◆忍◆ ニンジャ名鑑#(未掲載) 【ヒナヤ・イケル・タニグチ】 ◆殺◆
登場エピソード
「…ヘイ、人々、聴け。今夜もDJゼン・ストームと12人のクルーが送る、革命レディオ!キツネ・ムレ・チイサイ!」
人物
- 反体制違法放送「キツネ・ムレ・チイサイ・レディオ(KMC)」のDJ。またの名を「DJゼン・ストーム」。42歳。
- ニスイ・タニグチの養父で、KMC発足前は伝説のミクスチャーバンド「ブルタル・ショーギ・サイボーグ・ヴァーサス・アングリー・タナカ・メイジン」のフロントマンだった。
- ストリート出身でありながらネオサイタマ大学心理学科を卒業し、在学中は弁論大会で優勝するなど、知性と教養は高い。そして文字通り「手も足も出ない」絶望的な状況にすら折れない不屈の精神を持ち、短絡的で組織的な暴力行使を嫌い、マイクと音楽を武器にシステムからの抑圧と戦うことを信念とする。
- ニスイに対しては実子に劣らぬ愛情を持っているが、父親としては不器用な部分も多く、ニスイがセンタ試験に挫折しかかっていることも手伝い、ここ最近の関係はギクシャクしていた。
- ニンジャスレイヤープラスのN-FILES【レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ヘイトレッド】にて、メキシコ人の父と日本人の母の間に生まれていることが明かされた。
- 若い頃、NSTV社の社員でありながら理不尽な社会への怒りを同じくするカンダ・ノボルバシにその才能を見出され、非暴力による闘争を共に闘うパートナーとなった。報道特番BGMに使われたBSCVATMの楽曲「ウェイク・オブ・アングリー・タナカ」は、幼き日のニスイに人間性を取り戻させる切っ掛けとなる。
- ニスイがノボルバシに養子として引き取られてからは、ノボルバシと共に、ニスイにとって両親のような存在となった。僅か2年足らずでライブ中の事故により、ニスイが養父を喪った時には、自身も同じ事故で重傷を負い生死の境を彷徨いながらも、口頭でニスイの養子手続きを行い、その後奇跡的な復活を果たした。
- ノボルバシ亡き後、BSCVATMは解散の憂き目に合うが、退院直後から革命レディオの活動を開始。7年の歳月をかけて活動を軌道に乗せる。
外見
- 白髪交じりのアフロヘア。
- 2年前の事故で失った四肢はすべて特注ハンドメイド・サイバネに置換されている。また、胸部にはハラキリ自爆装置が仕込まれている。
キツネ・ムレ・チイサイ・レディオ
- 略称「KMC」。タニグチが主催し、DJを務める反体制違法放送。三つのキツネサインをシンボルとし、これはタニグチがノボルバシと共に考案したものである。
- 反体制ながら主義主張は「非暴力」。目先の怒りや体制メディアの扇動に乗せられて安易な暴力行動に走ることを戒め、本当の敵を見極めて「陰謀」を巡らすように呼びかける。
- メガヘルツ解放戦線と協力体制にあり、違法改造サイバーサングラスを介した放送システムや、放送電波の増幅中継基地など、技術基盤は戦線の提供による。
- レディオの主張ではなく放送技術がアマクダリの策謀に抵触したことが切っ掛けで攻撃を受け、その主義に殉じる形で壊滅に至った。
レディオクルー
- タニグチの同志であり、また彼の息子ニスイを親族のように見守る仲間達。12名の名前だけは明らかになっているものの、チーム内の役割や外見など、それ以外の情報が皆無に近いメンバーが少なくない。ショッギョ・ムッジョ!
