Seed-Crayon_4-422_2

Last-modified: 2008-07-18 (金) 20:27:25

嵐を呼ぶ!春日部・大焼肉パーティーだゾ
【前編】

 

ナタル 「んぐっんぐっんぐっ…ぷはーーーっ」
マリュー「よ!ナタル、いい呑みっぷり!」
タリア 「アーサーが隠し持ってた日本酒、、まだまだたくさんあるから今日はじゃんじゃん飲みましょ!」
マリュー「しかし、考えてみれば不思議ね。最新鋭の戦艦の艦長が3人そろってこうしてお酒飲んでるなんて」
タリア 「そうねえ…春日部に来てから立場ががらりと変わっちゃったわね…私はスーパーミネルバの店長で」
マリュー「私はムウとくっついて、専業主婦」
ナタル 「私は交番のおまわりさんです」
タリア 「…なんか、こっちの方が私たちの本来あるべき姿のような気がするわ」
ナタル 「私も、警官が天職のような気がします。
     部下はちょっとアレですが、分不相応な責任を押し付けられたりしませんし…」
マリュー「まあ、私も満足かな?旦那がちょーっと変なとこあるけど。ふふ…
     ナタルもそろそろ、彼氏作ったらどう?」
ナタル 「よ、余計なお世話です!…(小声で)わ、私はもう付き合っている人がいるし…」
マリュー「えーーーーーーー!!ナタル、彼氏いるの!?」
ナタル 「し、しまった!小声で呟いたつもりが…!」
タリア・マリュー「誰?誰?教えなさいよー!」
ナタル 「はあ…隠してたのに、ココまでか…サイ・アーガイルですよ、私の恋人は…」
マリュー「え、ええーーーー!サ、サイ君がナタルの彼氏!?」
タリア 「誰?」
マリュー「前の戦争でのアークエンジェルのクルーで、キラ君の友達よ。
    (写真を見せて)ほら、この右端の…」
タリア 「ああ、シンやキラ君とは違うタイプねえ…どちらかと言うと、好青年って所かしら?」
マリュー「ね、ね、どうやってサイ君をモノにしたのよ!そんなそぶりは全然見せなかったじゃない!」
ナタル 「春日部でばったり会って…色々相談にのってるうちに…
     ひっく、けっこう一生懸命で真面目なヤツなんですよ、あいつ」
タリア 「そ、そう…でもそのサイ君、この焼肉パーティーには来てないようだけど?」
ナタル 「弱い人達を守れる弁護士になるんだって、トウキョウで一人暮らししながら大学で勉強中です」
マリュー「へー?離ればなれが長く続くとサイ君、浮気するかもよー?」
ナタル 「それは大丈夫です。フレイ・アルスターの件でかなりの女性不信になりましたから」
マリュー「でもナタルだけは別、と。はいはいごちそうさま。
     じゃ、ナタルの恋を祝して今日はとことん飲みますか!」

 

          *          *          *

 

ひろし「俺たち家族の分は俺が焼いてやる。
     俺は学生時代から『焼き肉焼きのひろし』の異名で慕われていたんだぜ」
みさえ(ただアシで使われてただけなんじゃ?…)
ひろし「…さあだいたい焼けてきたかな?」
ディアッカ「お、グゥレイトに焼けてるじゃない。ぱくっ。和牛だけはうまいぜ!」
ひろし「ディ、ディアッカ君…自分で焼いてね…あれ?残りの肉が…」
 
キラ 「ラ、ラクス。焼き肉、よそってきたよ」
ラクス「…キラ、これはなんですの?私は上タンが食べたいのですわ。
    骨付きカルビなんていりませんわ…
    ないのならフリーダムに乗って買ってきてください。松坂牛がいいですわ」

 

 皿ごとゴミ箱に捨てるラクス

 

ひろし「アンタって人はー!」
キラ  (うう…アスラン助けて…鬼嫁は嫌や…)

 
 

みさえ「あなたまだなの~!しんのすけがお腹空かしてるわよ!」
ひろし「す、すまねぇ。トラブルがあって…まだなんだ…」
みさえ「もう!それでも『焼き肉焼きのひろし』?!何やってるのよ!」
ひろし「そ、そうだよな…昔から、焼き肉焼いて美味しい美味しい言ってくれる笑顔が好きだから勤めてきたのに…
    おまえの美味しそうに食べる笑顔が好きで、結婚して家庭を持ったのに…
    ごめんな。こんな焼き肉焼くことしか能のない旦那で…」

