Top > 起動魔導士ガンダムRSG_07話


起動魔導士ガンダムRSG_07話

Last-modified: 2011-08-13 (土) 22:18:41

ハラオウン家、シンはすずかの家から帰ってくると、そこにはヴォルケンリッターとの戦闘を終えて帰ってきたなのは達がおり、クロノとエイミィから闇の書と先程の戦闘について話をしていた。
「仮面の男…?」
クロノの話によれば、フェイト達のデバイスに新たなる能力、カートリッジシステムをとりつけ騎士達と互角に戦い、クロノが騎士の一人を後一歩で追い詰めたのだが、その仮面の男に妨害されてしまい、そしてその隙に騎士達全員にも逃げられてしまったのだ。
「闇の書の騎士達はプログラムらしいですけどなんか自分の意思で動いているみたいでしたよね…。」
「目的ははっきりわかっていないが…、完成なんてさせたら大変なことになるんだ、絶対に阻止するぞ!」
(なんかクロノ張り切ってるな…。)
シンはいつもと少し様子の違うクロノに戸惑う。
そしてその日は皆解散となった。

 

その頃八神家。
「ふむ…お前達はその男のことは知らないんだな。」
その場に居なかったスウェンはシャマルから仮面の男の話を聞いていた。
「うん、ページは消費しちゃったけど…その人のおかげで私達帰ってこれたのよ。感謝しなきゃね。」
「そうか、失った分また明日から頑張らなければな。」
「そうね…。」
そして二人は、明日に備えてそれぞれ自分の寝室にはいっていった。
ちなみに、
「………。」
「ギガ…ねむ…。」
「zzz」
シグナム、ヴィータ、ザフィーラはノワールを空き巣と勘違いしてフルボッコにした罰として、一晩正座させられていた。なおシャマルだけは大きくなっていたノワールに直前で気付き皆を止めたのだが、時すでに遅し。
そこを帰ってきたはやてとスウェンに見つかり、二人にこっぴどく叱られたのだった。
「シャマル…裏切り者め。」
そしてノワールは、
「はらひれほれはれぇ。」
ノワールボックスの中で包帯だらけになって横たわっていた。

 

シンとスウェンがすずかの家に呼ばれてから数日後、とある休日。
「えっと、緑茶の素にグラニュー糖、あとはコーヒー用のミルク。」
シンはリンディにお使いを頼まれ、近くのスーパーに出かけていた。
「それにしても…ウチのグラニュー糖すぐ無くなるよなー、何に使ってんだろ?」
そしてシンはお目当てのスーパーに着き、店内に入る。それと入れ違いで、
「今日はお鍋やで~。」
「ちょうどセール中でよかったですね。」
はやてとシャマルが店内から出てきた。
「それじゃヴィータちゃん拾って帰りましょうか。」
「いや、スウェンも出かけとるし…ウチらは先に帰ってよ。」

 

数分後、買い物を済ませたシンが店内から出てくる。
「さ~てと、用事も済ませたし…帰るとするか。」
その帰り道でのこと、シンはとある公園に立ち寄る。
「は~、最近寒くなったな、ここに来たのは確か春頃だったな…。」
シンはこれまでの事を回想していた。
フェイトとアルフと魔法の出会い。
なのは達と戦った事。
プレシアとの悲しい別れ。
クラナガンでの生活。
そして今の海鳴の生活。
(異世界に飛ばされて魔法を覚えたなんて、帰ったときに説明したら笑われるだろうな…。)
ふと、シンの脳裏に故郷であるオーブの景色が浮かび上がる。
「は~あ、一回帰りたいな~。」
シンは何も言えずに別れてしまった家族に、せめて自分の無事を知らせたいと思っていた。
(帰ったらリンディさんに聞いてみよ…。)
シンは公園のベンチにもたれ掛かった。そのとき、
『主、ちょっといいですか?』
「どうしたデスティニー?ていうか…お前久しぶりに喋ったな。」
『そんなことはどうでもよくないけどどうでもいいですよ、それよりあちらをご覧ください。』
「?」
デスティニーが示す方角を見るシン、そこでは老人達が遠くでゲートボールをしていた。
「ゲートボールがどうかしたのか?」
『いえ、そうじゃなくて…よく見てください。』
「ん~?」
シンは目を凝らしてゲートボール場をみる、するとそこに老人達に混じって競技に参加している少女がいた。
「……あれってなのはを襲ったチビだよな。」
『なのはさんがいうにはあの少女はヴィータという名前だそうです。』

