電気講座4 回路図
ヘッドホンアンプを作るだけなら、回路図から実体配線を起こしてそのままの定数で作るだけで良い。
だけど自分用にアクセントを加えたいなら、電気の知識も少しは頭にいれとこう。
ここではごく基本的な回路にとどめます。
Figure.A
回路に流れる(抵抗が消費する)電流は?消費電力は?
電流はI=V/Rで求まる。
I=1.5/5
I=0.3A=300mA
電力はW=V*Iで求まる。
W=1.5*0.3
W=0.45=450mW
1/4W(250mW)タイプの抵抗は許容量オーバーで使えません。
1/2W(500mW)もギリギリだから1W抵抗を使います。
オームの法則は基本です。抵抗に流れる電流と、抵抗両端の電圧から抵抗が消費する電力が求まります。
販売されている抵抗は消費電力に対する定格があって、1/6W~数十Wまでの種類があります。
定格が小さいとサイズも小さくなるので、この計算で最適な抵抗の定格を出せます。
※ 電源の内部抵抗は無視しています。
Figure.B
高輝度じゃないLEDを光らせたい。緑のLEDはだいたいVfが1.8Vくらい。
で10mAくらい流せば結構明るく光るはずなので、
LEDに10mA(0.01A)流すようにするために抵抗R1の定数を決めます。
公式はR=(V-Vf)/I。
R=(3-1.8)/0.01
R=1.2/0.01
R=120Ω
120Ωを買えば十分明るく光ってくれます。
もしこの値がE系列と違う場合は、計算値に近い抵抗を使います。
LEDを交換する時に必ず行う計算です。接続した電圧からLEDの電圧降下分のVfを引いて、抵抗の両端にかかる電圧を求めて、その電圧と欲しい電流値からオームの法則で抵抗値を求めています。
高輝度タイプは1mAで十分明るいので、消費電流を抑えることが出来ます。
Figure.C
分圧回路。良く見てみると色々な所に紛れ込んでいます。
公式はVout = R2 / (R1 + R2) * V1。
Vout = 4700 / (4700 + 4700) * 9
Vout = 0.5 * 9
Vout = 4.5V
分圧回路になっているのはボリュームやアッテネータ等が代表的。この後出てくる抵抗分圧型の仮想GNDもHPAでは有名。
Voutは「バイアス電圧」という名前で呼ばれることもある。
Figure.D
Figure.Cの4.5Vが出ている所を0V(GND)として見ると、これまで0Vとしていた所が相対的に-4.5Vになる。
これがChumoyの電源回路で使われている抵抗分圧型仮想GND。
オペアンプや抵抗が消費する電流(負荷)が大きくならない限りは±4.5V付近を維持してくれる。
Figure.*
メモ:
非反転増幅と反転増幅の倍率変更と抵抗定数の変更方法
倍率からdBの変換方法
RCフィルタ(ローパス、ハイパス)の紹介と変更方法
等々があっても良いかな。