C・Eの聖剣伝説とまで謳われる、最強の戦士であるキラ・ヤマト
そしてそのキラの親友であり、正義の騎士と称えられるアスラン・ザラ
いま、再びこの二人が互いの愛機を駆り激突していた。
「アースーラ~ン」
「キラ~」
キラの操る、ストライクフリーダムから誰でも使えるスーパードラグーンが飛び立ち、
アスランの∞ジャスティス目掛けて、虹色の怪光線を放つ。
キラ様お得意のマルチロックシステムによる達磨ット・フルバーストだ。
すると、今まで激しく回避運動を採っていた∞ジャスティスが突然動きを止め、
展開していたビームシールドを解除した。
当然狙ったとおりに、虹色怪光線が∞ジャスティスの手足を吹き飛ばしたところで
mission completeの文字が画面に現れた。
「流石はキラだな、俺じゃ勝てないか」
「そんな、偶々だよ。でもやっぱりアスランは強いね」
「なにを言っているんだ、10回戦って10回ともお前の勝ちじゃないか」
二人は珍しく訓練に禿げんでいたのだ。
アスランは兎も角、努力嫌いで有名なキラが訓練をするのは非常に珍しい、
ので色んな人達がその光景を見ていた。
ピンク頭の教祖様は
「まぁ、さすが私のキラですわ~、無敵ですわ~」と褒め称え
おっぱいの人の腰に手を回しながら鷹が
「まさに最強か、もう坊主なんて呼べないな、さすがはC・Eの聖剣伝説だぜ」と持ち上げ
たゆんたゆんしながら不沈艦長は
「ストライクフリーダムを完璧に使いこなせるのはキラ君だけね」と目を細め
片目の虎はコーヒーを飲みながら
「いや~僕の目に狂いは無かった、彼こそ救世主だよ」とうん、うんと深く頷く
仕事を放り出してきていた筋肉元首様は
「まったくだな、キラがいれば世界の自由と平和は守られるな」と太鼓判を押す
そんな評価を貰った、無敵で最強で完璧な聖剣伝説の救世主様は
「そんな~皆で煽てないでくださいよ~」とちょっと照れてみせた
そんな仕草にカメラ抱えた女、銀髪オカッパ、色黒炒飯、赤い髪の少女、黒髪の少女、眼帯をした女、
等々そこに居た全員が幸せそうに
「「「「「「あはははははははははは♪」」」」」」
と笑いあった、
歌姫の騎士団の平和な日常だ。
そして、ここに居ない人物に対して
『世界で誰もが平和に自由に暮らせている。お前も幸せだろう』と思った。
タン タン タン
水滴が床に落ちる音がする
タン タン タン
だが水ではない、もっと粘性の高いなにかが床に落ちる音がする
タン タン タン
赤い 紅い 朱い 粘性の高い液体が床に落ちる音がする
笑っていろ
哂っていろ
哄っていろ
嗤っていろ
嘲っていろ
最後に喩っているのは誰か見ているがいい
ク
ククク
ククククク
クハァーハッハッハッハハァー
さあ!開場だ!開幕だ!開演だ!道化芝居の始まりだ!
笑う
世界が哂う
因果が哄う
呪詛が嗤う
血潮が嘲う
そして運命が喩う
影は歩き出す、その瞳に光を持って
その光とは
願いである
理性である
情熱である
希望である
そしてなにより狂気である
残されたのは物言わぬナニカ、そして呟き
「まずは・・・ひとつ」