虎ロナウイルス

Last-modified: 2024-03-03 (日) 17:59:39

阪神タイガースの蔑称。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に由来する。
もともとはオープン戦で阪神がエラーを量産していたことを揶揄した言葉だった。

多くの死者を出している感染症をネタにした不謹慎な用語であるため、安易な使用は推奨されない。


藤浪ら3選手の新型コロナ陽性発覚

2020年3月26日、藤浪晋太郎が味覚や嗅覚の異常を感じ、新型コロナウイルス感染の有無を調べるためPCR検査を受けた結果陽性であったこと、さらに同僚2人にも陽性判明が出たことが報道される。翌日「同僚2人」は伊藤隼太と長坂拳弥であることと、もともと発熱で入院中だった長坂を除く2選手の入院が発表された*1
これとは別に小幡竜平も発熱などが見られたためPCR検査を受けたが、こちらは陰性であった。

この時点での反応

それにより当該の「虎ロナウイルス」に藤浪や伊藤の名前を掛けた「コロ浪晋太郎」「伊藤流行太」や、「Vやねん!」とウイルスの英語表記(Virus)を掛けた「Virusやねん!」、また「感染の爆発的拡大」を意味する単語*2に藤浪の暴投をかけた「オーバーシュート」など、様々な蔑称が発生。

一方で、世界中で大流行中の深刻な病気を煽りのネタに使うことには否定的な意見も少なからず聞かれた他、藤浪と同じ症状を訴え検査を受けた結果、陽性が判明したケースもあったため、藤浪の公表が新型肺炎の初期症状と見られる症状の周知に繋がったと前向きに捉える意見もあった*3

また球団に対しても、検査を受けた同日に一軍・二軍全選手を対象に1週間の自宅待機を通達した等の報道により、対応を評価する流れも生まれつつあった。

翌日のスポーツ紙はデイリースポーツはもちろんのこと、道新スポーツ*4以外の1面が藤浪の新型コロナウイルス感染だった。


続報

しかしその後の報道で、自宅周辺での外食すら全面禁止の球団もある中、阪神は「遠征中は完全に外出禁止にはしないが、大人としての行動を求める」「外食はOK。キャバクラなど至近距離で接したり、不特定多数の人が大勢出入りしたりする場所は禁止」という、お世辞にも厳格とは言えない危機管理だったことが判明。同情ムードから一転、藤浪らや球団に対し「危機感が欠けているのではないか?」と非難する声が各所から挙がった*5

さらに当初「3選手が参加した」とだけ報じられた会食から、同席していた女性2人の感染が判明。その会食に関しての報道がどうにもきな臭く、上記で禁止されている合コンやキャバクラであることを隠蔽している、あるいは未成年の飲酒などやましいことを疑われた。さらに(当時はシロと確定していなかった)守屋功輝のDV騒動の件もあって阪神は非難の対象にされ「下半身タイガース*6と野次られることとなった。


「会食」に関しての報道

・3月27日、球団本部長「7人で食べていたとしか聞いていない。知人宅で」
・3月29日、選手の知人宅であり、阪神の7選手、球団外の5人が参加。
・3月29日、球団「知人宅は数部屋あるため正確に把握しづらく、延べ人数については分からない
・3月29日、中日球団代表「他の4選手の情報がもらえない」
・3月30日、中日「残る4人はどうなっているのか」阪神「名前の公表はマニュアルにないので拒否」
・3月30日、13人以上参加か、選手以外の参加者の大半は飲食店員ら女性
・3月30日、金村義明「スポンサー社長宅で女20人」(ラジオ番組での発言)*7


職業の訂正要求

大阪府の報道発表資料にて、藤浪・伊藤・長坂を指す感染症患者についての職業情報を、本人達からの要求により訂正するとの公表がされ、この期に及んで隠蔽に走った阪神サイドの体たらくと、わざわざ訂正前と後を併記することでかえって特定しやすくした大阪府のぐう畜ぶりが揃ってネタにされた。
しかし視点を変えると関西で発言力の大きい阪神から圧力をかけられた大阪府の職員さんサイドのせめてもの抵抗という見方もできなくもないかもしれない。

「新型コロナウイルス感染症患者の発生について」の訂正について(3月27日、4月4日提供分)
http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=37945(リンク切れ)


