SEED-クレしん_07-461_02

Last-modified: 2009-07-13 (月) 20:48:30
 

第★話「みんなでお祭りに行くゾ」
その2

 
 

キラ  「やあラクスにカガリ……ってあれ?風間君たちも一諸かい?」
ラクス 「ええ。風間君やネネちゃんの親御さん達に頼まれたんですの」
カガリ 「ま、とどのつまり私たちがこいつ等の保護者、という訳だ」

 

マサオ君 「こんばんわキラさん」
ネネちゃん「こんばんわ~」
ボーちゃん「どう、も」
キラ   「こんばんわみんな。ん?それにあっちから来るのは……ミリィ達、かな?」

 

ミリィ  「やっ!キラにラクスにカガリときて、かすかべ防衛隊の諸君!元気してる~?」
メイリン 「こんばんわ。みんなもお祭り見物ですか?」
まつなが 「私たちもついそこで会ったばかりなのよ」
上尾先生 「ひ、人前で浴衣姿というのも少し……恥ずかしいですね」

 

ラクス  「まあまあ。なんか面白い組み合わせですわね?」
カガリ  「そうだなあ……で?お前達はこれからどうする気なんだ?
      私たちはこの辺を少しぶらぶらするつもりなんだが」
メイリン 「私たちもそうするつもりです」
まつなが 「でもねえ。ありきたりな祭りの夜店ばっかでつまんないわね。なにかこう、独創的な店はないのかしら?」

 

キラ   「(ピキーン!)ああそうだ!ムウさんがこの先で貸衣装の夜店をやってるらしいんですよ!
      ここは1つ、みんなで冷やかしに行きませんか?」
ラクス  「貸衣装?」
カガリ  「ふむ……面白いかもしれんな」
ミリィ  「んじゃあすぐそこみたいだし、みんなで行ってみましょうか?」
一同   「おーーーー!」

 
 

キラ   (………ふっ。巧みに意見を誘導して、みんなをムウさんの所に連れていくのに成功したぞ。
      これは事によると、とてもフリーダムな光景が拝められるかも……ふふふ……)
ラクス  (なんか怪しいですわね……?)

 

   ※   ※   ※

 

 まあ、そんな訳でキラ達はムウの夜店へとやってきたのだった。

 

ミリィ 「こんばんわ~。少佐、元気してた~?」
ムウ  「お?ミリィに……こりゃあ皆さんおそろいのようで。なに?うちで衣装を借りにきたのか?」
キラ  「まあそんな所です。どうですムウさん?繁盛しています?」
ムウ  「まあまあ、かな……マリューは今、祭り見物に行っちまっていないけどさ。
     んじゃあお嬢さん達、うちのは色々な服が豊富に用意してあるけど、どれがいい?
     これが服のカタログだ。後ろに更衣室もあるぞ」
カガリ 「え~とどれどれ……う~ん……ほんとに色々あるなあ。何処からこんな服を手に入れたんだか」
上尾先生「あ、これ可愛いと思いません?」
メイリン「そ、そうですかあ?それならむしろこっちの方が……」
ラクス 「まあ♪このガクランというの、面白そうですわね」

 

ムウ  「……おい、おいキラ。お前よくもあれだけの女性陣を連れてきやがったなあ?ええ?」
キラ  「ムウさん……い、いけなかった、ですか?」
ムウ  「…………グッジョブ♪」
キラ  「…………」

 

キラ、ムウ「えへへへへ~~~~~(2人してしんのすけ笑い)」
風間君  「こ、この人たちは……!」

 

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

 

カガリ 「お~い2人とも顔つき合わせて何してるんだ?こっちはもうとっくに着替えが終わってるンだが」
キラ  「ええ!?………う、うわぁ……」

 

 そこには、それぞれ貸衣装に身を包んだ女性達の可憐な姿があった。
 明治時代の女学生風の着物を着たカガリ。
 まるで西洋の貴族のような服を着こなす男装の麗人、ミリアリア。
 だんだら模様の新撰組の着物を着て、刀を手に持っているメイリン。
 何故か西部劇のシェリフ風な、まつなが先生。
 黒い三角帽を被り黒いマントをつけた、いかにも魔女な上尾先生……