 

 涙と鼻水をいっぺんに流すひろし

 

みさえ「あなた…あら!あなた見て!しんのすけとシン君が!」

 

 みさえが指さした先には、シンとしんのすけが焼き肉の焼き方を教えてる微笑ましい光景が

 

シン   「そうそう…片面がよく焼けたら裏返して…うまいじゃないかしんちゃん!」
しんのすけ「おお!オラ出来た!シン兄ちゃん教えるのうま~い!」
シン   「えへへ。それほどでも~」
みさえ  「もうしんのすけも五歳なんだし、焼き肉焼くことくらいやらせたら?
      家と車のローンの事も考えてよね…」

 

 鼻をかむひろし

 

ひろし「そうだよな…親は子供に思いを伝えるものだよな!俺もそんな親父になれるかな?」
みさえ「ええきっとなれるわよ!」
ひろし「フフフ、そうかよーし!しんのすけー!とうちゃんの秘技『コロニーレーザー焼き』を教えてやるぞー!」

 

 しんのすけの側に駆け寄るひろし

 

みさえ  「フフフ…それにしても、それが結婚の理由だなんてちょっとショックだわ」
しんのすけ「とうちゃんそれ知ってるゾ!」
ひろし  「へ?」
しんのすけ「『レクイエム』って言うんだゾ。シン兄ちゃんに教えてもらった!」
ひろし  「あ、そう…」

 
 

クロト「へっへっー焼肉、焼肉ー」
オルガ「おい!その骨つきカルビは俺が大事に焼いてたんだぞ!」
シャニ「…知るかよ…ウザイ」
ムルタ「はいはい、3人ともお肉ばかり食べてないでタマネギもきちんと食べるんですよ?」
シャニ「げー焼肉にタマネギ入れるか?フツー」
ムルタ「フツーは入れますよ!普通は!」

 

          *          *          *

 

 ~時間を少し巻き戻して、またずれ荘~

 

イザーク「くっそー…電気ストーブはブッ壊れたままだし、給料日前で金はないし、食糧も無い…
     なんなんだ!これは!!」
ニコル 「何言ってるんです。ステラさんのコスプレ写真データなんか買うからこんなことに…
     待ってて下さい。今ディアッカが野原家にあまったおかずを貰いに行ってますから」
イザーク「それがダメならアスランに頼んでスーパーの余りもんを分けてもらうしかない、か…
     くそ、いつまでこんな…」

 

ディアッカ「グゥレイトォ!!大変だぜ!2人とも、毛布にくるまってる場合じゃないぜ!」
イザーク 「どうしたー?アクション仮面の撮影が近所でやってても、俺は驚かんぞ?」
ニコル  「おかず、貰えました?」
ディアッカ「2人共、何ふぬけてんだYO!いいか、よーく聞け!
      今日の夕方、ふたば幼稚園で大焼肉パーティーが開かれるんだってよ!」
イザーク 「………なんだと?」
ディアッカ「参加は誰でも自由。1人200円で高級焼肉が食い放題だ!!」
ニコル  「ほ、本当ですか?!…いや、駄目ですね…200円ですら、今の僕たちには…」

 

イザーク 「くっくっくっ…はっはっはっ…うわーはっはっはっはっ!!」
ディアッカ「イ、イザーク?」
ニコル  「空腹のあまり、とうとう頭がおかしくなって…ううっ…」
イザーク 「バキャモノォ!おかしくなってなどない!ふん、俺はこの時を持ってたんだ!…ふん!!」
ディアツカ「うお!何いきなり畳を持ち上げるんだよ!」
ニコル  「待って下さい!畳の下に……千円札が1枚?」
イザーク 「クックックッ…イザという時のために隠しておいたへそくりだ!こいつで食いまくってやる!」
ニコル  (今時へそくりって…)

 

イザーク 「いよおーーーし!行くぞこのキョシヌケ共!!
      食って食って、食いだおれるまで焼肉を腹に詰め込むぞ!!」

 

 ~同じく、FMカスカベ局内~

 

