運命と最強_第10話

Last-modified: 2007-11-19 (月) 13:29:48

      ・・・・・やめて下さい・・・・・ 

 

      メビウスゼロがガンバレルを展開する

 

    ・・・・・・だめです、殺さないで・・・・・・

 

   ガンバレルの砲撃が、レールガンが、ジンを打ち抜いていく

 

    ・・・・・・止めてー!!!!・・・・・

 

            『戦え』

 

        ・・・・・ああ・・・・・

 

      『敵を倒せばお前の苦しみは終る』

 

  ・・・・・僕は戦うために生まれたんじゃない・・・・・

 

     『戦え、敵を倒せばお前の苦しみは終る』

 

       ・・・・・僕は・・・・・

 

          『戦え!!!!!』

 

     ・・・・・いやだー!!!!!・・・・・

 
 
 

アースラー病室

 

「プレア君、プレア君!!」
「・・・ここは・・・」
プレアはベッドの中で目を覚ました。
「よかった・・・気がついたのね、大丈夫?」
プレアの脇にはプレアの手を握っているリンディが心配そうに見つめていた。
「はい・・・リンディさん・・・・ここは・・・僕は・・・確か・・・・・」
「貴方は背後から襲われて、リンカーコアを吸収されて倒れたのよ」
リンディの言葉でプレアは思い出した。

 

ヴィータと話し合おうとしたこと
突然ものすごい喪失感に襲われたこと
ヴィータの悲しそうな顔

 

「それで、アースラーのメディカルルームに運ばれたの。フェイトさんと一緒に」
「フェイトちゃんに何かあったのですか!」
「貴方と同じで、リンカーコアを吸収されたのよ。魔力が減っただけで怪我は無いわ」
「そうですか、よかった」
プレアの態度に微笑むリンディ。
「でもよかったわ、プレア君の身体にもダメージはないし、魔力に関してもドレットノートの効果で回復が早いみたい、直治るそうよ」
「そうですか・・・・あの・・ありがとうございます」
「ん?」
「手を、握ってくれて・・・・・・」
リンディは微笑み。
「うなされてたみたいだったから、大丈夫?」
「はい、もう大丈夫です。それにとても・・・・その・・・・うれしかったです」
顔を真っ赤にしながら答えるプレア。
「ふふっ、大した事じゃないわ。でも無事でよかったわ、今食事と飲み物を持ってくるから横になってなさい」
「はい、すみません」
「だ・か・ら、子供が遠慮なんかしないの」
笑顔でそういい、リンディは病室を出て行った。

 
 

ミーティングルーム

 

「フェイトさんもプレア君も魔力の消費が激しいだけで、命に別状はないそうよ」
その言葉にほっとする一同
その後、駐屯所のシステムがハッキングされ、指示や管制ができなくなってしまったことや、
仮面の男についての話がされた。
「あと、アルフとなのは、君達のほうから聞いた話も状況や関係がよくわからないな」
クロノの言葉にうつむくなのはとアルフ
「アタシが駆けつけたときには、もう仮面の男はいなかった、けど、シグナムがフェイトを抱きかかえてて、
『言い訳は出来ないが、すまないと伝えてくれ』って」
「私も、プレア君のところに駆けつけたら、仮面の男の人はいませんでした。ただ、倒れてるプレア君とヴィータちゃんがいて
『プレアに伝えてくれ・・・・ごめんな・・・・ごめんな・・・・・』って」
「そうか・・・・・」
その後、指令部をアースラーに移すこととなり、なのはは家に帰ることになった。

 
 
 

八神家

 

「助けてもらったってことで、いいのよね?」
「少なくとも、奴が闇の書の完成を望んでいるのは確かだ」
八神家のリビングではシグナム達が仮面の男について話し合っていた。
「俺達に完成させて、その力を利用しようとしているのではないか?」
カナードの質問に
「ありえねぇ!」
ヴィータが即答する。
「だって、完成した闇の書を奪ったって、マスター以外の奴には使えねぇんだ」
「脅迫や洗脳とう手段は?」
「無いな。完成した時点で主は絶対的な力を得る、そのような手段に効果があるはずもない」
「まぁ、家の周りには魔法トラップとカナードが仕掛けた物理的なトラップがあるし、万が一にもはやてちゃんに危害が及ぶことはないと思うけど・・・」
シャマルが不安そうに答える
「念の為だ、シャマルは主の側を離れん方がいいな」
ザフィーラが言い終えたその時、
「ねぇ、闇の書を完成させてさ、はやてが本当のマスターになってさ、それではやては幸せになれるんだよね」
ヴィータが不安そうに尋ねた。
「いきなりどうした?」
カナードが尋ね
「闇の書が完成すれば主は大いなる力を得る、それは私達が一番良く知ってるでしょ?」
シャマルが諭すように答えた。
「そうなんだよ・・・そうなんだけどさ・・・アタシはなんか・・・大事なことを忘れてる気がするんだ」
その言葉に沈黙する一同

 

        ドサッ

 

その時、二階から何かが倒れる音が聞こえ、皆が駆けつけると、はやてが胸を押さえ苦しんでいた。
「はやて・・はやて!!」
はやてをゆするヴィータを止めるカナード。
「動かすな!シグナムは救急車を、シャマルは回復を試してくれ、ザフィーラは毛布を、ヴィータ!」
「何?アタシはどするればいい!」
「とにかくはやてに声をかけろ!何でもいい!」
「わーった!!」

 
 

海鳴大学病院

 

