キラ「え!ぼ、僕がガンダムのパイロットに!?」_第07話

Last-modified: 2008-12-25 (木) 03:30:11

ラクス「キラ様、どうかしたのですか!?」
キラ「(へ…ヘヘ…もういい…やっぱり三次元なんて…三次元なんてクソだ…!
    僕みたいなウンコゴミ虫に様をつけて話してくれるこの世界の歌姫だって
    僕のようにゲロを吐いたり漏らしたりするなんて
    なんて汚い世界なんだ三次元は…
    死のう…今度生まれ変わるときは誠になりたい)」

 

ラクス「キラ様、命を簡単に捨ててはいけませんわ!
    私達にはまだ今週のアニメも来週のアニメもあるのですよ!」
キラ「ハッ…そうだった…!
   で、でも…でも本当に…生きる資格がないんです…!
   キモさを隠そうとしている僕のキモさに友達だって逃げてくし!!
   ラクスさんのように素のままを見せてもヒかれるし!!!」
ラクス「あら…私、素の自分を見せるのは同類の方と親しい方だけですわ」
キラ「!?
   な、なんだって!?」
ラクス「TPOを考えて発言しませんと、ファンが離れて行ってしまいますもの」
キラ「え…えええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!」
ラクス「キラ様は…お友達が欲しいのですか?」
キラ「そ、そんなことないですよ…!
   僕の周りにいるのなんてDQNとリア充ばっかだし…!」
ラクス「でも、先程の発言からすると
    キラ様はどう考えてもリア充に憧れるキモヲタの代表のようでしたわ」
キラ「………」

 

ラクス「キラ様、リア充になることなんてとてもとても簡単な事ですのよ」
キラ「うぇ!?」
ラクス「適当に話を合わせていれば、キラ様のルックスなら簡単にリア充になれますわ」
キラ「る、ルックス…」
ラクス「ええ、基本的にルックスがものを言うのが対人関係の基本ですもの
    性格や趣味は二の次ですわ
    キラ様は性格も趣味も知られているかもしれませんが…
    キラ様程のルックスでしたら取り返しはつきますわ!」
キラ「ぼ、僕なんかが…リア充に…なれるでしょうか…」
ラクス「ええ、きっと!」
キラ「ゲロ吐いたり漏らしたり友達のお父さん守れなかったりしましたけど、
   僕がんばります!!!リア充目指して!!!」
ラクス「(……駄目かもしれませんわ……)」

 

キラ「ラクスさん、色々ありがとうございました!」
ラクス「いえいえ^^」
キラ「お礼と言っては何ですけど…僕がここから逃がしてあげますね!!」
ラクス「え!?き、キラ様、思い切りが良すぎるのでは…」
キラ「大丈夫です!なんとかしてみせます!! ちょっと待っててくださいね!」

 

キラ「ヘヘン、僕だってコーディネイターなんだ
   ナチュラルとは比べ物にならない隠密行動でちょちょいのちょいさ!
   まずはコソーリと、ラクスタンの宇宙服をかっぱらいにロッカールームへ…」
サイ「キラ、何してるんだ?」

キラ「馬鹿な…一瞬でバレるだと…」

 

サイ「さっきはごめんな、フレイはずっと父一人子一人で暮らしてきたからさ…
   今ようやく落ち着いたところで……キラはこんな所でなにしてるんだ?」
キラ「さ、サイこそ」
サイ「俺はタオルを取りに…フレイ、目が真っ赤だからさ、水で濡らして持って行こうかと
   それ、宇宙服?何に使うんだ?」
キラ「いやあの
         これは
               うーんと」
ラクス「キラ様、私なら大丈夫ですから、あまり無理をなさらなくても」
キラ「!!!!!
   な、なんでついてきちゃったんですか!!!」
サイ「キラ…まさかお前…」
キラ「(うう…!やばい!やばいぞ!!これは軍人さん達にチクられたらやばい!!)」
サイ「……いいよ、俺も手伝う!」
キラ「ee-----!!!!!!!!!!」

 

キラ「い、いいの!?見つかったらやばいよ!!」
サイ「こんなこと間違ってると思ってたんだ…
   人質を取るみたいなやり方、卑怯だよ!仮にもラクスさんは民間人だろ!」
キラ「(さ、サイ…なんてかっこいい奴なんだ)」
トール「話は聞かせてもらったぜ!」
ミリィ「私たちも手伝うわ!」
キラ「み、皆…!」
ラクス「(あらあら…ちゃんとお友達がいらっしゃるではありませんか)」

 

キラ「よーし、こっちは準備OKだよ!」
トール「俺達がハッチを開くぜ!」
サイ「キラ、気をつけてな!」
兵士「こらーー!!!!何やってるんだおまえらーーー!!!!」
ミリィ「何かおっさんが来たわ!」
トール「急ごう!!」
キラ「しっかり捕まってて下さいね!」
ラクス「なんだかドキドキしてきましたわ」
キラ「何なら歌でも歌ってて下さいよwwwwwwww」
ラクス「そうですわね、気持ちを落ち着かせましょう」

 

    立ち上がれ気高く舞え運命を受けた戦士よ!!!!!!」
キラ「ちょwwwwwwwww落ち着かないっすwwwwwwwwwwwwwww」

 
 

マリュー「何て事…
     結局第8艦隊から何の補給ももらえなかったから
     お茶があってもせんべいがないなんて」
ナタル「由々しき事態ですな」
ムウ「このままじゃ水っ腹になっちまうなwwww」
マリュー「ん?何かハッチ開いたけどどういうこと?」
ナタル「ストライクが動いているのでは?」
マリュー「そうね」

 

マリュー「ちょwwwwwwwwwwwwwwwwww」

 
 

