虫歯の予防法

Last-modified: 2010-11-17 (水) 16:29:20

虫歯を予防するには4つのポイントがあります。
 虫歯予防は、

  • 細菌を取り除く
  • ショ糖類を制限する
  • 歯質を強化する
  • 虫歯になりにくい環境をつくる
    ことで予防ができることになります。
     
    下記の各要素に対しての予防方法において、「主な方法」は、比較的現実的な方法、
    その他の方法」は、現実的にハードルが高めの方法です。
     

細菌(ミュータンス菌、ラクトバチラス菌)を取り除き方

  • 主な方法
    • ブラッシング(歯みがき):歯に付く歯垢(細菌の塊)を歯ブラシで物理的に取り除く方法
        →歯の表面(平らな部分)は比較的簡単で対処できるが、歯の溝や歯と歯が接している部分は細菌を取り除くことはできません。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシ、デンタルフロスを使うと効果的です。

  • その他の方法
    • 細菌を薬剤で殺菌をする方法
      →口腔内の虫歯の原因になる細菌を薬剤で殺菌すると虫歯は抑えることはできますが、そのかわり本来細菌数が少なく活動が抑えられていたもっと人体に悪影響を及ぼす細菌が活動できるようになるため(菌層の交代)、虫歯予防の効果はありますが、それ以上に重篤な疾病がおきる可能性があるのでドクターとよく相談してください。

ショ糖類を制限する。

  • 主な方法
    • 甘味制限:細菌のえさとなる甘い食べ物を制限する方法
    • ブクブクうがい:できるだけすぐに糖を洗い流す方法
        →細菌のえさとなるショ糖類を制限することにより、細菌の酸の代謝が減少し歯質の溶解を抑制します。また、ショ糖類摂取は量ではなく、口の中にショ糖類が長く滞在したり、口にする回数が多いほど細菌が酸を代謝する時間が多くなり虫歯になりやすいので、できるだけすぐにブクブクうがいをするようにしましょう。

  • その他の方法
    • ショ糖類以外の代換甘味料を使用する方法
       →キシリトール入りシュガーレスガムなどを選ぶようにしましょう。

歯質を強化

  • 主な方法
    • フッ化物(フッ素)の利用:歯の表面(特にエナメル質)が酸に溶かされにくい状態にして歯の構造を強くする方法
       →フッ化物を応用した方法は、世界でも安全で効果がある方法で、フッ化物洗口剤でのうがいとフッ化物の歯面塗布、フッ化物配合歯磨剤、フッ化物含有シーラントなどの方法があります。また、歯質全体に作用しやすいので虫歯予防の方法としては簡単にできる方法です。ただし、日常習慣として継続が必要です。

  • その他の方法
    • シーラント:虫歯になりやすい歯の溝を埋める方法
       →直接、歯質を強くする方法ではないが、歯科医院で虫歯になりやすい奥歯の溝をセメント(フッ化物入りが多い)で埋める方法で、効果は大きい。しかし、虫歯になりやすい歯に限定した方法でもあること、費用も高いことが、難点です。

虫歯になりにくい環境の作り方

  • 唾液を増やす
    • よく噛んで唾液をしっかり出す
    • こまめに水分補給をする
      →唾液の成分は99%が水で、洗浄作用・抗菌作用・抗溶解作用などの働きがあり、虫歯になりにくくします。また、エナメル質を強化し、歯の再石灰化を助け、酸を中和します。唾液が多いと酸が中和され、歯の表面を守ります。逆に唾液の分泌量が減る就寝中は虫歯が進行しやすいです。

  • 時間の経過
    • 食後のPHコントロールを意識する
    • だらだら嗜好品を口にしない
    • 夜の歯ブラシを念入りに行う
      →口の中は何もしていない時はPH6.7位の中性に保たれているが、糖分が長い時間口の中にあると、口の中のPHが下がり酸性になると虫歯になりやすい。
      酸性になった口の中を中性に戻すまでは、状況により異なりますが、約40分位かかります。