第4話 「対外折衝」
俺たちは先回の任務終了後、引き続きエクシアと同じ、セイロン島のお掃除をすることになった。
先回たたきのめしたシンハラ勢力には、もう抵抗する能力はない。
そのため、俺たちも人革連の駐屯地を制圧していく任務だ。
俺がそのミッションを受けたのは開店準備忙しい早朝だった。
ミッションを告げる暗号電話がかかってきた。
「えーと、炒飯出前お願いできますか?」
「え゛!?開店前なんだけど?」
「ちょっと”地獄”まで。餃子も付けて。」
「・・・了解。ちぇー」
「ちょっと、ちぇって何ですか!もう少しまじめにやってくださいよ。
それに何ですか、この暗号?電話。恥ずかしいじゃないですか。」
相変わらずダコスタ君は口うるさいというか、世話焼き女房というか・・・
「あの、聞いてます?時間がないので急いでくださいね!
迎えを送りますからそれまで準備してくださいよ、本当。」
俺は店をみんなに任せて出撃準備をすることになった。
「よし、行ってくるぜ!後はみんなに頼んだ!
”俺”!店をよろしく!」
「よし、任せておけ」
そういうと俺は下げたのれんを取り込んだ。
「”俺男”、”俺女”、いい子にしてるんだぜ?」
”俺女”は「本日臨時休業」と紙に書いて外に貼りだした。
みんなが店を守ってくれるから、俺はこうして安心して出撃・・・
って、おいおい!休業かよ!!
「だって、”俺”含めみんな、お前みたいに中華鍋ふるえないし。」
悲グゥレィト・・・やれやれ仕方ないぜ。
迎えが来ると行っていたが、誰が来るのかとワクワクしていたら、
イザークがバイクに乗って現れた。
「貴様ー!何をぐずぐずしている!さっさと乗れ!!」
その数分後、俺たちは警察の車に乗っていた・・・
解放されたのは書類にサインしてからの事だった。
「フン・・・急いでいたとはいえ、ちょっと飛ばしすぎたようだな。」
イザークがつぶやく。しかし、あれはちょっとどころじゃあなかった。
「俺、戦争以外で生命の危険を感じたのは2度目だぜ。」
「うるさい!元はといえば貴様がもたもたしているからだ!!」
イザークが逆ギレした。こうなるともう、手のつけようがない。
路上でそんな言い合いをしていると、案の定、ダコスタが迎えに来てくれた。
「二人とも何をやってるんですか。さ、早く乗ってください。
・・・全く、段取りがむちゃくちゃだ。」
そんなこんなで俺たちの作戦開始時間は当初の予定を一日遅れての開始となった。
俺たちが現地に着くと、前日に4体のガンダムのうちの一つ、
エクシアがあらかた片付けたあとだった。
「・・・帰ろうか?」
「ここまで来て何もしないで帰れるか!」
イザークが吠える。
「いえ、本部から撤退指令が出されました。すぐに撤収をとのことです。」
「やれやれ。今回の出張費はでるかい?ダコスタ君。」
冗談交じりにいたずらっぽく聞いてみたが、帰ってきたのは意外な答えだった。
「今回の作戦は失敗と見なされ、その原因が到着の遅延にあったため、
違約金を払うようにとのことです。」
「おいおいマジかよ!そりゃないぜ」
俺たちのむなしい叫びは砂漠にこだました。