ToB Endings

Last-modified: 2018-06-08 (金) 05:23:25

エンディング集

神エンド(Good)

その神性を受け入れるうち、そなたの人性は失われていく。
友、そして敵との戦いを通じて、そなたは自らの運命を克服し、影を光へと変えた。バールが持つ地獄の力はすでに支配を失ったのだ。
そなたは自らの神の力を、善と調和のために行使する。
様々な事が終わりを迎えた。しかし、そなたの前には新しい運命が無限に広がっている。
今や数多の次元を見通すそなたの眼をもってしても、想像だにできなかったような強大な邪悪が、戦いを待っているだろう。
そなたの名前は暗い時代の光明となる。
闇に仕える者どもがそなたの怒りに怯える間、そなたの物語は人々を鼓舞し、また導くだろう。
それは世界の様相を永遠に変える、遺産なのだ。

神エンド(Evil)

宿命を受け入れ、バールの遺産を自分のものとするうち、そなたの人性は失われていく。
そなたは神の力を受け入れ、己の邪悪な力が全てを覆い尽くすのを感じる。
アビスがそなたを待っており、今やそなたの邪悪な欲望にまかせて好きなだけ変えられるのだ。
もはや全ての敵は叩き潰されたが、また新しい敵がやってくるだろう。
そなたは数多の次元の一つに居り、いかなる挑戦をも叩き潰すと確信しているからだ。
そなたは神の運命を盗み、その前に立ちはだかる者は誰もいない。
時を経て、全ての者はそなたの恐怖に満ちた名前を知るだろう。
そなたの力と策略は伝説となり、その暴政は広く知れ渡るのだ。
そなたこそバールの後継ぎであり、ロード・オブ・マーダーである。そなたが世界に刻み付けた傷跡は、永遠に残ることだろう。

人間エンド

神の力がゆっくりと消え、そなたは一瞬、何とも言えず空虚な感覚に見舞われる。
それは恐ろしいが、まもなく新しい感覚、望んでいた感覚が生まれる。
親しい仲間たちが側で見守るなか、そなたは自分の人生を、バールの預言の駒としてではない、自由な人生を得る。
そなたの冒険はここで終わる。しかし新しい冒険が待ち受けているだろう。
そなたは人の子としても畏敬の念を受け、その力は、好意であれ別のものであれ、注目を集めるからだ。
そなたの人生はそなた自身のものとなった。そしてその試練も。
年を経て、そなたの名は、伝説の英雄や悪者とともに吟遊詩人に歌われ、その偉業は遠く広がるだろう。
人の子となり、そなたに与えられた時間は限られている。しかし、そなたが世界に残した足跡は、後世まで語り継がれるだろう。

NPCエンディング

イモエン

何があっても無邪気な心を失わず、長きに渡りCHARNAMEの影にい続けた彼女であるが、その後は我が道、我が人生を歩むことになる。一時は幼少を過ごしたキャンドルキープに戻り、目覚めた魔術の才覚によりその無数の書物に一層の興味を示したそうだが、成長した彼女にはその城壁が狭く感じられたのか、長居はしなかったようだ。後に、ケルベン・「ブラックスタッフ」・アルンスンやエルミンスターなどのそうそうたる顔触れと共にいるのを目撃されている。これら偉大なる賢人を相手に、その頭の堅さを何とかするよう諭していたというのだから、いかにもイモエンらしい。彼女自身の影響力も次第に強まっていき、一説によれば新たな盗賊ギルドを立ち上げ、今やネバーウィンターにまで支部を持っていると言われているが…このことを本人に尋ねると決まってあの無垢な笑顔と、あたしはイモエン、相変わらずだよ、という言葉で返されたものだという。

ジャヘイラ

バールの子がらみの一連の出来事は、彼女に多大な影響を与えていた。万物の調和、バランスを保つことを大命とする彼女であったが、時が経つにつれ、そのための戦いがジャヘイラ自身の心の中で行われることが多くなっていった。CHARNAMEとの旅の中で多くのものを得、多くのものを失った彼女は、命のはかなさ、大切な者を失う苦しみを痛いほど味わっていたのだ。やがてジャヘイラは、時にはハーパーの一員として、時には単身で、休みなく戦い続けるバランスの探求者として知られるようになるが、他人とは常に距離をおき、心中の思いを見せず、一箇所に長居することも無かったという。ジャヘイラは生涯にわたり、レルム中を三回まわるに匹敵する距離を旅することになるが、テシルやソードコーストには決して戻ることはなかったと言われている。

