サジタリウス(戦車)

Last-modified: 2023-11-14 (火) 23:58:35

サジタリウス(エティア語:Sagittarius)は、サルバトーレ=ヴェリオ・グリフィス社(通称:SVG)が開発した第3・3.5・4世代主力戦車。
エティア連邦軍で運用され、現在はほとんどの機甲部隊において、旧式戦車のスコルピウスからの置き換えが終了している

サジタリウスの名は、エティア語において「射手座」を意味する。

サジタリウス
いつか作るかもしれないし、永久にここに写真は無いかもしれない
未掲載
全長9.13m
車体長7.8m
全幅4m
全高3m
重量Mod.A:64t
Mod.B:62t
Mod.C:65t
速度59km/h(整地)
53km/h(不整地)
行動距離440km
主砲50口径120mm滑腔砲SVG C/50 120mm
副武装20mm機関砲AP13 20mmx1
12.7mm機銃 K11 12.7mmx1
対戦車ミサイルFecchiaDx2
エンジンMod.A/B4ストロークV型12気筒
Mod.C:4ストロークV型8気筒
Mod.A/Bターボチャージド・ディーゼル
Mod.C:水冷ディーゼル

Mod.A/B1,100hp
Mod.C:1,280hp
乗員6名(Mod.A)
4名(Mod.B/C)

開発経緯

トンブ独立戦争以前に開発され、既に旧式化していた「スコルピウス」戦車を代替するために、2006年に連邦軍制式次期戦車策定計画「アルシエレ06(Arciere 06)」において以下の要求がなされた。

-最低でも50口径120mm滑腔砲を主武装としている

-副武装には最低でも12.7mm口径機銃を搭載している

-取り外し可能な形で、装甲車対応のミサイルランチャーが搭載出来る

-モジュール式の複合装甲を採用している

-オートローダー搭載(方式は問わない)

-ミサイル警報装置搭載(レーザー式、その他は自由)

-乗員が4名以上で運用する事を前提とする

-拡張性・改修性に優れる

この要求に基づき、IPN(北方連邦重工)社・ILM(南ラタビア重工)社・SVG(サルバトーレ=ヴェリオ・グリフィス)社・CPG(セントレラ総合重工)社の4社が、策定計画試験に参加した。

2009年にそれぞれ4社の試作車での試験評価が行われた。以下にその際の各社試作車の概要を示す

IPN社製試作車(「IP-Z068」)

主砲:45口径140mm砲

副兵装:12.7mm機銃x3

装甲:モジュール式複合装甲(RHA+セラミック)+爆発反応装甲

ベルト式オートローダー搭載(12発)

ミサイル警報装置搭載(レーザー式)

乗員4名

ILM社製試作車(「IL-Z069」)

主砲:50口径140mm砲

副兵装:12.7mm機銃x2

装甲:モジュール式複合装甲(RHA+チタン合金)+爆発反応装甲+追加装甲

ベルト式オートローダー搭載(16発)

ミサイル警報装置搭載(レーザー式)

乗員4名

SVG社製試作車(「IL-Z070」)

主砲:50口径120mm砲(後のSVG C/50 120mm)

副兵装:20mm機関砲x1・12.7mm機銃x1

装甲:RHA+モジュール式複合装甲(RHA+セラミック or RHA+チタン合金)+爆発反応装甲

リボルバー式オートローダー(10発)

ミサイル警報装置搭載(レーザー式)

乗員6名

CPG社製試作車(「IL-Z071」)

主砲:45口径130mm砲

副兵装:12.7mm機銃

装甲:モジュール式複合装甲(RHA+セラミック)+爆発反応装甲+追加装甲

ベルト式オートローダー搭載(22発)

ミサイル警報装置搭載(レーザー式+赤外線式)

乗員4名

簡易的ヘッドマウントディスプレイ採用(後のサジタリウスMod.Cにて概念が採用)

