艦内点景◆炎のX好き氏 14

Last-modified: 2016-03-05 (土) 11:43:40

艦内点景14
 
 
(甘い生活編)
「今度はガロードとティファを焚き付けたんですって?
シンだけで満足できないんですか?」
ハイネが『呆れた』という声を出す。
「愛する者達の自然な姿だ」
最近、セクハラ大王の名を欲しいままにするロンド・ミナが、腕を組み、背中に"ドーン"という効果音をしょって、偉そうに答える。
「…美しい言葉なのに、ミナ様の口から出ただけで、邪(よこしま)に聞こえるのが不思議ですな」
「失礼な」あまり気分を害したふうでもなく、ミナが答える。
「ミナ様。どうせ、隠しカメラでも仕掛けて、2人の『営み』の画像を、売りさばくつもりだったのでしょう?」
「ふっ、ハイネよ。まだまだ、甘いな」
「?」
「あいつらは甘々過ぎて、極々一部のマニアにしか売れん。それでペイしないのは、検討済みだ」
「…検討は…したんだ…」
ハイネは深く、ガロード達に同情する。
「チッ」
隣に居たアビーが、小さく舌打ちをし、「えぇ、売れないんですかぁ!?」とアーサー副長の素っ頓狂な声が被さり、トニヤの表情が失望に沈む。
「甘い汁、吸えると思ったのに…」
あちらではユウナが、絶望に膝を折っている。
「タカマガハラ活動資金の足しに…期待してたのに…」
こいつら全員、隠し撮りしてるのか!?ティファの部屋には、何個の隠しカメラがあるんだ!?
「どいつもこいつも…」
さすがのハイネも頭を抱える。

「アーサァァアー」

地獄の底から響く様なタリア艦長の声。
「ち…違いますよ。私は純粋に個人として楽しむためにですねェ…」
と、さっきと違う言い訳を始めるエロゲ魔神。
「それにしたってマズイでしょ!いらっしゃい。お仕置きよ!アーサー」
「ひー(泣)」
アーサーはタリアに引き摺られて行った。

「愚か者共め。野の花は手折らず、楽しむものだろうに」
ロンド・ミナは絶望に打ちひしがれる連中を、尊大にねめつけて言うが、
話の流れからすると、それは『覗き』はするぞ、と言ってるのと変わりない。
「ガロード…汚れた大人に負けずに頑張れよ」
ハイネはガロードの健闘を祈らずにはいられなかった。

———その頃のティファとガロード。
「…そこ…です」
「あーっ、あった」
ガロードは、最後の隠しカメラのカバーを器用に外し、同じ画像がエンドレスで流れるよう、ハードウェアに細工する。
「ティファに隠しカメラが、通用するかってーの!」
欲に目の眩んだ大人達より、彼等の方が一枚上手だ。
「やっと、2人っきりになれたね」ガロードの顔は赤い。
「…はい」答えるティファも嬉しそうに頬を染める。
2人だけの至福の時だ。誰にも邪魔されたくはない。
「ガロード…アーン」
「アーン」
ティファが差し出す食べ物を、ガロードが口に入れる。
「ティファもアーン」
「…アーン」
…2人だけの、甘ーい食事の時間だった。
(終わり)
 

 <オマケ>
&#8212;&#8212;&#8212;後に『美人艦長にお仕置きされるエロゲ魔神』なる映像がCE世界に出回った。
お仕置き中の『エロゲ魔神』のセリフがマニアックとのことで、ごく一部のエロゲマニアの間で話題になるも、
元がとれるほど、販売個数は出なかったそうである…。
「う&#12316;ん。赤字だ。意外に儲かんねーなー」
「どうしたの…ですか?ガロード」
「ん。何でもないよ。それよりティファ、夕食は何、食べたい?」
「私は…ガロードが食べたい物なら、何でも…」
「オレは、ティファが食べたい物なら、何でも」
「私は…ガロードが……(エンドレス)
 
 
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