インターミッション……
「『中尉』の作戦は失敗したみたいですね?」
「だが、『歌姫』達に揺さぶりを掛けることはできた……
結果としては、作戦は成功と言える。」
薄暗い部屋に男が二人、片方はまだ年若く、もう片方は車椅子に乗っていた……
「ふふふっ、やはり指揮官として、部下の無駄死にはお嫌いですか?」
「事実を言ったまでだ……
それより、貴様の方はどうだ?我々が貴様に与えたデータの解析は進んでいるのか?」
男は青年のからかいに応じずに、答えを待つ。
「概ね良好♪♪
もともと『工場』の中はボクと彼女達がほとんど握ってるし、
そのサハク達は『上』で好き勝手やってるみたいだからね……
こっちもこっちで好き勝手できるのさ。」
「……随分と嬉しそうだな?」
上機嫌で答える青年に対し男は終始無表情だ。
「そりゃあそうさ、君達がくれたたデータで、『工場』の技術は益々発展するし、ボクの発言力もあがる」
あなた方は『工場』で作られたより高性能な兵器が優先的に使える。
双方共に良いこと尽くめだ!!」
「そのために我々が貴様にこの技術を与えのだ……くれぐれも……」
「分かってる。出どころは言わないし、言うつもりもないよ。
これはビジネス!!
双方の信頼が大切なのは僕も知っているよ」
青年はそう言うと、男は何も言わなかった。
「さて、そろそろ行くよ、議会の開始が近い……お姫様の相手をしなくては……
最近はなかなか賢くなったからね、楽しくてしょうがない。」
男が何も言わないのを肯定と判断して、青年は、回れ右をしてドアまで歩く。
「……『オーブ』は他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、ならば外でやってもらうまでた。
もちろん、『奴ら』じゃなく、『僕達』製品でね」
青年はそう呟くとドアを開け部屋を出た。
一人残された車椅子の男は、青年を黙って見たまま後に続き、外に出た……