ロボvs怪獣(仮)

Last-modified: 2020-05-29 (金) 17:14:28
 
 

【基本データ】

ロボ研からの依頼で制作した第二作目。文化祭で上映後、DVDを販売した。1枚500円。
ちなみに正式なタイトルは不明で、「ロボVS怪獣(仮)」はアニメ版で制作中アテレコの場面で部員らが所持していた台本表紙から。他には原作では「ロボットアニメ」「ロボアニメ」等と表記されている。ここでは一番タイトルらしい名前という理由から「ロボVS怪獣(仮)」を採用している。
アニメ版では本作から百目鬼が早々に合流。美術部の登場や水崎の過去エピソード、ロボ研の活躍などオリジナル展開が多い。

【ストーリー】

芝浜高校の地下で振動を観測。怪獣が出現。作業員たちが配置につき、ロボット発進。地下でカニと遭遇するも取り逃がし、校内に再出現したカニと戦闘して勝利する。
浅草はロボットと生き物のどちらかが正義というわけではない、互いに「何かを守る」と思って必死に戦う動物同士の取っ組み合いを描きたかった(が、そこまで描くことはできなかった)。*1

【制作過程ドラマ】

文化祭のテーマが「ロボット」ということで注目されるロボ研がさらなる予算獲得のアピールのため映像研にロボットアニメ制作を依頼。設定の整合性を重視する映像研側と虚構のロボを愛するロボ研側で衝突するも小野の熱弁で浅草水崎両氏と意気投合する。ロボ研からのリクエストに応え、装備を山盛りにした挙句ガテン系ロボができてしまった。

 

PCがあれば効率があがるという意見を受け、金森が東奔西走しPC一式を手配。一方浅草は絵コンテを進める。物語の設定を登校前の時間にして人の描写をカットした。水崎は浅草が苦手とするアクションシーンを描く。演技力のなせる業であった。

 

順調に進んでいたようだったが、突如浅草から「ロボアニメはやめよう!!」と提案。「バカヤロウ!!」と即答する金森。設定を練れば練るほど矛盾が生まれ、万人が納得する設定にはならないという。ロボアニメ制作とは逃れられない罪を背負うこと。何をやっても非の打ちどころがある。不完全な巨大ロボ。この最善案と死ぬだけか…と肩を落とす浅草に「人の目なんか気にせず巨大ロボを描きゃいいんすよ」「あなたがダメだと思うから、この作品はダメなんですよ。他人なんて関係ない。監督なんすよあんたは。」「あんたがこのロボットに満足できないなら、『更に好き勝手描く』以外の選択肢はないんすよ!」という金森の檄を受け、浅草が再起動。さらなる設定を描きあげた。

 

一方で水崎もまた悩んでいた。満足のいく動きが描けないのだ。どこが問題なのかわからない金森は「そのこだわりは細かすぎて伝わらない」と発言。対して水崎は「大半の人が細部を見なくても、私は私を救わなくちゃいけないんだ。動きの一つ一つに感動する人に、私はここにいるって、言わなくちゃいけないんだ。」と、アニメとはすべてが作者の意図して描いたものでありそのこだわりは私に通じたぞっていうのをやるために私はアニメーションを描いていると熱弁。浅草も密かに最強の世界は自分で描くしかないことを再認識した。

 

結局泊まり込み、文化祭当日の朝一応の完成を迎える。カリスマ読者モデル水崎を広告塔に作品を売り込む作戦も功を奏し、DVDは120枚が完売した。

 

【大童先生のTwitterメモ】

●このロボットのカラーリングは、本来モノクロの原作漫画の中で唯一明確に色が決まっていたメカなんです。細かいメカの構造や塗り分けを、アシスタントに伝える為に視覚的に見やすくなる色をつけるのですが、このガテンロボは特に色を明確に塗り分けた…その時点ではアニメ化されるとは思ってなかった。大童先生Twitterより
●何のために描いてるんだ?って思ったんすよ。まず俺自身がロボットの矛盾・説明不足・設定不足に耐えられなかった。だから浅草も耐えられなくなったし、金森は描きたいものを描けと言ったし、水崎は自分を助けるために描くんだと言った。だから俺もそうした。ロボ研の答えも映像研の答えも俺の答えも。大童先生Twitterより

  • ロボットの名前は『SHIBA8』
 

【アニメ版オリジナル要素】

アニメ版では本作より百目鬼が映像研に参加。効果音の顧問として活躍する。
背景を美術部に依頼したり動画作業をPC部に担当させたりと外部に発注する様子が多くみられるがコミュニケーションがうまくいかず人と話すのが苦手な浅草は大変疲弊していた。ロボ研部員たちも自ら声優として作品に参加している。
金森が浅草に檄を飛ばすシーンのセリフに一部追加がある。
文化祭当日、プロモーション活動にロボ研が大活躍するほか、当日上映中生アテレコをした。
原作では上映後DVD販売を行ったが、アニメ版ではDVDの予約販売に変更されている。
当作品中に登場する動きが水崎の独特な動きを元にした演出になっているほか、水崎が体験したエピソードなども演出で組み込まれている。(曾祖母のお茶を捨てる動き、水崎の箸の持ち方、水崎の独特な走り方、曾祖母の歩き方等)


【湯浅監督Twitterメモ】

●現実には作品をやめようとするPと止める監督ってのもある #映像研6 湯浅監督Twitterより
●1話から見返す人は水崎の所作を見てると○湯浅監督Twitterより
●美術部悪い奴に描いてるつもりない。お互い説明と理解が不十分であれば起こりがち湯浅監督Twitterより

 

●カラースプリクトを担当したバティスト・ペロン氏のコメント
Eizouken episode 8 ! Once again I have been more than happy to help with a colorscript and color-designs for this epic Robot VS Kaiju battle. I've really enjoyed Mizusaki's touching story on episodes 7 and 8 and the great animation direction ! BatistePerron氏Instagramより(リンク先にカラースクリプトが投稿されている。)


*1 第4集 第26話「世界の見え方」