炒飯日記 プロローグ
ある日、俺が目を覚ますと見慣れない場所にいた。
部屋の景色が全然違う。
確かにプラントの自分の部屋にいたはずだが・・・
この部屋は木造の和風建築ってヤツだ。
趣味の日舞をやっていたときに写真で見た事がある。
カーテンを開けてみた。
どうやらここは2階の一部屋らしい。
なんらかの手がかりを求めて1階に下りてみる。
・・こんな木造の階段なんて歴史の写真でしか見たことがないぜ。
下に降りると、そこは厨房だった。
大きなコンロと中華鍋の他にはこれといったものがない。
俺はそこにあったいすに座って、昨日の記憶をたぐってみた。
・・・確か前の日、明日の観艦式に出るためにクリーニングから戻ってきた制服をハンガーに掛けて、
そして朝早いから早く寝なきゃと思ったけど、借りてきたビデオ見ていつの間にか寝てたんだっけな。
・・・で、なんでこうなってるんだ?
俺は外に出ていろいろと確かめてみた。
今日の日時、そしてここがどこであるのかを。
誰かのいたずらであって欲しい。ただそれだけ願っていた。
もう一つの恐ろしい可能性については考えたくなかった。
だが、その考えたくもない恐ろしい可能性の方が当たってしまっていた。
ここは経済特区日本と呼ばれる場所であり、今の年号はC.E.ではなく、西暦2307年という年号だという事だった。
そして、俺は近所でも有名な炒飯店の店主だと。
元に戻るすべは全く考えもつかない。
どうやら俺はここで生きていくしかないようだ・・・