プレイヤー自身の持つリアルでの経験や能力をゲームで活かす事。
略してPSとも言う(Player Skill)。
- 全く同じ省略表記になるものは他にも多数あるため、どの「PS」を指すかは文脈を読んで判断する必要がある。
概要
- ゲームをプレイするのは基本的に人間である以上、
プレイヤーの(リアルでの)知識や身体能力(スキル)が大なり小なりゲームでも反映されるので、
プレイヤースキルと敢えて言う場合はそれを積極的に活かす(或いは活かせない)事を指している事が多い。
- 多くの場合、アクションゲームで要求される概念であり、
プレイヤーの反射神経や運動神経の高さをゲームにも活かしていくことを
「プレイヤースキルが高い」などという形で表現される。
アクションゲーム以外でも、例えばRPGでは記憶力や洞察力、
読解力と言った能力が攻略に重要となる場合、それらをプレイヤースキルと称する場合が多い。- 勿論、アクションゲームでも記憶力、RPGでも反射神経が要求されるゲームは存在しており、
概ね各個人が持つ能力を総称したのが一般的に言われるプレイヤースキルであると考えて差し支えない。
- 勿論、アクションゲームでも記憶力、RPGでも反射神経が要求されるゲームは存在しており、
- ゲーム開発サイドから見るとこの「プレイヤースキル」は
ゲームデザインやバランス調整においてかなり難しい問題であると考えられる。
というのも、仮に高いプレイヤースキルをクリアに必須としてゲームを作った場合、
歯ごたえ・やりごたえのあるゲームという評価を得ることはできるかもしれないが、
その一方でそれらの能力を持たない人達は実質ふるい落としにかけるようなものであり、
下手をすると多くの人にそっぽを向かれる(売れない)ゲームとなってしまう可能性がある。
一方でプレイヤースキルを一切不問とすると、よりカジュアルに遊ぶことはできるかもしれないが、
プレイヤー側が介入できる余地がなくなってしまい、誰がプレイしても同じような結果にしかならない、
という問題が起こりかねない。
プレイヤースキル、言い換えてプレイヤー各個人の能力自体が千差万別なのもこの調整の難しさに拍車をかける。
- いわゆる「TVゲーム」がTV接続のハードから携帯ゲーム、
そしてPC・スマホゲームへと裾野を広げていく過程において、
当該ゲームにおけるプレイヤースキルの比重は変化を続けている。
2020年代においては基本的な考え方としては、
「遊ぶだけなら手軽かつ特殊な技量を必要としないが、
やり込みを極めていく過程において高いプレイヤースキルを要求される場面がある」という、
幅広い層に手にとってもらいつつヘビーユーザーも楽しませるというコンセプトが見える作品が多い。
後述するがモンハンについても基本的にはこの方向性である。
モンハンにおいて
- モンハン、特にメインシリーズでは
「ハンターの強さは身に付ける装備とプレイヤー自身の技術」というコンセプトが堅持されている。
後者がプレイヤースキルに該当するが、単純に反射神経や運動神経だけを指しているわけではない。
例えば各武器種事に有効な攻撃パターンの創出(読解力や記憶力)であったり、
モンスターの動きを覚えて安全に切り抜ける方法(洞察力など)であったり、
或いは有効な装備スキルの組み合わせの検討、モンスターの弱点部位、
効率的な素材の入手手段など多岐に渡るからである。
- 一方で純粋な反射神経については(メインシリーズでは)そこまで高水準なものは要求されていない。
代表的なのは前転の無敵時間を使う「フレーム回避」テクニックだが、
メインシリーズではフレーム回避はあくまで攻撃回避の1つの手段にすぎず、
上級者向けのハイリスク・ハイリターン*1のテクニックとして定義されているからである。
作品やモンスターによっても多少バラツキはあるものの、知識や洞察力が全く役に立たず、
その場その瞬間の反射神経の高さだけが要求される技はモンハンにおいては無いと考えてよい。
- モンハンは数あるアクションの中でも比較的お手軽から遠いゲームとはよく言われるが、
特に近年のシリーズにおいて、単純にクリアするだけなら入力デバイス(コントローラー等)に慣れ、
自身の使う武器の操作を覚え、そしてモンスターをつぶさに観察して有効なタイミングで有効なカードを切るという、
ゲーム内での知識と経験が重視される傾向にあり、運動神経や反射神経などはそこまで重要にはならない。
記憶力についても、近年ではゲーム内で肉質や素材の入手率、採取ポイントなどの確認が都度できるので、
時間をかけていいなら都度確認していけば良いだけである。
いわゆる謎解き要素なども特にはなく、極端な話クエストリストを片っ端から埋めていけばいずれクリアはできる。
そういう意味では、カジュアルに遊ぶだけなら高いプレイヤースキルは特段必要ないとまで言えてしまう。- モンハンは割と「覚えゲー」的な側面はあるので、最低限の洞察力と記憶力は要求される。
要するに喰らっては覚えるをコツコツ積み上げるゲームなのである。
最初の内は「まだ行ける=もう行けない」の精神でヒットアンドアウェイをしつつ、
敵がどう動いているのかをじっくり観察すれば、そのうち倒せるようになって来るだろう。
幸い制限時間は多くのクエストで50分なので、
時間をかけて慎重に挑んでもそうそう時間切れにはならない。
- モンハンは割と「覚えゲー」的な側面はあるので、最低限の洞察力と記憶力は要求される。
- 一方で、プレイヤー自身の操作技術と知識・経験・記憶力をフルに活用するのとそうでないのとでは、
