種死&リリカルなのはさん 単発SS集3

Last-modified: 2008-09-23 (火) 16:33:59

467氏 2007/06/08(金) 23:07:02

 

機動六課の休日

 

バル「はぁはぁ…」
スバルやティアナ達は、今日もなのはやキラの厳しい訓練に明け暮れていた。
なのは「はい、皆お疲れ様」
となのはが言った途端その場に崩れ落ちるスバル達。
ティアナ「お疲れ様でしたぁ~」
キラ「皆、実は今日の訓練は模擬戦だったりしたんだ」
えー!?と驚く訓練生一同
なのは「うん。皆よく頑張ったねー」
ヴィータ「お前らにしちゃ上出来だな」
アスラン「で…君達の成績は…と」
アスランの一言に息を呑むスバルやティアナ。そしてキャロとエリオ。
教官一同「合格っ」
ティアナ「はやっ!?」
ヴィータ「まぁ、どんどん先に進んでくれねぇとあたしらが困るわけなんだがな」
エリオ「あはは…」
ヴィータの一言に苦笑するエリオ達。
なのは「今日の訓練はこれで終わり。模擬戦も完璧だったし…」
キラ「訓練は明日からと言う事で…」
アスラン「今日は…」
フェイト「お休みっ」
ヴィータ「だなっ」
スバル「本当ですか!?」
スバル達はその場で大喜びする
なのは「今まで訓練漬けだった訳だし、たまには外で遊んでくると良いよ」
アスラン「あぁ。俺達も実は…休暇貰ったわけだし…」
キラ「僕等も羽伸ばしてるから…」
ヴィータ「外で遊ぶのは構わないけど騒ぎだけは起こすなよ」
訓練生一同「ハイ!!!」
元気良く返事を返すスバル達。そしてこの後チームは解散された。

 

そしてなのは達一向…久々に休憩をもらうも、予定の無さに困惑しているようだ…
アスラン「さて…今日は俺達も休暇を貰った訳だが…」
キラ「うん…滅多に無いからなんだか嬉しいね」
なのは「皆は今日はどう過ごすのかな…?」
フェイト「私は残ってる仕事があるから。休みつつそっちに集中するよ」
ヴィータ「あたしも特に予定がねーな…」
ぽかーんと空を見ながら語る教官5人
なのは「私は買い物でも行こうかな…?いろいろ生活用品買わないとだし」
キラ「僕は…」
と言いかけた途端すかさずなのはが口を挟む。
なのは「キラ君私の買い物に付き合ってくれない???」
キラ「え…?別にそれは構わないけど…」
僕がなのはの買い物に付き合う…どうして????
と疑問を抱きつつもOKするキラ
ヴィータ「おいおい…あたしらの前でいちゃつくなよ」
とヴィータはなのはを笑いながらからかった。
なのは「もぉ…そんなんじゃないってばー!ほら…荷物とか重いし」
顔を赤らめて下を俯くなのは。
そして
アスラン「じゃあ俺は釣りでもいくか」
ヴィータ「お前じじくさいな…(笑)」
アスラン「まぁそう言うな。なんならヴィータ。お前も一緒にいくか??」
ヴィータ「面白そうだな釣りも。いいぜ、付き合うよアスラン」
アスラン「あぁ!!!俺、は機械イジリだけでなく釣りも得意だからな!!!」
と思わぬ発言に全員は大笑いする。
キラ「(最近アスラン色々とはじけてるよね…)」
なのは「(うん面白すぎ)」
そして起動六課の休日は始まる…

 

機動六課の休日 釣り編

 

ヴィータ「ったく…アスランの奴なにやってんだよ…」
中々身支度の終わらないアスランに待ちくたびれてるヴィータであった。
アスランと釣りに行くと約束したヴィータ。こんな発言をしながらも、実は楽しみだったりしている。
アスラン「お待たせだ」
アスランが到着したようだ。
ヴィータが遅い!と言おうとした瞬間固まる。
ヴィータ「お…お前…なんだその格好…」
アスランの服装に驚くヴィータ
アスラン「いや、釣り服だが??」
若さに合わない日よけ用の帽子。そして灰色でポケットが沢山ついたジャケット。しかも長靴。
アスラン「何かおかしなところでも?」
ヴィータ「いや全部おかしいって…どこのおっさんだよお前(汗)」
アスラン「俺はこの服装気に入ってるんだがな」
正直キラ達の買い物に付き合った方がよかったと思ったヴィータだった。
アスラン「とりあえず隣エリアの池にでもいこう。ヘラブナ釣りでも…」
ヴィータ「だからじじいかお前は!!!」
ヴィータの突っ込みも通じず、アスランに引きずられて連れて行かれるヴィータ。
それを窓から見ていたフェイトとはやては手を振りながら見送る。
見送った直後…
フェイト&はやて「プ…あははははは!!!」
アスランの容姿にはやて達が笑い転げる。
はやて「いやーアスラン君っておもろいなぁーー」
フェイト「いつも真面目なんだけど。たまにあーなんだよね…」
はやて「あはははめっちゃうけるわ~」
フェイト「でもそう言うところがアスランの可愛いとこだと思う?」
はやて「へ?」
フェイトのずれた発言にクビをかしげるはやて…
アスランとヴィータの釣り展開はどうなることやら…

