東急電鉄の通勤型電車。
5000系は田園都市線、5050系は東横線、5080系は目黒線で運行する。
⚠️注意事項です。
この記事はWikipediaに倣い、各車両形式を同じ記事に纏めています。
開発経緯
かつての東急の主力車両であった8000系および8500系は新造車が高額であったため製造後40年から50年程度の期間使用する予定であったが製造から20年から30年を経過し老朽化および陳腐化が進み始めたため1992年から改修工事を行っていた。ところが8500系2両で制御装置および主電動機の改修を試験的に実施してみると、残存寿命を勘案した場合には改修は合理性に欠けると判断され、結局この2両のみで改修が打ち切られた。また改修工事のみでは設計の進歩を反映した軽量化が困難なこともあった。
当時JR東日本では国鉄型電車を早急に取り替えるべく209系を東急グループの東急車輛製造などと共同で開発し、1993年から投入しはじめていた。一方、東急でも目黒線向けに1999年から投入した3000系では、車体構造など一部に209系を参考にした設計が取り入れられた。
本系列ではこれをさらに推し進め、209系の改良版であるE231系との間で、主に構体設計の共通化が図られた。
「人と環境にやさしい車両」をコンセプトとして、バリアフリー化のため、ホームと床面の段差を減らし、一部の吊り手を低くするなどした。環境への配慮としては、主要機器を3000系をベースに大容量化することにより台数を削減し、騒音低減が図られた。消費電力量は8500系と比較して約4割削減。
E231系などと車体部材の共通化を行うことによって、前述の3000系と比較して約3割のコストダウンが図られた。
本系列は東急電鉄における標準車両と位置づけられ、田園都市線への導入を皮切りに、2003年3月からは目黒線向けの5080系、2004年4月からは東横線向けの5050系が導入された。
概要
5000系
田園都市線の8500系置き換えを目的に、2002年に導入。2007年度以降の約3年間で田園都市線に250両を導入する予定であったが、車両計画の変更により2006年度以前に就役した車両を含めても180両の導入に留まった。残存する8500系の代替は2020系導入(2018年以降) となった。
田園都市線では2005年より、乗降時間の短縮と混雑緩和を図るため6扉・座席格納車両を導入し、混雑の激しい朝ラッシュ時の急行に投入した。
6扉車の組み込みは5104Fを皮切りに、2008年度までに17本に実施されており、朝ラッシュ時の急行・準急15本に投入された。
2009年度になると、6扉車を増結し、1編成あたり3両に増やすこととなり、4月以降順次組み込みが行われた。その後6月のダイヤ改正で6扉車連結列車は急行・準急14本となり、同年10月23日時点では、そのうち12本が6扉車3両連結編成で運行されている。当初、同年12月までに完了する予定であったが、12月25日時点では5105F~5117F・5120Fの14本が6扉車3両連結、5121Fが6扉車2両連結となっている。また、5102F - 5104Fの3本は他の編成へ6扉車を供出し4扉車に統一された。その後、2010年6月に5104Fへ再度6扉車が組み込まれた。5121Fから抜かれた2両と新製車1両の3両が用いられ、これにより6扉車組み込み編成は全て3両組込に統一された。なお5121Fは8両編成として東横線に転出している。
しかしながら、東急では2020年までに各駅へ可動式ホーム柵を設置することとなり、扉の位置が合わない田園都市線の6扉車は2016年1月から6扉車45両の置き換えが順次行われ、代替となる4扉車を同番号で新造し差し替える形態がとられている。2017年5月までに6扉車は全車廃車が完了した。
東横線
5118F、5119F、5121F、5122Fの8両編成4本は東横線用。5121Fは元は田園都市線で運行されていた。
5050系
2004年より、8000系置き換え用として導入。8両編成の0番台と10両編成の4000番台がある。4000番台は2011年に登場。
0番台
5050系の8両編成のグループ。前面窓上部に「8CARS」のステッカーを貼り付ける。*1
※なお以下の編成は欠番。
5155F:元住吉駅での追突事故廃車
5156F:元住吉駅での追突事故でY516Fが廃車のため横浜高速鉄道へ譲渡(Y500系Y517Fへ)