ジャヘイラ(ロマンス)

バールの子の争乱以後、彼女の歩んだ道は明るいものだった。平穏とは呼べない毎日であった一方で、CHARNAMEとの仲は生涯続いたといわれている。二人を結ぶ絆は強く、使命や冒険などで時には何年にもわたって離れ離れになったとしてもお互いへの愛情は揺るぎ無かったという。ジャヘイラをよく知る者が、彼女がCHARNAMEとの関係に安心しているのを、最初の頃は慎重過ぎるくらいだったのに、と驚くと、本人は当時を思い出しては恥ずかそうに笑って言ったものだ。わたし達は文字通り、共に地獄を巡り、無事に帰ってきたのよ。神々の力でも引き裂けなかった仲が、少々の時間や距離でどうこうなるわけないでしょ、と。ジャヘイラは天寿をまっとうし、その生涯は幸多きものであった。たとえCHARNAMEが側にいなくとも、二人の心が離れてしまうことなど、一度たりとも無かったという。

ミンスク

バールの子の争乱が終焉を迎えると、彼は長年の誓いを果たすために故郷のラシェメンへと向かった。ソードコーストで立てた手柄を語り、アイスドラゴン・バーサーカー・ロッジへの仲間入りを認めてもらおうと考えたのである。ところがそんな必要などなかった。なにしろフェイルーン中の酒場でバード達がこの猛々しきレンジャーの武勇伝を歌い上げていたのである。英雄として迎えられたミンスクはやがて「正義の拳」と銘打った一団を結成し、大小の悪党を震え上がらせ、片端からこれを成敗して歩いたという。後年、歳を重ねたミンスクは再び長旅に出かけ、そのまま帰らなかったと言われている…では、相棒のブーはどうなったのだろうか? …無論、ブーあってのミンスクなのだから、離れ離れになるはずなどなかろう。彼等は今でも天から見守ってくれているのだと人は言う。ハムスターが巨人に比肩し、戦士が伝説となる、そんな星の世界から。

エドウィン

CHARNAMEとの旅で広く名を知られるようになった彼は、以後、その悪名高さを大いに活用したという。やがて古巣のレッド・ウィザードを丸々傘下に入れてしまうほどの影響力を持つに至り、近年稀に見るほどの強大な長老として彼等の上に君臨した。皮肉にも在位の短さも近年稀で、程無くしてその座を追われてしまったそうだが…覇権を狙う者が列を成して現職の隙をうかがう、群雄割拠の地セイならではの話である。この失態以後、エドウィンの名が轟いたのはただ一度だけで、シャドウデイルの大魔道師、エルミンスターその人との決闘に際してであった。決着はあっけなくついたそうで、エドウィンの人生はそこで幕を閉じるわけであるが、エドウィナの方はウォーターディープの酒場を切り盛りしているらしい。その性格の悪さは、まことに想像を絶するという…。

ヴィコニア

CHARNAMEとの旅を終えた彼女は北方のウォーターディープの街で守護神シャールを祭る宗派を築き上げたが、信者の一人に裏切られて激高し、傘下の者を皆殺しにしてしまったという。シャールはこのことでヴィコニアを激しく非難したが、当人は懲りた様子なく、再びレルム各地を放浪する毎日に戻っていった。彼女の武勇はあいも変わらずで、シールド騎士団のカリムポート侵略を阻止したばかりか、かのドリッズト・ドゥアーデンと共闘してエルフの街サルダネッセラーをゼントゥリムの策謀から守るのに一役買ったとさえ言われている。これにより、ヴィコニアはエルフ達に受け入れられ、エレシーム女王からドロウとしては史上初めて、セルダリンの最高栄誉を授かっている。儀式に際し、ヴィコニアは黙したまま表情も無く一礼し、その場を立ち去ったという。以後の彼女の行方については、知る者も知る由も無い。

ヴィコニア(ロマンス)

テシルを後にした二人は以後も長きに渡り冒険の旅を続け、良き片腕のヴィコニア共々、政治においてもCHARNAMEの名が広く知られるようになった。やがて彼等は長男をもうけ、当初はそのことで二人の間に波風が立ったが、いつしかヴィコニアは我が子を育てることに心血を注ぐようになり、ドロウと地上びと両方の慣わしを彼に授けたという。愛息の聡明さを何よりもの喜びとしたヴィコニアであったが、悲運にもその成長を見届けることはなかった。ロルスの刺客の毒に倒れた彼女はCHARNAME一人にみとられ、その耳に囁きながら息を引き取ったという。以後、彼は人目を離れて残された息子を育てるが、彼等のその後については諸説が存在する。ドロウに弔い合戦を仕掛けたという話も中にはあるが、一つだけ共通して伝えられているのはCHARNAMEが生涯、闇に生まれし愛妻との思い出を忘れなかったということである。