モンスターの狩猟にかかる時間や素材集めの効率が格段に変わってくるのは古くから知られている。
下はG級最強の装備に身を包んでも、同じG級とはいえイャンクックにすらやられるものから、
上はモンスターハンターに大きな歴史を残した例のアレを下位武器で仕留めた挙句、
MHP2Gではウカムルバスを大骨塊で倒した例まである。
つまるところクリアするだけならプレイヤースキルはそこまで重要ではないが、
最終的にはプレイヤー毎の差が顕著に表れるシリーズであると言えるだろう。
- 前述した通りこの「プレイヤー毎の差が大きい」点については
ゲームバランス調整における非常に悩ましい問題となっている。
要するに上述のような「すごく上手い人」を基準に作ってしまうと
「上手くない人はお断り」というゲーム性になってしまうのだが、
モンハンプレイヤーの総数から言えば「上手くない人」が大多数を占めているので、
そのようなゲーム性では裾野を極端に狭める作品になりかねない。
一方で「上手くない人」を基準に作ると”上手い人”からは「温過ぎる」というかなり厳しい評が下る。
こちらなどにもあるが情報発信するハンターは得てして”上手い”傾向があり、
そういった層からの反発は、ゲーム自体の評にも少なからず影響を与えてしまう。- モンハンにおいては、ソロでの(特に集会所・街の)攻略は高難度で、
それらのクエストではPTを組む事で難易度が相対的に軽減されるというのがコンセプトではある。
だが、ゲーム自体のソロ化傾向が強まるにつれてこのコンセプトも通じにくくなってきており、
しかもモンハンについては復活可能数がPT全体で共有されている都合上、
下手にPTを組むと余計に難度が上がる事さえ起こっていた。
その為MHWからはマルチプレイ難易度制度が導入された他、
やり込みコンテンツに突入するまでの難度は全体的に抑制傾向にある。
なお、PTを組んだ方が相対的に難度が下がる傾向にあるのはMHW以後も変わらない。
- MHPから展開された俗に言う「Pシリーズ」は、
当時の据え置き機モンハンと比較して携帯機故の手軽さを重視したコンセプトになっており、
一部のやり込みプレイヤー向けクエストを除くと難易度は(当時としては)低めになっていた。
Pシリーズの記事にもあるがこの点は当時のプレイヤーにある誤解を抱かせることになり、
比較的長くその影響が続くことになる。
- モンハンにおいては、ソロでの(特に集会所・街の)攻略は高難度で、
- モンハンの場合ハンターの強さは装備によって大きく変動するのだが、
お守りシステムが採用されたMH3以降では、他のプレイヤーと完璧に同じ装備構成にするというのは中々難しい。
いい意味でプレイヤーの個性が出るのだが、逆に言うと純粋な実力を測りにくいという点もある。
その点で訓練所や狩人道場、闘技場は特にPSが試される場所といえよう。
装備やアイテムが固定されているため、全員同じ状態で挑むことになり、
ゆえに純粋にクリアタイムで腕を競うことができる。
- MHP3以降は操作の複雑化も相まって武器種毎に必要な知識や操作もかなり異なる為、
普段使わない武器だと上級者でさえ苦戦する。
一番分かりやすいのは、普段剣士でしかプレイしていない人がガンナーでプレイする時だろう(その逆も然り)。
どれだけ高性能な装備を揃えようが、まず普段よりも苦戦することは間違いない。
特にPTプレイの際は下手をすれば地雷扱いされることもあるので
違う武器を使う場合は1人プレイで練習するなどして慣れることが必要である。
多くの種類の武器それぞれに必要な知識や立ち回りが異なることもまた、
モンハンの難しさであり醍醐味でもあると言えるだろう。- ちなみに初期のシリーズでは、ガンナーは事前知識なしではほぼ扱う事の不可能な武器種であった。
近接武器に比べて耐久力が低い上にクリティカル距離や弾肉質など
(近接武器に比べて)可視化されない要素が多すぎた*2ため、いきなり使ってもまるで火力を引き出せない為である。
このため古くからのモンハンプレイヤーの中には初心者はガンナーを触らない方がいいという人も。
MHW以降はダメージや有効射程の可視化、弾素材の採取効率改善などによって
近接と最初の難しさはそこまで差が出なくはなっている。
- ちなみに初期のシリーズでは、ガンナーは事前知識なしではほぼ扱う事の不可能な武器種であった。
- ちなみに(低年齢層などから)プレイヤースキルの対義語として「地雷」が挙げられるが、
当該記事を参照いただければお分かりの通り、
プレイヤースキルが単に低いだけのプレイヤーを地雷と呼ぶのは本来は正しくはない。
ただ、MH4~MHXXぐらいまでのメインシリーズ関係コミュニティにおいては、
プレイヤースキルが低いこと(及びプレイヤー)を地雷と呼ぶ傾向が非常に強かったようだ。
- 派生作品の一つであるMHFはメインシリーズと同様のハンティングアクションだが、
よりアクション性に特化した作りのモンスター・アクションが好まれる傾向にあった。
一見、攻撃や回避が困難に見えるがコツを掴めばフレーム回避やブロッキングで
簡単に対処しつつ攻撃チャンスを生み出せるといった具合であり、
プレイヤースキルの中でも(モンスターの動きを覚えるという大前提の上で)
反射神経の占めるウェイトがそれなりに高めであった。
ただ、そちらに軸足が寄りすぎるのは「モンハン」として如何なものかという問題定義は
公式・プレイヤーサイドの双方から常に行われており、
最終的にはプレイヤーの採れる選択肢を大幅に増やすことで、
反射神経に比重を置き過ぎないバランスに収束していくことになった。