 

「いよっしゃ!アタシの勝ちだ!」
「いや~ゲボ子ちゃん強くなったな~。」
「ホント、元気一杯ね~。」

 

「めちゃくちゃ溶け込んでるな…てかゲボ子って。」
『しかもあのスティック、彼女のデバイスですね…。』
よくみるとヴィータが使っているゲートボールのスティックは、先日シンが半壊させたグラーフアイゼンだった。
そして競技を終えたヴィータは、老人達に別れを告げて帰っていった。
『主、彼女に付いて行けば…。』
「そうか!闇の書の主のトコに行くかもしれないな、追いかけるぞ!」
そしてシンはヴィータの追跡を開始した。

 

「~♪」
鼻歌交じりで街中を歩くヴィータ、その後方を抜き足差し足忍び足で追跡するシン。
「ん?」
ヴィータは後方の妙な気配に気付き、後ろを振り向く
(やっべ!)
(こういう時は身を隠すんです!)
シンは慌てて置いてあったゴミ箱の陰に身を隠す。
「…?」
ヴィータは首を傾げながらも再び歩き始める。
(ふ~、ヒヤヒヤするな…。)
再び追跡を開始するシン。
(ん?立ち止まった…アイスクリーム屋だな。)
ヴィータはアイスクリーム店のショウケースの中を張り付くように見る。
(食べたいんでしょうか…。)
「くっそー、お金持ってきてねえよ…でもギガ美味そうなマンゴー…。」
ヴィータはくやしそうに歯を食いしばっていた。
(あーあ、店員の姉ちゃんも困ってるよ。)
そしてヴィータはあきらめて、再び歩き始めた。
(我々も行きましょう。)
「あ、ちょっとまって。」
シンは先程ヴィータがいたアイス店の店員に話しかける。
「すいませーん、バニラひとつ。」
(彼女見て食べたくなっちゃったんですね。)

 

(ここは…使われていないビルか…?)
先程買ったアイスを食べながらシンはヴィータを追いかけていた。そして彼女を追いかけていくうちに、使われなくなって大分経っていそうなビルにたどり着く。
(あ、入っていきますね。)
「モグモグ…よっしゃ、追いかけるぞ。」
シンはコーンを食べきり、ビルに入っていったヴィータの後を追った。
ヴィータを追って屋上まで来たシン。
(ここに…闇の書の主がいるのか?)
物陰に隠れてヴィータの様子を伺うシン。その時だった。
「おい…コソコソ隠れてねえで姿を現したらどうだ?」
「!!!」
ヴィータの放つ闘気に圧されるシン
(どうやら誘い出されたみたいですね。)
(しょうがない…いくぞ!)
シンが打って出ようとしたその時だった。
「ほう…俺の気配に気付くとはなぁ。」
どこからかガラの悪そうな男の声が聞こえた。

 

