クロスデスティニー(X運命)◆UO9SM5XUx.氏 第049話

Last-modified: 2016-02-17 (水) 23:46:37

第四十九話 『私も鬼ではない』
 
 
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ガロードは頭を抱えていた。自分は『FAITH』だからある程度勝手に行動できるが、
シンたちをどうやって説得すればいいのか。
命令系統はすでにタカマガハラから外れているのである

(いいから黙ってついて来い・・・・じゃあ、ダメだよなぁ・・・・)

あくまでも目的は独立勢力の組織だ。ザフトという大軍を敵に回すことではない
正直なところどうすればいいのか、ガロードにはわからなかった
しかし、このままザフトにシンたちが組み込まれてしまえば、ヤタガラスは翼をもがれたも同然になる

不意に、ノックが響いた。

「うん? 誰だよ?」
「ジャンク屋です」
「は・・・・・?」

ツナギを着た男が、入ってきた。帽子を目深にかぶり、サングラスをしている。誰だ・・・どこかで見たことがある

「まさか・・・・」
「・・・・・静かに」
「え?」

忘れるはずも無い。ガロードの体に、衝撃が走った
ウィッツの声。ガンダムエアマスターのパイロット。フリーデンの仲間

ウィッツは、ガロードの耳元までくると、ささやくように言った

「いいか、ガロード。ギルバート・デュランダルは偽者だ」
「なっ・・・・!? いきなりなにを・・・・?」
「いいから聞け。コイツをアスラン・ザラに渡しな」

渡されたのは、小さなメモリーディスクである。それだけを言うと、ウィッツは背を向けた

「ちょ・・・・待てよ!」                            ソ ラ
「俺の雇い主は、本物のデュランダルだ。じゃあまたな、ガロード。宇宙で会おうぜ」

ガロードの制止を聞くまでもなく、ウィッツは部屋から出て行った。手には、押し付けられたメモリーディスクがある
これはどういうことなのか。わからない・・・・・が、ウィッツである
フリーデンの仲間であり、信用できる義理堅い男だった

すぐにガロードはメモリーディスクを手に、アスランの部屋に向かった
息を切らせて、走る。ノックもなしに、飛び込んだ

「あ・・・・・」
「え・・・・・」

ガロードは思わず顔を引きつらせた。アスランがメイリンを、机の上に押し倒している
メイリンは上着をはだけた下着姿で、こちらを見つめている

「ああ・・・・きゃぁぁぁ!」

メイリンは速攻で服を着て体を隠すと、ガロードを突き飛ばすように部屋から出て行った
残されたのはアスランである。少しばつが悪そうに、ガロードを見つめてきた

「おま・・・・こんなときに、なにやってんだよ、アスラン!」
「ノックぐらいしろ、バカ」
「あんたもカギかけろ
  他人がどうこう言うもんじゃねぇと思うけどよ、ちょっと節操が無さすぎるんじゃねぇか、あんた?」
「メイリンをタカマガハラに誘っていただけだ、俺は。それよりなんの用だ、ガロード」

不機嫌そうにアスランは机に座った

「チャック開いてるぞ、アスラン」
「ぐっ・・・・!」
「嘘だよ。・・・・ほら、これ」

言って、机の上にガロードはディスクを置いた。アスランは少し顔を赤くして、渡されたディスクを見つめる

「なんだ、これは?」
「とりあえず見てみればいいんじゃね?」
「ウイルスじゃないだろうな・・・・・」

言いながら、アスランはパソコンにディスクを放り込んだ。しばらくして、動画が再生される
それは一つの記録映像だった。MSのメインカメラが撮影したものだろうか、画質はそれほどよくない

再生された、舞台は宇宙。小型艇が、MSのビームに貫かれて爆発した

・・・!?

