婚により彼女はいま、正式にLady Astrid Minerva-Duvalとなったのです。

 安全な場所で行われたというこの式典ですが、いとこの結婚ということでAisling Duval姫自ら参列した模様です。出席にあたり、この式を『この暗い時代にあって貴重な歓喜のひととき』と表現しています。

 Imperial Palaceや元老院からも祝賀のメッセージが届いており、主要メディアもこの出来事を取り上げています。

 Paresa News Network:「Astrid妃が貴人にふさわしい人物として認められたことは、同志であるParesaの人々にとって大きな誇りとなった。この幸せな二人の門出をPNNの皆が喜んでいる!」

 Eye on Achenar:「貧民星系あがりで戦狂いの売女(trigger-jockey from a gutter system)如きが皇帝陛下の甥に爪を立てるなど、これは貴きDuvalの血筋に対する侮辱にほかならない。」

 The Imperial Herald:「20歳のHadrianが妻を娶ったことで、多くの人々が驚くこととなった。彼がDuval唯一の継承者を生むことになればArissa皇帝陛下とAisling姫、配偶者のいない両者にとって圧力となるだろう。」

 関連ニュースをお伝えします。現在行われている対Neo-Marlinists of Mudhrid紛争には、Nova Imperium船舶も参加しているようです。Nova Imperium警備責任者であるLeo Magnus法務官は、IISSと対テロ情報連携を行っています。

3307年4月2日- 銀河ミステリー:世代船

 私立探偵であるErik Gunnarson氏とFrancesca Wolfe氏が、宇宙入植初期における開発コミュニティの遺構を調査しています。

 Wolfe氏:「世代船(Generation Ship)は基本的には、領域拡大のために人々を運ぶよう設計された移動都市ですね。あれはいつ見ても印象的です。ですが何度も見に行ってしまう船が一つありまして……Nefertem 6 a惑星軌道上にあるThetisなんですが。」

 「あのログを聞くといつも血の気が引く心地がしますね。無人惑星からもたらされたとある囁きが、どういうわけか一万七千以上の人々を互いに殺し合わせたというような内容が遺されているんです。集団ヒステリーが起こったのか、数十年の宇宙生活による心理ストレスなのか、あるいは……他の何かのせいなのか、それは誰にもわかりません。」

 「Thetisには何度も行きましたが、最後のログを再生する勇気が未だに出ないのです。あの乗員たちと同じようなことにはならないと、聞いてはいるんですけどね。」

 Gunnarson氏:「ハイパードライブの登場以前、世代船は遥か遠くの星系への入植を実現できる方法の一つでした。何百万もの人々が自己完結型社会の中で一生を終え、その子孫が新たな世界に降り立つだろうというものです。」

 「こうした開拓巨船の多くが完全に消息を絶ってしまったのは悲劇といえるでしょう。しかし中には再発見されたものもあります。彼らの非常に古風な送信信号を、聴音哨が傍受して見つかる事が大抵ですね。」

 「彼らの遠征行が失敗した理由は様々です。現在Virudnir 6軌道上にあるLazarusでは機械故障に見舞われていますし、Hez Ur星系のPleioneでは男の子しか産まれなくなってしまったと記録されています。」

 「Mu Cassiopeia C 1惑星上のArtemisやMizuchi星系のDemeterのように、乗員が野蛮へと沈んでしまったものは最も不穏なパターンでしょう。Wolfeお気に入りのThetisと並んで……これが適切な表現かわかりませんが……これらは人類の暗い性質を示す恐ろしいモニュメントと考えられます。」

 「失われた世代船が未だに生存者を乗せているケースは稀ですが、Golconda号の場合はそうでした。かの船の乗員たちは今ではUpaniklis B 3惑星上の基地に住んでいます。ですからひょっとしたらあのような生きる遺跡がまだまだ宇宙を漂っているのかもしれません。何世紀にも渡る任務を成し遂げる、その日を待ちながら。」

3307年4月1日- 帝国、Neo-Marlinist勢力を攻撃

 *パイロット連合より速報*

 Epsilon Fornacis Empire GroupとNeo-Marlinist Order of Mudhrid間で紛争発生。

 Mudhrid星系でACTによる捜査が行われた結果、NMLAのスターポート襲撃をOrder of Mudhridが幇助していたことがわかりました。彼らのエージェントが他の現地勢力に入り込み、目的地までの酵素爆弾の輸送を行っていたようです。

 そして今、彼らはNeo-Marlinist Order of Mudhridとその名を変えています。さらに指導者であるArastin Delacroix方伯は帝室に対する革命を宣言しました。Delacroix方伯は旗艦"Steel Majesty"からこのような発表を行っています。

 「邪悪なDuvalの者どもは決して権力を手放そうとはしないだろう。なればこそ、我らはそれを取り戻さなければならぬ。旧来制度の変革を志す者たちよ、我らに加わるのだ!」

 これを受けてEpsilon Fornacis Empire Groupが交戦状態に突入。Denton Patreus元老院議員は『‘Nine Martyrs’という非道な行いに対する報復』を命じています。

 Neo-MarlinismがMarlinist居留地では公式に認められていないにも関わらず、今回の事件でNeo-Marlinismを公然と導入した初の勢力例が確認されたことになります。Aaron Whyte大臣からコメントがありました。

 「Delacroix方伯はNeo-Marlinistのコミュニティに政治基盤を提供するのではなく過激派の支援を選んだ、これは機会損失と言っていい。暴力の連鎖が早く有意義な意思疎通のやり取りに置き換わる事を祈るばかりだ。」