5166F~5169F・5173F:10両化し4000番台へ改番(後述)
また、前述の追突事故で廃車車両の代替として5177F、5178Fが導入された。5176F以前の編成とは、スカートにスノープラウが設けられるなど設備が異なる。
4000番台
5050系のうち、10両編成のグループ。「5050系」だが編成番号は「41**F」である。4000系ではない。*22020年以降、0番台に、新製した中間車2両を組み込んで4000番台とした編成が登場した。*3
東横線では10両編成の4・5号車が「Q SEAT」サービス車両となる。5050系8両編成に専用車両を組込み、10両編成の4000番台として運用する方式が採られ、既存の4000番台とは編成構成が異なる。
Q SEAT車両のカラーリングには濃い赤を採用した。概ね6000系の車両に準じた仕様であるが、本系列では側扉周りや窓枠、雨樋がステンレス地色のままとされ、腰部の横長ロゴも省略された。また車椅子スペース床面の車椅子・ベビーカーマークも当初より備えている。
2022年10月24日より1編成目である4112F(元5166F)が一般車両としての営業運転を開始しており、2編成目以降は2023年2月以降に運転を開始。2023年8月10日より「Q SEAT」サービスが開始された。4112F~4115Fの4編成で運用されている。
5080系
2003年に6両編成で導入。*43000系及び3020系とは共通で使用。
2023年の相鉄線直通運転開始に伴い、2022年に全編成の8両化が行われた。5181F~5188Fは4・5号車を新造し、旧4~6号車は6~8号車として形式・車両番号が変更(ともに+200)されている。5189F・5190Fの4号車のみ新造ではなく、6000系からの転用車(元デハ6301・6302)である。
運用〔運行区間〕
- 5000系
東急田園都市線、東京メトロ半蔵門線、東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)*5及び日光線
〔中央林間--渋谷--押上--東武動物公園--久喜/東武動物公園--南栗橋〕
- 5000系5118F、5119F、5121F、5122F
- 5050系0・4000番台
東急東横線、横浜高速鉄道みなとみらい線、東京メトロ副都心線、東武東上線、西武有楽町線及び池袋線、相鉄新横浜線・本線・いずみ野線
〔小川町--和光市--小竹向原--渋谷--日吉--横浜--元町・中華街/日吉--新横浜--西谷--二俣川--海老名/二俣川--相鉄横浜/--二俣川--湘南台/小竹向原--飯能〕
【Fライナー】東急東横線、横浜高速鉄道みなとみらい線→特急、東京メトロ副都心線→急行、東武東上線、西武有楽町線及び池袋線→快速急行*6
- 5080系
東急目黒線、都営三田線、東京メトロ南北線、埼玉高速鉄道(埼玉スタジアム線)、相鉄新横浜線・本線・いずみ野線
〔浦和美園--赤羽岩淵--目黒--日吉--新横浜--西谷--二俣川--海老名/西高島平--目黒/二俣川--相鉄横浜/二俣川--湘南台〕
特別編成
5122F:青ガエル復刻カラー
東横線の5000系5122Fは2017年9月4日より、旧5000系「青ガエル」の塗装を再現したラッピングを行っている。これは東横線90周年を記念して実施されたもので、記念ロゴやヘッドマークが掲出されていた。当初は1年間としていた運行期間が2019年8月までに延長、さらに2019年9月には二度目の延長が発表された。以後は90周年関連のロゴを取り外し、単純に「青ガエル」として運行されている。車番のフォントも旧5000系のものと同様になっている。
4110F:「Shibuya Hikarie号」
5050系4000番台4110Fは、渋谷ヒカリエ開業1周年記念特別列車「Shibuya Hikarie号」とし、1周年にあたる2013年4月26日から営業運転を開始した。
車体の基本構造は他の編成と同じであるが、車体幅のみ5000系・5080系と同一としており、田園都市線をはじめとした東急各路線への乗り入れを可能とした。
「渋谷ヒカリエ」をイメージしたゴールドをメインカラーとし、渋谷を代表するビルの外観をデザインしたラッピングを施した。また、編成に1箇所の手すりだけにキラリと光るハートマークを刻印し、「見付けると幸せになれるかもしれない」というメッセージをこめて乗客に対するエンタテインメント性を持たせている。吊手は丸形とした。