ガロードもアスランも、次の瞬間、大きく目を見開いた。なんと小型艇を攻撃したのは、
デスティニー、レジェンド、アビス・・・・・そしてサザビーネグザスである。ミラージュコロイドなのか、姿を消していた
やがて破壊された小型艇とまったく同じ形の船が出てきて、何事もなかったかのように航行を開始した
そこに、ギルバート・デュランダルが乗っているのが確認できた
襲撃した四機は、攻撃する前と同じようにミラージュコロイドで姿を消す

やがてなにもかもが去った後に、一つの影が宇宙に浮いた。ノーマルスーツを着た人間である
カメラは・・・つまりMSはそれに近づき、ノーマルスーツを着た人間を回収した
その宇宙服を着ていた人間は、火傷を負ったのか、顔が赤くなっている。そしてその顔は・・・・

「ぎ、議長・・・・?」
「ティファ・・・・・なんで・・・・・。どういうこったよ・・・・」
「クッ・・・!」

アスランはいきなりパソコンの電源を切ると、ハードディスクを取り出し、思いっきりそれを地面にたたきつけた
ハードディスクが割れる。アスランはさらにそれをぐりぐりと踏み潰した。同時に、メモリーディスクも引き抜き、粉々にする

「アスラン・・・・?」
「こういうことか! ・・・・信じられないな」
「デュランダルのおっさんは・・・・」
「言うな、ガロード」

アスランが言って、周囲を見回す仕草をする。どこに耳があるかわからない、というジェスチャーだった

「とにかく、外に出よう」
「わかった」

できるだけ、『耳』のないところへ向かおうというのだ。アスランと共に、ガロードは宿舎を出、屋上にのぼる
屋上への扉はロックされていたが、ガロードが外した。言い訳は、後で屋上に昇りたかったとでも言えばいい

マハムール基地が一望できる屋上である。二人は、さび付いたベンチに腰掛けた

ガロードはまさか、と思った
あのデュランダルは、ティファを知っている・・・もっと言えば、使っている男ということになる
今すぐ、締め上げて居場所を吐かせてやろうか。そういう暗い怒りが、ガロードを貫く
それでも務めて冷静に、口を開いた

「どうすんだよ、アスラン」
「ニコルが・・・・ニコルが。クッ、なら・・・・カガリを殺したのは・・・・・
  いや、冷静になれ、アスラン・・・・。・・・・ガロード、これをどこで手に入れた?」
「信用できるヤツからだ。・・・・・『あっち』の人間だよ」

アスランも自分を冷静にするのに、苦労しているようだ
だが、お互いに暴発が賢明な行動でないことを知っている

もちろんあの映像が、合成という可能性もあるが、ウィッツがそんなことをするはずがない
ただウィッツは、デュランダルが偽者ということを証明したいがために、この記録映像をよこしたのだろう

「信用できるのか、本当に?」
「信用できる。義理堅いヤツだよ」
「・・・・もし本当なら、一発逆転の鍵だな、これは。だが・・・・・まだだ。お会いするまで、完全に信用することはできん」

つまりアスランは、本物のデュランダルと会いたいと言っているのだ
確かに、この映像だけでは、デュランダルの真偽を証明することは難しい
仮に電波ジャックして放映しても、合成と笑われるのがオチだろう

「シンとかに教えたほうがいいんじゃねぇか? おっさんが偽者だとわかったんなら、
  あいつらもザフトに残る義理はねぇだろ?」
「そう単純なものじゃない、軍人というのは。それに、なぜ俺がディスクを叩き折ったと思う?
  映像を残すのが危険なだけじゃなく、映像だけで信用させるのも難しいからだ」
「アスランは割と信用してるじゃねぇか」
「ハイネの行動、言動が俺にとってもう一つの証明だった。議長が偽者なら、アイツの行動にもすべて説明がつく
  それにしても本当なら・・・・ニコルを使ってカガリを殺したのは・・・・クッ・・・・!」

