CCA-Seed_◆wjA9YKZn62 氏_第8話

Last-modified: 2012-09-12 (水) 16:03:03
 
 
 

「では作戦開始だな…。」
「クルーゼ隊長、6時の方向から熱源、…?これはシャア大佐の部隊の巡洋艦ムサカです。」
「何?…増援要請などしていないが。」
「通信入ります。」

 

クルーゼ隊は突入を開始する直前にネオ・ジオンの巡洋艦ムサカが現れた。
クルーゼは今作戦においてヴェサリウス、ガモフの両艦での作戦にあたっていたが
突然の増援は以外だった。

 

「こちらシャア・アズナブル部隊所属ムサカのグラム・ロック隊であります。
クルーゼ隊長、シャア大佐の要請により協力する為参りました。状況はいかがでしょうか?」

 

シャアはこの展開を予測していたのかクルーゼの増援に向かわせていた。
ザフトの黒服、グラム・ロックはザフトでも指折りのパイロットであり、
ザフトの兵力編成でシャアの下に配属となった。
シャアはアクシズに残っていたデータベースを復旧させ
ムサカ等のジオン系の戦艦の建造にも成功していた。

 

シャアの気遣いにクルーゼとしてはありがたい事と感じてはいたが、
作戦が失敗する前提の手配に少し不快感を示しているようだった。
アデスを除き周りはそれを悟る事はなかった。

 

「ふむ……。」
「…グラム隊長。
見ての通り我々がまだここにいるという事は作戦は失敗だ。
連合軍は強襲用の新造艦まで造っていた。
それにあちらの世界のG2機と連合製のGが1機、ヘリオポリス内に篭城している。」
「了解した。では新造艦と3機のMSをどうすれば?」
「グラム、タイミングの悪い事に奴らにはシャア大佐の敵対勢力である
ロンド・ベルという部隊の転移者が協力している…戦艦1隻とGが1機だ。
ライデンからの報告では…アムロ・レイといったか…そいつらがいるそうだ。」

 

クルーゼに代わりアデスが現状報告をし、
グラムがさらに次の作戦目的を聞くがクルーゼの口から出た報告にグラムは驚く。

 

「なんと…転移者がいるとは厄介ですね。ではどうしますか?」
「やはりライデンの話を聞く限りアムロ・レイという男はの知れた男らしく、腕も立つそうだ。
……MSを五体満足で捕獲となると難しいだろうな。」
「では破壊…という事で?」
「そうなるな。惜しい事かもしれんがついでに転移者の戦闘データを取るくらいも出来るだろう。」

 

クルーゼとしては破壊しないに越した事は無いと感じたが
アムロに感じた妙な感覚とストライクの戦闘データを見ていた為に考え出した苦肉の索だった。

 

「では陣容は整った。
これよりヘリオポリスへ再突入する、ストライクもそうだが問題はアムロ・レイだ。
なんとしても打ってくれたまえ。」
「「「は!!!」」」

 

クルーゼの命令を合図に次々とMSが発進する。

「オロール機出ました。」
「続いてミゲル機出ます。」

 

ヴェサリウスのオペレーターが報告を済ませる中、ガモフからもジンが3機発進した。

 

「私も出るぞ。新型ザクの調整は済んでいるか?」
「はい。状態は安定しております。」

 

グラムは発進の為にムサカのブリッジを後にし、カタパルトデッキへ向かった。

 

「ミゲル発進準備完了。」
「ハッチ閉鎖…うおっ!?」
「なんだおい!」
「これも出るのか?!」
「聞いてないぞ!」

 

カタパルトデッキはオロールとミゲルの発進を終えると閉鎖を開始したが、
同時にヘリオポリスから奪取したG「イージス」が発進して行く。

 

「なにっ!?アスラン・ザラが奪取した機体でだと!?呼び戻せ!すぐに帰還命令を!」
「フッ…行かせてやれ。」
「は?」
「データの吸い出しは終わっている。 かえって面白いかもしれん。
地球軍のモビルスーツ同士の戦いというのも。」

 

整備士からブリッジへ報告が渡るとアデスが声を荒げ帰還命令を出すように指示を送るが
クルーゼが不敵な笑みを浮かべ、アデスを止めた。

 

「(キラ…!…)」

 

「コロニー全域に電波干渉。Nジャマー、数値増大!」
「なんだと!?」
「チィ!やっぱこっちが出てくまで、待つ気はないか、あの野郎~…。」

 

アークエンジェルのブリッジクルー、ローラ・チャンドラⅡ世が報告すると
ブリッジが騒然とし、ムゥはクルーゼのしつこさに気付いていながらも、苛立っていた。
ラミアスはラー・カイラムへ回線を繋ぐ。

 

「ブライト大佐、ザフト軍が仕掛けて来たようです。」
ブライト 「またコロニー内で仕掛けてくるつもりか?ちっ…まずいな…。」
「ええ、さすが大佐はお分かりですね…相手からしたら楽です。
これではこっちは発砲できない、向こうは撃ち放題って訳です。」