クルーゼ「やれやれ、ラクス嬢人質騒動でプラントは大騒ぎだ」
イザーク「全くけしからんですね! 人質をとって逃げるなど男のやることではない!
     おそらくあの新型艦の艦長は胸を揺らすことくらいしかできない雌豚でしょう!」
ディアッカ「ひどいこというなよ! 胸揺らすことができるだけで女性は偉大なんだぜ!」
ニコル「ぼ、僕としては揺れない胸も偉大だと思います///」
アスラン「お前らなんでここにいるの?ガモフは?」
クルーゼ「む?何か単機でやってきたMSがいるぞ」
アスラン「え?
     ……キラ!?」

 

ラクス「永遠へェェェェェェェェェ!!!!!!!」
キラ「永遠へェェェェエエエエエーーーエエエーーーー!!!!
   よーし、着きましたよ!」
ラクス「あっという間でしたわね!」
キラ「どうすれば通信開けるのかな…これかな?
   テステス  聞こえますか」

クルーゼ『聞こえますよ』
キラ「おお、変なおっさんktkrwwwwwwwww」
クルーゼ『聞こえてますよ』
キラ「すみません、ラクスさんを返しに来ました
   アスラン君はいますか?出来れば一人で来てほしいんですけど」
クルーゼ『これはこれはどうもご丁寧に…
     今アスラン向かわせますんで』
キラ「できれば武器とか攻撃はなしにしてください(^o^)」
クルーゼ『把握しますた』

 
 

クルーゼ「そういうわけだ、アスラン行ってきてくれるかね?」
アスラン「はっ!
     キラ…まさかお前から来てくれるなんて…!
     ようやくわかってくれたんだな!」

クルーゼ「(ククク…馬鹿め、アスランは丸腰で行かせるが
      すぐ傍にこの艦があるのだ!
      アスランがラクス嬢を保護した所で
      あのMSにズドンと攻撃してくれるwwwwwwwww)」

 

アスラン『キラ!』
キラ「アスラン…
   なんかそっちの指揮官さんはとてもいい人そうだね…
   本当にアスランを丸腰で向かわせてくれるとは思わなかったよ」
アスラン『そうだろ?こっちは毎日楽しいぞ! お前もようやくザフトに来る気に』
キラ「いや、僕はラクスさんを返しにきただけだよ」
アスラン『!!!
     そ、そんな…!』
キラ「ごめんよアスラン… コクピットを開いてくれるかい…
   今日は見たいアニメがあるから、なるべく早く帰りたいんだ…」
アスラン『……よくわからないけどわかったよ…』

 

      プシュン…
       シュイン

 

アスラン「ラクス!」
ラクス「お久しぶりですわ、アスラン^^」
ハロ『テヤンデー! ウケセメー!』
キラ「……じゃあ、気をつけて」
ラクス「はーい^^」

 

アスラン「おっと」
ラクス「有難う御座います^^」
ラクス「キラ様も^^」
キラ「………じゃあ、僕はこれで」
アスラン「待て!!キラ!!  ……本当に来ないんだな」
キラ「うん…」
アスラン「……ザフトにはラクスに及ばずとも劣らないアイドルが沢山いるぞ!」
キラ「!」
アスラン「アニメもクオリティが高いものばかりだ!
     コーディネイターが作っているからな!」
キラ「ウウッ」
アスラン「それでもいいのか!?」
キラ「でも…あの艦には… 友達がいるんだ…!」
アスラン「……俺も友達じゃん」
キラ「アスランは一人だろ!?
   あっちの艦には沢山いるんだよ!
   数であっちが勝ってるんだよ!」
アスラン「ちょ 絆は俺の方が上じゃないのか!?」
キラ「その絆はアスランがこの前ボロクソにしたじゃないか…
   どうせアスランは僕を心の底ではうんこと思っているんだ!」
キラ「でもあっちにはうんこでも僕を受け入れてくれた友達がいる…!」
アスラン「キラ…」
キラ「アスラン…もし僕がゲロ吐いて小を漏らしても
   それでも親友だと呼んでくれるのかい!?」

 

アスラン「………!!

 
 

    (無理かも)」

キラ「クソッ!!!何だよその間は!!!もう許さん!!!!いつかこの手で葬り去ってやる!!!!」

 

クルーゼ「うーん、まだかな」
イザーク「話長いですね
     もうアスランごと撃っちゃいませんか」

 

キラ「アスラン…次に会った時は必ずブチ倒してやる!!!」
アスラン「そ、そんなに怒らなくても…(´・ω・`) 」
ラクス「キラ様…」
アスラン「た、確かに今のは俺が悪かった…
     でも、本当にお前のことを友達だと思っt」
キラ「アスラン…僕と仲直りしたいのなら
   ブ男に整形してラクスとの婚約を破棄するんだね…
   話はそれからだ」
アスラン「理不尽すぎる…」

 

クルーゼ「ようやくストライクが動いたぞ!
      ああっ!?うまいことアスランの機体が射線上に…!?
      これでは撃てん!!!ちくしょうめ!!!」
イザーク「だからあいつごと撃ってしまえば」

 

――こうして僕はアスランと絶交した…

 

ザフトの二次元・アイドルクオリティに惹かれなかったといえば完全に嘘になる

 

でもそれ以上に僕は
折角手に入れたリア充になるためのチャンスを手放したくなかったのだ
どうせそのうち民間人に戻れるんだし
アスランと和解するのはもう少し大人になって
アスランが出世しまくってからでもいいだろう
そんな事をその頃の僕は考えていたのだ――

 
 

――後々、キモヲタが無理をすると
  余計酷いことになると…
  僕はこの身をもって思い知らされるのだった…