ガロードは、空を見上げた。人の悩みも痛みも気にすることなく、空は今日も蒼かった

「とりあえず、宇宙に行かねぇか。ウィッツも・・・いや、このディスクを渡してくれたヤツも宇宙にいるらしいしさ」
「宇宙に行くのは別にいい・・・・。だが、俺の『FAITH』権限で、ヤタガラスに残すことができるのはおそらく、メイリンだけだ
  シンやルナマリアを連れて行くことはできない・・・・」
「問題はそこだよなぁ・・・・・」

軍属というのがここまで厄介なものだとは、ガロードも思わなかった
嫌ならとっとと抜ければいいのではないかと思うが、それは結局、
軍規とは無縁の生き方をしてきたガロード・ランの意見だろう

「・・・・いや、まだ決め付けるのは早いか」
「うん?」
「ガロード。俺はこれから、議長にお会いする。おまえも来い。『FAITH』が一人より、『FAITH』が二人だ」
「ヘッ、偽者さんにかよ。わかった、お付き合いしましょう?」
「だがくれぐれも言葉には気をつけろよ。偽者は偽者であるだけに、自分の正体に疑問を持つ者を許さないだろう」

アスランはそこでタカマガハラの存続を訴え、シンたちの引き上げを待ってもらうのだと言う
だがデュランダルがそこまで甘いとは到底思えない。
しかしすべてが、ウィッツの言うことが真実ならば、あの男はティファを無理矢理戦わせていることになる
許せなかった。ツインサテライトキャノンで撃ち抜いてやりたかった

だが、それは自分のやるべきことではない。賢明に、暴発しそうになる自分を抑える
まだすべての真実が証明されたわけではない。落ち着け。言い聞かせる
自分になにができるのか、ガロードは少し考えた

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アスランと昼食を取って、ガロードはミネルバに向かった
本来ならマハムール基地の一番いい部屋で議長なんかはふんぞりかえってそうなものだが、
デュランダルはミネルバが気に入ってるらしく、そこで政務を執っているらしい

「貴様が、DXのガロード・ランか」
「なんだぁ?」

ミネルバに向かうと、指揮官の証であるザフトの白服を着た男が、威圧的な視線を投げかけてきた
アスランがガロードの隣で苦笑している

「俺はジュール隊隊長、ブルデュエルパイロット、イザーク・ジュールだ。・・・こんな子供が『FAITH』とはな」
「おい、白髪のババァ。いきなりなんだよてめぇ」
「なっ・・・・! 誰が白髪のババァだ! 俺は男だ!」
「イザーク、それぐらいにしろ。みっともないぞ。おまえだってこれぐらいの年に、戦争やってただろ?」

アスランが割ってはいる。イザークは気に入らないように、横を向いた

「アスラン、なんだよアレ?」
「イザークは、DXが気に入らないらしい。まぁ、ツンケンしてるが根はいいヤツだよ」
「行くぞ! アスラン! ガロード!」

イザークが声を張り上げ、ミネルバの中に入っていく。ガロードとアスランもその後に続いた
アスランとイザークはどうやら、戦友のようだった

奥の方へ進む。本来ならば艦長室である場所に案内された
イザークが扉の横にあるパネルを操作し、呼び出す

「議長、イザーク・ジュールです。アスラン・ザラ、ガロード・ランの両名を連れてきました」
『ふむ。通してくれ』

扉が開き、ガロードたちは中に入る。艦長室は綺麗に片付けられており、
その中央でデュランダルは書類などに判を押していた。その手を止め、こちらを見つめてくる
護衛だろうか。すぐ隣ではハイネが、直立している

(こいつが・・・・偽者・・・・)

ガロードの目には、本物との違いがわからなかった。姿かたちはもちろん、柔らかい笑み、落ち着いた仕草、
すべてガロードの記憶にあるデュランダルと違いは無かった

思ったより、ガロードは冷静である。映像が真実なら、ティファを戦わせているのはこの男のはずだ
しかしかっとすることはなかった。それでも、心の奥深くで、重い怒りがうごめいている

(今にみてやがれ・・・・)

