日記の人 ◆WzasUq9C.g 07

Last-modified: 2016-03-22 (火) 01:29:52

ラクスの日記
 
 
夢を見た——

「もう戦うのはやめて!!」

赤毛の女性が身を切るような声で私に訴えかける。

「それでも平和のために戦わなければなりません」
「矛盾だわ。戦うことで平和を得るなんて間違ってる!」
「では議長の暴政を指をくわえて見ていろとおっしゃるのですか?」

私は強い口調で反論した。しかし、赤毛の女性は怯まなかった。

「そうは言ってないわ。私が言いたいのは、Dプランを止めたいなら、政治家にでもなって、止めればいいでしょう」
「それは……けれど、そんな猶予はございません。事態は一刻を争うのです」

赤毛の女性の表情が強張った。

「詭弁だわ!前大戦を矛盾を抱えながらも止め、あなたには時間があった。世界を平和に導く時間が……けど、あなたがしたことはなんだったかしら?戦後処理もせず、オーブで気ままに暮らしていただけじゃない!!
私は官僚の娘だったからわかる。一番大変なのは事後処理だって。あなたは一番大変なことを放り出したのよ。
そのあなたが今更、時間の猶予が無いと、言う資格は無いわ!」

私はたじろいだ。もっともだ。
私達は疲れ果てていた。戦友を失い、身も心も傷つき、安息を求めていた。

「確かに…あなたの言うとおりかもしれません…」
「じゃあ、もうこんなことは止めて…お願い…あなたがするべきことは平和を戦って得ることじゃない。平和を…平和的に得ることなの。
私はフレイ・アルスター…キラを守る思念…そしてかつて彼を傷付けた女…
今、私が話したことを忘れないで…ラクス・クライン…」

そこで夢は覚めた。

「私は…平和を平和的に得るべき人…」

フレイの言葉を復唱する。

「では、平和をキラに戦って得てもらって、私が選挙に出ればいいのですね」

真理を得た気がした。ありがとう、フレイさん…

「ちょwwwおまwww
キラを戦わせるなwwwそれじゃ意味ナサスwww」

そのころブリッジでは——
「呼びました?ノイマンさん?」
「うっさいニート。黙れ」

〜つづく?〜