Tradition/レモニカ

Last-modified: 2024-04-05 (金) 22:29:31

基本情報

  • イデア名:Remonica(レモニカ)
  • 身分:人間

大量の羊を従わせて、島の集落間の調停を成した羊飼いの少女。
実際は羊の集合意識に自我を支配されている。

 

具体的な関連は不明だが、ポーン氏作の一人用カードゲーム「シェフィ」を想起させる部分がある。
「シェフィ」の目的は、1匹の羊をカードの効果を用いて1000匹に増やすというもの。使用するカードの中に牧羊犬もいる。

収録弾

Tradition

No.86 怒濤槍(レモニカ)

 

羊に満ちた羊の島を、羊にまたがってレモニカは駆ける。この島の羊は完全家畜である。食、服や骨器をもたらす物資、交通手段、機動力ないし突進力としての武力、傍らのぬくもり、人間が生きるためのすべてをもたらしてくれる。レモニカ以前の島の社会は惨憺たるもので、この神の獣たちを養う土地を巡って百の集落が対立を繰り返していた。騎羊術と導羊術の才に恵まれたレモニカは、あちこちの柵の中から羊たちを引き抜いてしまう。そしてこれは窃盗ではなく羊たちの自由意志によるものだと主張する。彼女は羊と話すことができ、争いに飽いたかれらは自己の運命の決定権を行使してレモニカの元に集ったというのだ。牧場主たちにとって到底認められる主張ではなかったのだが、牧羊犬を振り切ってレモニカに身を寄せる羊が続出するのだから敵わない。やがては誰もレモニカを無視できなくなり、レモニカ主導のもと集落間の調停が行われるようになる。

 

彼女の主張には語弊がある。純粋無垢にして愚鈍なるレモニカの頭蓋は、念話で形成された羊たちの集合人格に占拠されていたのだ。ドノリアルドリー(夢見人不在の現なる夢)と呼ばれる麗しきその孤島は天空高く浮遊してクオランテ大陸を横断する。ゆえに三百万鴉の観測域をも越えて世界から隔絶する、牧羊の楽園である。