 

隣エリア、ミョルニル池にて…
ポチャン…と釣り糸を池にたらす音。
アスラン「俺がメーカーに頼み込んで作らせた新型リールの使い心地はどうだ?」
ヴィータ「使い心地なんて知らねーよ。っと言うか最近お前キャラが違う気がするぞ…?」
ヴィータの突っ込みに大して何時も通りだが?と笑って返すアスラン。
アスランの笑顔に少し違和感を感じたヴィータ。
ヴィータ「お前が笑うのって意外にレアだよな…」
思わず突っ込みを入れる。
アスラン「普段は仕事に追われて笑ってる暇なんてないしな…それに…」
ヴィータ「それにエリオとキャロを一人前にしなきゃ…って言いてーんだろ?」
図星の意見にアスランが苦笑する。
アスラン「これからどんどん強くなる訳だからな…でも、俺達もうかうかしてられないな」
ヴィータ「あぁ。あたし達も今度訓練しないとな…(頼むからその格好で真面目な話はやめてくれ)」
話している途中でアスランがヴィータにおにぎりとお茶をを渡す。
アスラン「まぁ飯でも食いながらゆったりと釣ろう」
ヴィータ「そうだなー。(まぁ…悪くないな、こう言う日も)」
と…そのとき、アスランの竿がしなった。
アスラン「来た…!」
ヴィータ「マジかよ!!」
急いで竿を上げるアスラン。しかし餌だけが外れていた。
アスラン「ダメだったか…」
ヴィータ「ったく…焦ったって魚はつれねーぞ。もう少し落ち着けよ」
アスラン「あぁ…そうする」
アスランはもう一度餌を付け直し竿を投げた。しかし投げる途中手元が狂い
ヴィータの襟に針が刺さりそのまま物凄い勢いで池に投げられる。

 

どぼーん!

 

アスラン「あ…悪い…」
ヴィータ「何すんだよ!!!」
ずぶ濡れになりながら池から這いずり上がるヴィータ。かなりご機嫌斜めである。
アスラン「悪かったよ。帰りに夕食をおごろう」
ヴィータ「大盛りだからな!!!!」
他愛の無い会話で盛り上がる二人であった

 

アスラン達が釣りをしている間、なのはとキラはデパートに来ていた。
「じゃあこれとこれ、おねがいね♪」
なのはから購入した商品を受け取るキラ。
「凄い量だね」
「あはは、日常品の補充だからね。安い日に沢山買っておきたいの」
だがその品物はお菓子やらインスタント食品やらの山。
キラは思わず苦笑した。
「なのはってご飯とかつくらないんだ」
「だって部下の訓練、一日付き合ってくたくたになるんだもん。簡単に済ませたくなっちゃって」
「そっか…大変だね、なのは」
「って…訓練を一日付き合ってるのはキラ君も一緒じゃない~」
キラの天然返答に思わず笑ってしまうなのは。
そしてなのはが時計を見た時お昼過ぎであった。
「そろそろお昼過ぎだね。ご飯でも食べようか?」
「あ…もうこんな時間なんだ」
街やらデパートを歩き回って二人とも空腹だ。
とりあえずデパート内のレストランへ足を運ぶことにした。
「キラ君あそこの席にしようか?」
「ん、そうだね。外の景色が見れるし」
二人は窓際の席を選び底に座った。
「今日はお休みなのに付き合ってくれてありがとねー」
「いや、僕は全然構わないけど。それに誰かと歩き回ったりするの好きだから」
普段の仕事の事など忘れたかのように日常的な会話を繰り返すふたり。
「何たのもっか?」
キラがメニューをなのはに渡す。
「私は…これ」
日替わりランチとオレンジジュースを指差す。
「僕は…このハンバーグランチで良いかな」
二人はすばやくメニューを決め注文するが…
ここからさきなのはの頼んだオレンジジュースが原因でキラは凄まじい難に見舞われることになる…

 