エアリー

CHARNAMEと道を別にした後も全ての奴隷の解放を至上の義として旅を続けた彼女だが、自らが囚われの身であった時に奪われた翼… 大空を飛び回る自由… 捨て切れぬその思いがいつしか怨恨となり、彼女の優しさに影を落としつつあった。コアミアで奴隷としてつかわれていた同族の有翼エルフ、アヴァリエルの一団にたまたま出会わなければ、エアリーは復讐心のあまり自分を見失ってしまうところであったろう。彼等との触れ合いにより思い立ち、生まれ故郷のファエンヤ・デイルに帰りついた彼女はそこで多くを学び、もはや自分はアヴァリエルとしての生き方を忘れ、翼を必要としてはいないのだということを悟った。エアリーはやがて恩師クァイルから聞き知っていたノーム達の村、アンダーストーンに移り住み、そこでベアヴァン・ワイルドワンダラーの神官となった。彼女にとって唯一人の家族であったクァイル…その一族のもとで、ようやくエアリーにも安息が訪れたのである。

エアリー(ロマンス)

以後二人は離れ離れになることは一度もなく、冒険家としての暮らしも長男、そして後に生まれる長女を育てる傍ら、という程度になってしまった。それでも何年かの後にもう一度だけ、彼等は大いなる冒険行へと出立することになる。奴隷として味わった苦しみと失った翼の悲しみをエアリーが忘れきれていなかったためだと言われている。二人は何年もの昔にエアリーが生き別れた、有翼エルフ・アヴァリエルの住むファエンヤ・デイルを探し求め、方々を旅したという。こうしてエアリーは同族のみならず、行方不明の娘を何年も探し続けてくれていた、愛しい両親との思いがけない再会を果たした。迷いの晴れたエアリーとCHARNAMEはようやく、雲上の都市ファエンヤ・デイルにて婚姻の契りを交わしたのである。式に際し、エアドリー・ファエンヤとベアヴァン・ワイルドワンダラー両神の権化が、二人を祝福しに降臨したと言い伝えられている。

コーガン

CHARNAMEと別れた後の彼には、常に血の臭いがついてまわったという。ドワーフの一族の長を密かに殺害し、その臣下の怒りを巧みに他方へとし向けることで、その一族を思うがままに操るようになったとされている。以後、贅沢な生活を満喫するのかと思いきや、持ち前の無類の戦好きが昂じた彼は一族を率いてアンダーダーク内に攻め入り、レルム中を震撼させるに至った。ドワーフ一団の破竹の進撃には流石のドロウ・エルフ達も怯んだものの、所詮ドロウの玄関先に居を構えるなど無理な算段だったのであろう。最後にコーガンを目にした者は、歓喜の声をあげながらロルスの神官の首に斧をお見舞いする姿を語り伝えている。その光景は神格化されてドワーフの伝説となり、コーガンの血の侵略も今や聖戦と呼ばれてすらいるようだ。歴史というものには、狂人の中にも英雄を見出してしまう、そんな性があるのかもしれない。

ヴァリガー

バールの子の争乱の後も何年かは冒険を続けた彼は、荒野を旅し、ウォーターディープ近辺ではよく見かけられたという。やがてアスカトラへと帰りつき、家督より残された家で静かに暮らすつもりであったようだが、今や時の人となった彼を貴族連中が放っておくはずもなかった。周囲の熱望によりしぶしぶ警務長官の要職に就いたヴァリガーだったが、市に蔓延する汚職への憤りが彼を行動へと転じさせ、自分でも驚くほどの手腕を発揮することとあいなった。彼の任期中の活躍こそがコルサラの家名の復興の礎となったと言われている。ヴァリガーはやがて妻をめとり、生涯の誇りとなる一子をもうけた。その嫡男は父の教えを身上とし、いずれカウルド・ウィザードの長とまでなり、その組織に史上類を見ない改革の風を吹き込んだという。

