運命と最強_第07話

Last-modified: 2007-11-19 (月) 13:27:57

「プレアか・・・・」
プレアがいる事に驚いたカナードだが、直に納得し、プレアを見据えた。
「やはり貴様も来ていたか。それに・・・」
プレアの周りを見渡し
「お互い、また敵同士だとはな」
「カナードさん話を(ガガガガガ」
プレアが話しかけようとしたその時、プレアの足元に無数の弾痕が生まれた。
「問答無用だ、話を聞きたければ戦って勝て。それはおまえが一番良く知っているはずだ」
カナードの言葉に苦い顔をするプレア
「だが勘違いするな、暴力だけが解決方法ではないことは貴様から教わった。だが力を使わない口だけの話し合いでもまた、解決は出来んぞ!」
その言葉にプレアは話し合いをしようとしたヴィータを見た。
ヴィータは一瞬、申しわけなさそうな顔をするか、直に顔を引き締め
「そういうこった!さっさとジャケットを装備しな!」
睨みながらグラーフアイゼンを構えた。
「ですが(プレア」
その時、クロノから念話が入り
「(残念だが、決裂だ。いいね)」
この状況では話し合いは無理と判断したクロノはプレアを止めにはいった。
「わかりました。ドレットノート、セットアップ」
プレアはバリアジャケットを装備し、身構える。

 

「クロノ君、ユーノ君手出さないでね。私あの子と一対一だから!」
「この野朗・・・・・」
なのはの言葉に不快感を示すヴィータ
「テスタロッサというのはお前か?」
「・・・はい」
カナードの質問に答えるフェイト
「お前の相手は俺だ」
好敵手と戦えないことに多少不愉快になるシグナム。
「そんな顔をするなシグナム、お前が認める相手だ、是非戦ってみたい。お前はプレアを頼む」
「あの少年か?」
「ああ・・・・バリアジャケットを形成できるのだから魔法は使えるのだろう、それに」
カナードは小さく笑い
「元いた世界では俺はあいつには勝てなかった、期待をしてもいいぞ」
「ふっ、わかった」
「どうやら、残り組同士で決まったようだね・・・・まぁ、丁度話があったから都合がいいけどね」
「・・・・・・・・・」
獰猛な笑みでザフィーラを見るアルフ
「ユーノ、それなら丁度いい、僕と君で手分けをして闇の書の主を探すんだ」
「闇の書の?」
「連中は持っていない。おそらくもう一人の仲間か主がどこかにいる、僕は結界の外を探す」
「わかった、僕は中を探すよ」

 

『マスター、カートリッジをロードしてください』
レイジングハートの指示でカートリッジをロードするなのは。
続けてカートリッジをロードをするフェイト。
その光景を見たザフィーラが
「デバイスを強化したか、気をつけろ、ヴィータ」
ヴィータを心配するが
「言われなくても!」
強気に言い返すヴィータ。
プレアを見据え剣を構えるシグナム。
フェイトにザスタバ・スティグマトを向けるカナード。

 

深夜の都市で今、激闘が始まる。

 
 

夜の闇の中、二つの光が激突する
「はああああああ!」
フェイトが声と共に振るバルディッシュをカナードは避け、
「食らえ!」
ザスタバ・スティグマトを至近距離からフェイト目掛けて連射する。
避けることを諦めたフェイトはバリアを張り防ごうとする。
「小細工無しのバリアか。なら、ぶち破るまでだ!!」
反撃のチャンスを与えないためザスタバ・スティグマトを連射するカナード。
「くっ・・・・」
ザスタバ・スティグマトの連射攻撃により、防御に専念するしかないフェイト
だが徐々にバリアにヒビが入り、破られると思われたその時、ザスタバ・スティグマトの弾が切れてしまう。
舌打ちをしながらマガジンを瞬時に交換するカナード、だがその隙をフェイトは見逃さなかった。
カートリッジをロードしながら即座に距離を置き、プラズマランサーを形成する。その数は8
「(隙を与えてしまったな)」
内心舌打ちをするカナード。
「プラズマランサー、ファイア!!」
フェイとの声と共にすさまじいスピードでカナード目掛けて突撃するプラズマランサー。
「速いな・・・だが直進ではな!」
直線攻撃だったため真上に逃げるカナード
カナードがいたところをランサーが通過した瞬間、ランサーは止まり
「ターン!」
フェイトの合図でランサーは向きを変え、先ほどと変わらないスピードでで上に逃げたカナードに迫る
「なっ・・・こしゃくな!!」
内心驚きながらもマシンガンでランサーを打ち落とそうとするが
『ブリッツラッシュ』
バルディッシュの声と共にランサーのスピードが急に加速し迫り、打ちもらした2発がカナードに直撃する。
「くっ、おのれぇ!」
顔を歪めながら耐えるカナード。
だが、既にその時にはバルディッシュを振りかぶったフェイトがカナードの後方にいた。