(訂正前)
157 職業 スポーツ選手
158 職業 スポーツ選手
159 職業 スポーツ選手

(訂正後)
157 職業 自営業
158 職業 自営業
159 職業 自営業

※157から159の職業については、本人からの申し出により訂正することとなりました


西勇輝の緊急事態宣言中の不倫

そのほとぼりも冷めたかに思われた頃、7月16日発売の「週刊文春」で西勇輝が30代前半の女性ファンとの不倫を報じられた。

「コロナあるし」阪神・西勇輝が「ステイホーム中」に密会不倫で厳重注意
https://news.yahoo.co.jp/articles/5f0efea908d1115e055f5e3d1439bba0b13a62ca(リンク切れ)


 週刊文春の取材によれば、西は昨年10月から不倫関係にあった30代前半のA子さんに、5月2日の夜、インスタグラムのDM(ダイレクトメッセージ)で「明日泊まりダメやけど 2時から4時くらいまで会える?」「タクシーできな! コロナあるし」と誘った。5月3日、西は滋賀でゴルフの練習をした後、三重県四日市市内のホテルにチェックイン。そのホテルの一室にA子さんを呼び出し、関係を持った後、親戚の集まりに向かったという。

 ただ、5月3日はコロナの感染拡大に伴う、政府の緊急事態宣言の真っただ中で、大阪でも吉村洋文府知事が「ステイホーム」を呼びかけ、県をまたぐ移動の自粛が要請されていた。

よりによって藤浪の一件からわずか1か月後、結果的に感染こそしなかったとはいえ緊急事態宣言下に県をまたいでまで不倫するというぐう畜ぶりに、再び熱い罵声が浴びせられることとなった*8
さらにこの件も原因となり、西勇輝は同僚の西純矢と比較され不純扱いされるようになってしまった。


再びクラスター発生

ペナントレースも入場人数の制限こそあるもののつつがなく行われ、感染者数の減少に比例してこの蔑称も風化してゆくものと思われていた。

ところが西の件から2か月後、9月25日午前に今度は浜地真澄から陽性反応が出た*9ことが判明。浜地は20日まで一軍登録されていたため一軍選手にもPCR検査を行った結果、新たに岩貞祐太馬場皐輔糸原健斗・陽川尚将および球団スタッフ2人から陽性反応が検出され、彼らの濃厚接触者と認定*10された福留孝介江越大賀木浪聖也・小川一平・岩崎優・小林慶祐も含めた計10人が規定に従い出場選手登録を抹消されるという非常事態が発生してしまう*11

しかも今回は「外食時は個室・同ポジション禁止・最大4人まで」と球団がルールを定めていたにも関わらず、それを破り同ポジションを含む会食や8人での会食が行われていたことが判明*12。チーム最年長の福留*13やキャプテンの糸原までもが参加した*14とあって、あまりの自浄能力の無さに虎ロナ煽りも再燃。さらに翌日の試合ではサイン盗み疑惑までもが浮上し、熱いどころではない罵声が連日に渡りなんJの内外を問わず阪神に浴びせられた。

阪神 球団本部長が謝罪「私のミスジャッジ」 会食ルール設定も…同ポジション、8人でも
https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2020/09/25/kiji/20200925s00001173445000c.html


 選手とスタッフ、計7人が新型コロナウイルス陽性判定を受けた阪神。ヤクルト戦終了後に、谷本修球団本部長(56)がオンライン取材に応じた。

 「皆様のご協力を得て、なんとか試合を決行できた。しかし、プロ野球関係者、それ以上にファンの皆さまに対して心配をおかけした。大変申し訳なく思っています」

 午前中に陽性判定が発表された浜地に続いて岩貞、陽川、糸原、馬場、スタッフ2人の計7人が陽性判定を受けた。感染源は不明だが、名古屋で開かれた2つの会食の参加者から陽性者が判明した。

 広島と名古屋の遠征時のみ、指定日を設けて球団関係者、家族との外食を許可していた。個室、同ポジション禁止、最大4人、滞在は2時間程度、マスク必着など細かい制限を設けていたが、今回、同ポジションでの会食や、8人での会食が開かれていたことが判明。本部長は「ゆゆしき事態。私のミスジャッジということで、深く反省しております」と、ルール設定の“甘さ”を謝罪した。

また二軍の方でも戦力が一軍へ大量投入された為、25日の中日戦は中止。26日の試合こそ挙行されたものの選手17人、そのうち控え野手に至ってはわずか2人という壊滅的状況*15の中で試合を行うはめになってしまった。

17選手で再出発の阪神2軍 中日戦のスタメン発表 控え野手は2名のみ
https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2020/09/26/kiji/20200926s00001173188000c.html


