「議長!! あなただけでもお逃げ下さい!!」
シャトルの機長は後ろに座る男に向けて叫ぶ
10分程前…… アーモリー・ワンで建造中の新型戦艦を視察を終え、
男、ギルバート・デュランダルを乗せたシャトルはアプリリウス市に戻る途中、
突然正体不明のMSの襲撃を受けたのだった。
そして現在、15機いた『ザク』の護衛部隊は、たった3機のアンノウンにより全滅の憂き目にあっていた。
「いや、ここで脱出しても、周りに彼等がいる……
どちらにしろ助からんよ。」
「しかし!!」
男はさも冷静に機長に返す。
直後、最後まで粘っていたザクがビームの直撃を受けて爆発する。
アンノウンは彼の乗ったシャトルに向けてライフルを向ける……どうやら目的は拿捕ではなく破壊のようだ。
「私の運命も、ここまでか…… これも遺伝子に決まっていたのか?
それとも、私が遺伝子にばかり目を向けていた神からの罰か……」
男は覚悟を決め、目を閉じた……
突如、シャトルの周りにいたアンノウン達が、爆発を起こす!!
「議長、外を!!」
機長にそう言われ、シャトルの窓をのぞくと、
またもや見たことのないMSが、アンノウン達を撃破していた。
「彼等は一体……」
「さぁ……私にも判らんよ。」
それが、彼と協力者達と、『影』との初めての邂逅となるのだった……