Seed-NANOHA_まじかるしん_第45話

Last-modified: 2008-02-09 (土) 14:01:14

はあ……
SS開始早々、シンはため息を付き、上を見る。
そこにはごつごつとした石や岩しかない。
ここはミッドチルダにある洞窟だ。
「シンさん、近くに出口らしいところはありませんでした」
そこにやってきたのはフリードをつれたキャロで、通路はあるが出口つながっている様子はないという。
この洞窟にレリック反応が出たということで、シグナムを中心としたライトニング部隊がレリックの回収に向かった。
しかし、途中で何者かがいきなり襲ってきたのだ。
仕方ないので応戦したのはいいのだが、途中で岩場が崩れてしまい、洞窟の地下に落とされた、一緒に来ていたシグナムとエリオともはぐれたのだ。
魔力を探ろうにも、どうにも察知が出来ない。
どうにも、この洞窟は魔力をさえぎる何かがあるようなのだ。
まだ、AMFとは違い、普通に魔力を使えるだけましだが。
「まあ、不幸中の幸いってわけじゃねえけど、レリックが近くにあったからいいけどな」
そういって、シンは手に持っているレリックケースを見る。
ちょうど落ちていたところに偶然あったのだ。
どうでもいいが、そのレリック番号はⅩⅠと書かれていた。
だが、まずは先にここから出なくてはいけない。
え?何で子供のキャロが偵察にいったのかって?
「「……」」
それは、その交戦した相手二人を捕獲したからだ。
しかし、この前の廃墟であった事のある二人を……

 

(くっそお……)
ウェンディは悔しさを抑えられずに歯軋りする。
まさか、こんな失態を犯すとは思わなかったのだ。
洞窟でのレリックの回収、たったこれだけの回収のはずだった。
しかし、以前接触した管理局員と遭遇。
レリックを先に取られるわけにはいかないと思い交戦するも、その途中で地盤が崩れたのだ
「……」
そして一緒に行動していたオットーと共に落下。
いきなりの事でバランスを崩し、二人の身を守るために使ったライディングボードは破損し、抵抗する事ができない。
さらには共に行動していたセッテとははぐれ、オットーも衝撃で左足と右腕に少し異常をきたし満足に動かせない。
ちなみに常にオットーと一緒にいるディードは今回トーレとの模擬戦をやりすぎて武器を破損させたためぁ割にセッテが行くことになった。
これだけでも十分不幸な事なのに、さらにはこのように管理局員に捕まるという失態。
おまけにバインドと縄で二人の腕を同時に拘束しているのである。
(セッテとも連絡すらとれねえっす……こりゃ帰ったらおしおきじゃすまされないっすねぇ……)
はあ、とため息を付くウェンディ。
全くに打つ手なしの二人。
こうなったら、はやく迎えが来るのを待つしかない。
「で、これどうする?」
シンは捕らえた二人を指差してこれからどうするか考える。
「つれて帰りたいけど……このままじゃなあ。まず俺達が脱出する方法を考えないといけない……」
そう考えて、ある事をつぶやくシン。
「このまま放っておくか?」
シンの言葉にえ!?二人はシンを見る。
なに考えてるんだこの人……
「こんなか弱い女の子を置き去りにするなんて鬼っすよ!!」
いや、自分でか弱いって言うのは同だろうというウェンディの言葉はほうっておいて、オットーもあっけに取られてシンを見る。
「それはまずいと思うんですけど……」
それに待ったをかけたのはキャロだった。
流石にそれはかわいそうだと思ったキャロはシンにそれだけはやめておこうと言う。
「いや、もうレリックはこっちのもんだし、さっさと出たほうがいいと思うぞ」
シンはまずはここから出る事を第一目標と考えていた。

 

「で、ですけど……」
どうも彼女は優しすぎるところがあるらしい。
まあたった10歳の子供だから当然か。
あの二人がこのまま方っておいたらどうなるかと考えたら、キャロの目から自然に涙が出てきた。
そして、その表情のままシンを見る。
「う……」
シンはそんなキャロの顔を見て気まずそうになる。
シンはこういう顔に弱い。
「はぁ、わかったよ」
シンはため息を付きながら戦闘機人を見る。
さて、今二人をどう運ぼうか……

 