 前日25日に選手、スタッフ計7人の新型コロナウイルス陽性が判明した阪神の2軍は、26日からウエスタン・リーグを再開する。中日戦のスタメンが発表された。

 (中)小野寺
 (二)板山
 (左)俊介
 (右)井上
 (一)マルテ
 (三)藤谷
 (捕)片山
 (指)藤田
 (遊)遠藤
 先発投手・横山

 一挙9人が一軍昇格した影響で、投手と野手合わせて17選手で臨む。野手の控えは伊藤隼と捕手の岡崎のみとなった。

こうしたチーム管理に対しての責任をとり、10月9日には揚塩健治球団社長が11月末日限りでの辞任を発表した。

阪神・揚塩球団社長「私なりのけじめ」、チームのコロナ禍で引責辞任へ
https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2020/10/09/kiji/20201009s00001173248000c.html


 阪神の揚塩健治球団社長(60)が9日、チーム内で2度に渡って新型コロナウイルス感染者を出した責任を取り、11月末日限りで辞任することを表明した。この日の午後に兵庫県西宮市の球団事務所で会見を開いた。

 「この度は、コロナの罹患により10名の選手の入れ替えをして戦わざるを得なくなり、ファンのみなさまには大変ご心配、ご迷惑をおかけしましたことを、まずお詫び申し上げます。また、NPB、対戦チーム、保健所を始め関係機関の皆様方にも大変ご迷惑をおかけしましたことを、改めてお詫び申し上げます。3月に続いて、今回、2度に渡って球界全体にご迷惑をかけた事実は否めません。いろいろな混乱を招いた球団内の最終的な責任者は私。私の一存ではございますが、今シーズン終了をもって社長を辞することをオーナーに申し入れ、承諾をいただきました」

(中略)

 3月の件もあり、最も注意すべき球団にも関わらず、再発を招いたことに球団フロントの管理責任も問われていた。

 「チームは戦っている最中ではございますが、私なりのけじめのつけ方としてご理解いただければ。申し訳ございませんでした」


その他

10月12日には矢野燿大監督が遠征中に内規を超える大人数での会食を行っていたこと、それに対して球団側が許可を出していたことを夕刊フジが報じた。その後親会社の阪急阪神HD・角和夫CEOが不問と判断している。


関連項目



Tag: 阪神 報道機関


*1 なお、全員軽症で、伊藤は翌4月5日に、藤浪は同7日に、長坂は同8日に、それぞれ退院した。
*2 ただし「(一点への)人口集中」から派生した日本発の用語であり、英語の「overshoot」にはそのような意味はない。
*3 実際、後に陽性と判明した小宮璃央(俳優)や黒沢かずこ(芸人、森三中メンバー)などはこの報道を機に自分もコロナではないかと疑って仕事をセーブし、拡散を抑制することに成功している。
*4 道新スポーツのみ日ハム・河野竜生4失点が1面だった。
*5 特に当時の阪神は疾患を抱えている岩田稔と原口文仁(岩田は1型糖尿病、原口は大腸癌)が在籍しており、この2人がコロナに罹患すると合併症のリスクから本当にシャレにならない事態に陥りかねないため、危機管理を厳しくする必要があった。なお、岩田は翌年の1月に罹患したが、2週間で完治し大事には至らなかった。
*6 この蔑称自体は2013年に和田豊監督(当時)の不倫疑惑があった際に作られたもの。
*7 このスポンサーとは所謂「タニマチ」の事を指すが、金村の口からそれについての説明がされず単に「スポンサー」としか言わなかったので、非ぬ誤解を招くためか後日番組内で「オフィシャルスポンサーではない」と訂正が入れられた。
*8 なお、この他「なんで服着て座ってるの」などの発言も取り上げられたり、その後の試合で西が活躍しヒーローインタビューで謝罪したこともあり、奈々同様ネタ要素も強いものとなった。
*9 なお、浜地は西宮市で334例目の感染者である。また、今回は最初から職業は自営業者とされている。
*10 実際に検査を通じて認定されたのは小川と岩崎の2名のみで、残りの選手達は阪神球団独自の基準で認定。
*11 代わりに9人が出場登録され、一日で支配下人数の3割弱が入れ替わることとなった。
*12 浜地達は別グループで4人ではあったが、全員投手だったのでこちらもアウトである。
*13 この一件も遠因になってか、オフに事実上の戦力外通告を受け退団。その後、古巣・中日に復帰した。
*14 小林の入団歓迎食事会の可能性もあり、名古屋遠征だったため、リリーフ投手陣のみならず、名古屋に詳しい福留や選手会長の糸原が参加していた可能性もある。
*15 類例として10月5日、ロッテが一軍選手7人の感染と4人の濃厚接触が発覚し同様に11人を一軍へ送り込んだ結果、二軍野手がわずか7名となってしまったために計5試合を中止にせざるを得ない事態となってしまった。