井納の野球人生の終わりに近づく4球

Last-modified: 2024-03-26 (火) 22:04:58

2022年6月22日の巨人対DeNA戦(東京ドーム)に登板した井納翔一の投球に対して、谷繁元信がラジオ解説で発したコメント。 
単に「井納の4球」とも。


概要

井納は2020年オフに「(FA権を)持っていてもしょうがない」という理由でFA権を行使してDeNAから巨人に移籍。しかし迎えた2021年シーズンは投げる度に炎上する惨状で僅か5試合の登板、防御率14.40で未勝利に終わり、V逸の戦犯の1人として巨人ファンから袋叩きにあってしまう。

正念場となった2022年シーズン、井納は二軍で結果を残し5月31日に一軍昇格を果たす。その後は主に敗戦処理で3試合を投げていた。
そして古巣DeNA相手となった6月22日の試合、4-3で巨人が1点リードの5回表、先発・C.C.メルセデスが先頭打者の大田泰示にストレートの四球を与えた場面で、原辰徳監督はメルセデスをあきらめ井納をマウンドに送った。
しかし井納は相手打者・蝦名達夫に対してあっさりとストレートの四球を出す。それも捕手の小林誠司が構えたグラブからかけ離れた位置、さらには3球目には大きくそれた暴投からの四球という有様で、1打席で降板させられた。

この投球中、ニッポン放送にて解説を務めていた谷繁は3球目の暴投のシーンについて、

「どこに投げてるんだという感じ」「あれはキャッチャー捕れないです」

と発言。そして4球目の後に交代を告げられるシーンでは

「これはもう井納の野球人生が終わりに近づくような…ね、そういう4球だったと僕は思いますよ」

とコメントした。ぐう畜ここに極まれりという発言で一部批判もあったが*1、惨状を的確に表現した内容でもあり「〇〇の野球人生の終わりに近づく△△」といった書き込みが以降見られるようになった。


その後

井納は翌日に二軍落ちするが、主力のコロナ離脱の影響から8月2日に再昇格。4日の阪神戦で7-0と大差リードで迎えた9回に登板し、1安打無失点に抑えた。
なお、奇しくもニッポン放送の中継で解説していた谷繁は「本当に出て来ましたね。僕は前回の井納選手の登板のときにちょっと言いすぎちゃって…。色々関係者から言われたりしたんですけど、今のところの4球見る限り良くないですね。ガハハハ」とまたもぐう畜コメントを残した。

6日には移籍後初勝利を記録したが、翌7日の登板を最後に出番なく、コロナから帰ってきた菅野智之と入れ替わりで抹消された後は一軍に戻ることは無かった。

結局井納は7登板ながら防御率1.80でシーズンを終えるも戦力外通告を受ける。トライアウトでもオファーはなく12月27日に引退を発表、現役選手としては本当に野球人生が終わってしまった
引退後はジャイアンツアカデミーの指導者に転身している。

2024年、高橋尚成のyoutubeチャンネルにて井納がゲスト出演した際にこの話題が挙がった時、本人曰く、

  • 「緊急登板で肩を作っている余裕が殆どなく、場内コールされた後の投球練習を足しても9球くらいしか投げてなかった*2
  • 戸柱から『あの時肩できてなかったんでしょ?』とのフォローの電話が入った」
  • 「(当時巨人で一軍コーチを務めていた)阿部コーチから謝罪を受けた

と語っていた為、第三次原政権末期のブルペン事情が悪い意味で浮き彫りとなった*3


関連項目



Tag: 巨人 実況・解説者


*1 実況担当のアナウンサーが絶句してしまったこともあってか、一応「ちょっと厳しいですけどね、コメント的には」とひと言添えてはいる。
*2 中継ぎ投手は通常、ウォーミングアップをした後に軽い立ち投げと打者を意識した強めの投げ込みを合わせてブルペンで15球ほど投じ、投手交代が告げられた後にマウンド上で5球ほどの制限付きの投球練習をしてから打者がバッターボックスに入る、といった流れで登板するためいきなり投げさせようと思っても井納の言う通り準備がまともにできてない状態でマウンドに行くことになってしまう。そのため危険球退場や投げていた投手の突然のアクシデントで投球の続行が不可能となり緊急でマウンドに上がらなければならなくなった場合に限っては例外として審判の了承の元マウンド上での投球練習は無制限で行うことが可能である。
*3 当時の巨人の中継ぎがストッパーの大勢と高梨雄平を除き、総じて炎上癖を持っていて火の車の状態になっており、誰がいつ出るかわからないような状態であった。