ハイネ「あ~、来週のスペシャルウィーク何やろうかな…
    『2時間ぶっ続けハイネの替え歌メドレー』は、やっちゃったしな…」
ミゲル「おい、局内のソファーに寝っ転ぶなよ!」
ハイネ「おー、構成のミゲっち」
ミゲル「ミゲっちって呼ぶな!」
ハイネ「怒るなよ~で、何か用?」
ミゲル「今日、幼稚園で焼肉パーティをやるらしいからお前も来ないか」
ハイネ「ふ~ん。で、誰が来るの?」
ミゲル「しんちゃん達と、コズミック・イラの連中はほとんど来るみたいだぞ」
ハイネ「へぇ~(いっぱい人が来るな…。みんな浮かれてるだろうからトラブルとかいっぱい有りそうだ…)
    そうだ!おい!スペシャルウィークの企画を思い付いたぞ!」
ミゲル「なんだなんだいきなり?」
ハイネ「公開録音をそこでやるんだよ!で、『お悩み相談&トラブル解決しますスペシャル』をやるんだ!
    よーし、思い立つ日が吉日だ!行くぞ!いざ、焼肉パーティへ!!」
ミゲル「おい待てよ!」(元気な奴だぜ…)

 

 ~そして、現在~

 

ハイネ  「皆さんこんばんは~。今日の放送はふたば幼稚園の大焼肉パーティー会場から生放送でお送りします~
      では早速、お悩み相談の方を始めたいと思います」
シン   「あっしんちゃん。その肉もういいよ」
しんのすけ「ほっほ~い。んぐんぐ…んま~い♪」
ハイネ  「こんばんは~。今ラジオでお悩み相談やってるんだけど、何か悩みはあるかい?少年」
シン   (ハイネ!?何?生放送かコレ?悩み?)
ハイネ  「悩んでることだったら何でもいいぜ。話してみろよ」
シン   「はぁ…じゃあ…この前のステラのコスプレ会の時の、ハイネさんの事何ですけど」
ハイネ  「えっ?…あ、あぁ…何?」
シン   「ステラを見るハイネさん…ちょっと変態っぽかったですよ。
      このままハイネさんが変な趣味に手を出したり、ステラに何かしないかちょっと心配ですね」
ハイネ  「ちょw、出さない出さない。どっちにも手を出さないって!
      てゆーか、ラジオでそういうこと言わないでくれよ!後が大変なんだから!」
しんのすけ「ほうほう。それは変態ですな~」
ハイネ  「それを言うなら大変だ!そして俺は変態じゃない!」
シン   「いや…『生足魅惑のマーメイド』は、もう変態の台詞かと…」
しんのすけ「うわ~い。変態、変態」
ハイネ  「やーめーてー!!」

 

          *          *          *

 

ひろし「んぐっんぐっんぐっ…ぷはーーー!この1杯のために生きてんだよなあーー!」
ムゥ 「はっはっはっ、仕事から帰ってきて焼肉、ビールで1杯やる!これに尽きるものはありませんねー」
ギル 「フッ…今日はシンに感謝するべきのようだね」
ひろし「いやー妻帯者(デュランダル除く)同士で飲むのはなんか、意気投合するものがありますなあ!」
ムゥ 「女房持ち同士だからこそ分かる苦労がある、というか…
    聞いて下さいよひろしさん!
    マリューのやつ最近、俺のこずかいを5000円も減らすわ、秘蔵のコレクションを処分しろと言うわ…」
ひろし「ほうほう、それは大変ですなあ」
ムゥ 「それだけじゃない!マリューだけ1人でこっそり外食するし、俺のささやかな趣味を否定するし…」
ギル 「私はタリアと恋人関係のまま寸止めだから、よくは分からないが…大変だな、フラガ君」
ムゥ 「そーなんですよー大変なんですよデュランダルさん!
    結婚する前はあんな、小うるさい女じゃなかったのに…ううっ」

 

ひろし「…ふん、甘いなムゥ君。所詮キミの愚痴は新婚気分が抜けたばかりの甘ったれた現実認識にすぎん。
    一家の長としての真の苦労はそんなもんじゃない……!!」
ムゥ 「なっ…!じ、じゃあひろしさんの言う苦労ってどんなものだって言うんですか!」
ひろし「ふっ…いいか、よーく聞け?うちのみさえはなぁ……
    ジーパンを脱ぐとき、パンツもいっしょに下ろすんだよ!」
2人 「!!…そ、それはちょっと……ドン引きします…ね…」
ひろし「な、何度もやめろって言ってるのに全然直らないし…
    ひさしぶりに《ピー》しようとしても、あんなことやられちまったら…やる気でねぇよ!
    …ひまの時、俺がどんなに苦労したか…ううっ…ひっく」
ムゥ 「ひ、ひろしさん! 俺、あなたを尊敬しますよ !兄貴って呼ばせて下さい!」
ギル 「フッ…私の秘蔵のワインをひろし君の為に開けよう…今夜はとことん飲もうじゃないか」

 

 今、男たちの間に熱い友情が結ばれたのだった!!

