運命と最強_番外編後編

Last-modified: 2007-11-19 (月) 13:34:01

:海鳴スパラクーア

 

女湯

 

「ふぅ~」
ヴォルケンリッター・烈火の将シグナム
ヴォルケンリッターを束ねる誇り高きリーダーであり、主を、そして仲間を守る剣。
主や仲間のためなら、たとえ火の中水の中、そんな勇ましい彼女が
「・・・極楽だ・・・・」
ものすごく腑抜けていた。
「ふふっ、気持ちよさそうね」
そんなシグナムをほほえましく見つめながらシャマルが入ってきた。
「シャマルか、主はやてはどうしてる?」
極楽浄土な顔をしながら入浴しているシャマルに尋ねるシグナム
「はやてちゃんなら、ヴィータちゃんと一緒よ。背中をながしっこしてるわ」
想像するシグナム・・・なんとも微笑ましい
「そうか・・・・・」
会話が終わり、ゆっくり風呂に浸かる美女2人
先に会話を切り出したのはシャマルだった。
「そういえばシグナム、ここって露天風呂があるそうよ」
露天風呂という言葉に反応するシグナム
「本当か?」
そんなシグナムの反応に笑いながら説明するシャマル。
「ええ、何でも今日は外人さん限定らしいわ、私達以外にいそうもないから、ゆっくり出来るんじゃない?」
想像するシグナム

 
 

貸しきり状態の露天風呂
夜空の絶景

 

「すばらしい・・・だが・・・」
「はやてちゃんのことなら任せて、ゆっくり浸かって来ればいいじゃない」
シグナムの不安を先に解消してしまうシャマル
「そうか・・・・すまんな、いってくる」
そう言い、体をタオルで隠し、露天風呂に向かうシグナム
「いってらっしゃ~い、ごゆっくり~」
シグナムを見送り、風呂に浸かるシャマル。ふと、思い出したように
「そういえば・・・・『混浴』ってなにかしら?」
呟いた。

 
 

露天風呂

 

「綺麗な夜景だ・・・・」
カナードは貸しきり状態の露天風呂に浸かりながら空を眺めていた。
「そういえば・・・・夜の空を見上げるのは、ここにきて初めてだな・・・」
カナードにとって、夜の空を見上げるのはこの世界に来て初めてであった。
幼少期は常に訓練所や研究所の中、その後は直に宇宙に上がったため
夜の空を見上げることは全くといっていいほど無かった。
「こんな風に満喫できるのも、はやてのおかげだな・・・」
そう思い、帰りにアイスでも買って帰ろうかと思ったその時

 

       ザブッザブッザブッ

 

湯を掻き分ける音が聞こえた
「だれか入ってきたのか?」
そう思い、顔を横に向けると
「ん?」
「なっ!?」
タオルで体を隠したシグナムが現れた。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
流れる沈黙

 

この場合のよくある男女の行動
その一
女「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
男「ごっ、ごめんなさーい!!!」
男は露天風呂から撤退

 

その二
女「この・・・・変態!!!!(ドゴッ」
男「ぶべらぁ!!!!」
男は露天風呂から撤退(空中散歩をしながら)
である。

 

ちなみにこの2人は
「・・・・ふう・・・」
シグナムを見るのを止め、風呂を楽しむカナード
「な・・・な・・・何故貴様がここにいる~!!!」
カナードを指差し、顔を真っ赤にしながら慌てふためくシグナム
「俺は男湯から来た、貴様こそ何故ここにいる?」
そんなカナードの言葉にシグナムも言い返す。

 

「私も女湯から来た!」
「そうか・・・とりあえず浸かるか出ていくかどちらかにしろ、正直うるさい。それに」
カナードはため息をつき
「・・・・・目のやり場に困る」
カナードの言葉に自分の姿を見るシグナム
体はタオルで隠れているが、タオルが濡れているため、
体に密着し、シグナムの完璧ともいえるボディーラインを隠すことなく表していた。
「XXXXXXXXXXXXX」
混乱しながらも、カナードを睨むシグナム。だが
「俺は出て行かんぞ・・・・不愉快なら貴様が出て行け」
そう言いきり、入浴を楽しむカナード
「・・・・・はぁ・・・・」
観念したのか、ため息をつき入浴を開始するシグナム。
「しかし・・・・なぜだ・・・男湯と女湯がつながっているとでも・・・・ん?」
ふとシグナムは看板を見つける、そこには

 

『夜景を眺めながらの混浴露天風呂!!外人さんも裸の付き合いを是非!!』

 

と、書かれていた。
「混浴だったのか・・・シャマルめ・・・・・」
ちなみにシャマルは意味を知りませんでした。
「そういえば、混浴とは何なんだ?」
シャマル同様『混浴』の意味を知らなかったカナードが尋ねる
「混浴とは・・・まぁ、男女が一緒に入る風呂のことだ」
律義に説明するシグナム。
「そうなのか?珍しい風呂もあるものだ・・・・」
その後会話は途切れ、静かに入浴する二人
ふとシグナムの顔を見たカナードが
「フッ、腑抜けた顔をしているな」
そう呟いた。
その言葉に顔を真っ赤にし、睨むシグナム
「そう怖い顔をするな・・・おまえもそういう顔をした方がいい。はやても言っていたぞ、『シグナムは真面目すぎや』と」
その言葉に黙るシグナム
「自分でもわかっているが・・どうにも・・な・・・」
そんなシグナムを見据え、カナードは答える。