過去の特別編成
- 2007年7月12日から翌2008年6月30日まで、5050系5159Fが「東横線開業80周年記念電車」として運転された。この編成には先頭車の前面にヘッドマークが装着され、ドアと窓の間には東横線各駅の周辺の風景イラストのステッカーが貼付された。なお、運転開始初日には渋谷から元住吉まで招待制の記念列車に充当された。
さらに同年7月21日から8月31日まで「仮面ライダー電王スタンプラリー」が開催されたことに伴い、5050系5160Fが「仮面ライダー電王ラッピングトレイン」として運転された。
同年11月15日から12月20日まで5050系5165Fがアニメーション映画『えいがでとーじょー! たまごっち ドキドキ! うちゅーのまいごっち!?』の広告車両となった。 - 2007年7月15日運転分からの「みなとみらい号」(埼玉高速鉄道浦和美園駅発着列車)では、埼玉高速鉄道2000系に代わって5080系で運用されている。ただし、同日分の「みなとみらい号」は台風の接近により運転中止となったため、実際に運用されたのは同年10月27日からである。前面のヘッドマークは車内側から掲出されていた。種別・行先表示器の表示は復路は「急行 浦和美園」となっていたが、往路は「急行 元町・中華街」ではなく「臨時」であった。
- 2015年7月末から1年間、5050系5170Fに「いい街いい電車プロジェクト」のラッピングを実施していた。
- 2016年10月から1年間、5000系5104F・5050系4102Fに東急線アプリのラッピングを実施していた。
- 2018年1月中旬から1年間、5000系5107F・5050系5169Fに「にじいろ東急スクエア号」として東急スクエアのラッピングとヘッドマークの掲出を行っていた。
- 2020年9月より5000系5121Fが「SDGsトレイン 美しい時代へ号」としてラッピング・ヘッドマークを掲出し運行。当初は1年間としていた運行期間は2度延長され、2021年9月からは「SDGsトレイン 2021」として、2022年9月からは「SDGsトレイン 2022」として運行。2023年3月まで運行した。
- 2022年4月末より、5050系5151Fが「東急グループ100周年トレイン」としてラッピング・ヘッドマークを掲出。2023年3月まで運行した。
- 2018年8月末から2019年3月まで、5080系5188Fに「まちづくり100周年」のラッピングとヘッドマークの掲出を行っていた。
派生形式
横浜高速鉄道Y500系
→2004年のみなとみらい線開業時に登場。5050系とは共通仕様。
余談
- 2015年に宮前平駅に田園都市線で初めてホームドアが設置された。但し、これ以降にホームドアが設置された田園都市線内の他の駅と違い、点字ブロックの後ろに設置されている。これは当初、4扉規格のホームドアを5000系の6扉車に対応させたものであった。
東急は、異なるドア位置に対応できる「昇降ロープ式ホームドア」*7の実証実験を2013~2014年度にかけてつきみ野駅で行ったが採用には至らず、2015年に6扉車の2017年度までの置き換えを決定。とはいえ6扉車の置き換えには約2年掛かるため1日も早く整備を進めるための方法として、点字ブロックより後ろに設置するという特殊配置となった。*86扉車の置き換えが完了した2017年以降は点字ブロックの前に設置する通常の配置となった。尚、東急電鉄は、宮前平駅のホームドアを他の駅と同じ配置にはしないとのことである。 - 5050系5176Fの5号車(5576)は次世代ステンレス車両「sustina」車両。
- 東急電鉄のマスコットキャラクター「のるるん」は本形式がモチーフ。
カオスバトルでは
初出は不明だが、多めに参戦している。
- ムスカ大佐破壊神
5000系が参戦。 - 東武快速
カオスバトルNo.4で5000系、No.5で5050系、Advance -3-で5080系が参戦した。 - 青梅酸辣
カオスバトルmini12で派生形式の横高(みなとみらい線)Y500系が参戦。
技
コメント
ここまで長ったらしい記事を読んで頂きありがとうございました。追記及び修正は、相鉄線で川越行きと川越市行きを間違えずに乗車できた方にお願いします。*10