- 製作メモ段階でのクルーの名簿はN-FILES【レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ヘイトレッド】を参照のこと。
名称 | 備考 |
---|---|
オヨビサン | セルフレーム眼鏡。ソクトウと同じくエンジニアと思われる |
スペード | フードを目深に被った無精髭の三十路男性。 腕にタトゥー。無人スシバー「時代」を隠れ蓑に、リスナーの物理窓口を務める |
セントエルモ | レネゲイド・ハッカー |
ソクトウ | スゴイ級の物理タイプを誇るハッカー。 放送技術関係のエンジニアと思われる |
チェリー | ドレッドヘアに都市迷彩バンダナの体格のいい女性。元湾岸警備隊。音響担当。 タニグチ曰く、アクアパッツァを始め料理が上手いらしい。 タニグチ親子とはKMC開局前からの付き合いがある |
ドク | サイバネ三本腕の小男。クルーの医療とタニグチのサイバネ四肢を担当 |
ニスイ・タニグチ | タニグチの息子。 アサシン訓練を受けているため、ゲストの護衛を任されることもあるらしい |
ニチレン | 波形調整を担当 |
ホタルダ | 不明 |
マンタ | BGM等の音源を担当 |
ミートパイ | 不明 |
ランドリー | 顎にナイフ跡 |
- 製作メモの段階では「マウス」なるレネゲイド・ハッカーのクルーがいたようだが、本編には登場していない。代わりに本編ではメモに存在していなかったニチレンがクルーとなっている。
ストーリー中での活躍
- 「レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ヘイトレッド」にて、主要登場人物の一人として初登場。
- 反戦放送終了後にオナタカミ・トルーパーズの襲撃を受け、NSTVに拘束され尋問を受けるも、ニンジャ「デリヴァラー」として蘇ったニスイに救出される。尋問の際、四肢のサイバネを破壊され、KMCの秘密アジトで急場に調達した右腕以外の手足を欠損した状態となった。
- KMCをテロリストとして弾劾し、違法放送リスナーを脅迫するアマクダリに対し、リスナーを守るために罠と知りながら最後の放送を敢行。放送中にアマクダリによる襲撃を受け、クルーの半数を喪い、自身も死を覚悟しながら放送を続けるが、残るクルーを見殺しにする覚悟で救出に駆けつけたデリヴァラーによって、辛くも命を取り留める。
- その後、デリヴァラーに背負われながら、アマクダリによる追撃からの逃走を開始。戦闘の最中も微弱電波頼みに最低限の機材によるレディオを続ける。それは徹底したシステムへの抵抗であると共に、息子の魂を、人間性をニンジャソウルの暴虐から護り抜く、父としての戦いでもあった。
- 協力者であるメガヘルツ解放戦線との合流が叶わず、追い詰められた親子は、最後の戦いとしてNSTV筆頭株主カラカミ・ノシトを人質に放送ジャックを行い、強大無比なる陰謀組織の不正を糾弾せんとする計画を実行する。カラカミ・ノシト自身が陰謀組織の幹部であると知らずに……。
- 厳重な警備を完璧な偽装とアマクダリ紋のバッジでやり過ごし、カラカミ・ビルへの侵入に成功するも、サンダーローニン、ストームホークら二人のニンジャに加え、シデムシ、トルーパー部隊の前に絶望的な戦いを強いられることになる。
- ボロボロになりながら戦うデリヴァラーの背で、タニグチは電波の遮断されたビル内部から、たった一人のリスナーの為にレディオを続け、瀕死になりながらも自身の声を伝えたいと望む息子に、そのマイクを向ける。
「行け!DJニスイ!やれ!DJデリヴァラー!ヨー!お前の中のゼンを信じろ!」
- DJニスイのレディオデビュー、そして勝利を確信し爆発四散した息子の最期を見届け、その声をリスナー達に伝えるべく抵抗を続けるタニグチだったが、そんな彼にシデムシの死の足音が這い寄る。
- 絶望と無念に歯噛みするタニグチ。だがその怒りと憎悪に応えたか、執念が引き寄せた必然が、彼の元へと死神を呼んだ。
- そして、二人の父は……。
『ヨー……まだ死んでねえぞ』
- 「アマクダリの最も長い一日」も佳境となった「ニチョーム・ウォー」及び「フェアウェル・マイ・シャドウ」にて再登場。
- ニチョーム包囲戦が進行する中、傷を押して再びレディオに立ち、メガヘルツ解放戦線の電波とニチョームの中継を通じ、戦場とネオサイタマに己の声、そしてニスイの声を繋げる。
『人々、これはKMCレディオ。DJゼン・ストーム、ヒナヤ・イケル・タニグチ、そしてDJニスイ、デリヴァラーが送る……革命レディオ!』
- レディオは戦場のニンジャ達を鼓舞し、アマクダリの情報統制に動揺を与えていく。
- そしてレディオのリスナーとして現れた思わぬ人物の中継を以って、エピソードは驚天動地の最終局面へと突入する。
- インガが呼び、この一日の火蓋を切った二人の父の戦いは、ここに再び交わることとなった。
