運命と最強_第11話

Last-modified: 2007-11-19 (月) 13:30:18

海鳴大学病院

 

「ヴィータ、元気やったか?」
「めちゃめちゃ元気!」
はやてに頭を撫でられ、嬉しそうにするヴィータ。
それを微笑ましく見るシグナムとシャマル。
「せやけど、カナード大丈夫なんか?」
その言葉に、皆一瞬表情を曇らすが、直に笑顔で
「ええ、大丈夫です。のんきに『世界遺産』を見てますよ」
「『はやてに風邪をうつすわけにはいかん』って、来る事を拒んでますけど」
はやてに嘘をつくシグナムとシャマル。

 

偶然とは、いきなり起こるものである
良い時にも、悪い時にも

 

突然、ドアをノックする音が聞こえ、
「「「「「こんにちわ~!!」」」」」
すずかとアリサ、なのはとフェイトとプレアがお見舞いに来た。
「「「!!」」」
「「「!!」」」
意外な人物の登場に、意外な人物が病室にいることに、沈黙するなのは達とシグナム達。
「い・・いらっいゃい・・みなさん・・」
どうにか場の空気を沈めようとするシャマル。
事情を知らないはやて、すすか、アリサははしゃぎ、はやてにプレゼントを渡すが、
「「「「「「・・・・・・」」」」」」
なのは達はその様には振舞えなかった。
「ん・・どうしたん?」
疑問に思い、言葉を投げかけるはやてに
「いえ・・・初めて会う方達なので、緊張してしまいまして・・・ご挨拶を・・・ですよね」
シグナムを見据え尋ねるプレア
「・・・はい」
シグナムは静かに答えた。
「念話が使えない・・・通信妨害を」
フェイトが小声で尋ね、
「シャマルはバックアップのエキスパートだ・・このくらい造作も無い」
シグナムはなのは達のコートを掛けながら答えた。
「・・・・・・・」
ヴィータはなのはをすごい形相で睨むが、プレアを見た途端、目を逸らしてしまう。
「こら、ヴィータ!お客さんの前でそっぽ向いたらアカン」
そう言い、ヴィータの鼻を摘むはやて。
その姿を見て、はやてとシグナム達の関係が、ただの主と部下の関係でないこと改めて知るなのは達。
今度出会ったら伝えようとした事実は、今はシャマルの妨害で思念通話が出来ないため、声を出して話すことが出来ない。
どの道、正体を知られた以上なのは達に、そしてシグナム達に選択肢は無かった。

 
 

海鳴大学病院
:屋上

 

「はやてちゃんが・・・闇の書の主・・・・・」
確認するように呟くなのは
「邪魔をするなら・・・主の友であろうと・・・」
「待ってください!闇の書が完成を」
なのはがシグナム達に事実を話そうとした時、
「はああああああ!」
ヴィータが上空からなのはに襲い掛かった。
なのはは咄嗟にバリアで防ぐが、吹き飛ばされ、フェンスに激突してしまう。
「おおおおお!」
それが合図だったかのように、シグナムもフェイトに斬りかかる。
「やめてください!話を(プレア!!」
プレアの言葉を遮るヴィータ
「邪魔・・・しなでくれよ・・・・もう少しで助けられるんだ・・・お願いだから・・・」
ヴィータは涙を流し、うつむきながら答え
「必死に頑張ってきたんだ・・・・もう、あとちょっとなんだ・・・」
カートリッジをロードし、なのは目掛けて振りかぶり
「だから・・・・おまえら・・・邪魔すんなー!!!」
フランメ・シュラークを放った。
爆炎に包まれる屋上、その中からなのはが現れた。
「悪魔め・・・・」
罵るヴィータに
「悪魔でいいよ・・・・悪魔らしいやり方で、話を聞いてもらうから」
なのははレイジングハートを構え答えた。

 