 

ムウ  「お、おお……!」
キラ  「これは……普段のコスプレ大会とは別の意味で、えらくフリーダムな!」
マサオ君「すごーい!」

 

ミリィ 「どう?けっこういい感じでしょ。私、昔は宝塚に憧れていてね……
     一度こーゆーのやってみたかったんだ♪」
まつなが「似合うでしょう?女ワイアット・アープといったところかしらね♪」
メイリン「私も一度、サムライっていうのに成り切ってみたいと思ってたんですよ……まあ刀は竹光だけどね」
上尾先生「エコエコアザラク……エコエコザメラク……」
カガリ 「お、おい?ちょっと恐いぞ、上尾先生」

 
 

キラ  「はあ。改めて思うけど、女って化けるものなんだなあ……
     あのカガリがこんなに大和撫子に見えるなんてさ」
カガリ 「おい。何気に私の事をバカにしていないか? 弟のクセに」
キラ  「い、いやいやそんなことは……あれ?そういえばラクスは? ここに居ないみたいだけど……」
まつなが「もうすぐ出てくるわよ……来た!」
ミリィ 「じゃじゃ~ん! キラ・ヤマト!その目を思いっきり開いてよ~く見るがいい♪」

 

 更衣室から出てきたラクスを見て。キラは思わず心臓が止まるかと思った。
 何故なら……ラクスは花嫁衣裳を着ていたからだ。それも純白のウェディングドレスを。

 

キラ  「……」
ラクス 「ど、どうですキラ? この衣装……似合っています、か?」
キラ  「……」
ミリィ 「う~ん……ダメだこりゃ。完全にあっちの世界にブっ飛んじゃってるわ」
まつなが「どうしようかしら?これ」
上尾先生「そういう時は……魔女ますみが調合した、この秘薬を一口垂らし込み……」

 

キラ   「(ばふっ!)うぎゃああああ!?……あ、あれ?」
ネネちゃん「あっ、向こうの世界から帰ってきたわ」
ラクス  「あ、あのキラ……?」
キラ   「ご、ごめん。あまりに……その……ラクスが綺麗だったもんで……その、あの……」
ラクス  「あのですね。わたくしがこの衣装を選んだのは、その……キラに見ていただきたかったんです。
      いつか……いつかこの姿でキラの花嫁さんになりたいから……
      あ、ああ……わたくしなんてことを……(赤面)」

 

キラ   「ラクス……きれいだよ。すごく……本当にとてもきれいだ」
ラクス  「キラ……」

 
 

ミリィ  「……ふう、分かってはいたけどお熱いことで……ごちそうさま。私もうお腹いっぱいだわ」
マサオ君 「いいよねえ~。大人になったら僕にも、あんなきれいなお嫁さんが来るといいなあ♪」
ボーちゃん「で、そのあと苦労する、と」
ネネちゃん「お約束よね」

 

ムウ   「おい坊主ども。もうすぐ盆踊りが始まるみたいだぞ?
      料金はツケといてやるから、そのカッコのまま行っちまえ」
メイリン 「あ……本当だわ。もうこんな時間」
カガリ  「よし、んじゃあ盆踊りの会場に行くか。アスラン達もそこに居るだろうし……
      ほら! いつまでいちゃついてんだお前ら!」

 
 

キラ   「ラクス……」
ラクス  「キラ……ところでお話は変わりますけど、キラって珍しいボタンを付けていますのね?」
キラ   「……え?」
ラクス  「これは……超小型のボタン型カメラ、ですか?
      キラったらどこでこんなスパイグッズを手に入れたのです?
      それにズボンのポケットに入ってるのは……これまたピンホール型の超小型CCDカメラ、ですか?」
キラ   「い、いやこれはその、あの」
ラクス  「……でも。キラはわたくしをきれいだと言ってくれました。
      たから……それに免じて今回は罪に問うのはやめます。それに今日はお祭りですものね?」
キラ   「ラ、ラクス……ありが」

 

ラクス  「でも!次はありませんから。いいですわね♪(カメラを手でぐしゃ!)」
キラ   「は、はいいいいいいいい!」

 
 

風間君  「……またこのパターンか」
ネネちゃん「お約束よね」

 
 

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