『……レイズ・ザ・フラッグ!』
- その後は長く潜伏を続けていたが、「ニンジャスレイヤー:ネヴァーダイズ」にてKMCレディオのリスナー達と共に決起。禁じられた言葉と音楽、そしてマルノウチ・スゴイタカイビルの慰霊碑前で起こっている事実を違法電波に乗せ、人々の心を揺り動かした。
- 全てのイクサが終わった後、彼は即席で開催されたオーボン・フェスに参加して円盤を回し、アノヨの仲間と息子に呼びかけたのであった。
一言コメント
- ワザマエなキジサクセイ・ジツ!アッパレ! -- 2014-04-29 (火) 15:54:28
- タニグチ親子の音楽とライムはリスナー、ニスイ、さらにヘッズの世界をも変えたと言って過言ではない。 -- 2014-04-29 (火) 17:20:11
- きっとヘッズの胸ポケットにも各々何らかの旗がしまわれているはず……それを掲げる時が来るはずだ -- 2014-04-29 (火) 17:24:17
- 赤黒が去った後、ちゃんとメガヘルツに回収してもらえたかな?先にマッポに踏み込まれたら今度こそオタッシャ重点だが -- 2014-04-29 (火) 21:12:21
- タダオのエピソードまで待つしかあるまい。メフィストフェレス=サンの時点では降ろされてるようだが。 -- 2014-04-30 (水) 09:50:36
- 「お前の中のゼンを信じろ!」は「お前の中の禅を信じろ!」でありつつ「お前の中の善を信じろ!」 でもあったんだな。ポエット!! -- 2014-04-30 (水) 20:12:19
- ↑目からスケイルな・・・・・ なるほど、邪悪なソウル(よりにもよってコロスニンジャクランである)を宿しつつも父を背負い人間性を捨てなかったのはこの絆があったからなのだなあ -- 2014-04-30 (水) 20:23:34
- 忍殺には何組もの父と子が登場したけど、これほど熱く強い絆で結ばれた父子の物語を読めて幸せです! -- 2014-04-30 (水) 20:53:46
- フジキドは勿論のこと、デッドムーンやサブロ老人、スカラムーシュ、そしてタニグチ…ニンジャスレイヤーは「家族を奪われた者達」の物語であるのだと思い知る -- 2014-05-02 (金) 03:20:03
- 『イケル』タニグチが『コロス』ニスイの魂を救ったのだなあ。 -- 2014-05-02 (金) 21:47:22
- 死せるニスイ、生けるタニグチを走らす。古事記にもそう書いてある。 -- 2014-05-03 (土) 02:02:34
- モータルならではのタフネスと尊厳を存分に示してくれた男。物語的には主人公との同行はここまでなんだろうけど、これからも続くであろうニンジャスレイヤーの戦いの狭間に、どこかの誰かが聴くレディオから、彼の歌声を聴く瞬間があれば嬉しい。 -- 2014-05-04 (日) 09:42:56
- この親子のおかげでアンタイセイ精神に目覚めました -- 2014-05-15 (木) 19:29:08
- この国では誤解されがちだが、本来非暴力闘争とは執拗な弾圧に耐える不屈の精神力を要求される苛烈なもの。タニグチは、まさに真正の非暴力主義者の姿だと思う -- 2014-05-18 (日) 09:30:30
- 非暴力非服従を掲げたアークボンズ、ガンジー=サンも苛烈な人だったと聞く。力強いがゆえの非暴力な。 -- 2014-05-18 (日) 12:25:46
- ↑ガンジー=サンはボンズヘアーだしほとんどブッダに近いが、実際ボンズだったわけではない。いいね? -- 2014-07-20 (日) 18:37:42
- つまり実際ニンジャな…? -- 2014-07-20 (日) 19:12:20
- 目の前で死んだ(親不孝者な)息子でも「ヨー、やりやがったな」と労ってやれる。父性と絆これが好き -- 2014-09-05 (金) 19:21:05
- 彼の最後のラジオから、2時間もしないうちに緊急指名手配。きっと彼のラジオのリスナー達は、その欺瞞に気付いてくれていると信じている。 -- 2014-11-08 (土) 04:09:48
- ↑ロックスターが無事なあたり、彼らのリスナーはみんな欺瞞に気づいていて仲間を売ることも自首することもなかったんじゃないかと思ってる -- 2014-11-08 (土) 22:19:08
- 信じて生きる、自分の感受性を信じて叫ぶ、現代の日本人が忘れた感性だと思う。 -- 2014-11-28 (金) 21:22:59
- BSCVATMのイメージはあからさまにレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンな -- 2015-01-27 (火) 04:49:05