「おまたせしました~」
店員が二人の料理をを持ってくる。
「美味しそう~」
立ち込める料理の香りに二人は思わず喜ぶ。
『それじゃあいただきますっ』
二人は料理を口にする。楽しい日常。何気ない会話。争いのない平和な世界…こんな毎日が続けばいいなとキラは思った。
「キラくん、このオレンジジュース美味しいー」
オレンジジュース一つでここまで幸せな顔になるなのはが何だか可愛く見えるキラだった
「どうしたのキラ君?」
そっと微笑むキラに不思議な顔をして様子を伺うなのは
「あっいや…なのはもその、普通に女の子なんだなって」
「なにそれぇ~酷ぉいー!」
キラの発言にふくれっ面になるなのは。本当に喉かで平和な休日のはずだったが…数分後…
「キラ君そのハンバーグについてるポテトフライ頂戴~!」
物凄い勢いでキラの皿からポテトを奪い取り口に放り込むなのは。イキナリのなのはの行動に唖然とするキラであった…
「あっ…その…ポテト食べたいなら注文するよ…?」
とその場の雰囲気を流そうとするキラだが、なのはの様子がなにかおかしい
「んー?キラ君ー?私のこと太らせたいのかなっ?」
クスっと怖すぎる笑みを浮かべキラを見つめるなのは、少しキラがのけぞる
「いや…そう言うつもりじゃないけど、どうせ僕がおごるつもりだしさ」
引きつりながら何とか笑い返すキラであったがなのはの様子は変わらない
「一言良い??」
「うん…?(冷や汗)」
「最近キラ君、ティアナに甘すぎない?」
「いや、訓練中はちゃんと厳しくしてるけど…!?」
なのは顔を赤らめながら、万遍の笑みでキラに押し返す。
「じゃあ訓練の後二人でアイス食べに行ったよね?」
なのはに内緒だったはずがばれている事にキラは驚く。
「一応訓練終わった後だから、それに疲れたときって甘いものが一番だからね」
「私も訓練で疲れてたよ♪」
えへへ…とキラを見つめるなのは。
キラは必死で目を逸らそうとするがなのはの目が逸らした方向に追ってくる。
「私、前キラ君が塞ぎこんでた時、抱きしめたよね~♪」(心閉ざしてのSS)
「な…何言ってるのなのは…!?こんな場所で…!?」
他の客達の視線がキラ達の席にざわざわと集中した。
「ダメだよなのは…って言うか…さっきから様子が変だよ???」
「変ってなぁにが?」
なのははオレンジジュースを一気に飲み干すと、瓶に入ったジュースを
またコップに足す。
「キラ君もほらっ」
なのはは自分のコップのジュースを渡すが、なのはが口をつけたコップに顔を赤らめクビを振る
「その…これは…?」
「えっへっへ~飲~~んで♪?」
ここで飲まないとまた何を言い出すか解らないからと、キラは顔を赤らめながらジュースを飲む。
と…その時…
「これ…お酒!?!?」
キラが物凄い勢いでコップを置いて、メニュー欄を調べる。
オレンジジュース……………焼酎割りと一番端っこに書かれていたのだ。

 

取り合えずなのはを連れて店を出ようとするも、言う事を聞かないなのは
「ティアナと居るときは長居する癖に私と一緒の時は早く帰りたがるんだぁ♪」
テーブルをバンバン叩いてキラに攻め寄るなのは。
キラに焦りの表情が…と言うよりティアナと食事に行ったことなんてないぞとキラはさらに困惑する。
「な…なのは…明日仕事の帰りご飯食べに行こうか??」
「私達明日も残業だよ~キーラ君♪」
何とかなのはの機嫌を取ろうとするが…逆になのはの機嫌を悪くしてしまう。
「じゃあさ。明日訓練の後部下達の前で私に食事行こうって誘ってよー」
「そ…それはさすがに!?」
「誘ってくれないと私キラ君家で毎日下宿するよ?」
「だからなんでそうなるの!?(泣顔)」
た…たすけて…キラは内心そう思った。
アスランと釣りに行った方が良かったかもしれないと…
「ヴィータ達は楽しんでるかな…」
とつい声を漏らす
「ヴィータちゃんがどうしたの?♪」
なのはの地獄耳がキラの小声を一瞬で捕らえる。
「ほら、アスランと釣りに行ったから楽しんでるかなって」
「私達だって楽しいからいいじゃない」
「そ…そうですね…あは…あははは」
(なのは…君は物凄く良い子だと思うよ…酒が入らなければ…)

 

その頃アスラン達は

 

「クシュン!!」
ずぶ濡れで焚き火に当たりながら体を温めてるヴィータと
親父臭い釣り服のアスランが相変わらず竿とにらめっこだった
「誰かあたしの事噂してんなぁ…!?」
「?」
アスランは首を傾げつつ、ヴィータに暖かいお茶と着替えを渡す。
「おぉ、ありがとよアスラン…ってお前のせいでこうなったんだけど…」

 

「帰りにバイキングで好きなだけ食わせてやるから簡便してくれ」
申し訳なさそうに誤るアスランに対してヴィータもまぁ良いよ…と
アスランを慰める。
「バイキング…良いね!!!」
機嫌を取り戻したヴィータは木に隠れ、着替えを済ますと釣竿を再び握る。
「じゃああたしがもう1匹釣ったらドリンクバーもおごれよ」
「あぁ、まぁ俺に勝てればな」
アスランとヴィータはお互い冗談まじりで笑い合いながら、再び池に糸ををたらした。
そして魚が遠くの岩場で跳ねる。アスランはそこに向かって竿を振った。
ブォン
と…その時
「え…おあ…」
ドボン!!
再びヴィータに引っかかり池に投げ込まれる。
「あ…すまんまた」
「お…お前…明日から毎日飯おごれよ…」
ぜぇぜぇと池から這い上がるヴィータ。
「う…うるへー!!!!(涙顔)」

