艦内点景◆炎のX好き氏 11

Last-modified: 2016-03-05 (土) 11:22:49

艦内点景11
 
 
(炒飯男編)
グゥレィト!
俺はディアッカ。
裏切りが得意技のグゥレィトで炒飯なナイスガイさ。
今日、3月29日は俺の誕生日だ。
どうせ、イザーク達が内緒で誕生パーティを準備しているだろう。
ここ何日か、気が付いて無いフリをするのに苦労したぜ。
それにしても遅いな。
催促するのもなんだが、ちょうどシホが来た。聞いてみるか。
「グゥレィト。パーティは何時からだい?」
シホが怪訝な顔をしている。どういう…?
忘れられてる!?
その時、部屋の隅の暗がりから『餌マスター』ウイッツが手招きしているのが見えた。

——「部屋の隅で膝を抱えると落ち着くな…」
「だろ?忘れられた時には一番だ」

(おわり)
 

(サウンドノベル化記念編<1>)
『X運命』のゲーム化が決定し、狂喜する1人の男がいた。
天下に隠れなきエロゲ魔神、アーサー副長その人である。
「エロゲといったら私。私といったらエロゲ。ゲーム化なら私に任せなさい」
逆に不安になる発言だが…。
「エロゲにはならないわよ」
タリヤ艦長の冷徹な声がエロゲ魔神の希望を打ち砕く。
「か、艦長をはじめとする美女や美少女達と、私とのウッフンやアッハン、嬉し恥ずかし、ハーレム状態が無いのですくぁあ&#12316;!!!」
「営倉、入りたい?あるわけないでしょ」
「フォンドゥヴァオゥ!エロゲの神は我を見放したかぁ&#12316;」
身も世も無く泣き叫ぶ、アーサー副長。

その時、部屋の隅の暗がりから『餌マスター』ウイッツ、『炒飯男』ディアッカの2人が、アーサー副長を手招きしているのが見えた。

&#8212;&#8212;&#8212;それから3人、仲良く並んで部屋の隅で膝を抱える姿が、良く目撃されるようになったとか、ならないとか…。
「「「落ち着くな&#12316;」」」

(おわり)
 

(ノロケ編<1>)
「そういやガロード。お前、ティファのどこが好きなんだ?」
聞きにくい事をズバリ聞くのはハイネだ。
「好きなとこ?全部だけど」
ガロードもこいつはこいつで、サラリと即答である。
その場にいた、当のハイネとガロード以外の全員が、ため息をついたり、アホ毛を旋回させたり、肩をすくめたり、各々の気持ちを十分に表現する。
「何かあるだろ?顔が可愛いとか?アノ時の相性が抜群とか?ケツの形が最高とか?…ひへへっはひをふふ(痛ててっ何をする)」
少々、品の無い表現に隣に座ったアビーがハイネの頬を『ビョーン』と、つねる。
「そんな考え方、したこと無いなぁ」
ガロードはハイネの発言の際どさに気付かず、言葉を続ける。
「プレゼントした花を見た時や、アイスを『アーンして』と言った時の、ティファの優しい表情を見ると『守りたい』って、オレ思うし

&#12316;中略&#12316;

時々『ガロード』って言ってくれた時の…モガッ」
「わかった!ガロード」
アスランが、このメガトン級に純真なノロケに耐えかね、ガロードの口を手で塞ぐ。
見れば、周囲で大半の人間が悶え苦しんでいる。
「お姉ちゃん。アタシ、いつの間にか、汚れた大人になっちゃってたよぉ」
メイリンは半分パニックで泣き出す。
「落ち着いてメイリン。汚れたら石鹸で洗えばいいのよ」
ルナマリアも混乱して発言が変だ。

アーサー副長が、小声でエロゲのヒロインの名とザンゲの言葉を繰り返す。
「『ノロケ』が凶器に使えるなんて、始めて知ったぞ」
アスランが食いしばった歯の隙間から言葉を絞り出す。

「…ガロード」
そんなタイミングでティファがやって来た。
「皆さん…どうしたの…ですか?」
彼女は不思議そうに周囲の惨状を見渡す。
「ティファちゃんの魅力に皆、感激してるのさ」
ハイネの言葉に、ティファは目を白黒させる。
「モガ、モガガッ」
口を塞がれたままのガロードが何か言う。
「なんでもいいから、どこかに行ってくれ」
アスランが懇願する。
2人が去った後、テクス医師が呼ばれ、自分を失った連中を介抱する。

「艦長、原因は何かな?」
テクスがアスランに問い掛ける。
「ガロードの『ノロケ爆弾』ですよ」
「…そうか」
テクスはその一言を聞いて、深入りしないことに決めた。
それに対し、ハイネはお気楽なものだ。
「今度のガロードの異名は『ユニウスの悪魔』ならぬ『ノロケの悪魔』ってとこかな」
1人元気なハイネを見て『何故こいつはガロードのノロケに平気なんだ?』と、半ば八つ当たり気味にアスランは思う。
「…ひへへっはひをふふ(痛ててっ何をする)」
調子に乗り過ぎた発言に、アビーがハイネの頬を『ビョーン』と、つねった。

(おわり)
 
 
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