アノメン

CHARNAMEとの冒険の後、彼は心中穏やかではいられなかった。バールの子の生まれ持つ闇の力の強大さを間近で見せられたことは、CHARNAMEの真意にかかわらず、守護神ヘルムへの彼の信仰心を揺るがすには十分だったのだ。アノメンは当ても無く流浪の旅を続け、やがて辺境の地・マズティカに辿り着いた。これはちょうど邪悪なクレリック、ヤマシュが魔族の侵略軍を率いて当地に攻め入ろうとしている時のことであった。アノメンは戦いに引き込まれるような形で、ろう城するマズティカ兵士の統率に一役買うことになったが、彼等を訓練する際に使命感や守護者の心得を説かざるにはいられない自分に気づいた。これこそがヘルムの教義の根幹を成すものであり、兵士達に説教をする中でアノメン自信の理解も深まっていったのだ。ついには彼の教えによって新たな力を得た、人呼んで「アノメンの使徒」達がヤマシュの軍勢を打ち破り、ここマズティカの地に新たな騎士団が誕生したのであった。

アノメン(ロマンス)

冒険の旅を続けるうちに、二人は行く先々で英雄として名を馳せるに至った。彼等の旅は実り多く、眼前の脅威やそれぞれの飽くなき好奇心のため、定めたはずの婚儀の日にちは幾度も延期が繰り返された。ようやっと式が実現しそうだとの報が海を越え山を越え、フェイルーン各地から英雄や名士が大挙して馳せ参じたという。誓いの儀は、旅の中で二人が巡り合った数え切れないほどの人々が見守る中をエルミンスターその人にとりしきられ、バルダーズ・ゲートの歴史に残る盛大さで執り行われたそうだ…。夫婦となって間も無く、アノメンとCHARNAMEは世間から身を退いたことになっているが、噂を鵜呑みにするならば、二人の冒険行が終わることはなかったという。

サーンド

CHARNAMEの選んだ道に満足した彼は、かつて生き別れになっていた息子、アスデイルとの暮らしへと戻っていった。しかしドルイドとしての使命により頻繁に家を離れているうちに、息子との間には亀裂が入っていった。何年もの後サーンドはドルイドの最長老の地位を得ようとしていたが、家を飛び出ていったアスデイルが邪悪な魔術を操りソードコーストを脅かす軍勢を指揮していることを耳にし、その栄誉を辞退した。家人としてすべきことも為し切れぬ自分にそのような大任を負うことなどできようもない、というのがその時の本人の言葉だったという。サーンドとアスデイル…決戦に際して彼等が繰り広げた死闘に、勝者などなかった。長年の別離が実の親子を他人たらしめ、二人が唯一ともにしたのはその死に場所であったという。今やその地には見事な樫の巨木がそびえ、毎年秋には、その葉を深紅に染めた姿が拝めるそうだ。

ヤン

CHARNAMEとの冒険行以後の彼の毎日は相変わらずごちゃごちゃしたもので、本人の誇張や真顔のほらに紛れてどこまでが真実…もとい、どこまでが嘘なのか見当もつかぬ按配である。自伝「ここにもヤンセン嗚呼ヤンセン」によると、サルの密輸で捕まってしばし牢に繋がれた後、若くして心を奪われ夢中になったという、…サルの密輸に…再び手を出したそうだ。そして、これが昂じて起きたとされているのがかの悪名高き72年のテナガザル騒動であり… これはシャドウ・シーフでヤンのかつての恋敵、ヴァーラグの屋敷を中心に起こったとされるぞっとしない騒ぎの通称で… 後にヤンはヴァーラグに対する企みなど無かったと弁明しているものの、刃物を巧みに振り回すサルの一軍を一体何に使うつもりだったのか…という問いにはすかさず茶を濁している…。兎にも角にも、信用できない人物として疎まれていたヴァーラグの死について、ヤンが罪を問われることはなかったという。世にも奇妙なことに、ヤンには事件当日に関しては1分1秒に至るまでアリバイがあったのだ。レルム中のヤンセン一族が証人として馳せ参じて出廷し、彼がその日ひょっこり現れたので、おやつにカブを御馳走した、等の話を延々と続けたそうである。しばらくの後、長年の恋が実を結んでヴァーラグ未亡人でもあるリサとの婚儀を挙げたヤンであるが… テナガザル騒動の当日一日でどうやってあれだけ多くの親戚のもとに顔を出せたのか云々… 式の際、そう尋ねられたヤンは、「あれだけサルがいれば、夢のようなことだって起こりうるぞ」と、まこと含蓄ある言葉で煙に巻いたという。