(え!?なんだ!?)
訳が判らず再び隠れ様子を伺うシン。
するとヴィータの後ろに、傷だらけの顔をした細身の男が現れた。
「こそこそ追いかけやがって…お前もアタシ等にやられたクチか?」
「せいか~い、オマエラのせいで俺3日ほど寝込んじまったんだよぉ…どうしてくれるんだぁ?」
よくみると男の目はどこか焦点が合っていなかった。
「だからよぉ、俺達オマエラに復讐してえんだよぉ、覚悟しろよぉ!」
「へっ、アタシ一人だからってなめんじゃねえぞ!」
ヴィータはアイゼンを構える。
「おぉっと、いいのかぁ?そんな反抗的な態度をとって…?」
「何…!?」
そこにもう一人、二メートル以上はある筋肉質な大男が誰かを抱えて現れた。
「ばーちゃん!?」
(公園でアイツとゲートボールしていた…!?)
「おおっとうごくなよぉ、動いたらこのババアの首がコイツにへし折られちまうぜぇ。」
掴まっている老婆は魔法で眠らされていた、そしてその老婆の頭を大男は片手で掴みビンの蓋を開けるように捻ろうとする。
「て…てめえら!」
「うごくなっつったろぉ!あとそのデバイスは捨ててもらおうかぁ!」
「く…!ゴメンアイゼン…!」
ヴィータは躊躇することなくアイゼンを手から離した。
「へっへっへっ…いい子だぁ!!」
傷の男はヴィータの顔面を思いっきり殴った。
「うぐぁ!」
殴られた勢いで地面に倒れるヴィータ
「おらあ!俺の痛みを思いしれぇ!!」
倒れたヴィータを男は何度も踏みつける。
「ぐっ!ふぐっ!」
「へっ!あとはコイツをダシにあの緑のヤツと女剣士を一人ずつ呼び出して…色々グフフなことが出来ちまうなぁ!へゃっひゃっひゃっひゃっ!」
男はヴィータの頭を踏みつけながら下品に笑う。

 

その光景をシンは物陰から見ていた。
(最低ですねあの方々…。)
(グフフな事ってなんだ?まあいいか、とにかく…。)

 

「おらおらぁ!こんなもんじゃ俺の気はすまねえんだよ!」
「ぐう…!」
傷の男はヴィータの体を踏み続けていた。だがその時、男の頭にゴルフボールほどの石コロが直撃した。
「いてぇ!?誰だぁ!?」
男は石が飛んできた方角を見る。そこにはまだ左手に数個の石コロをもった少年…シンがいた。
「もうやめとけよ、子供相手に大人気ねえぞ。」
「あんだこのガキャア!?」
「あ…あいつ…。」
ヴィータはシンの姿をみて驚愕する。

 

「バインド。」
シンが唱えた次の瞬間、老婆を捕らえていた大男の両腕に紅のバインドがかかり、大男は老婆を離してしまう。
「デスティニー!」
次の瞬間、シンの背中に紅の翼が生え、そのまま傷の男のトコまで飛び、
「とりゃあ!」
男の顔面に強烈なドロップキックを食らわせる。
「にぎゃあああ!?」
傷の男はそのまま吹っ飛び、そのままフェンスに体を叩き付けられた。
そしてシンは倒れていたヴィータを起こし、治癒魔法をかける。
「お、お前…どうして…。」
なぜ敵であるはずの自分を助けたのかヴィータには信じられなかった。
「いや、確かにお前はムカツクけど…あのばあちゃんを助けようとしてたしな…。」
「……礼は言わね……危ない後ろ!」
突然のヴィータの叫びに反応し、シンは彼女を抱きかかえてその場から離れる。
次の瞬間、バインドで縛られていたはずの大男のハンマーコックが、先程までシン達がいた場所に炸裂する。その威力は凄まじく、コンクリートの地面は大きく抉られてしまった。
「なんつーバカ力だよ!」
「やつら魔法で体を強化しているんだよ。前に奴らと戦ったときも五人がかりでやっと仕留めたんだ。」
「うがあああああああ!!!」
大男は雄たけびをあげながらヴィータを抱えたシンを追い掛け回す。
「アタシを降ろせ…、このままじゃお前までやられちゃうぞ!」
「アホか!そんな真似したらお前踏み潰されるだろうが!」
ヴィータは先程の傷の男によるリンチで足を負傷しており、満足に立てないのだ。
そうこうしているうちにシン達は壁際に追い詰められてしまう。
「追い詰めたぞ!クソガキ共が…。」
「うわあ、これってピンチってヤツ?」
「くそ…みんな…。」
大男は右腕に魔力を溜め、拳を作りシン達に殴りかかった。
「「!!!」」
もうだめだと思い二人は目を瞑った。
だが大男の拳はシン達に届く事はなかった。

 