「フェイトちゃん、落ち着いて」
「だ、だけど……」
その頃、六課の隊舎ではシン達の行方がわからなくなったとヴァイスから報告がきたのだ。
それを聞いたとたん、フェイトが飛び出そうとするのをなのはがなだめる。
「シグナム服隊長とシンもいるからだいじょうぶだよ。エリオとキャロもしっかりしてるし」
「だ、だけど……」
うう……と頭を構えるフェイト。
これはある意味大変だ、とおもったなのはであった。
「けど、フェイト隊長の言う事もわかるわよねえ……あの洞窟って確か……」
「うん……前からちょくちょく別世界の生物が転移してくるのよね?」
そう、あの洞窟からは時たま、別世界の生物が転移してくるときがあるのだ。
それがどうしてなのかは解らない。
もしかしたらレリックが関係しているのかもしれない。
「ま、出てくるのはCかBランク程度の奴しかまだ確認されてねえし、問題はねえだろ。伊達に今まで訓練してきたわけじゃねえ。
少しはあいつらを信用しろって」
ヴィータの言葉にうんとフェイトは頷く。
「けど、救出には行ったほうがいいね。もしものことっていうこともあるから」
なのはの言葉に他のメンバーも頷く。

 

その頃、ここにも仲間の反応が消えてあせっているものがいた。
「ディード、少し落ち着きなさい」
オットーが行方不明ときいて、真っ先に飛び出そうとしたディード。
それを止めているのはクアットロだった。
「けど……」
ナンバーズの中でも最後発同士であるセッテ、オットー、ディード。
そのうち、二人が、特に同じ素体で作られたオットーが行方不明と聞いて、
いてもたってもいられなくなったディードは飛び出そうとしたのだ。
「気持ちはわかるけどお、勝手な行動はだめよお」
「そのとおりだよ」
クアットロ言葉の後に、スカリエッティが入ってきた。
「今、救出方法を考えているところだよ。あの洞窟の岩には有機物がたくさん入ってるから、セインのディープダイバーもつかえないからね」
「ご、ごめんなさい」
こういうときこそセインの出番なのだが、無機質の中を潜行するディープダイバーでは幸物が入っているあの洞窟では役に立たない。
「君が謝ることでじゃないよ……だが、この状況はどうにかしなければいけないね」
そういってスカリエッティはウーノを見る。
「目星はついたかね?ウーノ」
スカリエッティの質問に、はいとウーノは頷く。
流石彼女だ、こういうときは役に立つ。
「あの、ドクター」
ん?とスカリエッティはディードを見る。
「私もオットーたちの救出を行かせてください」
クアットロにああ言われたが、やはりディードはオットーの事が心配だった。
助けに行くなら自分が行きたい、と彼女は思っていた。
「ああ、最初からそのつもりだよ」
にこやかに笑うスカリエッティに、ありがとうございます、と礼を言うディード。
「救出メンバーは、ディード、トーレ、チンクにクアットロにします。
それと、話を聞いたルーテシアお嬢様もアギトと駆けつけてくれるそうです」
「そうか」
意外な増援だ、とスカリエッティは少し驚く。
まあ、彼女達の事だ、主な目的はレリックだろう、とスカリエッティは自己解決した。
「それじゃあ、ルーテシアと合流して、救出作戦に映ろうか」

 