ナリア

CHARNAMEとの旅の後、名実ともに力をつけていくことになった彼女は、当初は冒険を続けて魔術の識見とともに名と顔を広げていったが、一年の間各地を渡り歩いた後に生まれ育ったアムンの地、デアルニス・キープへの帰路についた。家督は領地ともども元・許婚のイサイア・ロウナルその人の手中に落ちていたが、彼の予想に反してわがまま娘から一皮も二皮も剥けていたナリアは単身、イサイアの悪行を日の下に曝してこれを法の前にひざまずかせた。亡き父、デアルニス公爵の爵位を自ら継いだ彼女は民心厚き統治者となり、大魔道師としての名も手伝い、やがてアムンのカウンシル・オブ・シックスの一席を占めるほどになった。以後もナリアは、貴族連中やカウルド・ウィザードに敵を大勢つくりつつも民衆の味方として奮闘し、長年に渡りアムンの名士として名を馳せるに至っている。

ケルドーン

CHARNAMEとの旅を生涯最後の冒険、そしてレディエント・ハート騎士団の一員としての最後の任務と考えた彼は、静かに余生を過ごそうとアスカトラに帰っていった。しかし何年もの後、ケルドーンが生まれて60回目の冬に、もう一度だけ彼に使命が下されたのだった。アムンの地がジャイアントの一団によって侵略されつつあり、彼はたった5人の騎士を引き連れ、本隊到着までの時間稼ぎとして尾根を守る任についた。戦いには勝利したものの、ケルドーンの傷は深く、歴戦の勇士もついに力尽きてしまった。部下達が見守る中で、パラディンの神・トルムの手が宙に現れて舞い降り、ケルドーンと共に消え去ったと言われている。その日以来、トルムがその姿を現わす時には必ず、その右脇に鎧姿のケルドーンの勇姿が伴ったと言われている。

マジー

CHARNAMEの戦友として修羅場の数々をくぐり抜けてもなお、彼女の冒険心が弱まることなどなかった。それどころか、テシルでの一連の出来事から間も無くしてマジーはかの「フェンタン騎士団」を結成したのだ。後にレルム中で名を馳せることになるこの猛者の一団は、町々を脅かすトロールの大群と戦い、太古から続く森を守るためにオークの軍勢を退け、世のためにと強大凶悪なドラゴンのねぐらに乗り込みさえしたという。彼等の伝説には時とともに誇張が加わり、とりわけマジーに関しては、勇気が背丈に現われるなら、マジー・フェンタンはジャイアント並みに違いない、と、誤解を招くような噂が飛び交ったという。危険に満ちた生涯をおくりつつも、マジーは静かな晩年を過ごし、天寿をまっとうしたという。その数え切れないほどの偉業の一つ一つを、かけがえ無き自らの誇りとしながら。

エルダリス

CHARNAMEとの旅でレルムの世界の味をしめた彼は、一行と別れた後も好奇心尽きることはなかった。ウォーターディープ、ネバーウィンター、セイなどの各地を訪れては、意図せずして現地のいざこざに巻き込まれて逃避行を繰り返していた。後に女性のキャンビオンと懇意になり、彼女と共に次元の狭間、アビスへと帰ることになったが、そこで思いがけず地獄の多階層に及ぶ反乱を率いる破目になったりもした。一時期は多元世界のどこへ行っても賞金首、というエルダリスであったが、彼の漂浪好きは各地の敵の執念をすら上回り、やがて五体満足で故郷の異次元都市、シジルへと帰りついた。そこでラエリス・シャイの一座と再会を果たし、ようやっと腰を落ち着けることに満更でもなさそうな彼であったが…それも、次のいざこざを起こしてしまうまでの束の間のことであろう。

サレヴォク

CHARNAMEによってこの世に蘇ってからの彼は、決して一箇所にとどまろうとはしなかった。ベルドゥスクを侵略せんとするオークの一軍を撃退した時などは、そのあまりの猛々しさと力に民はオークと彼のどちらを恐れるべきなのかと迷ったという。ウェストゲートの街には一転して侵略者として現われたサレヴォクは、そこで横暴の限りを尽くしておきながら、その数月後に突如として行方をくらましたという。まるで正気を失したかのような振る舞いを続けた彼だったが、生と死の狭間に囚われ、そのいずれにも達せられないのだ、というのがどの噂にも共通した見解であった。サレヴォクはやがて姿を消し、今度は異次元の侵略に乗り出したのだ、いや自らの命を断ったのだ、などと言われたものだが、実際には生涯で唯一人愛した女剣士のタモコを埋葬するため、彼女の故郷である遥か東方のカラタールへと旅立ったようだ。サレヴォクが再びソードコーストに姿を現すことはなかったが、彼にまつわる伝説の数々は今日も語り継がれている。