 
 

『ハーケンフォーム』
カートリッジがロードされ、斧が巨大な鎌となりカナードを襲う。
「なめるなぁ!!」
後ろからの気配を感じ、ザスタバ・スティグマトに搭載されたロムテクニカを展開、
フェイトのハーケンを受け止め、「つばせりあい」状態になる。
カナードは力任せにバルテッシュを切り払い、空いている左手でフェイトの右手を掴む。
驚くフェイトを無視し、コーディネーターの身体能力に、強化魔法で上乗せされた力で
「寝てろ!!」
フェイトを身近なビル目掛け、思いっきりブン投げた。
ビルに叩きつけられる瞬間、フェイトは即座に自分にフィールドを張り、衝撃を中和しダメージを減らす。
それでも中和しきれなかった衝撃に顔を歪めるフェイト。
ビルの瓦礫から体を上げ、フェイトはバルディッシュ構えカナードを見据えた。
その姿を見て小さく笑うカナード。
「やるな・・・テスタロッサ。さすがはシグナムが認める奴だ」
「あなたも・・・・カナード」
訪れる沈黙
「答えてください。あなたは、プレアの知り合いですよね」
「ああそうだ。あいつのことは知ってるし、感謝もしている」
「ならなぜ、プレアと敵対するんですか!?」
「今の俺には、なさなければならないことがあるからだ。プレアの友とはいえ、邪魔をするなら容赦はせんぞ!!」
「(まぁ、容赦ができるような相手ではないがな)」
ザスタバ・スティグマトを構えるカナードは内心そう思っていた。
「なら、貴方に勝つまでです」
「ふっ・・・」
「・・・・・・」
小さく笑いあう二人、戦いは始まったばかりである。

 
 

「どうしても、戦わなければいけないのですか!?」
プレアはシグナムに尋ねるが
「カナードも言ったが、問答無用だ。いくぞ!!」
プレアの質問に、シグナムは攻撃で答えた。
シグナムから繰り出される斬撃を紙一重でかわすプレア
「ほう、大した回避力だ、ならこれはどうだ!」
そう言い、シグナムは残像を残しプレアの前から消えた。
「どこに・・・・・上!?」
瞬時に殺気を感じ、上を見るプレア。
「紫電一閃!」
上空からから竹割りのようにレヴァンティンを振り下ろすシグナム
その攻撃を紙一重でかわし、距離を開ける。
「これもかわすか・・・。だが逃げ回ってばかりでは何も出来んぞ!」
シグナムの言葉に何かを決意するプレア
「わかりました・・いきます!プリスティス!」
プレアの呼びかけで射出されたプリスティスがシグナムを襲う。
「クッ、捕らえ切れん」
プリスティスの攻撃をどうにかかわすシグナム。
その隙プレアは距離を開け、接近戦主体のシグナムに備える。
接近戦をしかけようにも、プリスティスの攻撃回避に専念しなければならず、中々近づくことが出来ずにいた。
「近づけないのなら、届かせるまでだ!!」
シグナムはカートリッジをロードし、レヴァンティンをシュランゲフォルムにする。
『シュランゲバイゼン』
電子音と共にレヴァンティンが蛇のようにうねり、プレアに襲い掛かった。
驚きつつもプレアは回避するが、レヴァンティンは必要に迫ってくる。
だがプレアが驚いた瞬間、プリスティスの動作が一瞬鈍り、動きが遅くなっていた。
そして、その隙をシグナムは見逃さなかった。
レヴァンティンをシュベルトフォルムに戻しながら最大速度でプレアとの距離を縮める。
「カートリッジロード!」
カートリッジをロードし、燃え上がるレヴァンティンをプレア目掛けて振り下ろした。
「紫電一閃!!」
この攻撃にプレアは実体盾で防ぐが、徐々にヒビが入る、
「はああああ!!」
そのまま力づくでレヴァンティンを押し切り、プレアを押し飛ばした。