- ↑ゲリラ・レディオな -- 2015-03-07 (土) 19:46:48
- KMCの12人最後の一人が死んだ後、死神にアマクダリ「12人」最初の一人の死のバトンを繋ぐ。なんというインガオホーか -- 2015-03-07 (土) 20:04:38
- デリヴァラー含め多分モチーフは「キリストと12人の使徒」だよね -- 2015-03-14 (土) 19:54:29
- しかしあの男は一人死に、12人の使徒がミーミーを伝えたが(ユダがどうとかはともかく)、タニグチは一人生き残りミーミーを我々に伝えることになった。この対比な -- 2015-03-18 (水) 20:13:07
- KMCもイッキ・ウチコワシも「一人一人が司令官」をスローガンにしてるけど、人々に考えさせることを旨とするKMCと人々を赤化洗脳するだけのウチコワシとで内情は正反対だな -- 2015-03-19 (木) 06:17:51
- ↑↑↑,↑↑実況でも言及されてたけど「光あれ」はあの男でありあの男の父である存在の第一声。ポエットを通り越してエピックめいたコトダマなのだなあ。 -- 2015-06-09 (火) 23:03:31
- 思えば1部最終章でも何も考えずにラオモトというカリスマに権力を譲渡した先が福祉全廃・労働者酷使の過酷な現実であることを示していたな。人は常に己を灯火とし、己をよりどころとして生きねばならないのだ。ブッダもそう言っている。 -- 2015-06-09 (火) 23:17:37
- とはいえこの人、「何が正しいかは自分で判断しろ」という革命家としてはかなり突き放した態度なんだよな。一度テツオと対談させてみたい -- 2015-06-10 (水) 19:57:09
- あ、タイトルは「ゼン・ストームとテツオの地獄対談」で -- 2015-06-10 (水) 19:58:59
- 人をイデオロギーに染め上げるのではなく、自分の頭で考えさせるのを目的とする。厳しいようでいて、真に優しいメンターなのだと感じるなあ -- 2015-06-10 (水) 20:01:27
- チェリー=サンの叫びは救いだったと思う。本当に良い仲間で家族だったんだよな。 -- 2015-06-30 (火) 20:44:22
- ↑2 ゲンドーソー=センセイやヴォーパル師匠も似た感じデスネー。自らを鍛えて自らの道を選ぶと言うか -- 2015-07-01 (水) 13:55:41
- この人とニスイが戦端を開いてなければ死神の闘いはどっかで頓挫していた可能性が高い。実際ロンゲストの影の立役者な -- 2015-07-12 (日) 19:52:33
- ↑メガヘルツと同盟組めてなきゃ -- 2015-07-12 (日) 19:57:21
- ↑メガヘルツと同盟組めてなきゃ -- 2015-07-12 (日) 19:57:22
- アイエエエ!ケジメします -- 2015-07-12 (日) 19:58:30
- この人とテツオの関係はなーんか気になるのだ -- 2015-07-13 (月) 01:40:08
- とりあえず「……ファック!ああ!畜生め!また生き返れよ!……」はいくら何でもずるい。涙腺が爆発四散必死 -- 2015-07-16 (木) 02:42:44
- キツネ・ムレ・チイサイがキツネ・ムネ・チイサイに見えた。キツネ耳のヤモッチャン? -- 2016-01-18 (月) 17:27:39
- ナラキ辺りが影響受けてたりしないだろうか。再登場が期待される -- 2016-01-18 (月) 20:12:43
- ↑2 カワイイなヤモッチャンがどんどん出てくるヤッター! -- 2016-04-15 (金) 12:34:00
- ↑ ドーモ、キツネ・タマシイ・アツメ・レディオのコレクター=サン。オヌシの噂を聞きつけウエスギ卿が凄い勢いで面会を求めていたぞ。無論ポワワ銃も健在だ -- 2016-08-25 (木) 19:51:25
- 彼が言った「ここに人はいなかった」という台詞の重さな…単なるモータル・ニンジャ・クローン・機械の差がどうこうではなく、マジェスティ達は彼からは血の通った人間ではなく、歯車めいたなんかにしか見えなかったのかもしれない… -- 2017-07-11 (火) 00:58:50
- ああ、これではっきりしたわ・・・フジキドも親なんだな・・・ここで切るなんてホントボンモーセコいだろ。 -- 2017-07-29 (土) 07:37:09
- サシバ=サンとの電波越しのやりとりが好き -- 2018-06-23 (土) 02:43:42
- 大卒のロックスター、アフロでラッパー、イカリ・ハンコウ・キカイのトム・モレロ=サンとデラロッチャ=サンが混じったようなイメージ -- 2020-06-26 (金) 04:39:11
- 禅で善で全なのだなぁ… -- 2024-01-27 (土) 19:41:25