 

「別に今の正確を直せとは言わん。お前のその性格が今も昔もヴィータ達を助け、支えているのだからな」
「カナード・・・・」
カナードは夜空を見上げ
「ただ、こういう場所では、今のように腑抜けた顔をしながら楽しめ。空を見ろ、星空が綺麗だぞ」
カナードの言葉を聞き、シグナムも空を見上げる
「ああ・・・・綺麗だな・・・」
しばらく夜空を眺める二人
先に口を開いたのはシグナムだった
「こうして・・・夜空を眺めながら入浴など・・・昔は考えられなかった・・・・」
シグナムの言葉を静かに聴くカナード
「主はやてには感謝しきれない・・・だからこそ、闇の書を完成させなければ・・・・」
シグナムはカナードの方を向き
「これからもよろしく頼む、カナード・パルス」
微笑みながら拳を突き出した。
そんなシグナムの態度にカナードも拳を突き出し
「ああ、こちらこそ頼むぞ、リーダー」
シグナムの拳に重ねた。

 
 

八神家帰宅中

 

「はぁ~お風呂は楽しかったし、温まったけど・・・おなかへった~」
満足したのか不満なのかよくわからない顔をしながら話すヴィータ。
そんなヴィータを微笑ましく見つめるはやて
「家でザフィーラと温かいおでんがまってるで、それにカナードがアイス買ってから帰るっていっとったよ」
その言葉に目を輝かせるヴィータ
「よ~し、全部喰うそ~!!!」
そんなヴィータの反応に微笑むはやて達
八神家は実に平和であった。

 

:八神家

 

深夜のリビング

 

「はい、カートリッジ、シグナムとヴィータとカナードに6つね」
そう言い、カートリッジを渡すシャマル。
「すぐにまた作るから、遠慮なく使いきっちゃってね」
それぞれカートリッジを受け取り懐にしまう。
「ああ・・・すまんな。夜明け前には戻る」
そして出ていくシグナム達、だがすぐにカナードが戻ってきた。
「どうしたの?」
尋ねるシャマルに
「忘れ物だ」
そう答え、冷蔵庫まで行き
「受け取れ」
栄養ドリンクを取り出し、シャマル目掛けて放り投げた。
「えっ・・わわわ」
慌てながらも受け取るシャマル
「気休め程度かもしれんが、飲んでおけ。おまえもカートリッジ製作や回復などで疲れているはずだ」
そんなカナードの優しさに微笑むシャマル
「ありがとう、いただくわ」
そう言い、飲むが
「・・・・・おいしく・・ないわね・・・」
顔を顰めながら感想を言う。
「そういうものだ」
そう言い、カナードは収集に向かうため、リビングから出て行った。

 

こうしてカナード・パルスの一日が終る。

 
 

おまけ

 

エイミィ・リミエッタのある午後

 
 

ハラオウン家

 

「たっだいま~」
元気よく挨拶をし、ハラオウン家の中に入るエイミィ。
「おかえりなさい」
そんなエイミィを出迎えるプレア。
「ただいま、プレア君。あれ、みんなは?」
プレアはお茶を飲むのを止め、答えた。
「リンディさんとクロノさんは本局です。フェイトちゃんはアルフさんとなのはちゃんの家にいってます」
冷蔵庫からジュースを取り出しながらプレアの報告を聞くエイミィ
「そっか~、じゃぁ、プレア君と二人きりか~・・・・(ニヤ」
その時、エイミィのいたずら心に火がついた。
「プレアく~ん」
怪しさ満点の笑みでプレアに近づくエイミィ、クロノだったら即座に警戒態勢に入るであろう。
「なんですか?」
そんなエイミィを疑いもせず見つめるプレア
「あのさ~、一緒にお風呂入らない?」
その言葉に、飲んでいたリンディ茶を吹くプレア・・・・・もったいない(つーか飲めんのか)
「な・・何を言うんですか!!」
顔を真っ赤にしながら怒るプレアをニヤつきながら見つめるエイミィ。
「え~、だってプレア君、フェイトちゃんと同じくらいの歳なんだし~、いいじゃん」
「だ・・・・だめです!」
拒否するプレア、だが、エイミィはそんなプレアをからかう。

 

  エイミィは・・・ここでやめておくべきであった。

 

「・・・・エイミィさん、ここに座ってください」
プレアの様子が変わったことに気づくエイミィ。
「(あちゃ~、やりすぎた?)すわってるけ(正座です)ハイ」
素直に正座をするエイミィ。
こうして、プレアの説教タイムがはじまった。

 

「いいですかエイミィさん、女性が気軽に異性にこのようなことをいってはいけません」
「ごめんごめん、でもプレア君はまだ子供だし、いいかな~と・・・」

 

三十分経過

 

「そもそもお風呂というのは男女が一緒に・・・・・・」
「プ・・プレアく~ん」

 

一時間経過

 

「ですからHなのはいけない事だと思います、そもそも女性の裸というのは・・・」
「もう勘弁してください・・・・」

 

二時間経過

 

「そのため、戦争を回避するほどの力が、草津の名湯にはかくされているのだと・・・・・」
「・・・・・・にょろ~ん・・・・・」

 

その後、「にょろ~ん」としか言えなくなったエイミィをフェイトが発見するが、
エイミィ自身記憶が無く、真相は闇に包まれたままである。
番外編『Happy Birthday・Merry Christmas』