 

「わあああああ」
落下するプレアに、さらに斬りかかろうとするシグナム。
だがその時、シグナムの体をバインドが拘束した。
「くっ、設置型のバインドか・・・だがまだ未熟!」
そう言い、易々とバインドを引き千切るが、その短時間の間にシグナムの周りにはプリスティスが配置されていた。
「・・・・ごめんなさい」
謝罪の言葉が合図だったかのようにプリスティスの連続砲撃がシグナムを襲った。
そしてプレアも身近のビルに叩きつけられた。

 
 

砲撃が終わり、今はシグナムの周りを旋回しているプリスティス
『シュランゲフォルム』
レヴァンティンの電子音の声と共に、レヴァンティンがプリスティスに絡みつき破壊する。
「・・・・ダメージはほとんど無いか、だが主から賜った騎士服がボロボロだな」
爆煙の中からレヴァンティンを構え、あちこち騎士服が敗れたシグナムが現れた。
「瞬時に防御に徹しなければ危なかった・・・・・」
そう言いながらレヴァンティンをシュベルトフォルムに戻し、カートリッジを補充するシグナム。
その時ビルの瓦礫からプレアが現れた。
「(Phase shiftのおかげで助かった・・・・)」
Phase shiftと実体盾の防御により、それほどダメージを負っていないことを確認するプレア。
「大した操作能力だ。それに自分の戦い方も熟知している」
「優秀な人に教わりましたら」
「ふっ、そうか。名前を言ってなかったな、私はヴォルケンリッター烈火の将・シグナム。お前は?」
「プレア、プレア・レヴェリーといいます」
「プレアか、憶えておこう」
レヴァンティンを構えるシグナム
「プリスティス再構築」
新たにプリスティスを作り、自分の周りに配置するプレア
「いくぞ!」
「いきます!!」

 

アルフと戦いながら上空の戦闘を見るザフィーラ
「状況は、あまり良くはないな。シグナム達が負けるとは思えんが、ここは引くべきだ。シャマル、何とかできるか」
結界の外で様子を伺うシャマルにザフィーラは尋ねた。
「何とかしたいけど、局員が外から結界を維持しているの、私の魔力じゃ敗れない。
シグナムのファルケンかヴィータのギガント、カナードのフォルファントリー級の魔力が出せなきゃ」
「三人とも手が離せん。やむをえん、あれを使うしか」
「わかってるけど・・でも」

 
 

・・・・・・・ジャキ・・・・・・・・・・・

 

「シャマル、どうしたシャマル」
「捜索指定ロストロギアの使用容疑で貴方を逮捕します」
シャマルの後ろでSU2を構えるクロノが言った。

 
 

数分後結界内

 

「みんな、今から結界破壊の砲撃を撃つわ、上手くかわして撤退を」
「「「応!!!」」」
「ちっ、背に腹はかえられんか」
それぞれ返事をする4人
上空では仮面の男とクロノが対立してる中、シャマルは行動を開始した。
「闇の書よ、守護者シャマルが命じます。眼下の敵を打ち砕く力を、いまここに!」
その言葉と共に闇の書から黒い魔力が空に上がり、空全体を雲で覆い、
「撃って、破壊の雷」
その言葉と共に黒い雷が結界に直撃し、徐々に結界を破壊していく。
「・・・・・・ここまでか、勝負は預ける」
「シグナムさん」
「防御に専念するんだな、直撃を受けたら危険だ」

 

「撤退か・・・・仕方ないな」
「カナード!」
「勝負はまた今度だ。話をしたければ、戦い、勝ってみせろ」
そしてカナードはプレアのほうを向き
「プレア!!」
プレアに向かって大声で叫ぶカナード
「お前には感謝している!!『人を思う心、思いの力』を教えてくれたお前には!!」
「カナードさん」
「だから言っておく、俺はこの『思いの力』で戦う、全力でな!!」
「カナードさ(危ないよ!プレア!!」
カナードを追おうとするプレアの手を引っ張り、サークル小プロテクションの中に入れる
その時、黒の雷は結界を破壊し、強大な魔力爆発が全体を包んだ。

 

「なのは、フェイト、アルフ、プレア、大丈夫?」
皆を心配するユーノ
「うん、ありがとうユーノ君、アルフさん」
「(カナードさん、貴方が戦う理由は・・・・・・・)」
プレアが考えたが、答えを出すことは出来なかった。

 
 