 

 ガキン!ゴイン!バキン!!

 

みさえ 「あんた達、外で何恥ずかしいことを大声で話してんのよ!!」
マリュー「むーうー?覚悟は出来ているんでしょうねぇ?(両手の指をバキバキ)」
ひろし、ムウ「ひ、ひぇぇぇぇぇ……」
タリア 「まあまあ、ちょっと御待ちなさいなお2人とも…ほほほ…」
ギル  「う! タ、タリア…もしかして…酔っているの…か?」
タリア 「ええ。 ひさしぶりに、いい気分…ふふっ…」
ひろし 「ど、どういうコトなんです?」
ギル  「タ、タリアは…とことん酔っぱらうと、普段の思慮深さが消え…冷酷非情な氷の女になるだよ…!」
タリア 「ふふふ…おしおきの時間かしら?…かわいがって、あ・げ・る!」

 

三人  「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

 ・・・・・・・・・
 ・・・・・・
 ・・・

 

シン 「なんか、あっちの方で悲鳴が聞こえたような?(モグモグ)」
ルナ 「気のせいじゃない?あ、その上タンもう焼けてるみたいよ?はいシン、あーん」
カガリ「ん?どうしたアスラン、顔色悪いぞ?」
ラクス「キラも…どうなさったのですか?」

 

 …2人はすべてを見ていた。そして思った…

 

キラ、アスラン(明日はわが身…か。いや、もうその日が来るのはすぐそこか…ああ、逃げ出したい…)

 

          *          *          *

 

風間くん 「しんのすけ、焼肉のたれを取ってくれないか?」
しんのすけ「はあーい、あなたどれにするぅ~?和風?ごま?それともおみそぉ?」
風間くん 「…やめろよ、気持ち悪いな」
ネネちゃん「あ、そのお肉もう焼けているわね!あーん、んーおいしー」
マサオくん「ううっ…それ、僕が焼いてたやつなのに…」
ボーちゃん「…これ、うちの自家製キムチ」
しんのすけ「おおー1つ、もらうゾ…んー、なかなかオツなお味ですなぁ」
ボーちゃん「韓国製のキムチ、衛生的に、危ない。日本製、ちょっと味、違う。自家製が、1番」
しんのすけ「おーおー、ぼーちゃんちのこだわりが感じられますなぁ」
ステラ  「…ステラがいっぱい焼いてあげるから…たくさん食べてね」 ←メイド姿
風間くん (はぁ~。メイドのステラさん、萌えー)

 

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

 

ネネちゃん「んー、いつものみんなで焼肉食べられるなんて、しんちゃんちのお兄さんに感謝しなくちゃね!」
マサオくん「そうだね。子供はお酒飲めないけど」
風間くん 「なんか大人はお酒飲みながら、騒いだり愚痴こぼしたりしてるけど…
      はー、やだねぇ。ああいう大人にはなりたくないなぁ、ボクとしては」
しんのすけ「大丈夫だゾ!風間くんもいつか絶対、そこのとうちゃん達みたいになるから」
風間くん 「…どういう意味だよ!」
マサオくん「あれ?なんかお肉が焼けるのがおそいね。コンロの調子が悪いのかな?」
ネネちゃん「こんなにいっぱい焼いてるんだもの、しょうがないわよ」
しんのすけ「だったら、火力を上げればいいんだゾ!」
風間くん 「お、おいしんのすけ、何をする気だよ!…ま、まさか?…」
しんのすけ「みんないくゾ!かすかべ防衛隊、ファイアーーーーー!!

 
 

ボウッ!!!

 
 

風間母  「すごい煙が出たからなにかと思ったら…」
みさえ  「いい?その黒焦げになったお肉や野菜を全部食べない限り、新しいお肉を焼いちゃいけません!」
マサオくん「ううっ…しんちゃんのバカ…」
ネネちゃん「う…にがーい」
ボーちゃん「……それなりに、イケル」
しんのすけ「お口の中がまっくろだゾ…」
ステラ  「がんばって。お水、いっぱいあるから」
風間くん (はぁ~。ステラさんがいることだけが救いだなあ…)

 
 

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