「て…てめえはこいつの仲間の!?」
大男は上空から飛来し自分の拳を受け止めた鉄の羽を纏った少年を怒鳴り散らす。
「…無頼に名乗る名前はない。」
少年の鉄の羽が変形し、二つの砲身が大男を至近距離で捕らえる。
そして砲身からビーム砲が放たれ、大男は悲鳴を上げながら倒れた。
「ふう、大丈夫かヴィー……!?」
少年はシン達の方を見て大きく眼を見開く。
一方のシンもその少年の顔をみて口をぽかんと開けて驚く。
「助かったよ、スエン…。」
ヴィータはそんな二人に構いもせず、自分達を助けてくれた家族の名前を言って礼を言う。
だが少年は驚愕によりヴィータの声が聞こえてなかった。そして、
「スウェン…さん?」
「シン・アスカ…なのか?」
二人の少年は顔見知りであるお互いの名前を言い合った。
「なんでアンタが魔法を!?」
「それはこっちのセリフだ。」
「なんだよ…お前ら知り合いだったのか?」
その時、気を失っていた傷の男が目を覚まし、三人に襲い掛かる。
「おれをぉ…無視すんじゃねええええ!!!」
だがシンとスウェンはあくまで冷静に、男を一瞥する。
「「ちょっと黙ってろ。」」
そしてシンはヴィータを左肩で担ぎ、男に突出する。そのまま男の頭を空いている右手で掴む。
「んが!?はなせぇ!!」
「パルマ…。」
例の如く、右腕に青い籠手が現れる。
「フィオキーナ!!」
その瞬間、衝撃音と共に男の頭は爆風にまみれる。
「うぎゃあああああ!!!」
「まだ倒れるな。」
『アンカーランチャー!』
ユニゾンしているノワールの掛け声と共に、スウェンの両腕からワイヤーが射出され、ひるんでいた傷の男の体に巻きついた。
「うがぁ!!?」
「よくもヴィータを…。」
スウェンの目はいつものクールなのとは違い、怒りに燃えていた。
「ふん!」
スウェンはそのままワイヤーを男を縛ったままハンマー投げのように何回も振り回した。
「うううげええええ!!!はなしてくれえええ!!!」
何十週も振り回され、傷の男の三半規管はおかしくなり、今にも吐きそうになっていた。
「こんな所で吐くんじゃない、離して欲しいなら離してやる。」
スウェンは傷の男の要望を素直に受け入れる。
『アンカーランチャー撤去!』
ノワールの掛け声でワイヤーはパッと消えて、男は慣性の法則で飛んでいきそのままフェンスに頭から突き刺さる。
「うげぇ……!」
男はその衝撃で完全に気を失ってしまった。

 

「よし終わったな、さてと…。」
シンは戦闘が終わったのを確認してヴィータを降ろそうとする。
「早く降ろせ!あとアタシのケツ触るな!」
どうやら先程の戦闘の弾みで、シンはヴィータの体を支えようとして、(不可抗力で)ヴィータのお尻を触ってしまっていたのだ。
『こんなときでもラッキースケベの本領発揮ですね。』
「あ!?ご、ごめん!!」
慌ててシンはヴィータを降ろす。そしてその直後、彼は彼女から強烈なボディーブローをお見舞いされる事となった。

 

「で…これは一体どういうことなんだよ、スウェンさん。」
痛む腹を擦りながらシンはスウェンを見据える。
「それはこっちが聞きたい。」
「スウェン!こいつだよ!この前管理局の奴らと一緒にアタシ等の邪魔をしてきたヤツは!」
「なんだと…?なら君は管理局の人間なのか?」
今度はスウェンがシンに質問する。
「今は事情があって管理局に協力しているんだ、見境なしに人を襲ってるバカ野郎がいるからな!!」
「あんだとテメエ!」
にらみ合うシンとヴィータ。
「やめろ二人とも。」
スウェンはそんな二人を制する。
「スウェンさん!アンタもコイツ等の仲間なのか!?人を襲ってんのか!?」
「…ああ。」
スウェンの返答にシンは完全に頭に血が上る。
「お前ら…闇の書は完成しても破壊にしか使えないんだぞ!?解ってやってんのか!?」
「うるせえ!!私達はそれでもやらなきゃいけないんだよ!じゃないと…はやてが死んじゃうんだよ!」
ヴィータは思わず声を荒げてしまう。
『ちょっ!姉御!』
『はやて…?先日主がお会いしたすずかさんのご友人でしたね。』
「え…?まさかはやてが…闇の書の主!?」
スウェンはその言葉を聞いて天を仰いだ。