月村家

 

すずかと猫で遊んでいるはやてにかかってくる電話。
「もしもしわたしです、シャマルです」
電話越しに申し訳なさそうに話すシャマル。
「ホントに、ごめんなさい。すぐに済むと思ったのですけど、みんなと中々落ち合えなくて」
リビングには気まずそうにしている3人と一匹
「それで時間かかっちゃって、携帯も置いていっちゃってて・・ええ、今帰ってきたのですけど・・・はい、はい、みんな一緒です
その・・・もう、なんて謝っていいのか」
「ほんならよかった、全然怒ってへんよ、平気や、謝らんでええって、カナードみたいにどーんと構えてくれて、
お鍋は直に食べられるようにしてあるから、みんなで食べてーな」
シグナムが冷蔵庫を覗き込むと、具がラップに包まれて入っていた。
「はい・・・ホントにすみません・・・じゃあヴィータに」
ヴィータに受話器を渡すシャマル、そして庭に出て空を見上げる。
続けてシグナムとカナードが庭に入り、同じく空を見る。
「さびしい思いを・・・・させてしまったな」
シグナムの言葉にうなずくシャマル
「それより、お前を助けた男は何者だ?お前達の仲間か?」
「解らないわ、ただ、私達の仲間でないことは確かよ。ただ、当面の敵ではなさそうだけど」
カナードの質問に空を見上げながら答えるシャマル。
「管理局の連中もますます本腰を入れてくるだろうな」
「あの砲撃で、大分ページもへっちゃったし、収集も難しくなってくるわね」
「ああ、だがあまり時間も無い、一刻も早く主はやてを闇の書の真の所有者に」
新たに決意を固めるシグナム。
「そうね。それよりカナード、貴方はいいの?」
「何がだ?」
「プレアという少年だ。お前は彼を知ってるようだが」
「ああ・・・前の世界で戦った相手だ、説教ばかりするガキでな。だが、俺を変えてくれた人間だ」
「抵抗は・・・・ないの?あの子と戦うことに」
シャマルが不安そうに尋ねる
「全く無いと言えば嘘になるな。だが俺の目的はお前達と同じだ、邪魔をする奴は打ち砕く。今も、これからも」
「たのもしいな・・・・・期待してるぞ」
「ああ・・・・ありがとう」
そう言い、小さく笑うカナード。
「どうした?」
「いや、なんでもない」
「(本当に俺は代わった、あいつとはやてのおかげだな・・・だからこそ立ち止まれん、プレアには悪いがな)」
「カナード、はやてが代わってって」
リビングからカナードを呼ぶヴィータ。
「ああ・・・・・もしもし、俺だ」

 

「カートリッジシステムは扱いが難しいの。本来ならその子達みたいな繊細なインテリジェントデバイスに組み込むような物じゃないんだけどね
破損の危険が大きいし、危ないって言ったんだけど、その子達がどうしてもって。」
「よっぽど・・・悔しかったのだと思います。なのはちゃん達を守れなかったのが」
プレアは二つのインテリジェントデバイスを見ながら言った。
「ありがとうレイジングハート」『All lights』
「バルディッシュも」『YES SIR』
その後、それぞれのモード機能を説明するエイミィ
「特になのはちゃんはフレーム強化をするまではフルドライブモードは控えてね」
「はい」
「二人の説明はここまで、次はプレア君」
「はい」
「君のデバイスなんだけど、実際調べたのは機動前の時で、戦闘を行いながらの観測はあまり行わなかったから結論が出なかったんだけど」
「なにか、問題でもあったのですか?」
「ううん、君のデバイスから、魔力が放出されてるの」
「魔力が・・ですか・・・」
「君が魔力を一定量消費するたびに、デバイスから君に魔力が補充されてるの」
「それってつまり、魔力切れを起こさないってことですか?」
なのはの質問に「その通り」とエイミィが答えた。
「普通は魔力を生成するには大っきな魔力炉を使ったり、自然に回復を待たなきゃいけないんだけど、プレア君のデバイスはそれを可能にしている」
「じゃあ、バリアジャケットを着ている間は魔力切れの心配はないってこと?」
フェイトの質問に「またまたその通り」と答えるエイミィ
「だけど、魔力は無限でも体力や精神力はそうは行かない、だからプレア君」
エイミィは急に真剣な顔になり
「決して無茶はしないでね」
プレアはエイミィを見据え
「はい」
答えた。