2011年、比較検討の結果SVG社に新型戦車計画を一本化させる事が決定し、試作車が追加で15両発注され、2012年中に全車が完成した。
2013年に中に、特殊戦技・戦術研究団第3機甲集団において試験運用・最終試験が行われ、2014年に「SVG サジタリウス」として採用された。

構成

圧延鋼板の溶接構造による全体に四角いシルエットを持ち、砲塔の前部傾斜が強く、これが外観上の特徴となっている。
車体と砲塔の前面・側面部に複合装甲が使用されている。

  • 車内配置(Mod.A)

車体前部中央右に操縦手、砲塔内右に車長と砲手、左に装填手が搭乗する。
弾薬は操縦手横及び砲塔直下左側に配置されている。

  • 武装
    • SVG社製120mm滑腔砲(2軸安定-9~+22度・サーマル・スリーブ・排煙器・ボアサイト)
    • 20mm AP13機関砲 主砲同軸
    • 12.7mm K11機銃 車長用キューポラ又は装填手用キューポラ
    • FecchiaD 対戦車ミサイル(2発・オプション)
    • EnArm社製TCF-CMS(Tank Common Firepower Control Modular System) FCS
      • 車長用昼夜間自動スタビライズド・パノラミック・サイト
      • 砲手用自動スタビライズド・サイト
      • FRCM14 弾道コンピュータ
      • センサー類
      • ボアサイト
      • コントロール・パネル

2軸安定であり走行間射撃が可能。本車ではAPFSDS-Tが主に使用される。

  • 駆動系(Mod.A)

エンジン部は変速機と一体化されたパワーパックとして搭載されている

  • エンジン:メール・オート社製ターボチャージャ付き空冷4ストロークV型12気筒直噴ディーゼル・エンジン 1100馬力(路上最高速度:59km/h)
  • 変速機:メール・オート社製SHVC10自動変速機(リターダ付き)
  • 燃料タンク:グラスファイバー製 戦闘室後方左右(航続距離:440km)
  • 車輪機構:転輪 7軸、上部支持輪 4輪、ゴム製サイドスカート付き
  • 履帯:履帯幅625 mm、ダブルピン式
  • サスペンション:トーションバー独立懸架、前部3軸と後部2軸に油気圧ショック・アブソーバー装備
  • 渡渉水位:1.1メートル、簡易装備で2メートル、
  • 車体装備
    • EnArm社製LGMA レーザー警報装置

近代化改修

2019年、連邦国防省国家兵器管理庁(ANCA)は"Sagittarius AsF"プログラム(Sagittarius Aggiornamento sulla futurizzazione,Futurization Update)を約6000万E$で契約し、サジタリウスを他国家の第3.5世代MBTと同等まで引き上げる計画を開始した。
この計画では以下の改修が予定されている。

  • 対IEDシステムの搭載
  • TM17と同等の照準・火器管制システム
  • 新型APFSDSの採用
  • 必要乗員の削減と軽量化
  • ハードキル方式のAPSの搭載

2022年3月に試作一号車が連邦陸軍により試験され、良好な結果を得た。

2024年6月に試験完了によりT14M1(Sagittarius Mod.B)として運用が開始された。

しかし、2028年にて他国戦車との比較において、当戦車の能力は劣っている事が判明し、結果として"Sagittarius AsF2"プログラムが発足した。
この計画では以下の改修が予定されている。

  • エンジン出力を1,100hp→1,200hp以上に増大
  • エンジン出力増大に対応したトランスミッションの換装
  • 幅広の新型覆帯による軟弱地盤での走破性向上
  • C4Iと広域データリンクへの本格対応
  • 戦車視界確認乗員用HMD・AIコンピュータの搭載
  • 各種センサー類改修

2031年に試作一号車の試験が開始。

2033年に試験終了、同時にT14M2(Sagittarius Mod.C)として運用が開始された。

2035年に発生したゼルヴァーグ戦役において当戦車は初陣を飾り、かなりの戦果を挙げた。