 

そしてキラとなのはは…
結局レストランでくだを撒いた後、なのはは爆睡してしまったのでキラはなのはをおぶって帰る羽目になった。
「今日は大変だったなぁ…アスラン達はどうだったんだろ…」
「うぅ…キラ君~このお菓子少し頂戴…ムニャムニャ」
キラにおんぶされながら、夢の中に居るなのは。そんななのはの寝言にキラは笑ってしまう。
と思った直後
「頂きます…ガブ」
「痛!!!!」
夢の中でお菓子を食べてるなのはに噛まれてしまい思わず飛び上がる。
「夢の中で僕はお菓子…か…」
一体僕ってどんなだろう…疑問を抱きつつ夕焼けをぼけーっと見ながら帰り道を歩き続けるキラ
「なのはって軽いな…おんぶしてても全然疲れないや」
女をおぶるなんて滅多にしないキラが、そう感じるのも当然である。
そして途切れ途切れで寝言を言うなのは
「キラ君…………好き…」
「えっ?」
思わずなのはの発言にドキッとするキラ。
「寝言…だよね勿論…」
ほっとするキラであったが、なのはの発言につい赤面してしまった。
「大丈夫、任務中は僕が守って見せるからっ」
そんななのはについつい返事を返すキラ
「ありがとっ」
「え!?!?!?!?!」
寝てるなのはに返事を返され心臓が止まりそうになるキラ。
「むにゃむにゃ」
「寝言…もう…」
寝言の一つ一つに冷や汗マークのキラの前に
ヴィータとアスランが合流する。
「よっキラになのは」
「ヴィータ…それにアスラン!」

 

「何か凄い大きいぬいぐるみだな」
アスランはキラと目が合ったとたん背負ってるなのはに遠まわしに指摘した。
「色々あったから…(汗)」
キラは疲れた表情でアスランの質問を流す。そしてアスランに聞き返す。
「アスランこそ、ヴィータと釣りに言ってたんでしょ?っていうかその服装すごいよ」
「あぁ…この釣り服はブランドものだからな」
顔を赤らめて照れるアスラン。
「絶対誉めてねーぞ。つーかそこで照れるな」
そして後ろから容赦なく厳しい突込みを入れるヴィータだが、アスランは?マーク状態だ。
「ヴィータはどうしたの?服びしょびしょだね…」
ヴィータはアスランに向かって指を指し、こいつに二回も池に落とされたと教えてくれた。
「まぁ、そのおかげであたしはアスランに晩飯おごって貰ったけどな」
「そっか。それなら良かったじゃない」
なんだかんだ言ってこの二人はそこそこは楽しんでたんだなと痛感したキラだった。
「ところで、何でお前なのはをおぶってるんだ?」
「えっと…話すと長くなるけど…」
キラは事の心情を二人に上手く説明した。
アスランのほうは服装が服装なのでふざけて聞いてるような気がしてならなかったが…
「アハハハ!!!」
ヴィータとアスランはその場で笑い転げる。
「笑わないでよ。本当に大変だったんだから」
「いやぁ…だってよ。酔っ払ったとはいえ、なのはがそんなになるなんてさぁ」
ヴィータは、笑いながらもキラをなんとかフォローする。
「いつも災難だな、キラは」
「お前にだけは言われたくねーと思うぞアスラン」
「おいおい、勘弁してくよヴィータ」
帰り道、皆と楽しい会話をしながら帰る。
そして…到着
「さて、明日の仕事に備えて、今日は休むとしようか」

 

「じゃあなアスラン、結構楽しかったぞ」
「あぁ、明日からまたよろしく頼む」
と、まず最初にアスランと別れ、そしてキラとヴィータ、寝ているなのはの三人になる。
「っていうかさ、キラ」
まず最初に口を割ったのはヴィータ。
「うん?どうしたの?」
「なのはに優しくしてやってくれよな…」
ヴィータはキラを見上げるが、すぐに下を俯き恥ずかしそうにそう言った。
「どうしたの?急に」
「どうもしねーけどさ。最近ティアナに付きっ切りで訓練してんだろ?」
それを言われた途端、昼間のあれを思い出してキラは冷や汗をかく。
「まぁ…一応ティアナの訓練は僕の担当だから…ね」
「それも解るんだけどよ…お前ちょっと過保護すぎるところもあるから、なのはが最近ご機嫌斜めなんだよな」
「え…?訓練の後とか話すけど…全然かわらないよ?」
「はぁ…お前はなんも解ってねぇなぁ…」
ため息をつくヴィータは、キラの肩をぽんとつくと、まぁがんばれや馬鹿ップル。と言い残し自分の寝床へ戻った。
「ふぅ…まぁいいや…なのはを起こして僕も今日は寝よう」
とおぶっているなのはを降ろそうとすると。
なのはがしがみ付いて離れない
「ちょ…!!なのは???」