 

ブライトは報告を受けるとムゥがぼやく。

 

「…ラミアス大尉、コロニー内は危険だ。我々も発進し宇宙空間へ脱出すべきだ。」
「はい。これ以上はまずいですね…。」

 

ブライトはラミアスへ進言したがそれはラミアスも分かっている様子だった。
ブライトは余計な世話だったかと考えたが、
両艦長の考えが共有化されている事はむしろ作戦行動はスムーズになるとも考えていた。

 

「では我々はヘリオポリス脱出を最優先としますが宜しいでしょうか?」
「そうだ大尉。それが賢明な判断だな。」
「ではフラガ大尉、ベアード少尉はビームサーベルのみでの戦闘を。
発砲は厳禁です。決してコロニーを傷つけないように。」
「んな無茶な…。」

 

ラミアスの判断や指示にブライトは関心したが、アークエンジェルクルーのジャッキー・トノムラは
かなり弱気になっていた。

 

「ラミアス艦長!発進準備OKですぜ!?」
「接近する熱源1!熱紋パターン、ジンです!」
「な、あれは!?艦長!あれは拠点攻撃用の重爆撃装備です!!
ザフトはここであんなものを使う気です!」
「くっ!!なんて事!」

 

D型装備のジンをアークエンジェルのモニターに映し出しナタルが驚愕し、ラミアスの顔は歪む。

 

「タンネンパウム地区から更に別働隊が侵入!!照合パターンに無い機体が8、
これは…!最後の1機はX-303・イージスです!」
「なにっ!?」

 

アスラン・ザラはG強奪の際にモルゲンレーテの工場で親友のキラ・ヤマトと遭遇し、
先程の戦闘でミゲルを撃退したストライクのパイロットはキラだと確信しており、
もう一度確かめる為の強行出撃だった。

 

「くっ!もう投入するなんて!!ネティクス、ブロッサム!!発進して!!」
「慌てるな艦長、今は敵だ!ベアード!聞いての通りだ!奴ら増援部隊までいやがるらしい!
覚悟を決めるぞ!?お前はさんはアークエンジェルを守りながら戦ってくれ!
別働隊の相手は任せろ!」
「はい!隊長!!大天使をジャック・ザ・ハロウィンが守って見せますよ!」

 

ムゥとベアードは互いに気合を入れるとアークエンジェルの左右のカタパルトから
ネティクスとブロッサムが出撃した。

 

「アムロ、ベアード少尉はアークエンジェルの守備に回り
フラガ大尉は別働隊の方へ向かっているようだが数が数だ。大尉の援護に行くんだ。
それと聞いていたとは思うがコロニー内ではこちらは射撃できん、
接近戦に持ち込んでくれ。」
「了解した。だが防御射撃ならいいだろう?。」
「ああ。頼んだぞ?」
「了解。よしっ!アムロ、νガンダム行きまーす!!」

 

ヘリオポリス内でこれ以上の射撃攻撃を行えば間違いなくコロニー崩壊の危機に晒される。
この戦闘ではとにかくアムロの乗るνガンダムの機体性能と操縦技術がブライトにとっては頼みの綱だった。

 

「コリントス、発射準備。レーザー誘導、厳に!」
「ナタル、フェイズシフトに実体弾は効かないわ!
主砲、レーザー連動。焦点拡散!」

 

アークエンジェルは挟撃のような形で進軍してくるザフトのMSに対して迎撃態勢を敷く。

 

「オロールとマシューは戦艦を!アスラン!無理矢理付いてきた根性、見せてもらうぞ!」
「ああ。…(ストライクがいない…!?という事はキラは!?)」

 

ミゲルの指示により各MSは散開し、アークエンジェル達へ向かって行く。
アスランはアークエンジェルとラー・カイラムから出撃したMSを見てキラがいない事に気付いた。

 

「あれがアムロ・レイという奴のMSか。
あとの2機は逃したGか?1機少ないようだが。
まあいい…シャア大佐から譲り受けた新型MSザクの力を見せてやる。ギラ・ドーガ隊続け!」
「「了解!!」」

 

シャアはグラム・ロック隊へネオ・ジオン整MSを配備していた。
地球寒冷化作戦までに開発が間に合わなかったMSの開発に着手し既に開発し、ムサカ同様
実戦投入に成功していた。

 

「艦長!増援部隊、ネオ・ジオンの照合と一致!
3機程がギラ・ドーガでジン同様に重装備型です!
他にもズサやザクと思われますが照合パターンのないMSです!」
「何?…こうなると間違いなくシャアが一枚噛んでいるな…。
総員!敵部隊はザフトとネオ・ジオンMSの混成部隊だ!
なんとしてでも我々を落とすつもりらしい!! 集中しろ!!」
「「了解!」」

 

これからザフト、ネオ・ジオン連合といえる部隊との激しい戦闘、
そしてアークエンジェルとラー・カイラムのヘリオポリス脱出作戦が始まるのだった。

 

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