 

「なるほど…アンタ等の事情は解ったよ。」
シンはスウェンから、はやてと闇の書のこと、そしてスウェン自身の事について説明された。
「すべて終わったら必ず償う、だから…見逃してくれないか?」
スウェンの虫が良すぎるとも取れるお願いに、シンは黙り込む。
ふと、シンはムスッっとした表情のまま俯いたヴィータを見る。
(スウェンさんも、ヴィータも、あの姉ちゃん達も…、あの時のフェイトみたいに誰かの為に戦っているのか…。)
シンはかつて自分が行った戦いを思い出していた。あの時もジュエルシードを集める為と言って、最終的には多くの人に迷惑を掛ける手伝いをしてしまったのだ。
(でもそれは…俺が元の世界に帰るために…フェイトを守るためにやったんだ。)
かつての自分とヴィータ達が重なる。
「そうだよな…大切な人は守りたいよな。」
「シン…?」
「わかったよ、今回は見逃してやる、リンディさんにも報告しない、でも今度フェイト達に手を出したら…容赦はしないぞ。」
「ああ、解った。」
スウェンは相変わらず無表情だったが、目は優しくなっていた。
「……。」
シンはヴィータにジーっと見つめられていることに気付く。
「な…なんだよ。」
「お前、いいヤツなんだな…あと助けてくれてありがとう。」
ヴィータにお礼を言われ、シンは照れ隠しにそっぽを向く。
「おおおお俺早く帰らなきゃならないからな!いいか!蒐集は俺達に見つからない所でヒッソリとやれよ!」
そしてシンはその場を去って行った。

 

その場に残されるスウェンとヴィータ。
「何だよアイツ…照れやがって。」
「なあヴィータ、ちょっといいか?」
何故か顔を真っ赤にしているヴィータにスウェンは問いかける。
「なんだよ。」
「シンは…闇の書は完成しても破壊にしか使えないと言っていたが…本当に闇の書を完成させればはやての体は治るのか?」
『アニキ…?』
スウェンはシンが言っていた事が気になっていた、なによりその情報は魔導書に詳しい管理局からもたらされたものなのだから。
「あのなあ!アタシ等はヴォルケンリッターなんだぞ!?アタシ等が一番闇の書のことを知ってんだ!………だけどよ。」
ヴィータは急にそれまでの威勢を無くす。
「なんか最近おかしいんだよ…、私の記憶の奥底で『コレは違う。』って言うんだ、なんか違和感があるんだよな…。」
『姉御…。』
「………とりあえずあのおばあさんを家族のもとに送り届けよう、話はそれからだ。」
「あっ!そうだった!ばあちゃーん!」
ヴィータは慌てて人質にとられていた老婆のもとに駆け寄る。
(これは…もっとよく調べる必要があるな、どうにかして管理局で情報を探れないだろうか…?)
そんな中、スウェンはあれこれ思考を巡らせていた
『あれ?そういや姉御をいじめていたあいつらはドコいったんスかね?』

 

そのころ傷の男と大男は路地裏を必死になって走っていた。
「くそっ!あのガキ共のせいで…!」
「次に会ったらただじゃおかねえぞぉ!」
「どこへ行く?」
その時、二人の目の前に仮面を付けた男が立ちはだかった。
「な…なんだてめえはぁ!?そこをどけぇ!」
だが叫んだその瞬間、二人の意識は頭上からの衝撃で途切れてしまった。
「…お前か。」
仮面の男は、倒れている男達の頭に足を乗せたままの、自分と全く同じ容姿をした仮面の男に話しかける。
「こいつらは次元犯罪を犯した脱走者か…後でお父様の所に突き出しておこう。」
「それにしてもシン・アスカ…奴は頑張りすぎだ。そしてスウェン・バル・カヤン、奴は感付き始めている。二人とも…退場してもらう必要があるな。」

 

物語は闇の書の真実へと近づき始めていた。