奥歯をかみ締め、怒りをかみ殺した
温和な表情で、デュランダルが口を開く

「久しぶりだね。ガロード、アスラン。それにしても今回のことは、本当に大変だった・・・・
  私もクライン派だった人間として、今回のラクス・クラインがやったことを大変残念に思っている」
「ありがとうございます、議長。ユウナ・ロマ・アスハもヤタガラスを受け入れてくれたこと、ありがたく思っております」

言って、アスランは敬礼する。ガロードもあわててそれにならった

「話は、ハイネやイザークから聞いているよ
  タカマガハラからシンたちを引き上げるのをやめてほしい、ということだったね?」
「はい。確かに、オーブはクーデターによりユウナ政権ではなくなりましたが、
  独立軍としてのタカマガハラはまだ生きております。どうかこれからもザフトの友軍として、
  お互いに支えあうこと、認めてはいただけないでしょうか?」
「しかしな。いつまでもザフトの有能なパイロットを、外に貸しておくわけにはいかないのだよ
  もちろん、それは君たちを含めてのことだ」

デュランダルはアスランとガロードを交互に見つめる。柔らかい視線だが、威圧するような強さがあった
そんなところまで、本物のデュランダルとまったく同じだ

「おい、デュランダルのおっさん。そりゃちょっと薄情じゃねぇのか?」

こらえきれず、ガロードが発言した

「お、おっさ・・・・!」

イザークが絶句しているが、構わずガロードは続ける

「オーブだってよ、さんざんザフトに協力してきたじゃねぇか
  タカマガハラの参戦だけじゃねぇ。補給とか、そういうこともやってきただろ
  それがいきなり国を奪われたからって、
  借金の取立てみたいに代表さんからいろいろなもんひっぺがしていくのはどうよ?」
「貴様・・・・議長が借金の取立てだと・・・・!」

イザークが血相を変えたが、それを制するようにデュランダルが右手をあげる
こんなところまで、デュランダルとまったく同じだった。いや、正直、本人だとしか思えない

「ガロード。君はなにが言いたいのだね?」
「簡単な話だよ。要するによ、おっさんの敵はラクスとキラだろ?
  で、ユウナさんはオーブを取り戻したい。目的は一緒だ。なら、協力し合えばいいじゃねぇか」
「フッ・・・・。ガロード、それは私も望むことだよ。しかしユウナ代表が共に戦おうと言ってくれない
  いったい、彼はなにをためらっているのだろうね? 
  国を奪われて、なにもしない。これは臆病者ではないのかね」
「戦争がしたくねぇだけだよ、代表さんは」
「ほう・・・・・。それは一見、綺麗な言葉に見えるが・・・・戦うべき時に、戦わぬ男の言い訳に聞こえるな」
「勘違いすんじゃねぇよ。MSでドンパチやることだけが戦いかよ?」
「ガロード、そろそろ口を慎みたまえ。いかに『FAITH』といえど、限度がある・・・・」
「あーあ、そんなこと言っていいのかなぁ・・・・・?」

ガロードは急ににやにや笑って、デュランダルを見る
イザークもアスランもハイネも、なにごとかとこっちを見つめてきた

「む・・・・・?」
「俺との約束、忘れてんじゃねぇのか、おっさん?」

にやりと笑う。デュランダルはかすかに、ひたいにしわを寄せていた
そう、『このデュランダル』が知っているはずも無い。ガロードは『傭兵』なのだ
もっと言えば、対等な契約を結んでいる以上、
ガロードがデュランダルに口を慎まねばならぬ義務はまったくない

するとアスランが、いきなり足を踏みつけてきた
あまり偽者を追い詰めるな、という警告だろう

「ガロード。いい加減にしろ。おまえと議長との間にどんな約束があるかはしらんが、言い過ぎだ
  こっちはお願いする立場だぞ。・・・・申し訳ありません、議長」
「ああ・・・・アスラン」
「そして無礼を重ねて申し上げます。どうかシンたちの引き上げを待ってはいただけませんか?」
「そうだな・・・・」

