SEED-クレしん_07-461_01

Last-modified: 2009-07-28 (火) 19:36:27
 

第★話「みんなでお祭りに行くゾ」
その1

 
 

ルナ  「帯をこう結んでっと……よし!出来上がり!」
ステラ 「ありがと。どうしんちゃん?ステラの浴衣、可愛い?」
しん  「うん!うん!ちょー可愛いゾ!」
ひろし 「まったくだな。まあうちのみさえにむさえちゃんの浴衣姿も悪くはないが……」

 

みさえ 「悪かったわね!どーせ私はトウの立ったおばさんですよーだ!」
むさえ 「姉ちゃん……自分からそげに本当のことを言わんでもええやん」
ひまわり「たー!た~よ!」
ステラ 「まったくその通り……とひまちゃんは言っておられます」
みさえ 「あ……あんたらねえ!」

 

ルナ  「まあまあ。せっかくこれからみんなでお祭り見物に行くんだから、穏便に穏便に……
     あれ?そういえばシンは? さっきから姿が見えないけど……」
しん  「シン兄ちゃんは盆踊りとか花火大会の準備だって。なんでも今回はかなり派手にやるらしいゾ」
ステラ 「ふ~ん……シンが居ないのはちょっと寂しいけど……そういうことなら仕方ない、かな?」

 

みさえ 「シン君たちは準備が終わったら合流するそうよ。それまでは私たちだけでお祭り見物といきましょう」
むさえ 「九州の祭りとどう違うんじゃろなあ~。少し楽しみタイ」
しん  「むさえちゃん、むさえちゃん、いつの間にか言葉使いが方言になってますゾ?」

 

ひろし 「んじゃあそろそろ祭りに行きますか! 野原一家(+α)ファイアー!」
一同  「ファイアー!」

 

   ※   ※   ※

 

 さてその頃……花火の打ち上げ地点では、デュランダルの指示の下、シンにキラにアスランが準備に追われていた。

 

シン  「………あの議長、これってどういう事なんです? 急に俺のデスティニーを使うって。
     それにこんな、花火の打ち上げ地点に持ってきて、どう使うつもりなんですか?」
ギル  「うむ、それについては1から説明する必要があるな。
     まず花火というものはだ、職人によって火薬が配列され、紙に包まれた花火玉を発射筒に入れる。
     そしてこれに火を付けて、大砲のように火薬の力で真上に打ち上げるものだ。
     だが……私がこのイベントを受け持つ以上、そんなありきたりな方法ではまことにつまらん!
     そうは思わないかね?!」
シン  「……はあ。それで花火とデスティニーに何の関係が?」
アスラン「以前MSに花火を実弾代わりに撃たせてはどうか、という意見があったんだがさすがにそれはな……
     実弾を扱える機体そのものが少ないし、それに花火は鉛弾やミサイルじゃない。
     レールガンやライフルには耐えられないだろう。砲身の中で内部爆発してしまうかもしれない。それで……」
ギル  「アスランのジャスティスで花火玉を上空からバラまく、という方法を取る事にしたのだ。
     それで落ちてくる花火玉をキラ君のフリーダムがフルバーストで撃ち落す……
     もちろんビームなどの出力は極限にまで落としてあるから、撃たれた花火はその場で炸裂するだけ、という訳だよ」

シン  「なるほど。それなら従来の花火大会とは一味違う、面白い趣向になりそうですね……
     で?俺のデスティニーはどう使うつもりなんですか?」
アスラン「まあ……アレだ。
     キラが撃ち落すのに失敗すれば、当然花火玉は地面に落ちて大変な事故になってしまうだろ?」
シン  「ああなるほど!万一撃ち漏らした場合は俺が……」
キラ  「そういう事。まあ多分大丈夫だとは思うけどね」

 

ギル  「ふふふ……花火とMSによる航空ショーをミックスした、私オリジナルの新企画!
     これはデスティニープラン以来の会心のアイデアだ!そうは思わないかね君達!?」
キラ  「デスティニープラン以来ってのが気にはなりますけど。あれって結局失敗してるじゃないですか」
アスラン「それに航空ショーには墜落事故がつきものだしなあ……
     訓練に訓練を重ねている自衛隊のブルーインパルスだって、時には落ちるんだ」
シン  「と、いう事はだ。この花火大会の成功は俺達の双肩にかかっているって訳だ。
     こりゃあ面白くなってきたぞ……!」

 

   ※   ※   ※

 

 まあそんなこんなでお祭りが始まったのだった……
 そしてここは夜店が並ぶ所。ここで……

 