「よかったわ」
「はい、ありがとうございます」
石田先生がはやての診察をし、容態に特に問題がないことにほっとひと息つく一同。
「・・・・心配したぞ」
カナードが多少怒りながら言った。
そんなカナードの態度に
「ちょっと滑って転んで、胸と手がつっただけやって、それなのに皆で大事にして」
はやては苦笑いしながら答えた。
「まぁ、来たついでに検査とかしたいから、ちょっとゆっくりしてってね」
「は~い」
「さて、シグナムさん、シャマルさん、カナード君も、ちょっと」

 

今回の検査では、なんの反応も出ていなかったが、酷い痛がり方から見ても、「つっただけ」ということはない筈であり、
麻痺が広がり始めてるのかもしれないことをシグナム達に話す石田先生。
「今まで、こういう兆候はなかったのですよね?」
「わからん、はやてはそういうことを面に出さんからな・・・・」
カナードが苦々しく答えた。
「発作はいつ起こるかわかりません。用心のため、入院してもらった方がいいですね、大丈夫でしょうか」
沈黙する三人
「・・・・・はい、お願いします」
シグナムが答えた。
その後、入院することを告げられ、残念そうな顔をするはやて。
皆の食事を作れなくなるのが心配というはやての言葉に皆妙に深刻な顔をするが、どうにか入院を了承させた。
そして、着替えや本を取りに一度戻るカナード達、

 

          そのため

 

一人病室で、胸を押さえ蹲るはやてのことに気づくことは無かった。

 
 

聖祥小学校

 

「入院?」
「はやてちゃんが?」
すずかは友達であるはやてが病気で入院してしまい、検査とか色々あり、しばらくかかることを話した。
「そっか・・・それなら放課後、みんなでお見舞いとかどう?」
アリサが提案する。
「いいの?」
「すずかちゃんのお友達ですよね、紹介してくれるという話だったですし」
「それにみんなでお見舞いに行ったほうが賑やかだし」
「病院で賑やかはちょっと・・・・」
苦笑いのなのはに
「いいことだと思うよ」
フェイトは笑顔で答えた。
そしてすずかは、シャマルに写真が添付されたメールを送る。
アリサ・すずか・なのは・フェイト・プレアが写った写真を。

 
 

病院

 

「「「「「こんにちわ~」」」」」
はやての病室に入るなのは達
すずかの紹介ということもあり、またたくまにうち解ける5人。
その様子を覗き込むカナード
「カナード君・・・・・何やってるの?」
石田が苦笑いしながら質問し
「ああ・・・・・どうも入りづらい雰囲気でな」
咄嗟に嘘をつくカナード。
「気にしないで中に入ればいいのに・・・というのは禁句なのよね?」

 

「変な言い方かもしれないけど、はやてちゃんの主治医としてはカナード君たちに感謝してるの、
君達と暮らすようになってから、はやてちゃん、本当にに嬉しそうだったから」
「・・・・そうか・・・・」
「はやてちゃんの病気はとても難しい病なの、だけど私達は全力で戦ってる、でも一番つらいのははやてちゃんよ」
「そんなことは、言われなくてもわかっている」
「でも、カナード君たちが支えてあげることで勇気や元気が出てくると思うの。だから支えてあげて、はやてちゃんが病気と闘えるように」
カナードの手に自分の手を置き石田医師は語りかけた。
「(プレアのようなこを言う・・・・)俺の知り合いが言っていた・・・・『人の思いは最高の支えになる』と」
「カナード君・・・・」
「俺達は支える、はやてを、これからも」
「ええ・・・・・・・でも、素直なカナード君ってなんか変ね?」
石田は笑いながら答え
「黙ってろ」
カナードは笑いながら答えた。

 

:八神家

 

リビング

 

「闇の書がはやてちゃんを侵食する速度が速くなっているみたいなの、このままじゃ、もって一月・・・もしかしてもっと短いかも」
リビングにいる全員にシャマルは今の現状を話した。
沈黙する4人
「・・・わかった。シャマル、今あるカートリッジを全部私達に(まて」
シグナムの言葉を遮るカナード
「どうした・・・」
「・・・・・俺のリンカーコアを使え」

 

「何を言っている、カナード!!」
シグナムを始め、全員が驚く。
「俺はお前達とは違って人間だ、吸収された所で魔力が無くなるだけだ。それに、俺の魔力はそれなりなんだろ」
「ええ・・・・でも・・・・・」
躊躇するシャマル
「はやてのためだと思ってやれ、それに」
笑いながら
「俺は回復に専念する。今やれば、収集の手伝いに早く参加できる」
「わかったわ・・・・クラールヴィント、お願い」
クラールヴィントを使い、カナードのリンカーコアを吸収するシャマル
「く・・・・・あああ・・・・」
「カナード!」
膝を付き、苦しむカナードをヴィータが支える。
「たいした精神力だ・・・・抜かれた後でも意識を保っていられるとは・・・」
心配しながらも、関心するシグナム。
「だが・・・・きついな・・・・悪いが寝床まで頼む」
「わかった、ヴィータ代われ。シャマル、手伝ってくれ」
「わかったわ」
シグナムとシャマルの肩をかり、歩き出すカナード。
「カナード・・・・・」
「カナードの分まで頑張らねばな」
「・・・ああ・・・」
「どうした、ヴィータ」
「何かがおかしいんだ・・・・こんなはずじゃないって、アタシの記憶が訴えてる・・・・でもさザフィーラ、今はこうするしか、ないんだよな」
「ああ」
ザフィーラは静かに答えた。