901◆GbvohmL8bU_第31話

Last-modified: 2015-03-16 (月) 01:03:31

『キラ君、気をつけて』
『わかってます。イザとなったら逃げ回りますから、マリューさん』
『それでいいわ。大尉とフラッグが救援に行きますから時間をかせいでね』
ストライクのコックピットにいるキラとブリッジにいるマリューがモニター越しに会話をしている。
そこへ『キラ、時間よ。ストライク、発進どうぞ!ラクスさんをよろしくね』と、ミリアリア
一度だけ深呼吸をし『キラ・ヤマト、ストライク、行きます!』
エールを装備した非武装のストライクが発進していった。
「狭くないですか?」
「ええ、大丈夫ですわ。私、モビルスーツに乗ったの初めてですの」
「しっかり掴まってて下さいね」

 

ラクスの引き渡し予定ポイント付近には非武装のジンと小型シャトルが1機待っていた。
ピピッとストライクに通信が入る。
『ラウ・ル・クルーゼだ。ジンに乗っている。ラクス・クライン嬢はどこだ?』
「ラクスさん。モニターに映って下さい」
「わかりましたわ」
『ラクスは一緒に乗っています。停止しましたらコックピットを開けますから確認して下さい』
『了解した』
「アスラン、あの方がラクス嬢で間違いないか?」
「・・・間違いありません」
『ラクス嬢を確認した、予定通り武装を解除する』
ラウ・ル・クルーゼがそう言い、持っていたライフルを投げた。
ある程度の距離まで接近し停止したストライクがコックピットハッチを開ける。
「ラクスさん、よろしくお願いします」
「お任せくださいませ、キラ様。この手紙はお父様にお渡しします」
ジンのコックピットも開き赤い服の人が1人出てきた。
「アスラン・ザラだ。ラクスの顔を確認したい」
「アスラン、私ですわ」
「・・・確認した。こちらへ」
ラクスはキラの方を向き1つ微笑むとアスランに向かって宇宙空間ちに飛び出したのだった。
そして、無事にアスランに掴まり、そのまま二人でシャトルに向かって行った。
「・・・ストライクのパイロット・・・キラ・ヤマトだな」
「久しぶりだね、アスラン」
「なぜコーディネーターであるお前が俺たちの敵になる!そんな必要はないはずだ!」
「・・・あの船には僕の友達が、同じコロニーに住んでいた人が乗っているんだ。オーブに帰るまでは僕が守る。それに・・・ユニウスセブンの件があったのになんでヘリオポリスを壊すような武器を使うの?そんな人達がいるプラントには行けないよ」
刹那との少しの会話で守りたいものを再認識できたキラはアスランの誘いを明確に断った。
「・・・今度戦場で会うことがあったら・・・俺がお前を撃つ!」
そう言いラクスとシャトルに乗り込み後方に控えているナスカ級にジンと共に移動し始めた。
深呼吸をしたキラは反転しアークエンジェルに戻っていった。

 

ナスカ級艦内にて

 

仮面の男、ラウ・ル・クルーゼがアスランとともに艦長室に来たラクスに伝える。
「ラクス嬢、ご無事でなによりです。」
「・・・ラウ・ル・クルーゼ様ですね。護衛ありがとうございます」
「その持っている封筒はなんでしょうか?規則なので拝見します」
「え?あ、構いません。こちらは連合からの親書ですわ」
「では、失礼して」
読みふけるクルーゼ、表情は仮面のせいで読めない。
「・・・これは無くすといけませんな。そこの金庫に保管しておきましょう。至急プラントに戻ります」
「わかりましたわ。保管はお任せいたします」
「アスラン、・・・いやいい。ラクス嬢はお疲れだ。部屋に案内をし、休んでもらえ」
「了解しました」
アスランがラクスをエスコートし、艦長室を退出していく。1人になったクルーゼはどこかに通信を繋げたようだ。
『どうされました?クルーゼさん』
『連合がラクス・クラインに親書を渡していた。内容は・・・』
『他の船からも報告がありました。通常のルートでも連合からの停戦の要請が出てます。まぁ揉み消してますが』
『では、これも揉み消しで?』
『ただの兵士とは違いラクス・クラインですからね、内容を改ざんしたものを用意し渡して下さい』
『了解した。同士よ』
『では、これで』

 

一瞬、口元を綻ばせながら改ざんの作業を開始した。

 
 

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