11.5、立ち上がるモノ
「おい……ま、まさかっ!!」
モニターを見ていたジェスの表情が、文面を読み進める毎に強張っていく。
その情報は野次馬と呼ばれ戦場に平然と乗り込んでいくジェスをもってしても、信じがたい内容であった。
今回の取材の目標は、デトロイド近郊を拠点としコーディネーター至上主義を掲げ“天空の雷”と名乗るテログループであった。
このグループの最大の特徴は凶悪なテログループとしての側面と共に、プラントやジャンク屋ギルドと結託し、各地の組織に兵器の供給を行うブローカーとしての役割も持っている事だ。一説には現役のザフトの要職者やジャンク屋ギルドの構成員も参加しているらしい。
現在各地で頻発する大規模なテロを調べているうちに、ジェスはこの組織に行き着いた。
かなり危険な組織だ。どやって接触するかと考えながら遠くから拠点らしき廃工場を観察していたところ、突然慌しくなり20機近いMSが出て行ったのだ。
その混乱にこれ幸いと潜入してみたのだが、まさかこんなデータが残っていたとは・・・・・・。
「どうしたんだ、ジェス?」
部屋の入口附近で人が警戒していたカイトが、そんなジェスの変化に気が付き声をかける。
「カイト……。“もし種世界に阿部さんがいたらスレ”を覚えているか?」
「覚えているが、またそれが何で出てくるんだ?」
ジェスの言葉に、カイトは首をかしげる。 なんだってここでよそのスレが出てくるのかわからなかったからだ。
「ここの連中が持っているのは、インモラルに搭載されていた・・・・・・”ゲイ・ボルク”だ」
ΩΩΩ<な、なんだってー!!!
ゲイ・ボルクは元々は“もし種世界に阿部さんがいたらスレ”に登場したインモラルに搭載されていた、特殊な兵器であった。
“もし種世界に阿部さんがいたらスレ”に登場したインモラルは、連合軍・ザフトの両軍に色々とアレな被害をもたらすという大戦果を上げる。
その後この活躍に目をつけたアスラン・ザラは何をトチ狂ったのか研究を開始、敵施設にゲイボルクを設置、周辺地域を強制的にハッテン場に変える“新型ゲイ・ボルク”が立案される。
しかし、んなもん逆シンスレでやられてはたまらないとラクス・クラインは計画の破棄とアスランの頭髪の奪取を決定する。
しかし、極秘裏に“ゲイ・ボルク”は建造されていた。
詳しい開発過程やデータはここには記されていないが、“ゲイ・ボルク”が使用された場合、MSやMA、艦艇を含むあらゆる座席の形状が変化し、あらゆる男性の尻は壊滅的な被害に陥るだろう。
その説明に、さすがのカイトも背中に冷たいものが流れる。
「まてよ、それ!? 何だって別スレの話題まで出て来るんだよっ!!」
いくらなんでも、流出して良いものではない。慌てるカイトにジェスは半ば自棄に言い放つ。
「知るかっ! 奴が受信する電波は俺たちが思っている以上なのかもしれないな」
「そう言う問題かっ!?」
カイトの叫びに、ジェスは答えない。
それどころか、カイトの背後、部屋の入口を凝視していた。そのおかしな様子に、カイトは何か悪い予感を感じる。振り向いてはいけない、しかし振り向かないのも凄くまずい気がする。
そのなんともいえない葛藤に、カイトはついに負けた。
振り向いた会との視線の先には、一人の男が立っていた。
男はつなぎのジッパーを下げると、男臭い笑みを浮かべこう言った。
「や ら な い か?」
アッ―――――――
674 名前: 19 ◆Zs6P4XenAk
もう、なんつーか色々な人ごめんなさい。
一応はきっと反省している。でもまたきっとやる。
三三( ≧∀≦)ノ 逃亡