こうして遠征隊の一行は冒険者達と共に、混乱したクルダハルを目指しイーストヘイヴンを出発した。彼らは風の吹きすさぶデイルのツンドラ地帯を抜け、"世界の背骨"の山麓を渡り、クルダハル峠の険しく危険な道を進んだ。彼らは邪悪なる者の正体を突き止めたいとは願っていたが、自分達がそれに出会うことは予想すらしていなかった。崖の上にフロストジャイアントの一団が待ち伏せしていたのだ。フロストジャイアントは石を投げ、大きな氷や雪の塊を動かして巨大な雪崩を起こした。雪崩は山を轟かせ、遠征隊の下へ一気に襲い掛かった。恐るべき雪崩から生き延びた幸運な者達が雪の中から這い上がってきた。しかしイーストヘイヴンに戻る道は完全に塞がれてしまった。多くの仲間を失い途方に暮れる生存者達であったが、クルダハルへの旅を続ける他に選択の余地は無かった。