 
 

神隠し氏 2007/06/11(月) 01:34:31

 

PRIDE?をかけて

 

それは新人たちの何気無い一言で始まった。

 

昼休み。食堂。
「機動六課の部隊長たちって何で女性ばかりなんですか?」
とティアナ。
「そう言えば…部隊長ははやてさん、スターズの隊長はなのはさん。ライトニングはフェイトさんだよね?」
とスバル。
「あと副隊長さんも、シグナムさんとヴィータさんですよね?」
とキャロ。
「キラさんははやてさんの護衛、アスランさんはフェイトさんの執務官としての仕事の補助。シンさんはライトニングの隊長、副隊長を、レイさんはスターズの隊長、副隊長補佐ですよね?」
と最後にエリオがパンを飲み込んでから言った。
「それがどうかしたのかよ?」
水を飲み干したシンが言いだしっぺのティアナに、何でそんなことを聞くのか理由を問い正してみると
「ってことは、なのはさんたちよりも、シンたちは弱いってこと?」
カチャンと今まで黙々とスープを飲んでいたレイがスプーンを置いた。
一斉に振り向く新人たち。その様子に
「…何だ?」
とレイは口許を拭いつつ新人たちを見る。
「強い、弱いなどと言ってないで、訓練に精進したらどうだ?」
「レイ…、けど同期から魔法習ってるのに確に、キラやアスランも隊長じゃないぞ?」
一同沈黙。
「気にするな、俺は気にしない。」
「…そこは気にするべきじゃないのか?」

 
 

まぁそんなこんなで、シンはキラとアスラン、それからレイ、エリオ、キャロの六人で風呂につかりながら、今日あった出来事をキラとアスランに話した。
「別に、気にするようなことじゃないだろう?」
アスランはタオルをたたみ、頭の上にのせながらシンの疑問に答えた。
「はやて隊長に、何か考えがあってのことなんだから…、僕は、あまり気にしてなかったけど…」
キラもアスランも興味なさそうに目をつぶって、湯船のはしに背中を預け、リラックスしている。
―こいつら、悔しくないのかよ?
と内心思いつつ、シンはあることを思い付いた。
そう、用は悔しいと思わせればいいのだ。

 
 

「じゃあ、キャロ、髪洗おっか?」
「はいっ」
とシンに促され、湯船をでてシャワーの前の椅子に座るキャロ。
そしてその後ろに椅子を据えて、キャロの髪をわしゃわしゃと洗い始めるシン。
「そーいえば、キラさんてスーパーコーディネイターなんですよね?」
キャロの髪を優しく丁寧に洗いながら唐突に口を開くシン。
「…あんまり、そう呼ばれたことはないけど…、そうだよ。
それがどうかした?」
「いや、はやて部隊長がね?
言ってたんですよ、『スーパーコーディネイターってのは人の女を寝とるのがスキルなんよ?』って…。」
「まさか…、はやて隊長に限ってそんなことを言うはずが…。」
すかさずエリオにアイコンタクトを送るシン。
「あ~、確か、なのはさんとのことですよね(棒読み)」
引きつった顔をしながら言うと、ザバッと音をたて、立ち上がるキラ。
「エリオくん、…それは…本当なの?」
「へっ…、あっ、はい。言ってました。」
「…そんなこと言われたら、許せないじゃない?
何で僕が…、はは、あんな白い悪魔を?」
そう言い残し、風呂を出ていった。
(一人目、着火完了!)

 

キャロの髪を流し、今度はリンスをしてやる。
「あっ、そうそう、そう言えばなのはさんが言ってたこと…シンさん知ってます?(棒読み)」
すると今度はエリオが言う。
「あぁ、確、『レイくんの泣き声っておもしろいよねぇ』だったけ?」
ビクッと肩を震わせるレイ。
「先に上がるぞ、シン。」
表情は相変わらずだが、恐らく
(高町なのは、お前の発言だけはゆるさない!)
とか思っているのだろう。(二人目、完了。)
シンはくっくっくっ…と笑いながら、さて最後はとアスランへと視線を移すと、まだゆったりと湯船のはしに持たれ、目をつぶってリラックスしていた。
「じゃあ、シンさん、背中を洗いますね?」
とキャロがシンの背に回りこみごしごしと擦り始めた。
まぁ、力が弱いせいか、何だかくすぐったいが、それはさておき…。
どうしたものかと考え込むシンであった。

 

「お前たち、ほどほどにしとけよ?」
湯煙立ち込める風呂場にアスランの声が響く。
ビクッとするエリオ、キャロ、シン。
「大方、シン、お前が首謀者だろう?
エリオはシンに抱きこまれ、キャロはティアやスバルの密偵と言ったところか?」
はぁっと溜め息をつくアスラン。
「シン、お前が二人を先導してどうするんだ…仲間うちで隊長の座をかけて戦うなんてことにー」
「でも、フェイト隊長、アスランがヅラじゃないかって疑ってますよ?」
「なら戦うしかないじゃないか!!」
(三人目、着火完了!あとはティアとスバルが巧くやってくれれば、隊長たちと本気で戦える!!)