ドルン

彼の感情を諫める者が側にいないという事実は、彼に、避けようの無い悪しき運命が訪れることを暗示していた。彼は神々の怒りを逃れることには成功したものの、“法学者傭兵”であるマーシー・ホワイトダヴとの戦いに敗れ、捕縛され、裁判のためにラスカンへと送還された。彼はあらゆる男女への殺戮行為と、バロウと呼ばれた村での子供達に対する虐殺行為により有罪判決を受けた。そしてこれが、彼の暗い道のりの始まりとなった。

 

ドルンは死刑を宣告されたが、執行される前に彼は三回刑務所の壁を破った。二回目には、彼を刑務所へと送り込んだホワイトダヴその人の手によって追い詰められ、送り返された。最後に捕縛された時、ドルンを生かしたまま送還しても意味は無いと判断され、また、ホワイトダヴ自身の命を守るために、“バロウの殺戮者”と呼ばれた者は、彼女の手によって斬り殺されることになった。戦いの末に命を落としたという点で、ドルンは最後の最後に、わずかな成功と尊厳を手に入れたのである。

 

ドルン・イル=カーンの物語は、規律に欠ける我儘な子供を持つ両親と、ドルンの行動を賛美する下劣な者たちにより、その後何十年にも渡って語り継がれることになった。

ラサード

ディープストーン鉱山での出来事の後、アローゴスの姿は何年にも渡って見られることは無かったが、“闇をもたらす者”はそこでは死んでいなかった。しかしアローゴスが再びこの世界に姿を現した時、ラサードは兄の仇へ対する気持ちを失っていた。

 

ラサードは最終的に、彼を受け入れてくれたトラストの中に平和を見つけ出した。彼はシャアやセルーネイの寵愛を失い、信仰への道――またはそれを率いる指導者――を失くしたトラストの者たちに対して、暴力を捨て、より寛容的になることを説き続けた。

 

その後、彼と彼の弟子たちはクラウドピーク山脈の中にある修道院へと居を移し、そこでラサードは日々瞑想して過ごし、平穏な余生を送ったと言われている。

ニーラ

ニーラは北へと戻る旅路の中、道沿いにある宿屋や酒場に入っては、真実と嘘が混じり込んでいる彼女とCHARNAMEの物語を語るバードの話に耳を傾け、いつも笑っていたという。彼女がハイフォレストに到着した時、彼女は英雄として歓迎され、トリエントのターラング自身から祝福の言葉を受けた。その後彼女は、自分の人生の幸せと安寧を求めて、隠し砦にて生き残ったワイルドメイジたちと再会するために再びアムンへ戻った。しかし、安息の日々を送るには、彼女の名声と力はあまりに大きかった。

 

彼女はすぐにアムンを離れ、月海地方へと渡った。そこでは得意のワイルドサージの力を借りて、係留されていたサーイの奴隷船を一人で三隻沈め、メルヴォントからレッドウィザード勢力を追い出すことに成功している。この事件はサーイの注目を集め、ニーラはまたしてもレッドウィザードに追われる立場となった。しかし彼女は、ザス・タムとの間に相互利益を見つけ、新たなる同盟関係を結ぶまでは、レッドウィザードに追われる日々を楽しんでいた。

 

最終的に彼女はソードコーストへと戻り、彼女の友達と思い出とともに、安寧の日々を過ごしたと言われている。

ヘクサート

バールの化身であるCHARNAMEの友人であったヘクサートのその後については、ほとんど記録が残っていない。そうしたことを好まない彼女が、用意周到に自らの足跡を遺さずに生きたのであろう。カブリナによって、ラーロックの新たな仕事人であるヴァンパイアの話は語り続けられてきたが、その話はいつしか、ヘクサートが任務を完了するために死から蘇り、それと引き換えにドラゴミールの墓で人間性を失ったという訓話に置き換わってしまっていた。

 

CHARNAMEとの旅の数十年後に、正体不明の女性に関する物語がチュルト全体に広がっていった。それは、悪魔と見紛うウブタオのクレリック達が、全身の血を抜き取られて死亡するという復讐の物語だった。真偽のほどは定かではないが、その後にウブタオ信仰はチュルト大陸において激減し、最終的にはウォーターディープなどの大都市における、移民社会の中での小さな集まりでのみ存続することになった。

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