イザーク「ふん、これが日本の祭りとやらか……ま、あんまりたいした事はないな。
     盆踊りまではまだあるし、ここは少しばかりぶらぶらとあちこち出歩くとするか……」
フレイ 「お~いそこの銀カッパ~。三蔵法師の家来~~」
イザーク「お、俺はカッパでも沙梧浄でもないッ!誰だふざけたことを言うヤツは……ん?お前は……」
フレイ 「お久しぶり、かしら? まああんまりお互いに話をした事はないけどね」
イザーク「貴様は……たしか昔、クルーゼ元隊長がナチュラルの捕虜として連れてきた女。確か名前は……」
フレイ 「フレイ。フレイ・アルスターよ。よろしくね~」
イザーク「あ、ああ……(なんだ?前に比べて、えらくフレンドリーな感じになったなこの女)」

 

マユ  「カッパさん、こんばんは~」
エル  「こ、こんばん、は……」
イザーク「き、貴様等まで俺をカッパ言うか!いいか俺は……むッ?」

 

エル  「……!(素早くフレイの後ろに隠れた)」
フレイ 「あらあら。どうしたのエルちゃん? このカッパは恐い顔をしているけど、悪い妖怪じゃないわよ~?」
イザーク「よ、妖怪はともかく……いたしかたあるまい。俺は……その子をこの手で殺した男、だからな」
マユ  「カッパさん……?」

 

フレイ 「ふぅ……あのねえ。向こうの世界での事をいつまでも引きずってもしょうがないでしょうが!
     それに今日はお祭り!日常の事は何もかも忘れて、目いっぱい今を楽しむ日よ!
     さあエルちゃん、何が欲しい?わたあめ?ヨーヨー?
     お姉さんが何でも買ってあげるからなんでも言いなさいな!」
エル  「え、えっと……それじゃあ……その、あっ!あの大きなぬいぐるみが欲しいです。あのクマの……」
フレイ 「クマ?ああ、輪投げの景品かあ。う、う~ん……上手く取れればいいんだけど。
     おじさん!輪投げやらせて!」
おじさん「ほいよ!輪が5つで200円!がんばりな!」
マユ  「フレイお姉ちゃん、がんば!」
フレイ 「そ、それじゃいくわよ……えい!」

 

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

 

マユ  「……ダメだったね」
フレイ 「ううっ……こういうときにキラでも居てくれたら……」
エル  「い、いいんですよう。別に無理しなくても……ただほんのちょっといいなあって思っただけで……あ」

 

イザーク「親父。俺も挑戦させてもらう」
マユ  「カ、カッパさん!」
イザーク「俺は同じコーディネイターでも、キラやアスランとは才能が違うのかもしれん。だが……
     今!今この時だけでいい! 目覚めろ……俺の中のSEEDよッ!(ピキーンッ!)うおおおおおおおおおッ!」
フレイ 「こ、これは!」
マユ  「すごーい!わっかが全部棒にひっかかってくよ!」
エル  「あ、ほんとだ……すごい……」

 

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

 

おじさん「や、やるねえ兄ちゃん!本日の最高得点だよ! ほら、こいつが欲しかったんだろ?」
イザーク「ああ。ん……なんだ、そのほら……やるよ」
エル  「………」
イザーク「い、いらないか?そ、そうかもな……俺からのプレゼントなんて欲しくないか……」

 

エル  「……り、がと……」
イザーク「でも俺はやはり………え?」

 

エル  「(クマのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめて)ありがと……イザークお兄ちゃん!この子、大事にするから!」
イザーク「お、おお!また別のヤツが欲しくなったら、また言え!
     俺はいくらでも取ってきてやる……いくらでもな!」
エル  「うん!」
おじさん「おいおい……勘弁してくれよ」

 
 

フレイ 「ふう。ま、これでカッパとエルちゃんの仲直り完了、か。まったく世話かけさせてくれちゃって……」
マユ  「ええ?もしかしてフレイお姉ちゃん、狙ってやってたの?」
フレイ 「まあその……カッパとエルちゃんの事は、キラとアスランの2人に前々から頼まれていたしね。
     お祭りはいい機会だと思ったわけよ、うん」
マユ  「ふ~ん。まあでも上手く仲直りできたから、これでめでたしめでたし、だね?」
フレイ 「ん、そうね♪……
     じゃあやっかい事も片付いた事だし、ここからはみんなで思いっきりお祭りを楽しんじゃおうか?」
マユ  「さんせーい!」

 
 

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