 

翌日、早朝訓練。
片眉を痙攣させるなのは、フェイト、はやて、ヴィータ、シグナムと、同じくキラ、アスラン、レイが向き合って睨みあっている。
それをよそに念話でシンがティアとスバルに話しかけた。
(巧くいったみたいだな?)
(うん、まぁ…ね。)
(つか、シグナム副隊長に凄い形相で睨まれてるんだけど…俺は何て言ったことになってるんだ?)
するとティアが顔を背け、少しだけ頬を赤らめる。
(その、シグナム副隊長は……だけ…。)
(はぁ?聞こえないぞ?)
(い、一回しか言わないからよく聞きなさい。
シグナム副隊長は胸がでかいだけで役にたたないって。)
シン、絶句。
(ちょっと待て、何でそっちに走ったんだ!俺は変態か!!)
エリオも念話を使い、スバルに話しかける。
(聞きたくないけど、スバルさん僕は一体…何て?)睨んでくるヴィータに恐怖しつつ、スバルに聞く。
(大丈夫、私はティアみたいに変なことは言ってないよ?
ただ一言「存在意義がわからない」としか。)
エリオは未来に絶望を見た。騎士になる前に殺されることを覚悟したという。

 

戦いの果てに散りゆくものは…

 

「珍しいね、はやて部隊長が早朝訓練に参加するだなんて…。」
とキラ、口の端を不自然につり上げた笑顔で言った。
「たまにはうちも体を動かそう思うてなぁ~、今日は模擬戦に付き合うわ。」
腕を胸の前で組、さらに付け加える。
「まぁ、さすがに?デスクワークしかでけへん上司とか、SSランク魔導士は嘘やとか思われたくないからなぁ?キ・ラ・くん?」
んふふと、いつもはくりっとした目を細め、浮かべる笑みは口が三日月形に割れていた。
「それはまた…でも、大丈夫なの?
リィンちゃんがいないみたいなんだけど?
まぁ、SSランクなんだから?
合体しないと範囲コントロール出来ないなんて事ないよねぇ?
何なら、僕が合体してあげますけど?」
「遠慮しとくわぁ~。」
青筋をたて、半笑いで返すはやて。
「頼まれたってしてあげないけどね。
あはははははははは…。」
「んふふふふふふふふ…。」
「うわぁ~、火花全開だよ、楽しみだね?ティア?」
「そう?私は何か怖くなってきたわ。」
同意するようにティアの背に隠れるキャロとフリード。
「今日はいい模擬戦日和ですね、隊長。」
「うん、そう思ってね、今日の訓練はスバルたちじゃなくてレイくんたちの相手をしようと思ってるんだよ?」
「どういう風の吹き回しですか?」
「別にぃ。もちろん?
人が真剣に抱き締めて慰めてるときに、何か別の感触を楽しんでたからとか、そんな理由じゃないからね?」
「そんなこと、身に覚えがありませんね?キラさん、なのは隊長はすでに錯乱しています。」
「レイくん…頭…冷やそっか?
今日は特別にリミッター外してきたんだぁ。
あれぇ、怖じ気付いちゃったかな?にぱー。」
「望むところだ、俺があなたの頭を冷やしてあげますよ。」

 

「すごい、こっちも火花全開だよ!ティア!!」
「分かったからあんたはだまってなさい。」

 

「アスラン、今日は久しぶりに君と模擬戦をしようと思ってるんだ。」
フェイトが厳しい表情をしながら言う。
「…俺も丁度…そう思ってたところだ。」
同様にアスランも答えた。
「君が私の事を弱いと思うのなら…身をもって教えてあげるよ。」
「…??それでもいいさ、こっちも君の発言を撤回してもらう!」
「…??さぁ、始めようか?」

 