「全く、出口はどっちだよ……」
シンはため息を付きながらひたすら道を歩く。
とりあえずすすまないことには始まらない。
戻るににも穴は塞がれ、無理やり魔法でこじ開けようとしてもまらいつ崩れるか解らない。
そして……
「いやー、らくちんっすねーー」
捕まっているのに場の空気の読めないものが一人。
二人はどうやら負傷しているので、キャロにたのみフリードに乗せてもらっていた。
「一つ言っておくおけどな、変な行動を起こそうとしたらすぐにおいていくからな」
「わ、わかってるっすよ……」
あはは、と渇いた笑みをこぼすウェンディ。
その時、ウェンディはあるものをを見つける。
(オットー、あれをみるっす)
ウェンディはオットーに、自分の視線の先にあるものを見させる。
それは、以前からシンたちが持っているレリックケースだった。
しかし……
「あ……」
そして、そのレリックケースの番号を見て大声を出してしまうオットー。
あの番号は……
「ん?どうしたんだよ?」
シンはいきなり叫んだウェンディを見る。
もしかしてなにやら企んでいるんだろうか……
「あ、シンさん、あれ」
そういって、キャロが指差したところには洞窟に中に池があった。
それを見て、シンはウェンディがそれを発見したのだろうと思い込んだ。
一方、視線の先に池があってほっとしたウェンディ。
何とか誤魔化す事には成功した。
(あの11番のレリックって確か……)
(うん、ルーテシアお嬢様が探してるレリック番号、11番)
自分達と協力関係であるルーテシアたちが探しているレリックであった。
これを探すことが彼らが協力する理由。
(このままじゃやばいっすよね……)
(うん、間違いなくもって行かれる)
ふと、事実を告げたときのルーテシアの顔を創造した二人。
もちろん、その表情はないているか、起こっている姿だった。
(あ、後味悪いっす……)
どうしてこう不運がかさなるっすか……
はあ、とため息を付いたときだった。
「おい」
ふと、シンがオットーの前に立つ。
何?とオットーはシンをを見る。
「飲むんだろ?」
そういって、シンが持っているのは携帯用のコップに入ってる水だった。
今回が洞窟なので非常時にと持たされたものが役に立った。
おそらく、彼はオットーが喉が渇いているのだろうと思ったのだのだろうとオットーは理解した。
そういえば、確かに喉も渇いた。
あ、ありがとうとオットーは手で取ろうとするが、その手は拘束されている。
「あ、あの……のめないんだけど……」
オットーの言葉にシンも気付いたシン。
そしてしばし時が流れ……
「あのー、のませてあげたほうが……」
と言うキャロの問いに、シンはなるほど、とコップをオットーに近づける。
そんな行為に一瞬どうしたらわからないオットーはしどろもどろしつつもとりあえず口をあける。
シンはそれに水を入れる。
コップが汲まれた冷たい水がオットーの喉を潤す。
「ほら、お前の分」
そういって、次はウェンディのほうを向く。
あ、ありがとっす、とウェンディも口を開け、水を入れる。
そして少しの間、静寂が訪れた。

 

「問題ないみたいだな。はい、毒見ご苦労さん」
そう言って、シンは飲んでも大丈夫だとキャロに告げる。
え?と二人はシンを見る。
そして、矢と彼が何をしたのかを理解したのだ。
「ど、毒見っすか!?ひどいっすよ!!」
ウェンディはシンにギャーギャーわめくが、それをむししてシンは残りの水を口に入れようとする。
そこで、ウェンディは反撃の言葉を思いつく。
シンが水を一気に飲み干そうとしたときだった。
「間接キッスっすね」
「っぶ!!」
ぼそっとつぶやいたウェンディの言葉にシンは飲んでいた水を思いっきり噴出す。
「ゲホ、ゴホ……グホ」
その時、器官にも水が入ったらしく、思いっきりむせ返る。
キャロはその言葉に?を浮かべる。
「ウェンディ、間接キッスって何?」
そしてその言葉自体を知らないオットー。
流石起動して間もない姉。まだまだ世の中の言葉にはうといっす、とウェンディは思った。
「い、いきなり何を言うんだよ!!」
シンはぜえ、ぜえと息をあら投げながらウェンディを見る。
「さっきのおかえしっすよ」
ふふん、とウェンディは勝ち誇ったようにシンを見る。
どうやら、あいつは今捕虜と言う事を知らないらしい。
だったら目を覚まさせてやる、とシンは年甲斐もなくムキになる。
「フリード、そいつらを池に叩き落せ」
そのさめたシンの言葉に、ぞっとするウェンディ。
今時分達は負傷している。
機械部分にも異常がきたしている可能性は高い(現に腕が中々反応しない)
何も問題ないときなら水の中でもへっちゃらだが、今は事情が違う。
そんな状態で池に落とされたら、壊れかねない。
「や、やめるっすよ!」
「そ、そうですよ、いくらなんでもそれは……」
そんなやり取りをして、シンたち別の人物が来る事に気付かなかった。
「何をやってるのだ、あいつらは……」
「さあ…ですけど、無事で何よりだyと臣いますけど」
「ああ、そうだな」
そういって、シン達とはぐれたシグナムとエリオはようやく見つけた仲間が無事な事に安堵する。
「それに、あの二人も捕らえたようだからな」
そういうシグナムの視線の先には同じようにとらわれたセッテの姿があった。