プレアはシャマルに語りかけていた。
「闇の書は、悪意ある改変をうけて壊れてしまっています!今の状態で完成させたらはやてちゃんが危ないんです!」
その言葉にシャマルは
「私たちは闇の書の一部、闇の書のことは誰よりも理解しているわ。」
静かに答えた。
「だから当たり前だ!あたしたちが一番闇の書のことを知ってんだ!間違ってるはずねぇ!!」
なのはに攻撃をしながらヴィータは叫んだ。
「じゃあ・・・どうして・・・闇の書なんて呼ぶんですか!!!」
プレアは力の限り叫んだ
「「「っ・・・・・」」」」
その言葉に沈黙するシグナム達
「そうだよ!なんで本当の名前で呼んであげないの!!」
「ほんとうの・・なまえ・・・・」
「本当の名前が・・・あったでしょ。・・・・」
ヴィータを見据えながら、尋ねるなのは
その時、バインドがなのはを拘束した。
「「なのは(ちゃん)」」
フェイトとプレアは周りを警戒し
「そこ!!」
フェイトは何も無い空間にプラズマランサーを放ち、歪んだ空間に即座にバルデッシュで斬撃を行う。
そこからダメージを追い苦しむ仮面の男が現れ、さらに攻撃を加えようとするフェイト、
その時、もう一人の仮面の男が現れフェイトを攻撃、バインドで拘束する。
「くっ、プリスティス!」
仮面の男にプリスティスで攻撃を行おうとするプレア、だが
「うらぁ!」
ヴィータのグラーフアイゼンがプレアに直撃し、プレアは屋上の入り口に叩きつけられた。
「くっ・・・・・ヴィータ・・・ちゃん・・・」
さらにバインドで拘束され、苦痛に耐えながらもヴィータに声をかけようとするプレア
「ごめん・・・おまえとは・・・友達になりたかった・・・ありがとな・・・はやてのこと優しいって言ってくれて・・・あたしを信用してくれて・・・」
俯き、涙を流しながら答えるヴィータ。
その時、今度はシグナム達がバインドで拘束され、そして
「あああああああああ」
仮面の男によりシグナム、シャマルがリンカーコアを摘出、闇の書に蒐集された。
「なんなんだよ・・・・なんなんだよ!・・てめぇら!!」
ヴィータが泣きながら叫ぶが
「プログラム風情が知る必要は無い」
仮面の男の冷たい言葉
「あ・・ああ・・・」
唖然とするフェイト
「やめろー!!」
叫ぶプレア
そしてヴィータも、闇の書に蒐集されてしまった。
「おおおおおおお!」
仲間の危機に駆け付けたザフィーラが攻撃を繰り出すが、
「奪え・・・」
ヴィータ達同様、闇の書に蒐集されてしまった。

 

「なのはとフェイトは・・・」
「四重のバインドにクリスタルケージだ、抜け出すのに数分はかかる」
「プレアは」
「バインドだけで十分だ。仮に抜け出せたとしても、満足には動けまい」

 

そして、屋上に転送されるはやて

 

仮面の男達はなのはとフェイトに変身し、目の前でヴィータとザフィーラを『消す』

 

その時、はやての悲しみと怒りと絶望が弾け、その思いに呼応した闇の書がはやての元に現れる。

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」

 

「だめだぁ!!!」

 

どうにかバインドを解除し、絶望し悲しみのままに闇の書を起動させ「真の主」となってしまうはやてを止めようとするプレア、だが

 

「割れは闇の書の主なり・・・・この手に力を・・・・封印解放」

 

封印を開放してしまい、

 

「わあああああああ!!」

 

プレアは黒い暗い色の光に飲み込まれてしまった。

 

「プレア!!」
「プレア君!!」
なのはとフェイトもどうにかバインドを解除したが、
そこにはプレアの姿は無く、はやてと同化した闇の書の意志が涙を流していた。

 
 

??????

 

「こ・・ここは・・・」
プレアは意識を取り戻した。
「確か僕は・・暴走するはやてちゃんを止めようとして、その時黒い光に飲まれて・・・」
周りを見渡すプレア
「ここは・・・・ドレットノートのコクピット!?なんで・・・!?」
突然の事態に混乱するプレア、その時、突然なるアラーム
「えっ・・・何?」
モニターを確認すると、そこにはMSゲイツが迫ってきた、その数12
「あれは・・・ゲイツ・・・こっちに向かってくる」
ゲイツはドレットノートを見つけると、ビームライフルで攻撃を仕掛けてくる。
「なっ、やめてください!」
プレアはドレットノートを操作し、ビームを避けながら逃げる。
「攻撃をやめて下さい、僕には戦う意思はありません!」
プレアは救難チャンネルで呼びかけるが、一向に攻撃をやめないゲイツ。
その時、3機のゲイツがドレットノートに接近戦を仕掛けてきた。
2体のビームクローの斬撃をどうにか避けるが、3体目のゲイツの体当たりを喰らい、近くの小惑星に激突してしまう。
「か・・は・・・・・」
激突の衝撃で口から胃液を吐き出すプレア。
そして、動けないドレットノートに対し攻撃を行おうとするゲイツ

 

        その時

 

  『なにを遠慮しているんだい・・・』

 

朦朧とする意識の中、プレアは声を聞いた。