『フィールドの設定及び、戦闘形式の説明を開始します。周辺状況は市街地を舞台とします。
高層ビルなどの位置に注意して戦闘を行ってください。
戦闘形式は五対五。
男性フォワード陣、キラ・ヤマト、アスラン・ザラ、シン・アスカ、レイ・ザ・バレル、エリオ・モンディアルの五名を確認。
女性フォワード陣、八神はやて、高町なのは、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン、シグナム、ヴィータの五名を確認しました。
チーム戦になりますので、それを忘れないように。』
メイリンからの通信が途絶える同時、何もなかった平地に市街地が出来上がる。
そして十人が一斉にデバイスを起動させ、バリアジャケットを装着。
十の光が瞬き、最初に光の中から現れたのは八神はやて、合計六枚の漆黒の翼を広げ、純白の環状魔法陣を発生させる。
広域型をいかし、一気に蹴りをつけるつもりだ。
「させるかぁ!」
『サーベルモード』
蒼い魔力刃を手に、切りかかるキラ。
「主には指一本触れさせん!!」
横薙一閃、シグナムのレヴァンティンが走る。
「させるかよ!!デスティニー」
『ケルベロス』
ズオッと太い奔流がシグナムとキラの間を走り、シグナムのキラへの攻撃を阻む。
「あんたは俺が撃つんだ!今日、ここでぇ!!」
「奇遇だな、私も今日、ここで、お前を殺す。」
「ちょっwww」

 

「レイくん、本当はセクハラで訴えるところだけど、これで許してあげるよ?」
『ディバインバスターEX』
「撃たせませんよ?」
『ドラグーン』
「ッ!?やるねぇ、でも!!」
なのはは準備していたディバインバスターを解除。
代わりに
『アクセルシューター』
を放ち、ドラグーンを破壊した。

 

『ハーケンセイバー』
『シャイニングエッジ』
バチィンッ!!
「くそっ、やるなぁ、やっぱり…。」
アスランは肩で息をしつつフェイトに言った。
「ううん、アスランも中々…。でも、これで私のこと『弱い』って言ったの撤回してくれるよね?」
息を切らしつつ、フェイトが言う。
「あぁ、君は強いよ。……?で、実はさっきから気になってたんだが…、君は何を怒ってるんだ?
こころあたりがないんだが…。」
「アスランこそ、何を怒ってたの?
私は、スバルからアスランが私のこと『弱いくせに執務官をやってる』っていってたって聞いたんだけど…。」
「いや、俺はそんなこと言ってないんだが…、じゃあフェイトも『アスランはヅラじゃないか?』っていってないのか?」
フェイトは首をブンブンとふる。
「言ってないよ?そんなこと…。」
アスランは昨日の風呂での一件を思い出す。
「シィィイイン!!!!」

 

「言ってくれるじゃねーか、エリオ。私の存在意義がわからないなんてさァ!!」
『シュワルベフリーゲン』
とヴィータ、グラーフアイゼンで鉄球を打ち出す。
『ソニックムーヴ、ソニックムーヴ、ソニックムーヴ、ソニックムーヴ…。
ソニックムーヴ、ソニックムーヴ、ソニックムーヴ、ソニックムーヴ…。
ソニックムーヴ、ソニックムーヴ、ソニックムーヴ、ソニックムーヴ…。
ソニックムーヴ、ソニックムーヴ、ソニックムーヴソニックムーヴ…。』
ひたすら高速移動を続け、逃げ回るエリオ。すぐ後ろでビルが倒壊した。
「(このままじゃ、こ…殺される…、ごめんなさい!シンさん!!でも、僕にはまだ夢があるんです!!!)」
エリオ、ソニックムーヴをやめ、ヴィータへと向き直る。
ストラーダを待機状態に戻し…。
「ヴィータ副隊長!!ごめんなさい。
でも、仕方なかったんです。『シン』さんに言われて!!!」
土下座して、謝った。

 

エリオの叫びが、思いが、恐怖を超えて、ビルの隙間を越えて、全員に伝わった。
「エ、エリオ…何を馬鹿な…、俺がそんなこと…。」
一斉に視線がシンに向けられる。
「ティア、それは本当なの?私たちにした話、あれは、嘘なの?」
なのはの問いに、ティアとスバルはうなだれて頷いた。そして…付け加える。
「…はい…、シンさんに言われて…仕方なく。」
「おっ…お前ら…何を…。」
皆が口々に問いただしてくる。
「ちがっ…確に…俺が企てたけど…、なのはさんたちに言ったことはティアたちがっ!」
「違うんです、全部シンが考えたんです。」
「おい!ティア嘘つくなよ!!あれはお前が…」
「嘘じゃないんです。シンが嘘ついてるんです。」
「何を言ってるんだティアは!!!」
「嘘だッ!!!!!!」
「…あ…はい…、俺が……指示…しました。」
あまりのティアの迫力に場の一同が沈黙。
シンは腰を抜かして、そのばにへたりこんだ。
「そうか…、全てはシン・アスカの策略か…。」
ふっと笑うシグナム。
「つまり、あれは全部シンの本音だったと…」
うんうんと頷きながらヴィータ。
「そうなんか~、ごめんなぁ、気付いてあげられんで…。」
にっこりにこちゃんマークの様な笑顔のはやて。
「…シン…、相談してくれればよかったのに…。」
フェイトがバルディッシュを構えて微笑んだ。
「はいは~い、じゃあ訓練変更!
ズバリ『非殺傷設定でも人は殺せるか』で」
レイジングハートを構えるなのはが言った。

 

