丸佳浩をどうしても獲得したかった千葉ロッテマリーンズの井口資仁監督の発言。
概要
丸佳浩は、2007年の高校ドラフトで広島東洋カープから3位指名を受け入団。2011年頃から一軍に定着すると、同学年の田中広輔、菊池涼介と共に恐怖の俊足上位打者トリオ、通称「タナキクマル」を結成し、2016年からのセントラルリーグ3連覇に大きく貢献。2018年には2年連続でセントラルリーグのMVPとなった。
そんな丸は2018年シーズン終了後にFA権の行使を表明した。これに手を上げたのは、丸の故郷である千葉県に本拠地を置く千葉ロッテマリーンズと、FA補強でおなじみの読売ジャイアンツの2球団だった。
資金面でも巨人の圧倒的優勢であったが、井口監督は外野手強化*1のために丸の獲得を熱望し、自身の背番号6と監督手形を出して交渉に乗り出した。
そして11月29日。ロッテの支援組織「かもめ会」の集いに出席し、球団の代表としてスピーチすることとなった井口監督はこう述べた。
千葉出身の選手が来ることを祈っていますが、あと2日ぐらいで結論を出すということなので、皆さんで念じましょう。
実名は伏せたものの、「千葉出身の選手」が丸を指しているのは明白であり、井口監督の丸獲得への熱意が垣間見える発言となった。
しかしこの報道がなされた僅か2時間後、丸は広島市のMazda Zoom-Zoomスタジアム広島で会見を行い、巨人への移籍を決断したと宣言。この言葉は盛大なるフラグとなってしまったのであった...。
また、巨人の機関紙として知られるスポーツ報知はFA解禁時期から「監督手形!井口出馬!」、「ロッテ本社バックアップ!」などとロッテを持ち上げ、巨人移籍が決まった直後に「丸、獲得失敗。入団会見予定の高級ホテルもキャンセル」という記事を出すという死体蹴りを行っている。
条件差など(金額・年数はメディアの推定)
広島:4年17億
巨人:4.5~5年30億、背番号8*2、監督出馬
ロッテ:4年20億~6年30億、背番号6、監督手形、監督出馬
球団関係者の意見を除けば、金額面はもちろんその他にも毎年積極的に補強して優勝を目指す、在京かつセリーグのため遠征が少ない*3などの要素からも巨人が優勢と見られており、移籍表明後の情報によると原監督の言葉や練習環境・家族へのサポート確約も大きかったようだ。
また、ロッテの本拠地があるのは東京寄りの幕張で丸の出身地は反対側の勝浦市*4であり、千葉県全体は巨人ファンの比率が高く*5丸本人も幼少期は巨人ファンだったとされるため、地元というのが売りになっていたのか、現役で全盛期を迎えているであろう選手に対してロッテの監督手形が魅力だったのか*6を疑問視する声は少なくない。