なかなか、アスランもわかっていた。ガロードの発言で、デュランダルはかすかに・・・・本当にかすかに、
動揺している。そこを狙って、交渉を再開したのだ

「議長。我々ザフトとしても、タカマガハラがいるのは有利かもしれません」

いきなり、ハイネが発言する

「ふむ・・・・・。しかし有名無実の独立軍に、我が軍のエースや、
  最新鋭機を提供する・・・。そこにどんなメリットがあるというのだね、アスラン・ザラ?」
「一旦、アメノミハシラにあがり、オーブ奪還の工作を行います。そのためです」
「フッ・・・・・。工作ならば、シンたちなど必要ないのではないか?」
「ユウナ代表を、ラクスたちは殺すか捕えるかしたいでしょう
  あれほどヤタガラスをしつこく追撃してきたのです。強襲してくる可能性は、十分にあります」
「回りくどいな。それならば、ユウナ代表はザフトにいればいい
  工作するなら、ここにいてもできるはずだし、動き回るよりはるかに安全だよ」
「直接顔をあわせねば、信用してくれぬこともあります」
「それよりも、オーブ遠征軍に代表が参加してくれることを私は望む。
  ラクスとキラが足場を固めていない、今こそが好機なのではないか?」
「逆です、議長。ラクスとキラに政治能力はありません。彼らの真価は、戦場にあります
  ならば足場を固めることなどとうていできず、むしろ工作で崩す方が効果的でしょう」

アスランが言うと、デュランダルは笑った。そこに黒い影がある
初めてガロードは、『あの』デュランダルと『この』デュランダルの違いを発見した。そんな気がした

「ザフトは勝つ。絶対にな・・・・」
「戦場に絶対はありません、議長・・・・・
  どうか勝利の確率をわずかでも上げるために、シンたちの引き上げを待ってください」
「聞こえなかったのかね、アスラン? 絶対に我々は勝つのだよ
  なんの根拠もなく、私は勝つと発言しているわけではない」
「しかし・・・・キラのストライクフリーダムは!」
「サザビーネグザスに負ける」

断言した。太陽が東から昇るのと同じような確かさで、はっきりとデュランダルは断言した

「・・・・・・・・」
「まぁ、とはいえ私も鬼ではない。君たちがユウナ代表について、宇宙で工作を行うことは認めよう
  それと、ガイアも貸してあげようか。すでにデータを取ったし、
  OSに操縦者のクセがつきすぎて、まともに扱えないようだからね
  後は君から申請があった、メイリン・ホークの残留も認めてあげようか
「・・・・ありがとう、ございます・・・・。感謝します、議長・・・・」

アスランは頭を下げる。デュランダルはもういいという風に、政務を再会した

ミネルバから、アスランとガロードが出る
なんとなく暗い雰囲気だったので、ガロードは小声で話しかけた

「おい、アスラン。よかったのかよ、これで」

するとアスランは、にやりと笑った。これまでの暗い表情が嘘のような笑みだった

「交渉の成果はあった。大成功と言っていい。あのデュランダルは甘いな
  インフィニットジャスティスもDXも引き上げようとせず、あげくヤタガラスに、
  メイリンにステラという二人の人質を残すことを認めた」
「・・・・・・・・?」
「後はハイネ次第か・・・・。ガロード、俺たちは宇宙に上がるぞ」
「ちょっとこえぇな、あんた?」
「カガリのためなら、なんでもやるさ。だが真実がわかった時は・・・・あの男、決して許さん
  八つ裂きにしてやる・・・・・。カガリを殺した、報いは受けさせるぞ・・・」

独り言のようにアスランはつぶやく
とはいえそう言い切ってしまうから、アスランは悪党になれないのだろう
本当の悪党は、笑顔がうまい。ガロードはそれを知っていた

まだ、空は蒼い。その先にはたぶん、宇宙が広がっているのだろう
ティファはどこにいるのだろうか。敵は、身近にいるが、強大である
しかしDXの復活は、もうすぐだった