シンはそんな全員の一瞬の隙をついて逃走はかる。
デスティニーは羽が目立つので建物の陰を利用してひたはしる。
しかし…。
「あ、足が…。」
いつのまにか地表が氷に覆われていた。
近付いてくる複数の足音。「シンくん、どこ行くのかな?」
ポンッと肩を叩かれ、振り向いた瞬間、複数の閃光に包まれた。

 

倒れているシンの体に降り注ぐ魔力の雪。
薄く開いたシンの瞳に映るのは、青く晴れわたった空。
すると雪に紛れて舞い降りる二つの人影。
その二人に、シンは見覚えがあった。
ステラとマユだ。
艶やかな肢体に汚れを知らない純白の翼。そんな二人がこちらに向かって微笑みつつ手を伸ばしている。
すると、シンの体が、正確には幽体が浮き上がった。
マユとステラ、二人に手を引かれ、天へと昇る。
(そっか…、俺…死ぬのか…。
でも、こうしてマユやステラが迎えに来てくれるんなら…いいかもな。)
なんて思っていると
『グラップルスティンガー』
何かにしばられ、力ずくでマユとステラから引き剥がされるシン。
マユとステラは、突然の事態にキョトンとした表情をしていたが、やがて頷き、手を振って二人で天へと昇っていった。
「お前…、あれで本当に終わったと…そう思ってるのか?」
覚醒しつつある意識の覚醒を加速させるアスランの声。
「さすがに…わかってるよね?」
開いた瞼、真っ先に飛込んでくるキラの不気味なほど素敵なスパコディスマイル。
明らかにシンの身に危険が迫っていた。
「れ…レイ……。」
こちらを見下ろしている友に助けを求めるシン。
「シン、気にするな。俺は気にしない。」
しかし、返ってきたのは意味不明な回答だった。
シンはこちらを哀れむように見ているエリオ、スバル、ティアナを睨む。
「お前らが悪いんだ。お前らがぁ。
お前らが裏切るからァアー!!!!アッー!!!!!!」
その言葉を残し、シンは意識を失った。

 

「さて、厄介事も片付けたことだし…、今日は今から食事にでも行こうか?
もちろん、僕らの奢りで…。いいよね?レイ、アスラン…。」
キラの言葉に賛成を示す一同。
こうして、六課の絆はまた深まるのであった。ただ一人を除いて…。

 

闇の中を動めく闇。
シンは、ようやく意識を取り戻し、隊舎へと戻る。
「…六課フォワード陣は…俺が倒す。」
と新たに心に誓うのであった。

 

あれから二日後
「エリオ、ティア、スバル、キャロ!!!」
シンに呼ばれてギクリと振り向くエリオたち。
「悪かったな…、俺の勝手に付き合わせて…。
ごめん…。」
と言って頭を下げるシン。「いや、そんな…シンさん。裏切ったのは僕たちの方です。
こちらこそ…ごめんなさい。」
エリオたちもシンに頭を下げた。
するとシンは笑顔でスキップランランラン。隊舎へと戻ってゆく。
「何か、いやにご機嫌じゃない?」
とティア。
「ですね…」
とエリオ。
まぁ、何にせよ。裏切ったあとの後味の悪さは消えた四人だった。

 

「キラく~ん…。」
キラの名前を呼ぶなのは。局内であるにも関わらず、レイジングハートをデバイスモードにしている。
明らかに様子がおかしかった。
キラは、物陰に隠れ、様子を窺う。
なのはの手の中には繰り返し再生されているモニター。
風呂が写し出されていて、ちょうどキラがあがるところだった。
『何で僕が…はは…あんな白い悪魔を…。』
「白い悪魔って…どういうことかな?」
「ひぃっ!!」
突然、背後で声がした。
「ねぇ…、キラくん、白い悪魔ってどういうこと?」
「いやぁ…その…それは、ものの弾みって奴で…。本気で言ってるわけじゃないんだ。ほ、ほら…よくあるだろ?」
「ないよ…そんなの。なんで私が悪魔なの?」
「それはさすが管理局のエースオブエース、強いなぁ~って意味で…。
天使とかだと、ちょっと弱そうだから…。
ちょっ、ちょっと…何でバインドかけるの?
ここ建物の中だよ?こんなところでって…転送されてるし…。」
いつもの訓練施設上空にキラとなのはいた。
「せめて、バリアジャケットだけでも装着させてくれないかな?」
「だ~め!」
『Starlight Breaker』
天使の様な微笑みを浮かべ、魔力を収束させてゆくなのは。
「そっか…、君は…悪魔なんかじゃないよ…。もっとこう…別の何か…。
悪く言っちゃうと魔王?」
光に飲み込まれる直前、キラが遺した言葉だった。

 

「さてと…、次はレイとアスランだな。
どうやって復讐しようかなぁ~。」
シンはキラがなのはのスターライトブレイカーに飲み込まれるのをトイレの個室の中でモニターを使い眺めていた。